JPH071241Y2 - 卓上ドリル研摩機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案はドリル刃先の研摩において、複雑な操作や段
取り等を行わなくても簡単に、ドリルの先端逃げ面を円
錐状に研摩できる卓上ドリル研摩機に関するものであ
る。

（従来の技術） 従来、ドリル刃先の研摩に際してドリルをセットしたド
リルチャックを、単に二次元的に動かすと、ドリル先端
逃げ面は平面状になるか、もしくは円錐状でも二番角の
ないドリルの研摩となる欠点があった。

（考案が解決しようとする課題） 上記の機構ではこれらの欠点の外にドリルチャックが大
形となり、構造が複雑になって又段取り替えに時間がか
かる等の問題があった。そこでこの考案のドリル研摩機
は、これら数々の欠点を解消し、ドリル刃先の研摩を簡
便且つ正確に先端逃げ面が円錐状に研摩できることを目
的としている。

（課題を解決するための手段） 上記目的を達成するため本考案は、 （１）モーター及び研摩用砥石を、左右前後へ移動調節
自在に装着した卓上ドリル研摩機本体を設け、この砥石
側下部にドリルチャック本体中心軸支持腕のＬ形スタン
ドを前後回動自在に取付け、該回動体周縁にドリル刃先
研摩角度を表示して下部に調節レバーを具設し、また上
記ドリルチャック本体には本体中心軸と25度に交差する
中心線方向に研摩操作ハンドルを突設固定し、この中間
部にドリルＶ形サポートを、またハンドル先端付近にド
リルストッパをそれぞれ取付け、なおチャック本体と中
心軸との間には枠形アジャスタを介装し、これに左右移
動調節レバーを取設して成るものである。

（２）この研摩機の操作ハンドルに取付けたドリルスト
ッパのチャック側内側面にハンドル軸方向と直角方向の
中心線を刻設し、又ドリルソケットのストッパ側端末周
縁の前記中心線と直角に交差する左右２箇所に目盛線を
刻設しておき、ドリル円周の半側を研摩後にチャックを
弛めドリルを180度回動して、前記ソケットの目盛線と
中心線とをそれぞれ交互に合せてドリルを固定し、残り
の半側も正確に研摩可能とする目印によるドリルセット
装置。

（作用） 上記のように構成された本考案の卓上ドリル研摩機は、
ドリルチャックを軽量で小形にするため、ドリル先端部
をＶ形ブロックとクランプで挟んで固定し、なお研摩用
操作ハンドル中間部のＶ形サポートと先端付近のドリル
ストッパとの３箇によりドリル全体を３点支持し、この
ドリル中心線をチャック本体中心軸（チャックスイング
中心線）より若干下げることにより刃先に二番角をつ
け、又ドリル中心線がチャック本体中心軸（チャックス
イング中心線）より25度傾いて旋回することによりドリ
ルの円錐状逃げ面を成形することができるものである。
さらに研摩するドリル直径の大小によって上記チャック
スイング中心線を、小径の場合は研摩機本体側方向へ、
大径の場合は本体から離れる方向へチャック本体のアジ
ャスタにより調節移動してセットすることができる。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面を参照して説明すると、第
１図においてモータ（Ｍ）及び研摩用砥石（Ｇ）を移動
調節自在に装置した卓上ドリル研摩機本体（Ａ）を設
け、この砥石（Ｇ）側下部にドリルチャック本体（１）
中心軸（２）の支持腕（３）のＬ形スタンド（４）を円
筒受台（５）に前後回動自在に取付け、該受台（５）の
周縁にドリル（Ｄ）刃先研摩角度を表示（６）して下部
に調節レバーを具設し、また上記ドリルチャック本体
（１）には先端にＶ形ブロック（８）を形設し、クラン
プ及びクランプボルト（９）によりドリルチャックを構
成し、さらにこのドリルチャック本体（１）には中心軸
（２）と25度に交差する中心線方向に研摩操作ハンドル
（10）を突設固定し、この中間部にドリル（Ｄ）のＶ形
サポート（11）を、またハンドル（10）先端付近にドリ
ルストッパ（12）をそれぞれ取付け、なおチャック本体
（１）と中心軸（２）との間には枠形アジャスタ（13）
を介装し、これに左右移動調節レバー（14）を取設して
成るものである。

又上記ドリルストッパ（12）の内側面には研摩操作ハン
ドル（10）軸と直角方向に中心線（Ｃ）を刻設し、なお
ドリルソケット（15）のドリルストッパ（12）側端末周
縁の前記中心線（Ｃ）と直角に交差する左右２箇所に目
盛線（Ｘ），（Ｙ）を刻設しておき、ドリル（Ｄ）円周
の半側を研摩後にチャックを弛めドリル（Ｄ）を180度
回動し、前記ソケットの目盛線と中心線とを今度は
（Ｙ），（Ｘ）に合せてドリルを固定し、残余の半側も
正確に研摩可能とする目印によるドリルセット装置であ
る。

（考案の効果） 本考案は以上説明したように構成されているので、以下
記述のような効果を奏する。

予めの段取りや複雑な操作を要せず、初めにドリルの寸
法や形状により、中心距離，刃先角度等をセットしてお
き、研摩操作ハンドル（10）の旋回スイング操作による
だけで二番角のついた円錘状の逃げ面を正確に成形研摩
することが可能である。

又ドリルのソケットに刻設したドリルセット装置により
刃先の180度回動取付けが正確かつ簡単に遂行できるの
で正確な研摩仕上げが可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は全体面の斜視
図，第２図はチャック本体及び操作ハンドルの平面図，
第３図は第２図の左側面図，第４図はアジャスタ部分の
分解斜視図，第５図はドリルストッパとドリルセット装
置を示す。 １……ドリルチャック本体 ２……チャック中心軸、３……中心軸支持腕 ４……Ｌ形スタンド、５……円筒受台 ６……角度表示目盛、７……角度調節レバー ８……Ｖ形ブロック ９……クランプ及びクランプボルト 10……研摩操作ハンドル、11……Ｖ形サポート 12……ドリルストッパ、13……枠形アジャスタ 14……左右移動調節レバー 15……ドリルソケット Ａ……卓上ドリル研摩機本体 Ｍ……モータ、Ｇ……砥石 Ｃ……ドリルストッパ中心線 Ｄ……ドリル X,Y……ドリルソケットの目盛線

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】モーター及び研摩用砥石を、左右前後へ移
   動調節自在に装置した卓上ドリル研摩機本体を設け、こ
   の砥石側下部にドリルチャック本体中心軸支持腕のＬ形
   スタンドを受台に前後回動自在に取付け、該受台の周縁
   にドリル刃先研摩角度を表示して下部に調節レバーを具
   設し、また上記ドリルチャック本体には本体中心軸と25
   度に交差する中心線方向に研摩操作ハンドルを突設固定
   し、この中間部にドリルＶ形サポートを、またハンドル
   先端付近にドリルストッパをそれぞれ取付け、なおチャ
   ック本体と中心軸との間には枠形アジャスタを介装し、
   これに左右移動調節レバーを取設して成り、上記チャッ
   ク本体中心軸を中心として研摩操作ハンドルを回動し、
   ドリル刃先を円錐研摩することを特徴とする卓上ドリル
   研摩機。
2. 【請求項２】請求第１項の卓上ドリル研摩機において、
   研摩操作ハンドルに取付けたドリルストッパのチャック
   側内側面にはハンドル軸方向と直角方向の中心線を刻設
   し、又ドリルソケットのストッパ側端末周縁の前記中心
   線と直角に交差する左右２箇所に目盛線を刻設してお
   き、ドリル円周の半側を研摩後にチャックを弛めドリル
   を180度回動し、前記ソケットの目盛線と中心線とをそ
   れぞれ交互に合せてドリルを固定し、残りの半側も正確
   に研摩可能とする目印によるドリルセット装置。