JPH0711881B2 - テ−プロ−ディング機構 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ビデオあるいはオーディオ用テープレコーダ
のテープローディング機構に関する。

〔従来の技術〕

一般に、テープレコーダにおける記録，再生は、テープ
カセットから磁気テープを引出すと共にこのテープを磁
気ヘッドを備えたヘッドドラムに経由する所定の走行経
路上に配置し、すなわちテープをローディングし、その
うえでこのテープを所定の速度で走行させて行なわれ
る。

一般に、テープをテープカセットから引出して所定の走
行経路上に位置決めする手段として、少なくとも２つの
テープローディングポストを使用している。このテープ
ローディングポストは、テープの内側からその一部に当
接するローラ部を備え、これらローラ部を各別に支持す
る移動ブロックの一部がシャーシに形成されたガイド長
孔に摺動自在に係合されており、これら移動ブロックが
ガイド長孔に沿って移動することにより、テープの一部
を外方へ引出するよう構成されている。

従って、このテープローディングポストは、テープ引出
し時において円滑に移動し、また磁気ヘッド等のローデ
ィング完了後は所定の位置に確実に保持固定されること
が要求される。

〔発明が解決しようとする問題点〕

前述したように、テープレコーダのテープローディング
はローディングポストを用いて自動的に行なわれる。

しかしながら、従来のテープローディング機構は、専用
のローディングモータを要すると共に歯車・カム機構や
リンク・歯車機構などのような複雑な駆動機構を不可欠
とし、このためテープレコーダ全体の構造を複雑化し価
格を上昇するなどの難点を有するものであった。

そこで、本発明の目的は、専用の駆動源や複雑な駆動機
構を要することなく、しかも正確，確実に且つ簡便にテ
ープをローディングできるテープローディング機構を提
供することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

先の目的を達成するために、本発明に係るテープローデ
ィング機構は、磁気ヘッドを備えたヘッドドラムに対向
してテープカセットが位置決め載置されるシャーシと、
このシャーシに摺動自在に配設されるスライダとからな
り、シャーシにはテープカセット内の磁気テープをテー
プカセット内の第一位置からテープカセット外の第二位
置まで移動して磁気テープを前記ヘッドドラムに所定角
度巻付けて磁気ヘッドが前記磁気テープ上を走査可能と
なるテープ走行経路上にローディングするテープローデ
ィングポストを有し、シャーシとスライダとの間にはス
ライダのシャーシに対する開放位置においてテープロー
ディングポストを第一位置に位置させ、スライダのシャ
ーシに対する装着位置においてテープローディングポス
トを第二位置に位置させるようテープローディングポス
トを移動させる移動機構を有し、スライダにはこのスラ
イダのシャーシに対する開放位置から装着位置までの摺
動の間にシャーシ上のテープカセットを被覆押圧する固
定手段を備えてなることを特徴とする。

〔作用〕

本発明のテープローディング機構によれば、スライダを
開放位置にセットした状態でテープカセットをシャーシ
上に位置決め載置し、次いでこのスライダを挿着位置へ
向けて摺動すると、この摺動の間に、テープカセットは
固定手段を介してシャーシ上に確実に固定されると共
に、テープカセット内のテープはテープの第一位置すな
わち取出し位置からテープの第二位置すなわち引出し位
置へ移動されるテープローディングポストによって所定
の走行経路上にローディングされる。また、スライダを
摺動するだけで、すなわち駆動源や複雑な駆動機構を要
することなく、テープのローディングが行なわれる。

しかも、テープカセットは支持ピンならびに位置決めピ
ンを介して正確に位置決めされると共に、、一方テープ
ローディングポストは引張りスプリングの作用によりそ
れぞれテープ取出し位置ならびにテープ引出し位置に正
確且つ安定して保持されるので、テープの引出しならび
にローディングが確実且つ正確に行なわれる。

〔実施例〕

次に、本発明に係るテープローディング機構の一実施例
につき添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。

第１図乃至第３図において、参照符号10は本発明のテー
プローディング機構を実施するテープレコーダを示す。
テープレコーダ10は、基本的には、磁気ヘッドを備えた
ヘッドドラム32に対向してテープカセット12が位置決め
載置されるシャーシ20と、このシャーシ20に摺動自在に
配設されるスライダ42とからなる。

先ず、テープカセット12はその前面側縁部に開閉蓋44
（第１図参照）を有し、そして磁気テープ14は前記開閉
蓋44内のスペースを通って供給リール38と巻取リール40
との間に巻回収納されている。そしてこのテープカセッ
ト12は、シャーシ20上に立設した３本の支持ピン46にそ
の底面を支承され、２本の位置決めピン48をその底面に
設けたピン穴（図示せず）に挿通され、そして２本の開
閉ピン50でその開閉蓋44を開かれた状態（第１図に２点
鎖線で示されている）で、シャーシ20上に所定の高さで
所定の関係位置に載置されるように構成されている。

スライダ42は折起し状把手部66とシャーシ20の裏面両側
縁部に沿って延在する左右ガイド板68,70とからなる。
そしてこのスライダ42は左右ガイド板68,70に穿設され
た長手方向ガイド溝72,74内に支持ピン76を止めビスな
どを介して挿通されてシャーシ20に取付けられており、
支持ピン76がガイド溝72,74の一方（図において右側）
の端部に係合するスライダ開放位置（第２図に示す位
置）から支持ピン76がガイド溝72の他方（図において左
側）の端部に係合するスライダ挿着位置（第３図に示す
位置）の間を摺動されるように構成されている。

シャーシ20にはその表面に穿設された円弧状ガイド溝6
0,62内を移動してテープカセット12内のテープ14を引出
しローディングする２本のテープローディングポスト5
6,58が前記ガイド溝60,62から突出して設けられてい
る。このテープローディングポスト56,58は、これらポ
スト56,58をそれぞれ支持し且つ互いに噛合回転するよ
うシャーシ20の裏面に配設される２つのポスト移動用歯
車52,54と、これら歯車の一方の歯車52に噛合してこれ
ら歯車52,54を回動するようスライダ42の一方のガイド
板68の前半内周面に形成されるラック84とからなる移動
機構によって移動されるように構成されており、前述し
たスライダ42の開放位置においてテープローディングポ
スト56,58はこれらポストをテープカセット12内のテー
プ取出し位置（第１図および第２図に示された位置）に
規制する前記ガイド溝60,62の一方の端部（図において
下側端部）に係合し、スライダ42の装着位置においてテ
ープカセット12外の所定のテープ引出し位置（第３図に
示される位置）に規制する前記ガイド溝60,62の他方の
端部（図において上側端部）に係合するように構成され
ている。なお、一方のポスト移動用歯車52には引張りス
プリング64が付設されており、テープローディングポス
ト56,58は常時ガイド溝60,62の何れか一方の端部へ向け
て付勢されるように構成されている。

スライダ42の中央部には折曲げ状押え部材80が付設され
ており、この押え部材80はスライダ42がその装着位置へ
向けて摺動される間にシャーシ20上に載置されるテープ
カセット12上に被覆され、窓穴80aから押え部82aを突出
している押えばね82によって前記テープカセット12を押
圧固定する。

なお、公知のリール駆動装置88を支持する支持パネル90
が取付ねじ92,スペーサ94および取付穴96を介してシャ
ーシ20の裏面所定位置に取付けられており、スイッチ36
aを介して駆動されるリールモータ36によって回動され
るリール駆動軸98,98がシャーシ20の表面から突出され
ている。

このような構成において、テープカセット12内のテープ
14をローディングする際には、先ず、第２図に示すよう
に、スライダ42を開放位置にセットした状態でシャーシ
20上にテープカセット12を位置決め載置する。この場
合、スライダ42は引張りスプリング64によりポスト移動
用歯車52およびラック84を介して図において左方向へ付
勢されており、支持ピン76,76がガイド溝72,74の右側端
部に係合する位置すなわち開放位置に安全且つ正確に保
持されている。したがって、テープカセット12が支持ピ
ン46,位置決めピン48および開閉ピン50を介して開閉蓋4
4を開かれた状態でシャーシ20上に正確に位置決め載置
されると、テープローディングポスト56,58はテープ14
の内側の位置すなわちテープ取出し位置に正確に位置さ
れる。なお、リール駆動軸98,98がリール38,40の軸穴内
に挿通されることは勿論である。

次に、この状態でスライダ42をその把手部66を介して挿
着位置へ向けてすなわち第２図において右側へ押圧す
る。すると、スライダ42は支持ピン76を介して容易に摺
動される。そしてこの摺動の間に、スライダ42はそのラ
ック84を介してポスト移動用歯車52,54を回動し、テー
プローディングポスト56,58がガイド溝60,62を通してテ
ープ引出し位置方向へと移動し、テープを引出し位置方
向へ引出し、そしてこれと同時に、その押え部材80をテ
ープカセット12上へと被覆してテープカセット12を押圧
保持する。そして最後にこのスライダ42は第３図に示さ
れる挿着位置へ挿通されるが、この状態においては、ス
ライダ42本体は引張りスプリング64の作用により図にお
いて右方向へ付勢され、したがって支持ピン76,76がガ
イド溝72の左端部分に係合する位置すなわち前述の装着
位置に安全且つ正確に保持されると共に、一方押え部材
80はその押えばね82の押え部82aを窓穴80aから持上げら
れた状態でテープカセット12を確実に押圧固定する。し
たがって、テープカセット12内のテープ14はテープ引出
し位置へ正確に移動されるテープローディングポスト5
6,58に導かれて、テープがヘッドドラム32に所定の巻付
角度で巻付けられる所定のテープ走行経路34上に正確に
且つ安定してローディングされる。したがって、この状
態でスイッチ36aを介してリールモータ36を回動する
と、リール駆動軸98を介して供給リール38あるいは巻取
リール40が回転され、テープ14が所定の速度で走行され
てテープレコーダ10によって記録あるいは再生が良好に
行なわれる。

以上説明したように、本発明のテープローディング機構
によれば、テープレコーダを構成するスライダを摺動す
るだけで、すなわち駆動源や複雑な駆動機構を要するこ
となく、テープのローディングを達成することができ
る。したがって、テープレコーダの構造を簡単化し価格
を低減することができる。しかも、テープカセットは確
実に位置決め固定されると共に、一方テープローディン
グポストの移動が正確且つ安定して行なわれるので、テ
ープのヘッドドラムに対する装着を正確且つ安定して行
なうことができる。

以上、本発明の好適な実施例について説明したが、本発
明はその精神を逸脱することなく多くの設計変更をなし
うることは勿論である。

〔発明の効果〕

以上説明したように、本発明に係るテープローディング
機構は、テープレコーダをヘッドドラムに対向してテー
プカセットが位置決め載置されるシャーシとこのシャー
シに摺動自在に配設されるスライダとで構成することに
より、テープカセット内のテープをローディングするテ
ープローディングポストの移動をスライダの摺動によっ
て行えるように構成したので、従来必要とさたテープロ
ーディングのための専用の駆動源や複雑な駆動機構を不
要とすることができる。したがって、テープレコーダ全
体の構造を簡単化できると共に、価格を低減することが
できる。

しかも、本発明のテープローディング機構によれば、テ
ープレコーダが確実に位置決め固定されると共に、一方
テープローディングポストの移動が正確且つ安定して行
なわれるので、テープのローディングが正確に且つ安定
して行なわれる利点を有する。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係るテープローディング機構の一実施
例を示す分解組立図、第２図は第１図に示すテープロー
ディング機構のスライダを開放位置にセットした状態に
おける一部切欠平面図、第３図は第１図に示すテープロ
ーディング機構のスライダを装着位置にセットした状態
における一部切欠平面図である。 10……テープレコーダ、12……テープカセット 14……磁気テープ、20……シャーシ 32……ヘッドドラム、34……テープ走行経路 36……リールモータ、38……供給リール 40……巻取リール、42……スライダ 44……開閉蓋、46……支持ピン 48……位置決めピン、50……開閉ピン 52,54……ポスト移動用歯車 56,58……テープローディングポスト 60,62……ガイド溝、64……引張りスプリング 66……把持部、68,70……ガイド板 72,74……ガイド溝、76……支持ピン 80……押え部材、82……押えばね 84……ラック、88……リール駆動装置 90……支持パネル、92……取付ねじ 94……スペーサ、96……取付穴 98……リール駆動軸

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】磁気ヘッドを備えたヘッドドラムに対向し
   てテープカセットが位置決め載置されるシャーシと、こ
   のシャーシに摺動自在に配設されるスライダとからな
   り、 シャーシにはテープカセット内の磁気テープをテープカ
   セット内の第一位置からテープカセット外の第二位置ま
   で移動して磁気テープを前記ヘッドドラムに所定角度巻
   付けて磁気ヘッドが前記磁気テープ上を走査可能となる
   テープ走行経路上にローディングするテープローディン
   グポストを有し、 シャーシとスライダとの間にはスライダのシャーシに対
   する開放位置においてテープローディングポストを第一
   位置に位置させ、スライダのシャーシに対する装着位置
   においてテープローディングポストを第二位置に位置さ
   せるようテープローディングポストを移動させる移動機
   構を有し、スライダにはこのスライダのシャーシに対す
   る開放位置から装着位置までの摺動の間にシャーシ上の
   テープカセットを被覆押圧する固定手段を備えてなるこ
   とを特徴とするテープローディング機構。