JPH07117052A - 塗膜付樹脂の連続再生方法および装置 - Google Patents

塗膜付樹脂の連続再生方法および装置

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JPH07117052A
JPH07117052A JP33765493A JP33765493A JPH07117052A JP H07117052 A JPH07117052 A JP H07117052A JP 33765493 A JP33765493 A JP 33765493A JP 33765493 A JP33765493 A JP 33765493A JP H07117052 A JPH07117052 A JP H07117052A
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JP
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resin
coating film
pressure
zone
water
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JP33765493A
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English (en)
Inventor
Yoshizo Kuranashi
芳蔵 椋梨
Kazuyoshi Obana
一克 尾花
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Ube Corp
Original Assignee
Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、塗膜付樹脂の破砕品を圧力調整機
構を備えてなる押出機、特に2軸スクリュー型押出機に
供給し、該押出機中で高温・高圧の水または水蒸気と一
定の温度・圧力条件下に接触させるとともに、溶融・混
練して塗膜を分解・微細化して溶融樹脂中へ均一微細分
散し、吐出ノズルから押出すことによる塗膜付樹脂の連
続再生方法および装置に関する。 【効果】 本発明の方法によれば、処理条件および処理
工程が簡単であり、かつ、元の基材樹脂に対して物性の
低下が極めて少ない方法で塗膜付樹脂から連続的・安定
的にバンパー材などに再利用可能な再生品を得ることが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗膜付樹脂の再生方法
およびその装置に関し、さらに詳細には、圧力調整機構
を備えてなる押出機を使用して、溶融した樹脂中に含ま
れる塗膜を高温・高圧の水または水蒸気と、より好まし
くは塗膜分解促進剤の存在下に高温・高圧の水または水
蒸気と接触させて微細化し、溶融樹脂中に均一分散させ
ることによる、もとの樹脂(バージン材)に比べ物性の
低下が少なく、かつ、生産性の高い塗膜付樹脂の連続再
生方法およびその装置に関する。
【0002】本発明の方法によれば、加水分解される塗
料、特にアルキッドメラミン(またはアクリルメラミ
ン)樹脂塗装された自動車用バンパーの廃材を圧力調整
機構を備えた2軸スクリュー型押出機に供給可能なレベ
ルに破砕したものを、該2軸スクリュー型押出機に供給
して、好ましくは塗膜分解促進剤の存在下に、高温・高
圧の水または水蒸気と一定の温度・圧力条件下で接触さ
せることによって、塗膜付樹脂を加水分解し、再利用に
際し該塗膜付樹脂が有害にならないレベルまで微細化
し、溶融樹脂内に均一に分散させることにより、すなわ
ち、塗膜の加水分解と樹脂中への均一分散を同時に行う
ことにより、バンパー、インパネなどの材料として再利
用が可能となる。
【0003】
【従来の技術およびその問題点】自動車の製造段階で発
生する塗装不良バンパーや廃車、修理交換などにより発
生する廃バンパーは、一部は粉砕した後、フォークリフ
ト用のパレット材などとしてリサイクル使用しているも
のの近年埋め立て処分を主としてきた。しかしながら、
埋め立て地の制約などからリサイクル技術の開発が課題
となり、その試みの1つとして、塗装したバンパーを単
に粉砕、ペレット化し成形しただけの再生材をバンパ
ー、インパネなどの材料として再利用しようとする検討
がなされた。
【0004】しかし、このような単純リサイクル材で
は、比較的大きな塗膜片(100μm以上)が樹脂中に
分散し、異物として物性、特に耐衝撃性(衝撃強さ、脆
化温度)に悪影響を及ぼし、バンパー、インパネなどの
要求性能である耐衝撃性が悪化すること、また、大きな
塗膜片が成形体の表面に存在すると、外観、品質にも悪
影響を与えることなどにより、バンパー、インパネなど
に再利用することは品質上不可能であった。従って、塗
装された廃バンパーを元のバンパー、インパネなどにリ
サイクルするためには、塗膜の剥離など、塗膜に対して
何らかの処理を施すことが必要であったのである。
【0005】塗膜付樹脂からの塗膜処理方法としては、
以下の機械的剥離方法が一般に知られている。押出し/
スクリーンメッシュ法は、熱可塑性の基材樹脂を加熱溶
融し、不溶・不融の塗膜を押出機フィルターで瀘過・除
去するものであるが、メッシュ以下の大きさの塗膜が残
存するため塗膜の除去率が低い。比重差分離法は、バン
パー基材であるポリプロピレンと塗膜の比重の差を利用
し、塗膜を分離する方法であるが、バンパーを微粉砕す
ることが必要なので、経済的な微粉砕技術の開発が必要
となる。ショットブラスト法は、高圧エアーを用い適当
な熱硬化性樹脂などの有機物粉体もしくは無機物粉体を
高速でバンパー表面に吹き付けて塗膜を機械的に剥す方
法であるが、処理時間が長く、複雑曲面上の塗膜剥離が
困難であるなどの問題がある。ウォータージェット法
は、ショットブラスト法の粉体の代りに高圧水を用いる
ものであるが、この方法もショットブラスト法と同様の
問題がある。振動圧縮法は、特殊装置を使用して塗装バ
ンパー粉砕品に圧縮と振動を与え、塗膜を分離するとい
う特異な方法であり、環境負荷が小さいことや廃バンパ
ーに付着している砂や砂利の混合に対処できるなどの利
点があるものの、再生バンパーの外観をさらに改善する
ためには、残存塗膜量がなお満足のいくものではないな
どの問題があった。
【0006】また、溶剤膨潤法、アルカリ液煮沸法、酸
性液煮沸法、有機塩系溶剤処理法などの公知の化学的剥
離法は、酸あるいはアルカリの溶剤に浸漬し塗膜を分解
もしくは物理的に剥離する方法であるが、溶剤の種類に
よっては基材樹脂が膨潤したり浸食されたりし、再生材
の品質が低下するなどの問題がある。また、基材樹脂へ
のダメージがない溶剤では、剥離に非常に時間がかか
り、生産性の点で問題がある。さらには、中和工程を必
要とするなど、廃液処理にかなりコストがかかる点の
他、処理に使用される有機溶剤が環境に及ぼす影響が懸
念されるなどの問題点があった。
【0007】他の方法として、塗膜付樹脂の加水分解再
生法がWO93−1232号公報に開示されている。す
なわち、この方法は、塗装ポリプロピレンバンパーを粉
砕洗浄した後、オートクレーブ中で、110〜240℃
の温度および1.5〜35kg/cm2 Gの圧力まで加
熱加圧した水、アルコールまたは両者の混合物あるいは
それらの蒸気を使って、酸、アルカリなどの触媒の存在
下または不存在下に5〜240分間かけて加水分解およ
び/またはアルコーリシスを行い、次いで遠心脱水した
ものを2軸押出機で溶融混練してペレット化し、再生バ
ンパー材を得るものである。
【0008】この方法の欠点は、塗膜をオートクレーブ
中で加水分解および/またはアルコーリシスするため
に、(1)150℃より低温にすると、塗膜の加水分解
および/またはアルコーリシスに時間がかかり過ぎ、逆
に、160℃より高温にすると、基材樹脂のポリプロピ
レンが溶融・固着してブロックを形成し、次工程の遠心
脱水処理が困難となるなど、操作温度が150〜160
℃の狭い範囲に限定される、(2)バッチ処理となり、
昇温・昇圧に時間がかかり非能率的である。従って再生
材の生産効率が悪い、(3)塗膜の加水分解および/ま
たはアルコーリシスが静的であり、剪断力の作用が少な
いため、機械的な塗膜の破砕がない、などである。
【0009】さらに、押出機中で、塗膜付樹脂を水およ
び/または水蒸気と接触させて塗膜成分を加水分解させ
る塗膜付樹脂の再生処理方法が上記WO93−1232
号公報や特開平5−228936号公報に示唆されてい
るが、押出機内での塗膜と水および/または水蒸気との
接触に際して、一定した温度・圧力条件を維持すること
が困難であり、得られる再生樹脂の物性にバラツキがあ
るなど、安定した連続再生処理ができないなどの問題が
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、処理
条件および処理工程が簡単であり、かつ、元の基材樹脂
に対して物性低下が少ない塗膜付樹脂の連続的で安定な
再生方法およびその装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者らは、押出機中
で、溶融した塗膜付樹脂を高温・高圧の水または水蒸気
と接触させることにより、塗膜付樹脂を連続的、かつ、
安定的に再生する方法を開発すべく、鋭意検討した結
果、その際の装置として、シリンダー加熱装置、スクリ
ュー構成、注入・排気システムなどに工夫をこらした押
出機、特に2軸スクリュー型押出機を使用することによ
り可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0012】すなわち、本発明の方法および装置は、 (1)塗膜付樹脂供給口 (2)固体輸送ゾーン (3)溶融ゾーン (4)溶融体輸送ゾーン (5)再生樹脂吐出口(ダイ) からなり、シリンダーの(3)溶融ゾーンおよび/また
は(4)溶融体輸送ゾーンとなる個所に少なくとも1つ
の高圧の水または水蒸気の注入口および少なくとも1つ
の排気口(ベント)を設け、そして両口の中間には圧力
調整機構を設け、かつ、シリンダーの前記注入口の上流
側(塗膜付樹脂供給口側)となる個所およびシリンダー
の前記圧力調整機構取付口と前記排気口との間となる個
所に、注入して高温・高圧状態となった水または水蒸気
を封入するための溶融樹脂によるシール部を形成し、ま
た、該シール部間には、混練を主体とした働きをする形
状のスクリューを設けたような構造を有する押出機、特
には2軸スクリュー型押出機を使用し、該押出機中で、
溶融した樹脂中に含まれる塗膜を高温・高圧の水または
水蒸気と接触させて微細化し、該塗膜を溶融樹脂中に均
一微細分散させることにより達成できる。
【0013】以下に本発明の方法および装置を詳しく説
明する。本発明の方法においては、塗膜が高温・高圧の
水または水蒸気と接触して分解・劣化を起こすと同時に
機械的に粉砕され、低分子量化して微粒子にまで分解
し、基材樹脂中に分散するのである。従って、本発明に
使用される塗膜付樹脂の塗膜成分としては、高温・高圧
の水または水蒸気と接触して分解・劣化などにより細分
化するものであれば良く、特に限定されるものではない
が、加水分解可能なアルキッド−メラミン樹脂塗膜、ア
クリル−メラミン樹脂塗膜などが好適である。
【0014】しかしながら、本発明の方法では、前記塗
膜付樹脂の、高温・高圧の水または水蒸気との接触にお
いて、塗膜に対して適宜、塗膜分解促進剤を接触させる
こともできる。従って、本発明に使用される塗膜付樹脂
の塗膜成分としては、前記加水分解可能なアルキッド−
メラミン樹脂塗膜やアクリル−メラミン樹脂塗膜以外に
も高温・高圧の水または水蒸気との接触によっても加水
分解しにくいとされる、ポリイソシアネート樹脂とポリ
オール樹脂とからなる加熱硬化型のウレタン系塗料、つ
まり1液型ウレタン系塗料や2液型ウレタン系塗料など
も含まれる。
【0015】前記の塗膜分解促進剤としては、塩酸、燐
酸、酢酸、シュウ酸などの酸類、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム
などのアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物など
のアルカリ類、そして燐酸ナトリウム、燐酸水素ナトリ
ウム、酢酸ナトリウムなどのナトリウム塩や燐酸アンモ
ニウム、酢酸アンモニウムなどのアンモニウム塩などの
塩類が好適に挙げられる。これらの酸、アルカリや塩
は、好ましくは水溶液もしくは粉末の形で供給され、前
記塗膜成分の、高温の水または水蒸気との接触による分
解反応に対し、触媒作用をするのである。
【0016】また、本発明に使用される基材樹脂として
は、塗膜の高温・高圧の水または水蒸気との接触条件下
で分解されにくい熱可塑性樹脂であれば特に限定される
ものではないが、例えば、ポリプロピレン、エラストマ
ー変性ポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフ
ィン、ポリフェニレンオキシド、変性ポリフェニレンオ
キシド(スチレン変性ポリフェニレンエーテルを含む)
などのポリフェニレンオキシド系樹脂、ABS樹脂、A
S樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカー
ボネート樹脂、ポリアセタール樹脂などが好ましい。こ
れらの中でも自動車バンパー材料の主流となっているポ
リオレフィン、特にポリプロピレンを主体とした樹脂を
好適に挙げることができる。
【0017】本発明の方法において、押出機中で塗膜付
樹脂を熱水または水蒸気と接触させる際の温度は、使用
される基材樹脂や塗膜の種類などによって選定されるも
のであり、通常、基材樹脂の溶融点以上、熱劣化温度以
下であればよく、この範囲内で前記塗膜の加水分解もし
くは塗膜分解促進剤による分解に適した一定の温度に維
持すればよい。しかし、基材樹脂の劣化が起こらない範
囲では、温度はできるだけ高い方が塗膜の分解・微細化
が効率よく行われるので好ましい。そして、この時の圧
力は、押出機内の塗膜付樹脂と熱水または水蒸気との接
触ゾーンに気液共存状態を創出できるような圧力であれ
ばよい。従って、本発明の方法において使用される押出
機内での高温・高圧の水または水蒸気の温度および圧力
は、使用される塗膜付樹脂の種類によって該塗膜の加水
分解もしくは塗膜分解促進剤による分解に最適の条件が
選ばれるべきであり、一概には限定できないが、アルキ
ッド−メラミン樹脂塗装を施されたポリプロピレンバン
パー材では、160〜250℃、8〜50kg/cm2
Gが適当であり、180〜235℃、10〜30kg/
cm2 Gがより好ましい。
【0018】ところで、本発明の方法は、塗膜付樹脂の
破砕品を溶融し、次いで、高温・高圧の水または水蒸気
と接触させて塗膜を分解・微細化するとともに、微細化
した塗膜と溶融した樹脂とを混練し、塗膜を溶融樹脂中
に均一分散した後、系外へ排出できるような機能を有す
る押出機を使用することを特徴としており、このような
押出機としては、2軸スクリュー型押出機(噛合い型/
非噛合い型、同方向回転型/異方向回転型)、特殊単軸
押出機、多軸押出機、2軸反応機などが好適に挙げられ
る。これらの中では、2軸噛合い型同方向(または異方
向)回転の2軸スクリュー型押出機が特に好ましい。
【0019】本発明の方法に特に好適に使用される2軸
スクリュー型押出機は、前述したように、一端に塗膜付
樹脂供給口が、そして他端に再生樹脂吐出口、すなわち
ダイがそれぞれ設けられたシリンダーと、前記シリンダ
ー内に、回転駆動され、互いに噛み合う2軸のスクリュ
ーと、前記シリンダーの外周囲に前記シリンダーを外側
から加熱または冷却する伝熱装置とが備えられたもので
ある。
【0020】そして、前記シリンダー内のスクリュー構
成としては、固体輸送ゾーン、溶融ゾーン(可塑化ゾー
ン)および溶融体輸送ゾーンからなっており、溶融体輸
送ゾーンは、さらに、塗膜付樹脂と高温・高圧水(また
は水蒸気)との接触ゾーン、脱揮ゾーンおよび昇圧ゾー
ンからなっていることが好ましい。塗膜付樹脂は、前記
シリンダー内に前記シリンダーと前記スクリューとで構
成される空間部を、前記スクリューの回転駆動によっ
て、固体輸送ゾーン、溶融ゾーン、接触ゾーン、脱揮ゾ
ーンおよび昇圧ゾーンの順で移動していくのであるが、
特に接触ゾーンでの塗膜を含む樹脂の滞留時間を長くす
るために、スクリュー長さは、可能な限り長くした方が
よい。通常は、シリンダー径の20〜60倍の長さが好
ましい。なお、2軸反応機については、シリンダー径の
5〜20倍の長さが好ましい。
【0021】本発明の方法における前記スクリューを構
成する前記各ゾーンは、以下に示すような機能を持つも
のである。固体輸送ゾーンは、前記シリンダーの上流端
に設けられた塗膜付樹脂供給口から供給された塗装バン
パー廃材などの塗膜付樹脂の破砕品を、回転駆動によっ
て互いに噛み合う2軸のスクリューによる推進力によっ
て、次の溶融ゾーン、すなわち、可塑化ゾーンへ移送す
るものである。なお、該固体輸送ゾーンに供給される塗
膜付樹脂は、前記シリンダーの上流端に設けられた塗膜
付樹脂供給口から供給でき、かつ、下流側の高温・高圧
水(または水蒸気)との接触ゾーンで、塗膜の分解・微
細化が効率的に行えるよう、予め、粉砕機などで30m
m以下、好ましくは10mm以下に破砕された破砕品を
使用するのが望ましい。
【0022】溶融ゾーンは、前記塗膜付樹脂の破砕品を
混練エレメント(ニーディングディスク)で加熱溶融し
て可塑化するものである。この溶融ゾーンとなる個所、
もしくは、次の溶融体輸送ゾーンの最上流部である塗膜
付樹脂と高温・高圧水(または水蒸気)との接触ゾーン
となる個所の上流端部近くの前記シリンダーには、高圧
の水または高温・高圧の水蒸気の注入口が少なくとも1
つ設けられている。そして、溶融ゾーンとなる個所また
は塗膜付樹脂と高温・高圧水(または水蒸気)との接触
ゾーンとなる個所であって、前記高圧の水または高温・
高圧の水蒸気の注入口の上流側(塗膜付樹脂供給口側)
には、前記シリンダーと前記スクリューとで構成される
空間部に、前記接触ゾーンで高温・高圧状態となった水
または水蒸気を封入し、従って、該高温・高圧水(また
は水蒸気)の圧力に打ち勝って蒸気圧を保持できるよう
に溶融樹脂の充満域、すなわち、シール部が形成されて
おり、これにより、塗膜付樹脂フィード側への蒸気の逆
流を防止することができるようになっている。
【0023】溶融体輸送ゾーンの最上流部である塗膜付
樹脂と高温・高圧水(または水蒸気)との接触ゾーンで
は、前記溶融ゾーンで溶融・可塑化した塗膜を含む樹脂
が、前記注入口から供給され高温・高圧状態となった水
または水蒸気との接触によって、加水分解反応を起こす
ことにより、あるいはまた、前述した酸、アルカリや塩
などの塗膜分解促進剤の存在下で、前記注入口から供給
され高温・高圧状態となった水または水蒸気との接触に
よって、分解反応を起こすことにより、溶融した樹脂中
の塗膜が低分子量化し、微細化するのである。接触ゾー
ンにおける塗膜の微細化の程度は、前記シリンダーの終
端部に設けられた再生樹脂吐出口(ダイ)から押出され
る塗膜を含む樹脂をバンパー材などとして再利用するに
際し、該塗膜の存在が物性などに有害にならないレベル
であればよく、25μm以下にすることが好ましいが、
より好ましくは15μm以下にするのがよい。
【0024】また、本発明の方法では、前記接触ゾーン
での塗膜の分解反応を効率的に行うために、供給された
高圧の水または高温・高圧の水蒸気による蒸気の保持領
域、すなわち、水蒸気/水−溶融樹脂系の気液共存状態
に基づく空隙部を設ける必要があり、そのためには、前
述したように、溶融ゾーンもしくは接触ゾーン内の、前
記シリンダーと前記スクリューとで構成される空間部に
溶融樹脂の充満域(シール部)を形成する一方、前記接
触ゾーンに設けられた後述する水蒸気の排出孔の下流側
(再生樹脂吐出口側)から、次の脱揮ゾーンに設けられ
た後述する排気口(ベント)の上流側(塗膜付樹脂供給
口側)にかけての、前記シリンダーと前記スクリューと
で構成される空間部にも溶融樹脂の充満域(シール部)
が形成されている。これら溶融樹脂の充満域長さは、上
述した目的からして、前記空隙部の圧力に抗する樹脂シ
ール部を創出できるような長さにするべきであり、供給
される塗膜付樹脂の種類や処理量、高圧の水(または高
温・高圧の水蒸気)の注入量、押出機内の水(または水
蒸気)の温度・圧力、使用される押出機のシリンダー内
径などによって決まってくるものであり一概には言えな
いが、通常、シリンダー径の1〜10倍が好ましい。
【0025】なお、前記水または水蒸気の注入口から供
給される水または水蒸気の圧力は、前記接触ゾーン内に
高温・高圧の水または水蒸気による蒸気の保持領域を創
出するために、該接触ゾーンでの水蒸気圧以上の圧力と
するのが好ましい。前記注入口から高圧の水を注入する
場合、水の温度は特に限定されないが、常温の水が取扱
い上便利である。そして、押出機内に注入された高圧の
水は、該押出機内で加熱され、前述したような塗膜の分
解に適した高温・高圧状態にされるのである。
【0026】さらに、本発明では、前記接触ゾーン内の
前記空隙部を形成する領域において、前記スクリューの
回転駆動によって溶融樹脂の内部に存在する塗膜を積極
的に表面(樹脂と空隙部との境界面)に露出させるとと
もに、水または水蒸気を溶融樹脂内に積極的に浸透させ
て樹脂内部の塗膜との接触機会を多くするような表面更
新部が設けられるようにするのが望ましい。
【0027】ところで、前記接触ゾーンを通過し、前記
所望の程度にまで微細化された塗膜を含む樹脂は、水蒸
気または水を含んでおり、そのまま後述する前記シリン
ダーの再生樹脂吐出口(ダイ)に設けられたダイスノズ
ル部より押出すと、該樹脂が発泡状態となり、ストラン
ドが引けなくなる恐れがある。そこで、本発明の方法で
使用される押出機には、前記溶融体輸送ゾーンの前記接
触ゾーンの下流側に脱揮ゾーンが設けられており、該ゾ
ーンを形成する個所の前記シリンダーに少なくとも1つ
の排気口(ベント)が設けられている。そして、この排
気口(ベント)から大気中へ放出するか、または、ナッ
シュポンプなどの公知の真空装置によって真空ベントす
ることにより樹脂中の水分を取除くようにしている。
【0028】しかしながら、前記排気口からの大気放出
または真空ベントでは水分などの揮発成分のみしか除去
できないので、不純物を積極的に排出する目的で、該不
純物を樹脂と一緒に前記再生樹脂吐出口(ダイ)のダイ
スノズル部より発泡状態で放出させ、その後熱水で洗浄
することもできる。従って、本発明の方法で使用される
押出機のスクリュー構成として、該脱揮ゾーンは絶対に
必要とされるものではない。
【0029】溶融体輸送ゾーンの最終段階は、昇圧ゾー
ンである。この昇圧ゾーンには、その終端部の前記再生
樹脂吐出口(ダイ)にダイスノズル部が設けられてお
り、前記脱揮ゾーンで脱揮された溶融樹脂、あるいは、
その目的によっては脱揮されていない水分を含んだまま
の溶融樹脂を、圧縮して該ダイスノズル部の抵抗に打ち
勝ってノズル穴を通過できるだけの十分な圧力を与える
ことにより、前記ノズル穴より押出してストランド状、
あるいはまた、発泡状態で前記再生樹脂吐出口(ダイ)
から放出するのである。従って、昇圧ゾーンの圧力は、
押出機に供給される塗膜付樹脂の種類・処理量などによ
っても異なるが、2〜150kg/cm2 G程度が望ま
しい。
【0030】以上のようにして、前記塗膜付樹脂供給口
から押出機中に供給された塗膜付樹脂は、前記スクリュ
ーの回転駆動によって前記溶融体輸送ゾーン、つまり接
触ゾーン、脱揮ゾーンおよび昇圧ゾーンを順次移動する
間に再生材として利用可能なレベルまで塗膜が微細化さ
れるとともに、該塗膜が溶融樹脂中に混練・包含される
ことによって、該塗膜が前記溶融樹脂内に均一微細分散
されるのである。なお、前記再生樹脂吐出口(ダイ)か
らストランド状で放出される再生溶融樹脂は、特に限定
されないが、さらに水冷水槽にて冷却した後、ペレタイ
ザーにて切断し、ペレット化するのが望ましい。これら
水冷水槽やペレタイザーは、通常使用されているもので
十分である。本発明の方法では、前記再生樹脂吐出口
(ダイ)から放出される再生溶融樹脂をホットカットや
アンダーウォーターカッターでの切断などの方法で切断
することも可能である。また、再生溶融樹脂のペレット
化は必須のものではなく、射出成形、押出成形、ブロー
成形、トランスファー成形、プレス成形などの各種成形
方法により、前記再生樹脂吐出口(ダイ)からストラン
ド状で放出される再生溶融樹脂から最終製品を直接成形
することも可能である。
【0031】次に、本発明の方法における押出機、特に
上述したようなスクリュー構成を有する2軸スクリュー
型押出機の運転パラメータのうち、主要なものについて
説明する。塗膜の分解・微細化の程度は、前記接触ゾー
ンでの塗膜を含む樹脂の温度・圧力および滞留時間、樹
脂内部の塗膜を水(または水蒸気)が介在する表面に露
出させ、あるいは逆に、水(または水蒸気)を樹脂内部
に浸透分散させて樹脂内部の塗膜と接触させる能力など
により決まってくるものであり、従って、これらには、
前記接触ゾーンでの反応条件(温度および圧力)はもち
ろんのこと、塗膜付樹脂の処理量、水または水蒸気の供
給量、塗膜分解促進剤の供給量、スクリュー構成、スク
リュー回転数などが影響を与えるのである。
【0032】前記接触ゾーンでの反応温度が供給される
基材樹脂の溶融点未満の場合は、前記接触ゾーンでの基
材樹脂の溶融が不十分であり、結果として、塗膜と基材
樹脂との混練も不十分となるため、樹脂内部の塗膜が水
または水蒸気が介在する表面へ露出したり、あるいは、
水または水蒸気が樹脂内部へ浸透して樹脂内部の塗膜と
接触したりする機会も少なくなり、塗膜の分解反応率が
低くなるので好ましくない。また、前記接触ゾーンでの
反応温度が供給される基材樹脂の熱劣化温度を越える場
合には、塗膜付樹脂が局部的に基材樹脂の熱劣化温度以
上に加熱されて、基材樹脂が劣化を起こし、得られる樹
脂が再生材として使用できなくなるので好ましくない。
【0033】一方、本発明においては、前記接触ゾーン
での反応圧力は、前述したように、前記接触ゾーン内に
水蒸気/水−溶融樹脂系の気液共存状態を創出できるよ
う、上述の条件で選定された反応温度に相当する水蒸気
圧であることが望ましいが、前記接触ゾーンに水蒸気/
水−溶融樹脂系の気液共存状態を維持しさえすれば、前
記接触ゾーン内に第3成分(例えば窒素ガス、アルゴン
ガス、ヘリウムガスなどの不活性ガスなど)を圧入する
こともできる。しかしながら、設定された反応温度に相
当する水蒸気圧より低い場合には、塗膜の分解反応速度
が遅くなるため、塗膜を含む樹脂を再利用するために所
望される程度にまで塗膜を微細化できないので好ましく
ない。また、前記接触ゾーンでの反応圧力を設定された
反応温度に相当する水蒸気圧より高くした場合は、その
圧力のために、前記接触ゾーンに高温・高圧の水および
/または水蒸気による蒸気圧保持領域、すなわち、気液
共存状態に基づく空隙部を適正に形成するための、前記
高圧の水または高温・高圧の水蒸気の注入口の上流側と
なる個所および次記水蒸気の排出孔と前記排気口との間
となる個所での溶融樹脂によるシールが不十分となり、
従って、塗膜を含む樹脂と熱水または水蒸気との接触が
効率的に行われず、塗膜の分解反応率が低くなるので好
ましくない。
【0034】そこで本発明の方法は、前記接触ゾーン内
に、圧力調整機構を設けることを特徴とするものであ
る。圧力調整機構は、前記接触ゾーンに形成される高温
・高圧の水および/または水蒸気による蒸気圧保持領域
を気液共存状態にするとともに、該水蒸気圧を維持し、
従って、該水蒸気圧に相当する温度を維持し、これによ
って前記接触ゾーンでの高温・高圧状態を塗膜の分解反
応に好適な一定条件(温度および圧力)に保つことを目
的とするものである。従って、圧力調整機構は、上記の
目的を達成し得るものであれば特に制限されるものでは
ないが、前記脱揮ゾーンの上流側であって、前記接触ゾ
ーンの終端近くに位置する前記シリンダー(前記高圧の
水または高温・高圧の水蒸気の注入口と前記排気口との
中間部)に水蒸気の排出孔と、それに接続された配管
と、該配管内に設けられた圧力調整弁とで構成されるこ
とが好ましい。
【0035】なお、前記圧力調整機構が設けられること
により、押出機内に存在する過剰の水や水蒸気が前記水
蒸気の排出孔から配管を通して系外へ排出され、従っ
て、絶えず新鮮な水または水蒸気が押出機内に供給され
ることになる。そして、前記過剰な水や水蒸気は、前記
圧力調整弁を通過するまでは、その一部もしくは全部が
熱水状態に保たれており、該熱水に可溶な成分である前
記接触ゾーンでの分解生成物は、該熱水とともに系外へ
排出される。これにより、再生樹脂に含まれる不純物が
減少する他、分解した塗膜成分の再結合も少なくできる
のである。
【0036】前記接触ゾーンでの塗膜を含む樹脂の滞留
時間、すなわち、塗膜の分解反応時間は、長い程、塗膜
の分解・微細化が進む。そこで、前記接触ゾーンでの塗
膜を含む樹脂の圧力・温度、高温・高圧の水または水蒸
気の供給量、押出機のシリンダー径、スクリュー構成、
スクリュー長さ、スクリュー回転数など、さらに場合に
よってはこれらの他に、塗膜分解促進剤の供給量などの
運転パラメータを一定にして押出機を運転する限り、反
応時間は、塗膜を含む樹脂の処理量に比例するのであ
る。すなわち、前記塗膜を含む樹脂の処理量が少ない
程、塗膜の分解反応が進行し、該塗膜の微細化は良くな
るが、再生樹脂の生産効率の面からは逆効果となる。本
発明の方法における前記塗膜を含む樹脂の処理量の好ま
しい範囲は、上述した種々の運転パラメータが複雑に影
響し、一概には言えないが、実際的には55mmφのシ
リンダー径およびL/D(シリンダー径に対するスクリ
ュー長さの比)=60の押出機では10〜70kg/
H、特に20〜60kg/Hが望ましい。そして、55
mmφ以外のシリンダー径の場合には、数式1によって
限定される範囲内の処理量であることが好ましい。
【0037】
【数1】
【0038】本発明の方法では、前記接触ゾーンでの塗
膜を含む樹脂と高温・高圧の水または水蒸気との接触を
効率的に行うためには、前述したように、前記接触ゾー
ンに水蒸気/水−溶融樹脂系の気液共存状態を創出し、
前記高温・高圧の水または水蒸気による蒸気圧を保持し
た空隙部を適正に形成する必要があり、従って、前記接
触ゾーンでの空隙率、つまり、前記接触ゾーン内での前
記空隙部の占める割合および給水率、すなわち、前記高
圧の水または高温・高圧の水蒸気の供給量を適正化する
必要があるのである。前記高圧の水または高温・高圧の
水蒸気の適正な供給量は、塗膜や基材樹脂の種類、前記
接触ゾーンでの塗膜を含む樹脂の圧力・温度、供給され
る水または水蒸気の圧力・温度などによっても異なる
が、55mmφのシリンダー径の押出機では処理される
べき塗膜付樹脂(塗膜を含む樹脂)1kg/H当り0.
1〜0.8kg/Hであるのが好ましい。前記高圧の水
または高温・高圧の水蒸気の供給量が0.1kg/Hよ
り少ない場合は、前記接触ゾーンでの塗膜の分解反応率
が低くなるので好ましくない。また逆に、前記高圧の水
または高温・高圧の水蒸気の供給量が0.8kg/Hよ
り多い場合には、脱揮ゾーンでの塗膜付樹脂からの水ま
たは水蒸気の除去が不十分となり、前述したように、前
記シリンダーの再生樹脂吐出口(ダイ)から放出される
再生樹脂が発砲状態となり、ストランドが引けなくなる
恐れがあるなど好ましくない。本発明の方法では、上述
の如く、前記高圧の水または高温・高圧の水蒸気の注入
口から高圧の水および/または高温・高圧の水蒸気を注
入することができるが、前記接触ゾーンでの塗膜を含む
樹脂と高温・高圧の水または水蒸気との接触効率を高め
るためには、前記注入口から高圧の水を注入し、前記接
触ゾーン内で水蒸気を発生せしめ、前記接触ゾーン内
に、水蒸気/水−溶融樹脂系の気液共存状態を創出する
方が好ましい。
【0039】なお、本発明では、前述した高圧の水また
は高温・高圧の水蒸気の注入口に配管を接続し、該配管
の上流端に、定量ポンプなど、前記高圧の水または高温
・高圧の水蒸気を定量的に供給する装置を設けることに
より、前記高圧の水または高温・高圧の水蒸気を前記接
触ゾーン内に上述した適正量で定量フィードできるので
ある。
【0040】次に、ウレタン系塗料などの加水分解しに
くい塗膜を含む樹脂を処理する場合など、前記塗膜分解
促進剤の存在下に塗膜付樹脂を高温・高圧の水または水
蒸気と接触する場合、前記塗膜分解促進剤の供給量とし
ては、該塗膜付樹脂の処理量1kg/H当り0.01〜
10g/H程度が適量である。前記塗膜分解促進剤の供
給量が該適量より少ない場合は、前記塗膜の分解反応が
不十分であり、該適量より多い場合は、前記塗膜分解促
進剤が基材樹脂を浸食したり、再生樹脂中へ混入してい
く前記塗膜分解促進剤が再生樹脂の物性に悪影響を与え
るなど、いずれも好ましくない。前記塗膜分解促進剤の
添加方法としては、塗膜を含む樹脂の破砕品に添加し
て、押出機のシリンダー上流端の塗膜付樹脂供給口から
供給する方法、あるいは、前記注入口から押出機内に供
給する水に溶解して供給する方法などが適当である。
【0041】押出機のスクリュー回転数は、塗膜付樹脂
の処理量や前記接触ゾーンでの溶融樹脂の表面更新機
能、すなわち、前記接触ゾーンでの溶融樹脂中に含まれ
る塗膜の分解反応に影響を与える。本発明の方法では、
55mmφのシリンダー径の押出機を使用する場合、ス
クリュー回転数を100〜400rpm程度にするのが
好ましい。スクリュー回転数が100rpmより少ない
場合は、前記接触ゾーンでの塗膜と基材樹脂との混練が
不十分となり、樹脂内部の塗膜が水または水蒸気の介在
表面へ露出したり、あるいは、水または水蒸気が樹脂内
部へ浸透して樹脂内部の塗膜と接触したりする機会が少
なくなり、いわゆる溶融樹脂の表面更新機能が低下し、
塗膜の分解反応率が低くなるので好ましくない。スクリ
ュー回転数が400rpmより多くなると、スクリュー
の回転駆動による溶融樹脂の送出力が大きくなり、前記
接触ゾーンでの前記高圧の水または高温・高圧の水蒸気
の供給量に対する塗膜付樹脂の搬送量が増大し、該塗膜
付樹脂の前記接触ゾーンでの滞留時間が短くなるととも
に、樹脂シール部での溶融樹脂の充満域が短くなり、溶
融樹脂によるシールが弱くなるので塗膜の分解反応率が
低下する一方、基材樹脂の温度が高くなり、基材樹脂の
劣化が起こるので好ましくない。スクリュー回転数の制
御は、公知の方法で行うことができ、例えば駆動装置と
して可変速モーターを使用する方法などが好適に採用で
きる。
【0042】ところで、本発明の方法では、再生された
材料の品質を安定させるためには、前記シリンダー内
の、前記シリンダーと前記スクリューとで構成される空
間部に存在する塗膜を含む樹脂の温度条件を一定に保つ
必要がある。つまり、スタート時の昇温や処理すべき塗
膜付樹脂の種類によって異なる設定温度の調整には、加
熱機構が必要である一方、溶融樹脂と前記シリンダーと
の摩擦力で大きな摩擦熱が発生し、温度が上昇すること
に対しては、冷却機構が必要であるなど、前記シリンダ
ーに対しては、前記スクリューの長さに応じ、幾つかの
区間に分けて加熱、冷却などの温度制御を行うことが必
要である。そこで、本発明において使用される押出機
は、前記シリンダーにブロック方式を採用し、各ブロッ
ク単位で前記シリンダーの外周囲に、前記シリンダーを
外側から加熱または冷却する伝熱装置を備えていること
が望ましい。このような伝熱装置としては、シリンダー
外周に巻きつけた電気ヒーターやジャケット構造など公
知の装置を使用することができ、シリンダーの各ブロッ
ク毎に、所望に応じて、スチームなどの加熱媒体、ある
いは、冷却水などの冷却媒体を該伝熱装置に流せばよ
い。
【0043】以上、述べたように、本発明の方法におい
て使用される押出機、特に好適に使用される噛合い型同
方向(または異方向)回転の2軸スクリュー型押出機
は、セルフクリーニング性が優れ、温度制御が正確であ
り、また、溶融樹脂の表面更新機能や脱揮能力にも優れ
ている機械装置であるとともに、(1)塗膜付樹脂の処
理量、スクリュー構成、スクリュー回転数などの調整に
より、前記押出機内に溶融樹脂が滞留する時間を容易に
制御することができること、(2)スクリューがセグメ
ント方式であり、かつ、シリンダーがブロック方式であ
るため、目的に応じて、脱揮ゾーンを付設したり、ある
いは、削除したりするなどのスクリュー構成の変更や、
混練部の軸方向長さの変更が簡単であること、(3)取
付けられた圧力調整弁の設定圧力の変更により、処理す
べき塗膜付樹脂の種類に応じて塗膜の分解反応に適した
条件(圧力および温度)に容易に保持することができる
こと、など、処理条件にかなりの自由度を持つ、生産プ
ロセスの柔軟性に富んだ機械装置でもある。
【0044】なお、本発明の方法においては、再生品に
対する要求品質が厳しい場合には、押出機内の混練過程
で衝撃改質材や相溶化剤などを添加したり、再生ペレッ
トを再度押出機の塗膜付樹脂供給口に供給し該押出機に
通したり、必要に応じて該押出機の再生樹脂吐出口(ダ
イ)に、大きな塗膜を連続的に除去するための自動逆洗
フィルターを取付けたりすることにより、再生品の品質
をさらにバージン材に近づけることができることはいう
までもない。
【0045】そこで、本発明を、添付図面を参照しなが
ら以下に詳細に説明する。図1は、本発明の方法の一実
施例を示す概略フロー図である。図1において、1はタ
ンク、2は定量ポンプ、3は圧力調整弁、4は2軸スク
リュー型押出機、41はシリンダー、42はスクリュ
ー、43はシリンダー41に取付けられた塗膜付樹脂供
給口、44はシリンダー41に取付けられた再生樹脂吐
出口、45はシリンダー41に取付けられた高圧水(ま
たは水蒸気)注入口、46はシリンダー41に取付けら
れた水蒸気排出孔、47はシリンダー41に取付けられ
た排気口、そして48は伝熱装置である。
【0046】2軸スクリュー型押出機4のシリンダー4
1内にはスクリュー42が配置されており、該スクリュ
ー42は、その一端にて図1に示されていない駆動装置
により、回転駆動されるようになっている。シリンダー
41の前記駆動装置側には塗膜付樹脂供給口43が設け
られるとともに、シリンダー41の他端には再生樹脂吐
出口44が設けられており、塗膜付樹脂供給口43に塗
膜付樹脂が供給されると、樹脂はスクリューの回転とと
もに再生樹脂吐出口44側へ運ばれる。シリンダー41
の外周には伝熱装置48が付設され、シリンダー41が
加熱または冷却されているので、塗膜付樹脂は、シリン
ダー41内のシリンダー41とスクリュー42とで構成
される空間部420内を進行する間に、溶融されて適温
に維持される。
【0047】スクリュー42は、固体輸送ゾーン42
1、溶融ゾーン422および溶融体輸送ゾーン423で
構成されており、溶融体輸送ゾーン423は、さらに接
触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇圧ゾーン4
26で構成されており、そして、接触ゾーン424の少
なくとも一部分は表面更新部427となっている。図1
に示されていない粉砕装置で適度の粒径に破砕され、塗
膜付樹脂供給口43に供給された塗膜付樹脂の破砕品
は、溶融ゾーン422内で、これもやはり図1に示され
ていない混練エレメント(ニーディングディスク)で加
熱溶融されて可塑化し、溶融体輸送ゾーン423の最上
流部である接触ゾーン424へ送出される。
【0048】シリンダー41の接触ゾーン424の上流
端部近くに位置する部位には、高圧水(または水蒸気)
注入口45が設けられ、これは、定量ポンプ2を介して
タンク1と配管で接続されている。適量の水がタンク1
から配管を通って定量ポンプ2に入り、定量ポンプ2で
所定の圧力まで昇圧され、再び配管を通って高圧水(ま
たは水蒸気)注入口45に供給される。そして、高圧水
(または水蒸気)注入口45から接触ゾーン424にフ
ィードされた水は、同じく接触ゾーン424に送出され
た塗膜を含む溶融樹脂と接触し、高温の溶融樹脂によっ
て加熱されるとともに、その一部もしくは全量が蒸発し
て水蒸気が発生する。それと同時に、この接触によって
塗膜の加水分解反応が進行し、塗膜は低分子量化して所
望なレベルにまで微細化する。
【0049】シリンダー41の接触ゾーン424の終端
部近くに位置する部位には、高圧水(または水蒸気)注
入口45から接触ゾーン424にフィードされた水の蒸
発により発生した水蒸気を排出する水蒸気排出孔46が
設けられており、それに接続された配管内には圧力調整
弁3が備えられている。そして、前記空間部420のう
ち、溶融ゾーン422の終端部近くから、高圧水(また
は水蒸気)注入口45の上流側であって、かつ、接触ゾ
ーン424の上流端部近くである位置にかけての部位
と、水蒸気排出孔46の下流側であって、かつ、接触ゾ
ーン424の終端部近くである位置から脱揮ゾーンの上
流端部近くにかけての部位とには、それぞれ混練エレメ
ント(図1には示されていない)を設けることによっ
て、接触ゾーン424にフィードされた水に基づく高温
・高圧の水または水蒸気のシールが可能となるよう溶融
樹脂の充満域(シール部)428および429が形成さ
れる。
【0050】これによって、接触ゾーン424内に、高
圧水(または水蒸気)注入口45から接触ゾーン424
内にフィードされた水の蒸発に基づく蒸気圧保持領域4
30が確保される。そのために、接触ゾーン424内に
は、該接触ゾーン424内に設けられた混練を主体とし
た働きをするスクリューによって樹脂の内部に存在する
塗膜を積極的に表面(水蒸気層と樹脂層との境界面)に
露出させる一方、水または水蒸気を溶融樹脂内に積極的
に浸透させて樹脂内部に存在する塗膜との接触機会を多
くするような表面更新部427が発現する。
【0051】そして、蒸気圧保持領域430を接触ゾー
ン424内に確保することによって、圧力調整弁3を塗
膜の分解反応に適した温度での飽和水蒸気圧に相当する
圧力に設定すれば、蒸気圧保持領域430が飽和蒸気状
態に維持され、温度も、この飽和水蒸気圧に相当する温
度に自ら維持され、接触ゾーン424の高温・高圧状態
は、塗膜の分解反応に最適な一定の温度・圧力条件下に
保たれるのである。
【0052】以上のようにして、所望なレベルまで微細
化された塗膜を含む溶融樹脂は、次の脱揮ゾーン425
へ運ばれる。この脱揮ゾーン425に位置するシリンダ
ー41には排気口47が取付けられており、該排気口4
7は、さらに図1に示されていない真空装置に連結され
ている。脱揮ゾーン425へ送出された溶融樹脂は、後
記する再生樹脂吐出口44からの放出の際の発泡の原因
となる水蒸気または水を含んでおり、前記真空装置によ
って減圧されることにより、前記溶融樹脂が膨張し、含
有する水分などの揮発分が前記排気口47より前記真空
装置側へ放出されるのである。
【0053】脱揮ゾーン425で脱揮された溶融樹脂
は、2軸スクリュー型押出機4のスクリュー構成の最終
段階である昇圧ゾーン426へ送出される。この昇圧ゾ
ーン426の終端部に位置するシリンダー41には再生
樹脂吐出口44が取付けられており、そして、この再生
樹脂吐出口44にはダイスノズル部(図1には示されて
いない)が設けられている。昇圧ゾーン426へ送出さ
れた溶融樹脂は、加圧圧縮され、そして、前記ダイスノ
ズル部の抵抗に打ち勝って前記ダイスノズル部のノズル
穴(これも図1には示されていない)を通過できるだけ
の十分な圧力が与えられ、該ノズル穴より押出され、再
生樹脂吐出口44よりストランド状で放出される。
【0054】なお、接触ゾーン424を通過し、所望な
レベルにまで微細化された塗膜は、スクリュー42の回
転駆動によって脱揮ゾーン425および昇圧ゾーン42
6を前進する間に、溶融樹脂内に混練・包含される。そ
して、これによって再生材として利用可能なレベルまで
微細化された塗膜が基材樹脂内に均一微細分散された再
生樹脂が、前記再生樹脂吐出口44よりストランド状で
放出されるのである。
【0055】そして、再生樹脂吐出口44からストラン
ド状で放出された前記再生樹脂は、水冷水槽(図1に示
されていない)にて冷却固化された後、これもやはり図
1には示されていないペレタイザーにて切断されてペレ
ット化される。
【0056】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて本発明の方
法をさらに詳しく説明するが、本発明の方法は、これら
によって何ら限定されるものではない。
【0057】以下の実施例および比較例では、原料とし
て塗膜を含まない材料(塗装前のバンパー成形品粉砕
物)を使用した場合(比較例1)に得られるペレットの
表面平滑性および機械的物性の測定結果をブランクと
し、各実施例および比較例(比較例1を除く)において
得られるペレットの表面平滑性および機械的物性の測定
結果を、前記ブランクに対する相対比較として表わし
た。すなわち、ブランクの値を良好とした場合における
各実施例および比較例の測定結果をブランクの値と比較
して、『良好・やや悪い・悪い』の3段階で評価した。
なお、機械的物性としては、引張り降伏点強さ、引張り
破断点伸び、曲げ強さ、曲げ弾性率、アイゾット衝撃強
さ(−30℃)および脆化温度を表1に示す試験法によ
って測定した。
【0058】実施例1 図1に示すシリンダー構成およびスクリュー構成を持つ
シリンダー内径(D)が55mmφ、軸間距離が46.
0mm、かつ、スクリュー長さが44Dの同方向回転2
軸スクリュー型押出機4を用い、該押出機4の塗膜付樹
脂供給口43より原料(エチレン−プロピレンラバーを
含むポリプロピレン製バンパー廃材の破砕品、アルキッ
ド−メラミン塗膜付、平均粒径8mm)を25kg/H
の割合で供給した。そして、高圧水(または水蒸気)注
入口45からは、水を8.4kg/Hの割合で供給し、
シリンダー設定温度を、シリンダー41内の溶融ゾーン
422、接触ゾーン424、脱揮ゾーン425および昇
圧ゾーン426の各ゾーンとも220℃とするととも
に、圧力調整弁3を調整して、内部気相圧力を10〜1
2kg/cm2 Gに保った。スクリュー42の回転数を
300rpmとして前記2軸スクリュー型押出機4を運
転した時、前記原料のシリンダー41内平均滞留時間
は、約220秒であり、先端の再生樹脂吐出口44のノ
ズル部からストランドが得られた。このストランドを水
冷水槽で冷却し、ペレタイザーで切断して得られたペレ
ットを乾燥し、表面平滑性および機械的物性を測定し
た。測定結果の評価は、表面平滑性および機械的物性と
も良好であった。なお、機械的物性の測定結果について
は、表1に示す如くであった。
【0059】実施例2 高圧水(または水蒸気)注入口45から水8.4kg/
Hに変えて0.1重量%水酸化ナトリウム水溶液を8.
4kg/Hの割合で供給したこと(水酸化ナトリウムの
量は塗膜付樹脂に対して336ppm)以外は、実施例
1と同様の方法で乾燥ペレットを製造し、表面平滑性お
よび機械的物性を測定した。測定結果の評価は、表面平
滑性および機械的物性とも良好であった。なお、機械的
物性の測定結果は表1に示す如くであり、特に、引張り
破断点伸びが、高圧水(または水蒸気)注入口45から
水のみを供給した場合(実施例1)に比べて著しく優れ
ていた。
【0060】比較例1および2 比較例1においては、ブランク試験として、実施例1に
おける原料のエチレン−プロピレンラバーを含むポリプ
ロピレン製バンパー廃材の破砕品(アルキッド−メラミ
ン塗膜付、平均粒径8mm)を、塗膜を含まない材料
(塗装前バンパー成形品を破砕したもの、平均粒径8m
m)に変えたこと、そして、比較例2においては、高圧
水(または水蒸気)注入口45から水または水蒸気のい
ずれも供給しなかったこと以外は、実施例1と同様の方
法で乾燥ペレットを製造し、表面平滑性および機械的物
性を測定した。機械的物性の測定結果を表1に、そし
て、表面平滑性および機械的物性の測定結果の評価を表
2に示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】比較例3 図1に示す同方向回転2軸スクリュー型押出機4におい
て、圧力調整弁3を取付けずに大気開放とした以外は、
実施例1と同様の方法で乾燥ペレットを製造した。2軸
スクリュー型押出機4内の樹脂温度や内部気相圧力を一
定の条件に維持することが困難であり、該2軸スクリュ
ー型押出機4の安定した連続運転ができなかった。そし
て、得られた乾燥ペレットの機械的物性にかなりのバラ
ツキが見られ、表面平滑性および機械的物性の測定結果
の評価、ならびに、機械的物性のうち、脆化温度の測定
結果は、表3に示す如くであった。
【0064】比較例4〜8 2軸スクリュー型押出機4における運転諸条件のうち、
反応圧力、原料処理量、スクリュー構成、接触ゾーンを
形成するスクリュー長さおよびスクリュー回転数をそれ
ぞれ表3に示した条件に変更した以外は、実施例1と同
様の方法で乾燥ペレットを製造し、表面平滑性および機
械的物性を測定した。測定結果の評価、および、機械的
物性のうち、脆化温度の測定結果を表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の塗膜付樹
脂再生方法および装置においては、圧力調整機構を備え
てなる押出機、特に2軸スクリュー型押出機中で、溶融
した塗膜付樹脂と高温・高圧の水または水蒸気とを、一
定の温度・圧力条件下に接触させ、塗膜を分解・微細化
して樹脂中に均一微細分散させて押出機から押出してい
るので、従来公知のオートクレーブで塗膜を加水分解し
て微細化することによる塗膜付樹脂の再生方法における
バッチ処理による再生材の生産効率の低下や塗膜の静的
加水分解に基づく塗膜の樹脂中への微細分散能の不十分
さ、また、従来公知の押出機での塗膜加水分解による塗
膜付樹脂の再生法における運転の不安定さに起因する再
生樹脂の物性のバラツキなどの問題点を解決するととも
に、処理条件や処理工程が簡単な方法で連続的、かつ、
安定的に塗膜付樹脂を再生することができる。そして、
このようにして得られた再生品を用いてバンパーを製造
した場合、バージン材に対して外観(表面平滑性)や物
性などの低下が極めて少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る塗膜付樹脂の連続再生方法の好適
な実施例を示す概略フロー図である。
【符号の説明】
1 タンク 2 定量ポンプ 3 圧力調整弁 4 2軸スクリュー型押出機 41 シリンダー 42 スクリュー 43 塗膜付樹脂供給口 44 再生樹脂吐出口 45 高圧水(または水蒸気)注入口 46 水蒸気排出孔 47 排気口 48 伝熱装置 420 空間部 421 固体輸送ゾーン 422 溶融ゾーン 423 溶融体輸送ゾーン 424 接触ゾーン 425 脱揮ゾーン 426 昇圧ゾーン 427 表面更新部 428 溶融樹脂の充満域 429 溶融樹脂の充満域 430 蒸気圧保持領域

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出機中で、溶融した塗膜付樹脂を高温
    ・高圧の水および/または水蒸気と接触させ、前記塗膜
    を溶融樹脂中に微細分散させて再生する方法において、
    前記塗膜付樹脂と前記高温・高圧の水および/または水
    蒸気との接触ゾーンに、圧力調整機構を設けることを特
    徴とする塗膜付樹脂の連続再生方法。
  2. 【請求項2】 塗膜分解促進剤の存在下、溶融した塗膜
    付樹脂と高温・高圧の水および/または水蒸気とを接触
    させることを特徴とする請求項1記載の塗膜付樹脂の連
    続再生方法。
  3. 【請求項3】(1)塗膜付樹脂供給口 (2)固体輸送ゾーン (3)溶融ゾーン (4)溶融体輸送ゾーン (5)再生樹脂吐出口(ダイ) からなり、 シリンダーの(3)溶融ゾーンおよび/または(4)溶
    融体輸送ゾーンとなる個所に少なくとも1つの高圧の水
    または水蒸気の注入口および少なくとも1つの排気口
    (ベント)を設けるとともに、シリンダーの前記注入口
    と前記排気口の中間部には、水蒸気の排出孔とそれに接
    続された配管と該配管内に設けられた圧力調整弁とを備
    えてなる圧力調整機構を設け、かつ、シリンダーの前記
    注入口の上流側(塗膜付樹脂供給口側)となる個所およ
    びシリンダーの前記水蒸気の排出孔と前記排気口との間
    となる個所に、注入して高温・高圧状態となった水また
    は水蒸気を封入するための溶融樹脂によるシール部を形
    成し、また、該シール部間には、混練を主体とした働き
    をする形状のスクリューを設けた2軸押出機を使用する
    塗膜付樹脂の連続再生装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010011053A3 (ko) * 2008-07-22 2010-05-14 신일화학공업(주) 연속식 압출기

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WO2010011053A3 (ko) * 2008-07-22 2010-05-14 신일화학공업(주) 연속식 압출기

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