JPH07122972B2 - カセツトリ−ル - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えばビデオカセツトに使用して好適なカセ
ツトリールに関する。

〔発明の概要〕

本発明は、例えばビデオカセツトに使用して好適なカセ
ツトリールにおいて、上フランジの中央部を所定色の不
透明材とすると共にこの上フランジの他の部分を透明な
樹脂で成形し、上フランジの不透明材よりなる中央部で
ハブと接合したことにより、この不透明材よりなる中央
部によつてハブの内部構造を覆うことで製造工程を増や
すことなく簡単に装飾的効果を得ることができる様に
し、これを例えばビデオカセツトに使用する場合にはビ
デオカセツトの商品価値を向上させることができる様に
したものである。

〔従来の技術〕

従来、ビデオカセツトに使用されるカセツトリールとし
て第４図及び第５図に夫々その斜視図及び部分中央縦断
面図を示す様なものが提案されている。

この第４図及び第５図において、（１）は下フランジ
（２）が一体成形されたハブを示し、本例においては、
このハブ（１）の上端面に透明プラスチツク板からなる
上フランジ（３）が固定される。この場合、上フランジ
（３）は、その下面側の段部（４）に設けられた突子
（５）……（５）をハブ（１）の上端面（６）に超音波
加熱により溶着して固定される。また上フランジ（３）
の上面側にはハブ（１）に対応してハブ（１）の径より
稍小さい径を有する円形凹部（７）が設けられると共
に、その中央部に孔部（８）が設けられ、この上フラン
ジ（３）の中央部下面とハブ（１）の中央部上端面とで
ビデオカセツトケースに設けられるカセツトリール押え
バネの当接部をなすセンタピン（９）が緩く挟着され
る。またハブ（１）の下面側にはビデオテープレコーダ
本体に設けられるハブ駆動軸が嵌合し得るハブ駆動軸嵌
合穴（10）が設けられると共に、またハブ（１）の周面
にはクランプピース（図示せず）とともにビデオテープ
の端末を挟着固定するためのクランプピース嵌合部（1
1）が設けられる。また下フランジ（２）の外周面には
リールブレーキ係合歯（12）が設けられる。

第６図は、上述の様に構成されたカセツトリール（13）
を装着したビデオカセツトを示し、本例においては、そ
のケース（14）の上面に透明プラスチツク板よりなる窓
（15）を設け、カセツトリール（13），（13）に巻かれ
ているビデテープ（16）の量、即ち既に記録に使用され
た量及び未使用量を確認できる様になされている。尚、
（17）はカセツトリール押えバネを示す。

この様に斯るカセツトリール（13）は、第６図に示す様
に上面に透明プラスチツク板よりなる窓（15）を設ける
ビデオカセツトケース（14）に装着されるときは、ビデ
オテープ（16）の既使用量及び未使用量を知ることがで
きるので、使用上便利な面を有しているが、他方におい
て、上フランジ（３）の凹部底面（7A）を通してハブ
（１）の内部構造も見えてしまい、美感上好ましくない
面も有していた。

このため、本出願人は先に特開昭63−122080号に示す如
きカセツトリールを提案した。このカセツトリールは、
例えば第７図に示す如く、転写用金箔（18）を被着して
なる転写箔フイルム（19）を上フランジ（３）の凹部底
面（7A）上に載置し、これを加熱した硬質ラバー（20）
で凹部底面（7A）に圧接し、凹部底面（7A）に金箔（1
8）によりホツトスタンプを施こすものである。

このようにすることで、金箔（18）により上フランジ
（３）の中央部でのハブ（１）との接合部が凹部底面
（7A）に設けた金箔（18）により覆われ、ハブ（１）の
内部構造を覆い隠すことができる。

〔発明が解決しようとする問題点〕

しかしながら、第７図に示す如く金箔（18）等を被着さ
せると、それだけカセツトリールの製造工程が増加し、
製造に手間がかかると共に製造コストが増加する不都合
があつた。

本発明は斯る点に鑑み、簡単な構成でハブの内部構造を
覆うことのできるカセツトリールを提供することを目的
とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本発明のカセツトリールは、例えば第１図〜第３図に示
す如く、上フランジ（21）の中央部を所定色の不透明材
（23）とすると共にこの上フランジ（21）の他の部分を
透明な樹脂（22）で成形し、この上フランジ（21）の不
透明材（23）よりなる中央部でハブ（１）と接合したも
のである。

〔作用〕

斯る本発明に依れば、上フランジ（21）の中央部の不透
明材（23）でハブ（１）と接合したことでこのハブ
（１）の内部構造を覆い隠すことができ、また不透明材
（23）の周囲の透明な樹脂（22）を通してリールの内部
を確認することができる。

〔実施例〕

以下、第１図〜第３図を参照して、本発明カセツトリー
ルの一実施例につき本発明を第４図従来例と同様にビデ
オカセツト用のカセツトリールに適用した場合を例にし
て説明しよう。尚、この第１図〜第３図において、第４
図〜第７図に対応する部分には同一符号を付し、その詳
細説明は省略する。

本例においては、第１図及び第２図に示す如く下フラン
ジ（２）が一体となつたハブ（１）に接合する上フラン
ジ（21）として、透明部（22）と着色部（23）とが一体
となつたものを使用する。即ち、円盤状の上フランジ
（21）の中央部を銀色等に着色された合成樹脂で成形し
て着色部（23）にすると共に、この着色部（23）の周囲
を透明な合成樹脂で成形して透明部（22）とする。この
着色部（23）はハブ（１）の径よりもわずかに小さい径
としてあり、着色部（23）の上面（24）が透明部（22）
の上面よりもわずかに窪ませてある。さらに、着色部
（23）の中央にセンタピン（９）突出用の孔部（25）が
あり、着色部（23）の下面（26）に突子（27）……（2
7）がある。また、透明部（22）は上面（24）が窪んだ
着色部（23）内に２箇所だけ突出した突出部（22a），
（22a）を有する。そして着色部（23）及び透明部（2
2）の材質としては、ABS樹脂、SAN樹脂等の合成樹脂を
使用し、２色成形法により着色部（23）と透明部（22）
とを一体に成形する。この２色成形法は、１組の金型で
２色（２種類）の樹脂を成形させ、夫々の樹脂での成形
部品が溶着した状態で金型から取り出す成形方法であ
る。

このようにして上述の如き形状に成形した上フランジ
（22）は、着色部（23）の突子（27）……（27）をハブ
（１）の上端面（６）に超音波加熱により溶着して固定
する。その他については第４図に示す従来のテープリー
ルと同様に構成する。

この様に構成することで、第１図及び第３図に示す如
く、上フランジ（21）の銀色の着色部（23）でハブ
（１）の内部構造が覆い隠される。そして、着色部（2
3）の周囲は透明部（22）となつているので、このカセ
ツトリールに巻かれたテープの残量等を確認することが
できる。また、着色部（23）は単なるハブ（１）の内部
の目隠しをするだけではなく、その色によりリールを装
飾する効果が得られる。

そして、本例によるカセツトリールは上フランジ（21）
の着色部（23）と透明部（22）とを２色成形法により一
体に成形するので、従来の様にホツトスタンプによる金
箔層の付着等の加工が必要なく、それだけ製造工程を少
なくすることができ、安価にカセツトリールを製造でき
る。また、着色部（23）は合成樹脂の材質の色により着
色されるので、この材質を変えることで種々の色にする
ことができる。

なお、上述実施例においては上フランジ（21）の着色部
（23）を合成樹脂製としたが、この着色部（23）を所定
色に着色された金属板とし、この金属板を透明部（22）
成形時にこの成形用金型内に配置し、透明部（22）の成
形により金属製の着色部と樹脂製の透明部とが一体とな
る所謂アウトサート成形によるものとしてもよい。ま
た、本発明は上述実施例に限らず、本発明の要旨を逸脱
することなく、その他種種の構成が取り得ることは勿論
である。

〔発明の効果〕

本発明のカセツトリールによると、上フランジを所定色
の不透明材と透明な樹脂とで成形したことで、ハブの内
部を覆い隠すと共に装飾的効果が得られる上フランジが
少ない工程で簡単に製造できる。このため、例えばこの
カセツトリールをビデオカセツトに使用する場合には、
ビデオカセツトの商品価値を向上させることができる利
益がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明カセツトリールの一実施例を示す斜視
図、第２図は第１図例の中央部を示す部分断面図、第３
図は第１図例の平面図、第４図は従来のカセツトリール
の一例を示す斜視図、第５図は第４図例の中央部を示す
部分断面図、第６図はビデオカセツトの一例を示す斜視
図、第７図は従来例の説明に供する線図である。 （１）はハブ、（２）は下フランジ、（21）は上フラン
ジ、（22）は透明部、（23）は着色部である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上フランジの中央部を所定色の不透明材と
   すると共に該上フランジの他の部分を透明な樹脂で成形
   し、該上フランジの不透明材よりなる中央部でハブと接
   合したことを特徴とするカセツトリール。