JPH0722772Y2 - 磁気デイスクカ−トリツジ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は円盤状で極薄の記録媒体である磁気デイスクシ
ートを回転自在に収納した磁気デイスクカートリツジに
関し、さらに詳しくは磁気デイスクシートのセンターコ
アの改良された磁気デイスクカートリツジに関する。

〔従来技術〕

直径が47mmのフレキシブル磁気デイスクシートを用い
た、静止画像記録用の所謂ビデオフロッピー等の磁気デ
イスクカートリツジは、シートの中央にセンターコアを
備えており、センターコアの中央には例えば電子スチル
カメラやテレビフオトプレーヤ等の記録再生装置のスピ
ンドルが嵌入するセンター孔が形成されている。そして
磁気デイスクカートリツジが記録再生装置内に装填され
ると、回転駆動用のスピンドルがセンターコアのセンタ
ー孔に嵌入して磁気デイスクの位置決めを行ない、さら
にセンターコアがマグネツトチヤツク部に磁着されて回
転駆動される。

センターコアは、スピンドルが嵌入したときにスピンド
ルを付勢するバネ部を備えており、バネ部が一方向にス
ピンドルを付勢することにより、センターコアがスピン
ドルと同心に位置決めされる。

従来のセンターコアは、第３図及び第４図に示すよう
に、金属製のコアプレートとセンター孔15、バネ部14を
備えた合成樹脂の環状リブ13とから成つている。そして
コアプレート12には複数のプレート孔16が設けられてい
ると共に、該プレート孔16を２つずつ繋ぐように溝部18
が形成されており、このプレート孔16と溝部18の構造に
よりコアプレート12と環状リブ13とが結合している。す
なわち、コアプレート12と環状リブ13とはアウトサート
成形により一体成形される際に、例えば合成樹脂の環状
リブ13からプレート孔16に流れ込んだ樹脂が溝部18を埋
めてプレート孔16同士をつなぐように付着することによ
り結合されている。

しかしながら、コアプレート12の溝部18は、一般に、絞
り加工により形成されるために、その加工時にコアプレ
ート12の平坦性が低下し、磁気デイスクカートリツジの
性能に悪影響を及ぼす問題があつた。すなわち、磁気デ
イスクシート（メデア）は記録再生装置のマグネツトチ
ヤツク部とコアプレートとが磁着されて回転駆動される
ため、コアプレート12の平坦性の低下に伴つて磁気デイ
スクシートの回転性が低下し、例えば該シートと磁気ヘ
ッドとのヘツドタツチが悪くなる等の問題があつた。

〔考案の目的〕

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであり、磁気
デイスクシートの良好な回転を保証することのできるセ
ンターコアを備えた磁気デイスクカートリツジを提供す
ることを目的とするものである。

〔考案の構成〕

本考案の上記目的は、回転駆動用のスピンドルが挿入さ
れる磁気ディスクシートの中央に、合成樹脂の環状リブ
と前記磁気ディスクシートが貼着された金属製のコアプ
レートとを結合してなるセンターコアを具備した磁気デ
ィスクカートリッジにおいて、前記コアプレートに設け
た複数のプレート孔の内径を前記環状リブの突出側に向
って小径となるように形成し、前記環状リブを射出成形
するときの溶融樹脂が前記プレート孔に流入して該プレ
ート孔に前記環状リブの一部を嵌入させた構造とするこ
とにより、前記コアプレートと前記環状リブとが結合す
るように構成したことを特徴とする磁気ディスクカート
リッジにより達成される。

以下、添付図面に基づいて本考案の実施態様を説明す
る。

第１図は本考案による磁気デイスクカートリツジの一実
施態様の要部平面図であり、第２図は第１図のＡ−Ａ線
に沿つた要部拡大断面図である。

第１図に示すセンターコア１は、磁気デイスクカートリ
ツジ内に回転自在に収納された磁気デイスクシート９
（第２図参照）の中央に従来と同様に設けられたもので
あり、センター孔５及びバネ部４を備えた環状リブ３と
コアプレート２から成つている。

環状リブ３は、例えばABS樹脂やポリカーボネートなど
の如く耐摩耗性を適宜有する合成樹脂からなり、一方コ
アプレート２は、記録再生装置のマグネツトチツク部に
より磁着できる金属材料からなつている。そして、環状
リブ３とコアプレート２とは、コアプレート２に設けら
れた複数のプレート孔６内に環状リブ３の一部が嵌合す
るようにして結合されている。すなわち、第２図に示す
ようにプレート孔６はその内径が環状リブ３の突出側
（図中下方）に向つて絞り込むようなテーパ状に形成さ
れているので、該プレート孔６内に入り込んだ合成樹脂
の嵌入部７が抜けないように結合することができる。な
お、環状リブ３とコアプレート２とは、例えばアウトサ
ート成形等により従来と同様に一体成形することができ
る。

上記のコアプレート２のプレート孔６は、打ち抜き加工
等により極めて容易に設けられている。従つて、プレー
ト孔６周辺のプレート変形はほとんど無く、絞り部18が
形成された従来のコアプレート12に比べ、プレート平坦
性は非常に良好に構成されている。この結果、コアプレ
ート２とマグネツトチヤツク部との磁着時のガタ付きが
防止されると共に、コアプレート２に貼着された磁気デ
イスクシート９の平坦性も良好に保たれるので、シート
回転性は極めて良好になる。

〔考案の効果〕

以上述べたように、本考案の磁気デイスクカートリツジ
は、磁気デイスクシートの中央に設けられたセンターコ
アのコアプレートと環状リブとの結合がコアプレートに
絞り部を設けない構造とされており、コアプレートの平
坦性を極めて良好にすることができるので、コアプレー
トに貼着された磁気デイスクシートの歪を回避すること
ができると共に、コアプレートとマグネツトチツク部と
の磁着を所望にすることができる。この結果、本考案に
よる磁気デイスクカートリツジは、磁気デイスクシート
がその回転時におけるシート厚み方向のブレが抑えられ
るので、磁気ヘツドとのヘツドタツチは極めて良好に保
たれ、ドロツプアウトなどのない優れた記録再生を保証
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施態様のセンターコアの平面図、
第２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つた断面の拡大図、第３
図及び第４図は従来のセンターコアの平面図及びそのＢ
−Ｂ線に沿つた断面図である。 1,10……センターコア、2,12……コアプレート、3,13…
…環状リブ、4,14……バネ部、5,15……センター孔、6,
16……プレート孔、７……嵌入部、９……磁気デイスク
シート、18……絞り部、20……スピンドル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】回転駆動用のスピンドルが挿入される磁気
   ディスクシートの中央に、合成樹脂の環状リブと前記磁
   気ディスクシートが貼着された金属製のコアプレートと
   を結合してなるセンターコアを具備した磁気ディスクカ
   ートリッジにおいて、前記コアプレートに設けた複数の
   プレート孔の内径を前記環状リブの突出側に向って小径
   となるように形成し、前記環状リブを射出成形するとき
   の溶融樹脂が前記プレート孔に流入して該プレート孔に
   前記環状リブの一部を嵌入させた構造とすることによ
   り、前記コアプレートと前記環状リブとが結合するよう
   に構成したことを特徴とする磁気ディスクカートリッ
   ジ。