JPH07120781A - 光書込み型空間光変調素子の製作法 - Google Patents

光書込み型空間光変調素子の製作法

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JPH07120781A
JPH07120781A JP29142493A JP29142493A JPH07120781A JP H07120781 A JPH07120781 A JP H07120781A JP 29142493 A JP29142493 A JP 29142493A JP 29142493 A JP29142493 A JP 29142493A JP H07120781 A JPH07120781 A JP H07120781A
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Japan
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amorphous silicon
hydrogenated amorphous
silicon film
substrate
transparent substrate
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JP29142493A
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Yutaka Ochi
豊 越智
Yasuyuki Natsubori
泰行 夏堀
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Victor Company of Japan Ltd
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Victor Company of Japan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 シェーディングの無い再生画像情報が容易に
得られる光書込み型空間光変調素子の製作法を提供す
る。 【構成】 透明基板上に付着される光導電層部材の熱膨
張率と、熱膨張率に違いのない透明基板を使用してプラ
ズマCVD法により、光導電層部材として水素化アモル
ファスシリコン膜を形成させた後に、ピッチポリシング
法により、水素化アモルファスシリコン膜の表面を、前
記した透明基板の面と平行に研磨したものを素材に用い
て光書込み型空間光変調素子を構成する。透明基板の熱
膨張率と、水素化アモルファスシリコン膜の熱膨張率と
に差が無いために、前記の水素化アモルファスシリコン
膜が付着形成された状態の透明基板の温度が、室温に迄
低下した状態にされても表裏両面は平行平面状になって
おり、透明基板に付着形成させた水素化アモルファスシ
リコン膜の膜厚分布が研磨により一定なために、感度む
らや解像度むらが発生せず、読出し光を入射させること
により高画質の再生画像が得られる光書込み型空間光変
調素子を容易に製作できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表示装置、撮像装置、光
コンピュータ等における構成素子として使用される光書
込み型空間光変調素子の製作方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば表示装置や撮像装置において、高
精細度を有する画像情報が得られるようにするために
は、表示装置や撮像装置の構成素子としても、高解像度
の画像情報を得ることができる構成素子を用いることが
必要であるが、前記の高解像度の画像情報が得られる素
子の1つとして、光書込み型空間光変調素子が注目され
ている。図1は前記した光書込み型空間光変調素子SL
Mの一例構成を示したものであって、この図1に示す光
書込み型空間光変調素子SLMは、透明基板BP1と透
明電極Et1と光導電層部材PCLと誘電体ミラーDML
と光変調材層部材PMLと透明電極Et2と透明基板BP
2とを積層して構成されている。
【0003】透明電極Et1,Et2は透明導電物質の薄膜
で構成されており、また、光導電層部材PCLは使用さ
れる光の波長域において光導電性を示す物質を用いて構
成され、さらに誘電体ミラーDMLは所定の波長帯の光
を反射させうるように多層膜として構成された周知形態
のものが使用でき、さらにまた光変調材層部材PML
は、印加されている電界強度に応じて光の状態( 光の偏
光状態、光の旋光状態、光の散乱状態 )を変化させる光
変調材( 例えばネマティック液晶、ニオブ酸リチウム、
BSO、PLZT、高分子ー液晶複合膜等 )を用いて構
成される。図1中のEは透明電極Et1,Et2間に所定の
電圧を印加するための電源であり、この電源Eは図中で
は交流電源であるとして示されているが、光変調材層部
材PMLの構成物質に応じて直流電源となされたり交流
電源となされたりするのである。
【0004】また、図中のWLは光書込み型空間光変調
素子SLMにおける基板BP1 側から入射されて光導電
層部材PCLに集光される書込み光であって、この書込
み光WLは表示の対象にされている情報によって強度変
調されているものである。透明電極Et1,Et2間に電源
Eから所定の電圧が供給されている光書込み型空間光変
調素子SLMにおける透明基板Et1側から、画像情報に
よって強度変調されている書込み光WLが入射して、透
明基板BP1 と透明電極Et1とを通して光導電層部材P
CLに集光されると、前記した書込み光WLが集光され
た部分の光導電層部材PCLの電気抵抗値が、照射され
た光量に応じて変化して、光変調材層部材PMLの両端
には、前記した画像情報と対応している電界強度分布を
示す電界が印加される。
【0005】それで、光書込み型空間光変調素子SLM
における透明基板BP2 側から読出し光RLを入射させ
ると、その読出し光RLは透明基板BP2 →電極Et2→
光変調材層部材PML→誘電体ミラーDMLの経路によ
り誘電体ミラーDMLに達してそこで反射し、読出し光
の反射光は誘電体ミラーDML→光変調材層部材PML
→電極Et2→透明基板BP2 →の経路で光書込み型空間
光変調素子SLMから出射する。前記のようにして光書
込み型空間光変調素子SLMから出射した光束は、前記
した書込み光WLが有していた画像情報と対応した電界
強度の分布を有する電界が印加されている光変調材層部
材PMLを往復した光束であるから、その読出し光の光
束は、書込み光の画像情報と対応して光の状態が変化し
ているものになっている。
【0006】光書込み型空間光変調素子SLMにおける
光変調材層部材PMLの構成材料が(1)それに印加され
た電界強度に応じてその中を通過する光の散乱状態を変
化させるようなものであった場合には、前記のようにし
て光書込み型空間光変調素子SLMから出射された読出
し光の反射光束は、書込み光の画像情報と対応して光の
強度が変化している状態のものになっており、また、光
書込み型空間光変調素子SLMにおける光変調材層部材
PMLの構成材料が、 (2)それに印加された電界強度に
応じてその中を通過する光の偏光の状態、あるいは複屈
折の状態を変化させるようなものであった場合には、前
記のようにして光書込み型空間光変調素子SLMから出
射された読出し光の反射光束は、書込み光の画像情報と
対応して偏光の状態、あるいは偏光面の状態が変化して
いる状態のものになっている。前記した(2)の場合には
光書込み型空間光変調素子SLMから出射した光束を検
光子(偏光ビームスプリッタPBSでも同じ)に通過させ
ることにより、光書込み型空間光変調素子SLMから出
射された読出し光の反射光束を、書込み光の画像情報と
対応して光の強度が変化している状態のものにすること
ができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記した光
書込み型空間光変調素子SLMにおいて、それの構成部
材として使用されている光導電層部材PCLの特性は、
光書込み型空間光変調素子SLMの感度や解像度などの
諸特性に対して大きな影響を与えるものである。光書込
み型空間光変調素子SLMに設けられている光導電層部
材PCLは、既述のように、光書込み型空間光変調素子
SLMに入射した書込み光の強度分布に従って電気抵抗
値が変化することにより、前記した書込み光の強度分布
に応じた電界強度分布を光変調材層部材PMLに与える
ことができるようにするためのものであるから、前記し
た光導電層部材PCLとしては、書込み光について高感
度な材料を選択使用した上で、高感度で高解像度な特性
を示すような構成にされていなければならないが、前記
した光導電層部材PCLは、それの膜厚を大にした場合
には感度の上昇と、解像度の低下とを生じ、また、前記
とは逆に、それの膜厚を小にした場合には感度の低下
と、解像度の向上とを生じる。
【0008】そして、前記のような光導電層部材PCL
の膜厚の変化は、感度と解像度とを変化させるから、光
書込み型空間光変調素子SLMに設けられている光導電
層部材PCLの厚さにむらがあると、前記の厚さのむら
と対応して感度と解像度とが変化することになるから、
光書込み型空間光変調素子SLMから読出された画像に
は明るさ及び精細度との双方についてのシェーディング
が認められるものになる。それで、光書込み型空間光変
調素子SLMにおける光導電層部材PCLの構成に当っ
ては、高感度を示す光導電材料を選択使用して、それの
全体の厚さを一定にすることが必要とされるが、前記し
た光書込み型空間光変調素子SLMの光導電層部材PC
Lを高感度なものとするのに、近年来、水素化アモルフ
ァスシリコン膜によって光導電層部材PCLを構成させ
ることが行なわれている。
【0009】ところで前記のように水素化アモルファス
シリコン膜によって高感度な光導電層部材PCLを構成
させようとする場合には、水素化アモルファスシリコン
膜の付着時における透明基板の温度を所定の高温度に保
持させておくことが必要とされる。そして前記のように
所定の高温度の状態の透明基板に水素化アモルファスシ
リコン膜を付着形成させる工程の終了後には、前記の透
明基板と水素化アモルファスシリコン膜との温度は室温
に迄低下することになるが、従来、前記した透明基板と
しては光学ガラスBK7が使用されていたので、基板と
して使用された光学ガラスBK7の熱膨張係数(摂氏1
度当り80掛ける10のマイナス7乗)と、前記した透
明基板に付着させた水素化アモルファスシリコン膜の熱
膨張係数(摂氏1度当り36掛ける10のマイナス7乗)
とが大巾に異なるために、前記した透明基板の板厚が厚
い場合には、透明基板から水素化アモルファスシリコン
膜が剥離することが生じるから、前記した透明基板とし
ては厚さの薄いものが使用されるのであるが、前記した
透明基板が薄い場合には透明基板に水素化アモルファス
シリコン膜が付着した状態で両者が一体に彎曲してしま
うことが起こる。
【0010】前記のように、透明基板の熱膨張係数と、
透明基板に付着させる水素化アモルファスシリコン膜の
熱膨張係数とが大巾に異なる場合に、薄い透明基板に水
素化アモルファスシリコン膜を付着させると、温度の変
化により両者が一体に彎曲してしまうという問題点は、
例えば特開平3ー261918号公報に開示されている
ように、例えば研磨手段の適用、あるいは加熱成形手段
の適用等により、温度の変化時に透明基板と水素化アモ
ルファスシリコン膜とに生じる彎曲形状に対して、予め
逆の形状に彎曲させてある透明基板を用意して、前記の
透明基板を所定の高温度に加熱した状態として水素化ア
モルファスシリコン膜を付着形成させるようにするとい
う提案が示されている。前記の公開公報に開示された提
案によれば、前記の透明基板に水素化アモルファスシリ
コン膜が付着された状態で、透明基板の温度と水素化ア
モルファスシリコン膜との温度とが室温に迄低下した状
態になると、透明基板と水素化アモルファスシリコン膜
との面を平坦にすることができるとしている。しかしな
がら、前記のような提案を実施しても、それによって得
られる透明基板の平坦度には限界があり、例えば50m
m角で厚さが1mmのガラス基板について、0.5μm
以下の平坦度を安定的に得ることが困難であるというこ
とが問題がなる。
【0011】また、透明基板に水素化アモルファスシリ
コン膜を付着形成させる場合に、透明基板面に付着され
る水素化アモルファスシリコン膜の膜厚は、全面が一様
な状態とはならず、例えば50mm角のガラス板に対し
て平均の膜厚が20μmの水素化アモルファスシリコン
膜を付着形成させた場合における膜厚のばらつきは、1
μm以上存在する。透明基板に付着形成させた水素化ア
モルファスシリコン膜の膜厚分布にばらつきが存在する
場合には、既述したような理由によって感度むらや解像
度むらが発生するから、光書込み型空間光変調素子に読
出し光を入射させて、画像情報を読出しても高画質の再
生画像を得ることができないので、それの改善策が求め
られた。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は透明電極が付着
された透明基板間に、少なくとも光導電層部材と光変調
材層部材とを含んだ複数の部材を用いて積層構成した光
書込み型空間光変調素子における前記の光導電層部材と
して水素化アモルファスシリコン膜が用いられる光書込
み型空間光変調素子の製作に当り、水素化アモルファス
シリコン膜が付着形成されるべき基板を所定の温度と
し、SiH4ガスが15sccm、H2ガスが60scc
m、SiH4ガスに対するB2H6ガスの流量比が1.0P
Pm以下、ガス圧が133Paであるという雰囲気内に
おいて、プラズマCVD法により前記の基板に水素化ア
モルファスシリコン膜を形成させる場合に、前記の基板
として、表裏両面が平行な光学的平面であるとともに、
前記した水素化アモルファスシリコン膜の示す熱膨張係
数と同程度の熱膨張係数を有するガラスによる透明基板
に透明電極が付着されている構成のものを用い、また、
基板に付着形成された水素化アモルファスシリコン膜の
表面を、前記した基板の面と平行にするように研磨する
工程を設けてなる光書込み型空間光変調素子の製作法を
提供する。
【0013】
【作用】SiO2が80.9wt%,B2O3が12.7wt
%,Al2O2が2.3wt%,Fe2O3が0.03wt
%,Na2Oが4.0wt%,K2Oが0.04wt%の組
成を有するガラスにより、表裏両面が平行な光学的平面
とされている透明基板の一方の面上に透明導電膜による
電極を付着させる。前記の透明基板を摂氏220度に加
熱して、その温度に保持し、SiH4ガスが15scc
m、H2ガスが60sccm、SiH4ガスに対するB2H
6ガスの流量比が1.0PPm以下、ガス圧が133Pa
であるという雰囲気内において、プラズマCVD法によ
り、膜厚が20マイクロメートルの水素化アモルファス
シリコン膜を形成させる。前記した組成を有するガラス
で構成された透明基板の熱膨張率と、前記の条件で透明
基板上に付着形成された膜厚が20マイクロメートルの
水素化アモルファスシリコン膜の熱膨張率とには大差が
無いので、前記の水素化アモルファスシリコン膜が付着
形成された状態の透明基板が室温にされても表裏両面は
平行な平面のままになっている。次に、砥粒とした酸化
セリウム、ポリッシャーとしてピッチを用いてピッチポ
リシング法により、透明基板に付着形成されている水素
化アモルファスシリコン膜の表面を、前記した透明基板
の面と平行に研磨する。それにより、透明基板に付着形
成させた水素化アモルファスシリコン膜の膜厚分布が一
定とされるために、感度むらや解像度むらが発生せず、
光書込み型空間光変調素子に読出し光を入射させて、画
像情報を読出せば高画質の再生画像が得られる。
【0014】
【実施例】以下、添付図面を参照して本発明の光書込み
型空間光変調素子の製作法の具体的な内容を詳細に説明
する。図1は光書込み型空間光変調素子の一例構成を示
す側断面図、図2は水素化アモルファスシリコン膜を付
着させたガラス基板の熱膨張率と水素化アモルファスシ
リコン膜の熱膨張率との差と、水素化アモルファスシリ
コン膜の平坦度との関係を示す図である。本発明の光書
込み型空間光変調素子の製作法では、まず、SiO2が8
0.9wt%,B2O3が12.7wt%,Al2O2が2.
3wt%,Fe2O3が0.03wt%,Na2Oが4.0
wt%,K2Oが0.04wt%の組成を有するガラス板
により、表裏両面が平行な光学的平面とされている透明
基板(図1中の透明基板BP1に相当)を作る。前記の
ように、表裏両面が平行な光学的平面とされている透明
基板は、SiO2が80.9wt%,B2O3が12.7wt
%,Al2O2が2.3wt%,Fe2O3が0.03wt
%,Na2Oが4.0wt%,K2Oが0.04wt%の組
成を有するガラス板を研磨することにより作ることがで
きる。前記の研磨工程は、例えば砥粒として酸化セリウ
ムを用いるとともに、ポリッシャーとしてピッチを用い
て、ピッチポリシング法により前記のガラス板の面を研
磨することによって行なうと良い結果が得られる。
【0015】次に、前記の透明基板の一方の面上に透明
導電膜による透明電極(図1中の透明電極Et1に相当)
を付着させたものを作る。前記の透明電極としては、真
空蒸着法、またはスパッタリング法を適用して、透明基
板面に例えばITO膜を構成させることができる。前記
のように、透明基板の一方の面上に透明導電膜による透
明電極が付着された状態の透明基板を、真空容器中に入
れて真空容器内を所定の真空度となるまで排気し、次に
前記の透明基板を摂氏220度に加熱して、その温度に
保持し、次いで、真空容器中にSiH4ガスが15scc
m、H2ガスが60sccm、SiH4ガスに対するB2H
6ガスの流量比が1.0PPm以下となるようにガスを流
し、ガス圧が133Paであるという雰囲気内におい
て、プラズマCVD法により、膜厚が20マイクロメー
トルの水素化アモルファスシリコン膜を透明基板上に形
成させる。透明基板上に水素化アモルファスシリコン膜
を付着形成させるのには日電アネルバ(株)製のプラズ
マCVD装置(型番PED301)を用い、電極間距離
を35mmとして20Wの電力により、前記の条件で透
明基板上に対して水素化アモルファスシリコン膜を形成
させると、感度も良好な水素化アモルファスシリコン膜
を得ることができた。
【0016】前記したプラズマCVD装置を用いて電極
間距離を35mmよりも短い距離25mmとした場合に
は、透明基板の温度を前記した220度よりも低い温度
180度とし、真空容器中にSiH4ガスが15scc
m、H2ガスが60sccm、SiH4ガスに対するB2H
6ガスの流量比が1.0PPm以下となるようにガスを流
し、ガス圧が133Paであるという雰囲気内におい
て、プラズマCVD法により、膜厚が20マイクロメー
トルの水素化アモルファスシリコン膜を透明基板上に形
成させてもよいが、この場合に得られる水素化アモルフ
ァスシリコン膜は、既述した電極間距離が35mmで透
明基板の温度を220度の条件で製作した水素化アモル
ファスシリコン膜に比べて感度が低いものであった。な
お、水素化アモルファスシリコン膜の成膜過程で発生す
ると考えられる真応力は、成膜条件を最適化することに
より0に近付けることができ、したがって、透明基板と
水素化アモルファスシリコン膜との界面に発生する内部
応力を0に近付けることにより、透明基板の厚さとは無
関係に彎曲(反り)を0.1μm以下に抑えることがで
き、水素化アモルファスシリコン膜の剥離が生じないよ
うにすることができる。
【0017】前記のように20マイクロメートルの所定
の膜厚の水素化アモルファスシリコン膜が付着された状
態の透明基板を徐冷した後に大気中に取出して研磨す
る。前記の研磨工程は、例えば砥粒として酸化セリウム
を用いるとともに、ポリッシャーとしてピッチを用い
て、ピッチポリシング法により、透明基板に付着形成さ
れている水素化アモルファスシリコン膜の表面を、前記
した透明基板の面と平行に研磨すると良い結果が得られ
る。前記の研磨工程を経ることにより、前記の水素化ア
モルファスシリコン膜の膜厚のばらつきは、研磨が行な
われる前に存在していた1μm程度の膜厚のばらつき
が、前記した研磨工程後には0.3μm以下のばらつき
に改善される。図1に示す光書込み型空間光変調素子に
おいて、PCLとして示してある光導電層部材に対応す
る前記の水素化アモルファスシリコン膜には、図1中に
示されている順次の構成部材、すなわち、誘電体ミラー
DML、光変調材層部材PML、透明電極Et2、透明
基板BP2が積層されることにより、光書込み型空間光
変調素子が作られる。図1に例示してある光書込み型空
間光変調素子では、書込み光が読出し側に行かないよう
にするための遮光層を設けていないが、前記の遮光層が
設けられてもよい。また、図1に例示してある光書込み
型空間光変調素子における光変調材層部材PMLが、例
えば液晶を用いて構成される場合には、配向層が設けら
れたり、シール部材が設けられたりすることはいうまで
もない。前記のように本発明の製作方法に従って製作さ
れた光書込み型空間光変調素子と、従来の光書込み型空
間光変調素子とを比較すると、次の表1に示されるよう
な差異が得られる。
【0018】
【表1】
【0019】表1中に示されている従来例の光書込み型
空間光変調素子は、透明基板として使用されたガラス
が、光学ガラスBK7であり、それの熱膨張率(摂氏1
度当り80掛ける10のマイナス7乗)が、前記した透
明基板に付着させた水素化アモルファスシリコン膜の熱
膨張係数(摂氏1度当り、36掛ける10のマイナス7
乗)に対して大巾に異なるために、光学ガラスBK7に
よる透明基板と、光導電層部材PCLとして使用される
水素化アモルファスシリコン膜との間に、図2中に示さ
れているような大きな応力が発生して、透明基板に2〜
4μmというような大きな彎曲(反り)が生じるのであ
る。また、従来例の光書込み型空間光変調素子では、透
明基板に付着させた水素化アモルファスシリコン膜の膜
厚のばらつきが1μm程度もあるので、透明基板に存在
する2〜4μmというような大きな彎曲(反り)ととも
に、再生画像中に大きなシェーディングが発生するので
ある。
【0020】本発明の製作方法に従って製作された光書
込み型空間光変調素子と、従来例の光書込み型空間光変
調素子との比較結果を示す「表1」の記載内容をみる
と、本発明の製作方法に従って製作された光書込み型空
間光変調素子は、従来例の光書込み型空間光変調素子に
比べて、優れた特性を有することが明らかである。本発
明の製作方法に従って製作された光書込み型空間光変調
素子では、透明基板の熱膨張率と、透明基板上に付着形
成された水素化アモルファスシリコン膜の熱膨張率とに
差が無いために、前記の水素化アモルファスシリコン膜
が付着形成された状態の透明基板の温度が、室温に迄低
下した状態にされても表裏両面は平行平面状になってお
り、また、透明基板に付着形成させた水素化アモルファ
スシリコン膜の膜厚分布が研磨により一定とされるため
に、感度むらや解像度むらが発生せず、したがってシェ
ーディングのない状態の高画質の再生画像が得られる光
書込み型空間光変調素子を容易に製作できるのである。
【0021】
【発明の効果】以上、詳細に説明したところから明らか
なように本発明の光書込み型空間光変調素子の製作法で
は、SiO2が80.9wt%,B2O3が12.7wt%,A
l2O2が2.3wt%,Fe2O3が0.03wt%,Na
2Oが4.0wt%,K2Oが0.04wt%の組成を有す
るガラスにより、表裏両面が平行な光学的平面とされて
いる透明基板の一方の面上に透明導電膜による電極を付
着させ、前記の透明基板を摂氏220度に加熱して、そ
の温度に保持し、SiH4ガスが15sccm、H2ガス
が60sccm、SiH4ガスに対するB2H6ガスの流量
比が1.0PPm以下、ガス圧が133Paであるとい
う雰囲気内において、プラズマCVD法により、水素化
アモルファスシリコン膜を形成させた後に、透明基板に
付着形成されている水素化アモルファスシリコン膜の表
面を、前記した透明基板の面と平行に研磨したものを素
材に用いて光書込み型空間光変調素子を構成したことに
より、前記した組成を有するガラスで構成された透明基
板の熱膨張率と、前記の条件で透明基板上に付着形成さ
れた膜厚が20マイクロメートルの水素化アモルファス
シリコン膜の熱膨張率とには大差が無いために、前記の
水素化アモルファスシリコン膜が付着形成された状態の
透明基板の温度が、室温に迄低下した状態にされても表
裏両面は平行平面状になっていて、透明基板に付着形成
させた水素化アモルファスシリコン膜の膜厚分布が一定
とされるために、感度むらや解像度むらが発生せず、読
出し光を入射させることにより高画質の再生画像が得ら
れる光書込み型空間光変調素子を容易に製作できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光書込み型空間光変調素子の一例構成を示す側
断面図である。
【図2】水素化アモルファスシリコン膜を付着させたガ
ラス基板の熱膨張率と水素化アモルファスシリコン膜の
熱膨張率との差と、水素化アモルファスシリコン膜の平
坦度との関係を示す図である。
【符号の説明】
SLM…光書込み型空間光変調素子、BP1,BP2…透
明基板、Et1,Et2…透明電極、PCL…光導電層部
材、DML…誘電体ミラー、PML…光変調材層部材、
E…電源、WL…書込み光、RL…読出し光、

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明電極が付着された透明基板間に、少
    なくとも光導電層部材と光変調材層部材とを含んだ複数
    の部材を用いて積層構成した光書込み型空間光変調素子
    における前記の光導電層部材として水素化アモルファス
    シリコン膜が用いられる光書込み型空間光変調素子の製
    作に当り、水素化アモルファスシリコン膜が付着形成さ
    れるべき基板を所定の温度とし、SiH4ガスが15sc
    cm、H2ガスが60sccm、SiH4ガスに対するB2
    H6ガスの流量比が1.0PPm以下、ガス圧が133P
    aであるという雰囲気内において、プラズマCVD法に
    より前記の基板に水素化アモルファスシリコン膜を形成
    させる場合に、前記の基板として、表裏両面が平行な光
    学的平面であるとともに、前記した水素化アモルファス
    シリコン膜の示す熱膨張係数と同程度の熱膨張係数を有
    するガラスによる透明基板に透明電極が付着されている
    構成のものを用い、また、基板に付着形成された水素化
    アモルファスシリコン膜の表面を、前記した基板の面と
    平行にするように研磨する工程を設けてなる光書込み型
    空間光変調素子の製作法。
JP29142493A 1993-10-27 1993-10-27 光書込み型空間光変調素子の製作法 Pending JPH07120781A (ja)

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