JPH07125136A - フッ素樹脂フィルムを金属表面に被覆する方法 - Google Patents

フッ素樹脂フィルムを金属表面に被覆する方法

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JPH07125136A
JPH07125136A JP5273504A JP27350493A JPH07125136A JP H07125136 A JPH07125136 A JP H07125136A JP 5273504 A JP5273504 A JP 5273504A JP 27350493 A JP27350493 A JP 27350493A JP H07125136 A JPH07125136 A JP H07125136A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フィルム密着性に優れたフッ素樹脂フィルム
被覆鋼板を製造するための新規なフィルム被覆の方法を
提案する。 【構成】 必要に応じてプライマーの塗布などの下地処
理をした金属表面に、1分子単位内に4原子以上のフッ
素原子を含むフッ素樹脂からなる樹脂フィルムを被覆す
る方法において、当該金属の樹脂フィルム被着面を、予
め前記フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い温度に加熱
調整すると共に、かかる金属表面に、上記樹脂フィルム
を一対のロールにて圧着する際に、フィルム側のロール
表面を、前記フッ素樹脂の融点より 100〜210 ℃低い温
度に調整することによって、フッ素樹脂フィルムを金属
表面に高い密着力をもって被覆する有利な方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属表面に、フッ素原
子を含有するフッ素樹脂フィルムを被覆する方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、フッ素樹脂フィルムは、耐食性
や耐汚染性、耐付着性、耐熱性、不燃性等の性質に優れ
ていることから、もしこのフッ素樹脂フィルムをステン
レス鋼板などに強固にラミネートできれば、該フィルム
のかかる特性をステンレス鋼板のもつ優れた強度や加工
性に付加することができるので、機能性に優れたラミネ
ート鋼板を得ることができる。このようなラミネート鋼
板があれば、パンやケーキ、菓子などを焼くために用い
る焼型、食品調理器具および食品加工器具、あるいは電
子レンジ内板、炊飯器の内釜やガステーブルの天板のよ
うな加熱調理器具、さらにはレンジフード用素材のよう
な厨房用品用材料等にも広く利用できるので、このよう
な鋼材を工業的に製造する技術の確立が望まれていた。
【0003】これに対して、従来、特開昭61−137534号
公報、特開昭61−138567号公報あるいは特公昭63-11147
号公報などに見られる、いわゆるステンレス鋼板やめっ
き鋼板にフッ素樹脂を被覆した材料、特公昭59-16836号
公報や特公昭59-16837号公報などに見られる、いわゆる
Alめっき鋼板にフッ素樹脂を被覆した材料、あるいは特
公昭54-24434号公報、特公昭59-10304号公報、特開昭63
−126728号公報などに見られる、いわゆるAlまたはAl合
金材にフッ素樹脂フィルムをラミネートした材料の開
発、さらには、特開昭63−168333号公報などに見られ
る、鋼板にフッ素樹脂フィルムを熱硬化型接着剤を用い
てラミネートする方法の開発技術などが既に提案されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、フッ
素樹脂フィルムをラミネートしてなる鋼板は、耐食性、
耐汚染性、耐付着性、耐熱性、耐摩耗性や加工性が優れ
ている。しかしながら、フッ素樹脂フィルムは一般に、
表面張力が小さくかつ強い非接着性を示すために、接着
剤によるラミネートが難しいという難点があった。特
に、4フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエ
ーテル共重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン−6フ
ッ化プロピレン共重合樹脂(FEP)のように、1分子
単位内に4原子以上のフッ素原子を含むフッ素樹脂フィ
ルムは、今までのところ、金属表面への適当な接着方法
は開発されておらず、実用化が遅れているのが実情であ
る。
【0005】この点、本発明者らは、先に、アルミニウ
ム系めっき鋼板、亜鉛合金系めっき鋼板、およびステン
レス鋼板にフッ素樹脂と耐熱性樹脂の混合物を塗布し、
その上に同種樹脂のフィルムを貼ってロール圧下し、こ
のロール圧下時にフィルム−金属(鋼板)界面をフィル
ムの融点直上の温度に加熱して下地樹脂層と融着する方
法を見いだし、特願平3−327744号として提案した。さ
らに最近では、特願平5−138770号において、必要に応
じてプライマーの塗布などの下地処理をした金属を、 2
50〜450 ℃の温度に加熱し、その表面にフッ素樹脂フィ
ルムをロール加圧などによって仮圧着し、その後フッ素
樹脂フィルムとその下地金属表面との界面温度が 280℃
以上の温度になるように再加熱することにより、フッ素
樹脂フィルムを金属表面に被覆する方法を提案したが、
さらなる改良が望まれていたのである。すなわち、本発
明の目的は、耐熱性・耐久性・密着性に優れると共に、
耐食性、耐汚染性、耐付着性、耐摩耗性、加工性および
素材の剛性などの各種の特性に優れるフッ素樹脂フィル
ム被覆鋼板を製造するための新規なフィルム被覆の方法
を提案することにあり、特に、金属表面に、1分子単位
内に4原子以上のフッ素原子を含むフッ素樹脂フィルム
を、密着性良く、かつ連続的にロール圧着できる技術を
確立することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
の実現に向け鋭意研究した結果、金属表面の温度調整に
のみに拘泥することなく、金属表面の温度と圧下ロール
表面の温度を共に調整することによって、フッ素樹脂フ
ィルムと金属との良好な接着力が安定して得られること
を新たに見出し、本発明に想到した。
【0007】すなわち、本発明は、必要に応じてリン酸
塩処理、塗布型クロメート処理、フッ素樹脂と耐熱樹脂
を含有するプライマー塗布のいずれかもしくはこれらを
組み合わせた処理を施したZnめっき鋼材、Zn−Al合金め
っき鋼材、Zn−Fe合金めっき鋼材、Zn−Ni合金めっき鋼
材、Alめっき鋼材、Al−Si合金めっき鋼材、55%Al−Zn
合金めっき鋼材あるいは、ステンレス鋼材等の金属表面
に、PFAやFEPなどのように1分子単位内に4原子
以上のフッ素原子を含むフッ素樹脂からなる樹脂フィル
ムを被覆する方法において、当該金属の樹脂フィルム被
着面を、予め前記フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い
温度に加熱調整すると共に、かかる金属表面に、上記樹
脂フィルムを一対のロールにて圧着する際に、フィルム
側のロール表面を、前記フッ素樹脂の融点より 100〜21
0 ℃低い温度に調整することによって、フッ素樹脂フィ
ルムを金属表面に高い密着力をもって被覆する有利な方
法であり、前記金属の樹脂フィルム被着面の加熱は、誘
導加熱にて行うことが望ましい。
【0008】
【作用】本発明は、まず第1に、金属(以下、「鋼板」
の例で述べる)表面にフッ素樹脂フィルムを重ね合わせ
てロール圧下する直前に、予め該鋼板(プライマー処理
した場合はプライマー処理鋼板)の樹脂フィルム被着面
を、前記フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い温度に加
熱調整することが必要である。例えば、PFA樹脂フィ
ルムの場合には 340〜410 ℃、FEP樹脂フィルムの場
合には 300〜370℃になるように加熱することが必要で
ある。このときの鋼板等の表面温度を上記の範囲におい
てどの程度の温度にするかは、フィルムの種類や厚さ、
圧着ロールの表面温度等によって制御する。例えば、熱
処理鋼板またはプライマー処理鋼板をトンネル炉に通板
して加熱し、その後炉から出してフィルムのロール圧下
を行うような場合には、予め温度降下分だけより高温に
加熱することが必要である。経験によれば、温度降下分
は板厚、通板速度、炉と圧下ロールの間の距離等の因子
により影響されるが、普通は10〜50℃であり、この分を
余分に加熱することが肝要である。このようにして、ロ
ール圧下直前の位置での鋼板等の表面温度を、フッ素樹
脂の融点より30〜120 ℃高い温度に加熱調整する。
【0009】鋼板の表面温度を上記の範囲に調整する理
由は、フィルム被着面の温度がフッ素樹脂の融点より30
℃高い温度に満たない場合、フッ素樹脂フィルムの接着
面が溶融しないためにフィルムと鋼板表面または、フィ
ルムとプライマーとの接着が不十分となるからである。
一方、前記表面温度がフッ素樹脂の融点より120 ℃高い
温度を越える場合、フィルム自体が圧着時に融解して切
断したり、また、プライマーを用いた場合はプライマー
樹脂の熱分解による密着性低下も懸念されるからであ
る。
【0010】鋼板の加熱には、一般的な熱風式のトンネ
ル炉を用いてもよいが、電磁誘導加熱炉を用いた方がよ
り好ましい。この理由は、電磁誘導加熱によれば、鋼板
とフィルムの界面(接着面)のみを十分に加熱すること
ができ、そのためにフィルムの密着性が向上するからで
ある。また、プライマーを用いた場合には、プライマー
が内側(鋼板側)から加熱されるため溶剤の残存が少な
くなる。
【0011】次に、本発明は、上述のようにして温度調
整した鋼板表面に、フッ素樹脂フィルムを一対のロール
にて圧着する際には、フィルム側のロール表面を、前記
フッ素樹脂の融点より 100〜210 ℃低い温度に調整する
ことが必要である。このときの一対の圧着ロールの材質
としては、鋼板表面となじみが良く弾力性のあるゴムな
どが好適に用いられる。そのため、このような材質から
なるロールは鋼帯からの熱によって劣化しやすいので、
ロール自体の温度は 300℃以上の如き高温に昇温するの
は避け、 210℃以下に保てるように適度に冷却すること
が肝要である。
【0012】圧着時のフィルム側のロール表面温度を上
記の範囲に調整する理由は、そのロール表面の温度がフ
ッ素樹脂の融点より 100℃低い温度を越える場合、フィ
ルム表面の冷却が不足して、フィルムが溶融状態にな
り、フィルムが溶断するという危険性が生じるからであ
る。一方、そのロール表面の温度がフッ素樹脂の融点よ
り 210℃低い温度に満たない場合、フィルムが急激に冷
却され、フィルム界面が溶融せずに密着性不良となるか
らである。
【0013】なお、フィルムとは直接に接しない鋼板側
のロール表面温度は特に限定しないが、フッ素樹脂フィ
ルムの融点より 100℃低い温度〜フッ素樹脂フィルムの
融点より50℃高い温度の範囲に管理することが好まし
い。
【0014】以上説明したように本発明によれば、鋼板
の樹脂フィルム被着面と樹脂フィルム側のロール表面と
を共に所定の温度範囲に調整して、通常、常温にて圧着
に供される樹脂フィルムを、鋼板との界面でのみ溶融さ
せた状態にて圧着に供するので、密着強度等に優れたフ
ッ素樹脂フィルム積層鋼板をロール圧着により連続して
製造することができる。
【0015】なお、樹脂フィルムを鋼板に圧着した後
は、放冷による徐冷あるいは水冷等の急冷処理を行う
が、いずれの方法によって冷却しても、樹脂フィルムと
鋼板との接着強度への影響は無視できる程度である。
【0016】本発明において、処理対象となる基材金属
としては、上掲の鋼板, 例えば、亜鉛めっき鋼材、亜鉛
−アルミニウム合金めっき鋼材、亜鉛−鉄合金めっき鋼
材、亜鉛−ニッケル合金めっき鋼材、アルミニウムめっ
き鋼材、アルミニウム−シリコンめっき鋼材、55%アル
ミニウム−亜鉛合金めっき鋼材あるいはステンレス鋼材
などが好適に用いられる。これらの金属のうちそれが鋼
板の場合、厚さは 0.2〜1.6 mm程度のものが好ましい
が、種類は特に限定されるものではなく用途に応じて選
定される。例えば、ガスコンロ天板のように耐熱要求の
高い用途では、アルミニウムめっき鋼板やステンレス鋼
板が適している。また、PFAのように高融点のフッ素
樹脂フィルムで高いフィルム密着性を得るには、金属表
面の加熱も 400℃前後の高温となるため、そのような要
求には亜鉛めっき鋼板等では、めっき層が溶解してしま
い製造ができない。
【0017】本発明において、上記金属素材の上に被覆
するフッ素樹脂フィルムとしては、特に接着性の悪い1
分子単位内に4原子以上のフッ素原子を含むフッ素樹脂
フィルム, 例えば、4フッ化エチレン−パーフルオロア
ルコキシエチレン共重合樹脂(PFA)フィルムや4フ
ッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(FE
P)の如き熱可塑性樹脂フィルムを使用するときに効果
を発揮する。なかでも、PFAが最も好ましい。このフ
ッ素樹脂フィルムの厚さは、特に限定するものではない
が、10〜100 μmの厚さのものが好ましい。なお、これ
らのフィルムは、もともと無色透明であるが、着色のた
めに顔料粉末が配合されたものや機能性付与のために添
加物を含有したり、何らかの処理をされたものでも同様
に利用できる。
【0018】また、本発明においては、金属表面の加熱
調整の前に、必要に応じその金属の下地処理を行う。こ
の下地処理は、プライマーの塗布によって行うことが望
ましい。また、この下地処理としてプライマーの塗布を
しない場合、その他の前処理方法として、ショットブラ
ストやワイヤーブラッシング等で研磨した後に、酸洗ま
たは電解エッチングを施す一般的な方法、あるいは塗布
型クロメート処理を行ってもよい。また、ステンレス鋼
板の場合には、単にプライマー処理するだけではなく、
塗布型クロメート処理をしてからプライマーを処理する
とフィルム接着強度、耐熱性, 耐久性が格段に向上す
る。
【0019】基地鋼板の下地処理のための上記プライマ
ーとしては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、4フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロ
ピレン共重合樹脂(FEP)、4フッ化エチレン−エチ
レン共重合樹脂(ETFE)、ジクロロトリフルオロエ
チレン、ポリビニリデンフルオライドなどから選択され
るフッ素樹脂粉末と、ポリエーテルサルホン(PE
S)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイ
ミド、ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹
脂、フェノール樹脂などから選択された耐熱性樹脂、と
の混合樹脂の水溶媒系または有機溶媒系のプライマーが
好適に用いられる。
【0020】
【実施例】以下に、本発明の実施例を比較例と対比して
説明する。 (実施例1〜4)PFAとFEPおよびPESが1:
2:1の混合樹脂を含有するプライマーを設けてなる各
種鋼板に、フッ素樹脂フィルムを熱融着して製品を得
た。 (実施例5〜6)FEPとPESが1:2の混合樹脂を
含有するプライマーを設けてなる各種鋼板に、フッ素樹
脂フィルムを熱融着して製品を得た。 (実施例7〜10)塗布型クロメート処理による下地処理
を施してなる各種鋼板に、フッ素樹脂フィルムを熱融着
して製品を得た。 (比較例1〜6)上記実施例の比較として比較例1〜6
の各種鋼板に、フッ素樹脂フィルムを熱融着して製品を
得た。それぞれの製造条件を表1にあわせて示す(図1
参照)。また、各製品の一次密着性についての性能試験
結果を表2に示す。
【0021】
【表1】
【0022】
【表2】
【0023】なお、上記実施例1〜10、比較例1〜6の
フッ素樹脂フィルム熱圧着条件において、鋼板側の圧着
ロール温度は 150〜 250℃の範囲とし、ロール線圧は
0.3 kg/cmとした。また、塗布型クロメートの処理条件
は、クロム付着量30 mg/m2とし、 150℃×30秒の乾燥を
おこなった。
【0024】また、上掲の例における密着性の試験方法
および判定方法は、次の条件で行った。すなわち、JIS
Z 6744の井型エリクセン試験法に準じて行った。井型エ
リクセン試験法に用いる試験片は、前もって沸騰水中に
1時間あるいは2時間浸漬後、30分自然乾燥したものと
沸騰水中に浸漬しない3種類を用意し、井型を入れた部
分をエリクセン試験機で6mm押し出した後、押し出し部
のフィルム切り口をナイフで浮かし、ピンセットでつか
み強制的にフィルムを剥離した。評価基準は表3に示す
とおりであり、例えば、3種類ともフィルムを浮かすこ
とができない場合を評価点5とした。
【0025】
【表3】
【0026】上記試験の結果から明らかなように、本発
明方法に従って製造されたフッ素樹脂フィルム被覆鋼板
はいずれも、比較例にかかるフッ素樹脂フィルム被覆鋼
板に比べてフィルム密着性に優れるものであった。しか
も、本発明方法によれば、樹脂フィルムの圧着時にフィ
ルムの溶断を生じることなく、連続的にフッ素樹脂フィ
ルム被覆鋼板を製造することができた。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように本発明の方法によれ
ば、金属表面に、1分子単位内に4原子以上のフッ素原
子を含むフッ素樹脂フィルムを強固に密着させることが
でき、したがって、密着性に優れたフッ素樹脂フィルム
被覆鋼板を、連続的かつ安価に製造することができる。
これにより、本発明にかかるフッ素樹脂フィルム被覆鋼
板は、調理加工器具用素材、厨房設備用素材、電子レン
ジの内板、ガステーブルの天板等の用途の他、電子部品
用素材、プリント基板等の分野などへも適用でき、広い
用途に適合する安価で優れた素材を供給することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例,比較例における熱融着条件(フィルム
融点を基準とする)を示す図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年12月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】
【作用】本発明は、まず第1に、金属(以下、「鋼板」
の例で述べる)表面にフッ素樹脂フィルムを重ね合わせ
てロール圧下する直前に、予め該鋼板(プライマー処理
した場合はプライマー処理鋼板)の樹脂フィルム被着面
を、前記フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い温度に加
熱調整することが必要である。例えば、融点が 310℃の
PFA樹脂フィルムの場合には 340〜430 ℃、融点が 2
70℃のFEP樹脂フィルムの場合には 300〜390 ℃にな
るように加熱することが必要である。このときの鋼板等
の表面温度を上記の範囲においてどの程度の温度にする
かは、フィルムの種類や厚さ、圧着ロールの表面温度等
によって制御する。例えば、鋼板またはプライマー処理
鋼板をトンネル炉に通板して加熱し、その後炉から出し
てフィルムのロール圧下を行うような場合には、予め温
度降下分だけより高温に加熱することが必要である。経
験によれば、温度降下分は板厚、通板速度、炉と圧下ロ
ールの間の距離等の因子により影響されるが、普通は10
〜50℃であり、この分を余分に加熱することが肝要であ
る。このようにして、ロール圧下直前の位置での鋼板等
の表面温度を、フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い温
度に加熱調整する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明において、上記金属素材の上に被覆
するフッ素樹脂フィルムとしては、特に接着性の悪い1
分子単位内に4原子以上のフッ素原子を含むフッ素樹脂
フィルム, 例えば、4フッ化エチレン−パーフルオロ
ルキルビニルエーテル共重合樹脂(PFA)フィルムや
4フッ化エチレン−6フッ化プロピレン共重合樹脂(F
EP)の如き熱可塑性樹脂フィルムを使用するときに効
果を発揮する。なかでも、PFAが最も好ましい。この
フッ素樹脂フィルムの厚さは、特に限定するものではな
いが、10〜100 μmの厚さのものが好ましい。なお、こ
れらのフィルムは、もともと無色透明であるが、着色の
ために顔料粉末が配合されたものや機能性付与のために
添加物を含有したり、何らかの処理をされたものでも同
様に利用できる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】基地鋼板の下地処理のための上記プライマ
ーとしては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、4フ
ッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
重合樹脂(PFA)、4フッ化エチレン−6フッ化プロ
ピレン共重合樹脂(FEP)、4フッ化エチレン−エチ
レン共重合樹脂(ETFE)、クロロトリフルオロエチ
レン、ポリビニリデンフルオライドなどから選択される
フッ素樹脂粉末と、ポリエーテルサルホン(PES)、
ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリイミド、
ポリアミドイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フ
ェノール樹脂などから選択された耐熱性樹脂、との混合
樹脂の水溶媒系または有機溶媒系のプライマーが好適に
用いられる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】
【表1】

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1分子単位内に4原子以上のフッ素原子
    を含むフッ素樹脂からなる樹脂フィルムを金属表面に被
    覆する方法において、当該金属の樹脂フィルム被着面
    を、予め前記フッ素樹脂の融点より30〜120 ℃高い温度
    に加熱調整すると共に、かかる金属表面に、上記樹脂フ
    ィルムを一対のロールにて圧着する際に、フィルム側の
    ロール表面を、前記フッ素樹脂の融点より 100〜210 ℃
    低い温度に調整することを特徴とするフッ素樹脂フィル
    ムを金属表面に被覆する方法。
  2. 【請求項2】 金属の樹脂フィルム被着面の加熱は、誘
    導加熱にて行うことを特徴とする請求項1に記載のフッ
    素樹脂フィルムを金属表面に被覆する方法。
  3. 【請求項3】 1分子単位内に4原子以上のフッ素原子
    を含むフッ素樹脂は、4フッ化エチレン−パーフルオロ
    アルキルエーテル共重合樹脂または4フッ化エチレン−
    6フッ化プロピレン共重合樹脂である請求項1または2
    に記載のフッ素樹脂フィルムを金属表面に被覆する方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106273986A (zh) * 2016-08-05 2017-01-04 振石集团华美新材料有限公司 一种改善连续纤维增强聚烯烃模压件外观的方法
JP2021079662A (ja) * 2019-11-21 2021-05-27 有限会社飯田製作所 金属体−フッ素樹脂体接合体の製造方法

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CN106273986A (zh) * 2016-08-05 2017-01-04 振石集团华美新材料有限公司 一种改善连续纤维增强聚烯烃模压件外观的方法
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