JPH0712271U - 写真等の収録用シート状物及びその製本 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 一対の写真の裏面同士を合せて収録した場合
でも見栄えのよい安価な収録用製本を提供する。 【構成】 複数の仕切り条１５で表フィルムと裏フィル
ムを溶着して中台紙を使用しない複数の写真整理部１６
を形成し、各写真整理部１６の外周部に収録された写真
２の外周部を覆うマスキング層１８を形成し、一対の写
真２を背中合せにして収録しても写真２の裏面が反対側
から見えるのを防ぎ、かつ写真２を浮き出たように見せ
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、写真、名刺、はがき等を整理するのに適した収録用シート状物及 びその収録用製本に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、このようなアルバム等の写真収録用製本は、１枚の収録用シート状物（ アルバム台紙）に、複数の写真整理部を形成すべく、台紙に複数のフィルムの３ 辺を糊付けし、各々写真整理部を形成するか、台紙に２列多段に写真整理部を形 成すべく、台紙に縦長の２枚のフィルムを用意してこれを多段の仕切り用糊付け 部で糊付けし、少なくとも一側辺を写真挿入用開口として開放するものが提供さ れている。また、１枚の収録用シート状物の表裏に写真を収録すべく、台紙の表 裏にフィルムを糊付けする技術も開示されている。

【０００３】 また、製造コストの低減を図るため、中台紙を使用せず、複数の袋状の整理部 を設け、夫々の整理部に１枚のはがきを収録可能とした技術も開示されている （実開昭６２−１５０１８２号公報参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記従来の写真等の収録用シート状物の表裏に写真を収録する 技術は、中台紙を使用しており、そのため、材料コストが高くなるとともに、中 台紙にフィルムを糊付けする作業が煩雑となっていた。また、上記公報記載のは がき収録用のシート状物を利用して写真等を整理する場合、各シート状物の表裏 に写真を収録しようとすると、各整理部に裏面同士を合せた写真を各整理部の小 口から介入することになるが、この場合、収録中の一対の写真が相互にずれたと き、写真の裏面が反対側から見えることになり、見栄えがよくない。

【０００５】 そこで、この考案の目的とするところは、製造コストを低減でき、かつ一対の 写真の裏面同士を合せて収録した場合でも見栄えを良好にし得る収録用シート状 物及びその製本を提供するところにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的達成のため、請求項１記載の考案に係る収録用シート状物は、表フィ ルム及び裏フィルムが一体的に形成されてなる透明ないし半透明の収録袋を備え 、この収録袋に複数の仕切り条で表フィルムと裏フィルムを溶着することにより 複数の写真整理部を形成し、各写真整理部の表フィルム側に、裏面同士を合せた 一対の写真等を介入可能とするスリットを形成し、各写真整理部の外周部の表面 に整理部に収録された写真の外周部を覆うマスキング層を形成したことを特徴と している。

【０００７】 そして、この収録用シート状物を多数枚重合することにより被綴じ体を構成し 、この被綴じ体の綴じ代部の端縁を、表紙の背部内面に接着して収録用製本とし ている。

【０００８】

【作用】

上記のように、請求項１及び請求項２記載の考案に係る収録用シ−ト状物及び その製本においては、各整理部の表フィルム側のスリットから裏面同士を重合わ せて一対の写真等を挿入し、表裏を使用して写真等を収録する。この際、中台紙 を使用しないため、安価な製本を提供することができる。

【０００９】 また、各整理部において、一対の写真は裏面同士を重ね合せているので、一対 の写真が相互にずれたとき、写真の裏面が反対側から見えるおそれがあるが、各 整理部の外周面にマスキング層を形成しているので、写真の裏面が反対側から見 えることがなく、見栄えを良好にすることができる。

【００１０】

【実施例】

以下、添附図面に示した実施例について説明する。図１ないし図３は、この考 案に係る写真等の収録用製本及びそのシート状物の一実施例を示すもので、図１ はその製本の斜視図、図２は収録用シート状物の正面図、図３は図２のＡ−Ａ断 面図である。

【００１１】 この考案に係る写真等の収録用製本１は、図１及び図２の如く、普通サイズの 写真２（約、縦８０ｍｍ・横１１７ｍｍ）を収録可能なものであって、収録用シ ート状物４が多数枚重合されることにより被綴じ体５が構成され、この被綴じ体 ５の綴じ代部６の端縁が、表紙７の背部８の内面に接着されている。

【００１２】 各収録用シ−ト状物４は、ポリプロピレン等の軟質性合成樹脂で形成されたも のであって、図１及び図２の如く、厚さ約８０〜１００ミクロンの表フィルム１ ０及び裏フィルム１１が一体的に形成されてなる透明ないし半透明の収録袋１２ が設けられ、この収録袋１２の表フィルム１０に、写真等２を収録袋１２内に介 入可能とする幅２〜３ｍｍの２条のスリット１３が縦方向に形成されている。

【００１３】 そして、収録袋１２を縦方向に多段多列（例えば３段２列）に区切る仕切り条 １５が表フィルム１０と裏フィルム１１を熱溶着することにより形成され、これ らの仕切り条１５により、写真を収録可能とする複数の写真整理部１６が形成さ れている。

【００１４】 また、図２に斜線で示すように、各写真整理部１６の表フィルム及び裏フィル ムの表面に、整理部１６に収録された一対の写真の外周部を覆うマスキング層１ ８が形成される。このマスキング層１８は、一対の写真の裏面同士を重ね合せて 収録したときに写真が相互にずれて裏面が反対側から見えるのを防止するための ものであり、グラビラ印刷やオフセット印刷等により表裏フィルム１０，１１に 形成され、その層構造はベタ塗り層、模様塗り層のいずれであってもよく、要す るに写真の裏面が隠れる層構造であればよい。従って、需要者の好みに合せて種 々の模様・色彩を選択することができる。

【００１５】 更に、図１の如く、被綴じ体５の表面及び裏面には、ポリプロピレン製の扉シ ート２３が重合されている。この扉シート２３は、その上端縁に、ほこり等の付 着を防止するカバー２４が折曲げ可能に形成され、更に、表紙７の背部８を湾曲 状に形成しているため、これに合わせて、カバー２４の端部に湾曲カバー部２５ が形成されている。そして、この扉シート２３が被綴じ体５の綴じ代部６ととも に表紙７の背部８の内面に接着されている。

【００１６】 この表紙７は、その背部６の内面がポリプロピレンや塩化ビニル等の熱可塑性 樹脂からなることを必要とするが、安価に得られて耐久性も優れているという点 で、全体が熱可塑性樹脂からなるものが望ましい。また、この被綴じ体５の綴じ 代部６の端面と表紙７の背部内面との間には、扉シート２３と一体的に形成され た熱可塑性樹脂フィルム部が介在され、振動により背部８と被綴じ体５との間で 発生する摩擦熱で両者を接合するように構成されている。

【００１７】 なお、収録用シ−ト状物４は、表裏フィルムが一体となった袋物から形成する か、または別々に用意した表フィルムまたは裏フィルムを熱溶着などで袋状にし た物を用いてもよい。そして、これらの収録袋にスリット及び仕切り条１５を形 成し、印刷機でマスキング層１８を形成して収録用シ−ト状物４を完成し、次に 、この完成したシート状物４を、多数枚重合して被綴じ体５として、その綴じ代 部６を扉シート２３の熱可塑性樹脂フィルム部に合わせ、製本装置を使用して、 この綴じ代部を表紙７の背部８の内面に合わせ、振動による摩擦熱で背部内面と 介在熱可塑性樹脂フィルム部を溶融させ、被綴じ体５を表紙７の背部内面に接着 して、製本を完成する。従って、収録用シ−ト状物４の作成が極めて容易に行え 、また、台紙を使用しないため、材料コストの低減も図れ、安価な製本を提供す ることができる。

【００１８】 また、この収録用製本１に写真２を収録する場合には、各整理部１６のスリッ ト１３から一対の写真２を背中合せにして収録する。そうすると、一対の写真２ が相互にずれたときでも、各整理部１６の外周面にマスキング層１８を形成して いるので、写真２の裏面が反対側から見えることがなく、見栄えを良好にするこ とができるばかりか、マスキング層１８により、額縁に写真２を入れた状態とな り、遠近感により写真２が浮き出たように見える。

【００１９】 また、扉シート２３にカバー２４が折曲げ可能に形成されているので、シート 状物４として合成樹脂を使用しても静電気によるほこりが収録用シ−ト状物４に 付着するのを防止でき、製本専用の収納ケースが不要となる。

【００２０】 なお、この考案は、上記実施例に限定されるものではなく、この考案の範囲内 で多くの修正・変更を加えることができるのは勿論である。例えば、上記実施例 では、写真の収録について説明したが、この他、名刺やはがき等の収録にもこの 考案を適用できる。

【００２１】 また、上記実施例では２条のスリットを形成したが、図４の如く、収録用シー ト状物の中央に１条のスリット１３を形成し、このスリット１３からその左右両 側の整理部１６に写真２を夫々介入するように構成してもよいことは勿論である 。また、表裏フィルムの溶着は圧着等も含む概念である。更に、上記実施例の収 録用シ−ト状物は表紙の背部に溶着により接合される場合に限らず、綴じ代部に パンチ穴を形成し、収録用品の綴じ具に収録するバインダー形式のものであって もよい。

【００２２】

【考案の効果】

以上詳述したところから明らかな通り、請求項１及び請求項２に係る考案によ れば、中台紙を使用せずに表裏フィルムにより写真整理部を構成しているので、 製造コストを低減することができ、また、各写真整理部の外周部にマスキング層 を形成したから、一対の写真の裏面同士を重ね合せた状態で各写真整理部に収録 しても、写真の裏面が反対側から見えることがなくなり、また、写真を浮き出た ように見せることができるので、極めて見栄えを良好にすることができるといっ た優れた効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案に係る写真等の収録用製本の一実施例
を示す斜視図

【図２】収録用シート状物の正面図

【図３】図２のＡ−Ａ断面図

【図４】この考案の他の実施例を示す収録用製本の斜視
図

【符号の説明】

１ 収録用製本 ２ 普通サイズの写真等 ３ 幅広サイズの写真等 ４ 収録用シート状物 ５ 被綴じ体 ６ 綴じ代部 ７ 表紙 ８ 背部 １０ 表フィルム １１ 裏フィルム １２ 収録袋 １３ スリット １５ 仕切り条 １６ 写真整理部 １８ マスキング層

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 表フィルム及び裏フィルムが一体的に形
   成されてなる透明ないし半透明の収録袋を備え、この収
   録袋に複数の仕切り条で表フィルムと裏フィルムを溶着
   することにより複数の写真整理部を形成し、各写真整理
   部の表フィルム側に、裏面同士を合せた一対の写真等を
   介入可能とするスリットを形成し、各写真整理部の外周
   部の表面に整理部に収録された写真の外周部を覆うマス
   キング層を形成したことを特徴とする写真等の収録用シ
   ート状物。
2. 【請求項２】 請求項１記載の収録用シート状物を多数
   枚重合することにより被綴じ体を構成し、この被綴じ体
   の綴じ代部の端縁を、表紙の背部内面に接着してなるこ
   とを特徴とする写真等の収録用製本。