JPH07116314B2 - 発泡重合体成形品の製造方法 - Google Patents

発泡重合体成形品の製造方法

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JPH07116314B2
JPH07116314B2 JP4055569A JP5556992A JPH07116314B2 JP H07116314 B2 JPH07116314 B2 JP H07116314B2 JP 4055569 A JP4055569 A JP 4055569A JP 5556992 A JP5556992 A JP 5556992A JP H07116314 B2 JPH07116314 B2 JP H07116314B2
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敏喜 池田
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Sekisui Kasei Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は発泡重合体成形品の製造
方法に関する。さらは詳しくは、予備発泡粒子を水蒸気
を通す孔を有する発泡成形型内に充填し、水蒸気加熱し
て相互に融着させて緩衝材、包装材、断熱材等に有用な
発泡成形品を製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】従来より
ポリスチレンを主体に熱可塑性樹脂発泡体粒子を型内成
形して発泡成形品を得る方法は広く行われている。この
発泡粒子を得るのに、スチレン系樹脂の場合、まずブタ
ン、ペンタン等の揮発性有機発泡剤を、分散剤を有する
水系分散媒体で樹脂の軟化点以上の温度で当該発泡剤の
蒸気圧下で樹脂粒子に含浸し、冷却して取り出し脱水乾
燥、薬剤等で表面処理し、熟成して発泡性樹脂粒子を製
造している。次いでこの発泡性樹脂粒子を水蒸気の大気
圧もしくは0.2kg/cm2Gまでの加圧下で発泡して通常
予備発泡粒子と呼ばれる発泡樹脂粒子が得られる。この
ようにして得られた予備発泡粒子は所定の成形型内に導
入され、水蒸気下で加熱発泡して各種発泡成形品を提供
するために用いられる。
【0003】一方ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン系樹脂の場合、ブタン、ジクロロフロロメ
タン等の揮発性有機発泡剤を水分散系で樹脂の軟化点以
上の温度で含浸させた後、当該発泡剤の蒸気圧を保持し
ながら容器水面下の一端を開放し、内圧より低圧の雰囲
気に放出することによって予備発泡粒子を得ている。こ
のように従来の予備発泡粒子の一般的な製造方法におい
ては、発泡剤としては専ら揮発性有機発泡剤が採用され
ており、且つその含浸も主として水分散系に於いて行わ
れていた。
【0004】しかしながら上記の揮発性有機発泡剤は樹
脂基材に対して親和性もあり、保持性に優れ、発泡剤と
して効能がよい反面、含浸時及び予備発泡時に良溶媒と
して作用して樹脂粒子相互の合着を発生させ易くする等
の難点を有している。またあるものは毒性や可燃性の危
険性を有している。あるものは高価であり、しかも殆ど
の場合大気に放出することになるのでオゾン層の破壊、
光化学スモッグ等の大気汚染の問題を生じるものであっ
た。
【0005】そこで最近上記揮発性有機発泡剤に代え
て、例えば炭酸ガス、窒素、空気等の無機ガスを予備発
泡粒子の工業生産に適用する提案もなされている。例え
ば特公昭62−61227号公報にはポリオレフィン系
樹脂を密閉容器内に水系媒体に分散させ、次いで無機ガ
スを供給し無機ガスの蒸気圧を保持しながら樹脂の軟化
温度以上に加温し、含浸し、水面下の吐出口を開放し低
圧の雰囲気に放出して発泡し予備発泡粒子を製造する方
法が開示されている。また特公昭60−245648号
公報には樹脂粒子を軟化温度以上に加熱する際に分散媒
体としての大量の水も同時に加熱することから、熱エネ
ルギーを要する欠点を克服するべく樹脂粒子融着防止剤
を用いて相互に分離した状態で無機ガス状媒体に於いて
高温高圧域から放出させる製法を開示している。
【0006】しかしながら無機ガスを用いた前記方法に
おいては放出発泡時に樹脂軟化温度以上に加温するので
含浸系全体の温度を均一保持するのに攪拌等が必要とな
り、樹脂粒子相互の合着の恐れがあり、また器壁および
攪拌羽根等にスケールが付着する欠点をもっている。そ
して何れも瞬時に発泡がなされる放出発泡であるので発
泡倍率の制御が困難で得られた予備発泡粒子の均一性、
再現性に劣り、しかも放出初期と後期の容器内圧変動に
対する安定化対策が必要となる等問題があった。
【0007】またUSP−4911869号には炭酸ガ
スを含浸し、樹脂のガラス転移点以上の温度で予備発泡
し、その予備発泡粒子を空気、窒素または炭酸ガスで再
含浸して成形を行う方法が開示されている。これら無機
ガスは樹脂基材に対し親和性に乏しく逸散性が大きく、
発泡剤として揮発性有機発泡剤に比べ効能がわるく、特
にポリオレフィン系樹脂に於いてこれらの方法では所望
する発泡倍数が得られない難点があった。
【0008】特公平2−50945、特開平2−756
36、特開昭62−18438に提案されているように
発泡剤を含浸し、一段目の発泡を行い、更にこの発泡粒
子に発泡剤を含浸し、二段目の発泡を行い、より高倍な
予備発泡粒子を得る製造方法が開示されている。しかし
ながら、これらの方法は二段目に用いられる発泡剤が空
気等の無機ガスであるにもかかわらず一段目の発泡に用
いられている発泡剤は揮発性有機発泡剤であり、殆どの
場合放出発泡法によるもので上記と同様な問題があっ
た。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明はかかる従来の問
題点に鑑みさなれたもので、重合体粒子への無機ガスの
含浸を従来のごとき水分散系でなく気相下でかつ特定の
条件で行い、かつ放出発泡によらずに予備発泡を行い、
得られた予備発泡粒子を発泡成形することにより、重合
体粒子間の合着によるトラブルを招くことなしに、無機
ガスを用いて発泡倍数の均一な高品質な予備発泡粒子が
得られ、しかもこの予備発泡粒子を用いて発泡成形する
ことにより高度に発泡した均一な発泡成形品を効率よく
生産できることを見出し、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0010】かくして本発明によればポリオレフィン系
重合体粒子に、その粒子が合着しない緩和な温度下でか
つ加圧下において無機ガスを気相含浸させて、無機ガス
含有量が0.05モル/kg(重合体)以上の一次発泡性
重合体粒子とし、これを無機ガス含有量が0.05モル
/kg(重合体)未満に減少する迄に発泡槽に導入し、上
記重合体粒子の融解ピーク温度(TP )+10℃〜TP
−10℃の温度域で水蒸気導入により加熱発泡させ一次
予備発泡粒子を形成し、次いで該一次予備発泡粒子が合
着しない緩和な温度下でかつ加圧下において一次予備発
泡粒子に無機ガスを気相含浸させて、無機ガス含有量が
0.5モル/kg(重合体)以上の二次発泡性発泡重合体
粒子とし、これを無機ガス含有量が0.5モル/kg(重
合体)未満に減少する迄に発泡槽に導入し、TP +15
℃〜TP −20℃の温度域で水蒸気導入により加熱発泡
させ二次予備発泡粒子を形成した後、更にこの二次予備
発泡粒子に無機ガスを該発泡粒子が合着しない緩和な温
度下でかつ加圧下において気相含浸させて、無機ガス含
有量が0.5モル/kg(重合体)以上になるように二次
予備発泡粒子に内圧付与し、これを無機ガス含有量が
0.5モル/kg(重合体)未満に減少する迄に発泡成形
用型に充填し、TP +15℃〜TP −20℃の温度域で
水蒸気導入により加熱発泡させて発泡成形品を得ること
を特徴とする発泡重合体成形品の製造方法が提供され
る。
【0011】本発明における重合体粒子の融解ピーク温
度とは、JIS K−7121プラスチックの転移温度
測定方法、示差走査熱量測定(DSC)に準じて測定
(約3〜4mgのサンプルを昇温速度10℃/minで昇
温)して得られるDSC曲線における融解ピークの頂点
温度を言う。この発明におけるポリオレフィン系重合体
粒子の基材樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、エチレンプロピレンランダムコポリマー、エチレン
プロピレンブロックコポリマー、エチレンプロピレンブ
テンコポリマー、ポリエチレン酢ビコポリマー、ポリブ
テン、スチレン改質ポリエチレン架橋重合体、スチレン
改質ポリプロピレン架橋重合体等が用いられる。なお、
これらは、2種以上混合した混合物であってもよい。ま
た、これらのポリオレフィン系樹脂は発泡成形性や発泡
体気泡の均一性等より適度に部分架橋されたものであっ
てよい。
【0012】本発明で用いる重合体粒子の粒径は、一般
的には0.2〜3mm程度である。かかる重合体粒子に無
機ガスを含浸するに際し、これらの粒子表面に予め適当
な表面処理剤が被覆されてもよい。これら表面処理剤の
例としては予備発泡時の合着防止、成形時の融着促進、
金型充填性を良くする滑性、帯電防止剤、着色剤等が挙
げられる。これら表面処理剤としてはタルク、炭酸カル
シュウム、シリカ−アルミナのコロイド及びスラリー、
エチレンビスステアロアミド、高級脂肪酸、高級脂肪酸
アルコール、食用油、高級脂肪酸トリグリセライド、パ
ラフィン及びポリエチレンワックス、ジンクステアレー
ト等の金属石鹸変性ポリシロキサン等が挙げられる。
【0013】なお、かかる表面処理は、無機ガス含浸に
先立ち、予め重合体粒子にリボンブレンダー、タンブラ
ー、ナウターミキサー、スパーミキサー、レーディゲミ
キサー等で行うことが望ましい。しかし、無機ガス含浸
容器が回転もしくは攪拌できるものであればガス含浸時
に同時に表面処理を行ってもよい。
【0014】本発明において、まず上記重合体粒子は気
相加圧下で無機ガスの含浸処理に付される。本発明にお
ける無機ガスとしては、炭酸ガス、窒素、空気等が用い
られ、これらは単独で或は混合して使用される。含浸処
理は密閉容器内で無機ガスを圧入して行われる。かかる
含浸処理は、重合体粒子が合着しない緩和な温度下で行
なわれる。ここで緩和な温度とは、具体的には重合体粒
子の融解ピーク温度より40℃以上低い温度域とされ
る。好ましい温度或は、使用する樹脂基材によっても変
化し、また無機ガスによっても変化する。
【0015】通常無機ガスの実質的含浸量を多くできる
こと、及び耐圧容器の内圧を低めに設定できること等か
ら、含浸処理温度は、より低温が望ましく、40℃以下
が好ましい。しかし0℃以下の場合、通常冷却のために
工業的にエネルギー消費量が大きくなり、好ましくな
い。ガス含浸速度からは高温が望ましいが、工業的に安
定して高発泡性を得る場合、炭酸ガスは好ましくは5〜
40℃であり、窒素、空気は0〜30℃である。なお重
合体の融解ピーク温度−40℃以上の温度では、含浸時
に重合体粒子が相互に合着する恐れがあり、またガス含
浸後除圧して予備発泡するまでにガス逸散が急激に起こ
り、希望する発泡性が得られない。
【0016】かかる条件においては、無機ガスの重合体
への溶媒性がなく、緩和な加熱しかなされないことから
重合体粒子相互の合着等の恐れはない。従って重合体粒
子を静置した状態で含浸を行ってもよい。また含浸時、
加圧下の無機ガスを容器上部よりポンプ等により吸引し
て調温室を通した後、容器下部に戻す等循環させてもよ
い。
【0017】重合体粒子に炭酸ガスを含浸させる適当な
圧力は15kg/cm2G以上、好ましくは20kg/cm2G以
上、50kg/cm2G以下、窒素又は空気の場合30kg/cm2
G以上、好ましくは40kg/cm2G以上90kg/cm2G以下
である。含浸圧力が15kg/cm2G未満では、無機ガスを
十分に含浸させることが難しい。一方含浸圧力が90kg
/cm2Gを越えると、無機ガス90kg/cm2G以下の圧力で
十分含浸できるため、耐圧容器に過剰の耐圧性が要求さ
れ、工業生産上好ましくない。
【0018】かかる無機ガスの含浸により、無機ガスを
均一に含浸した重合体粒子が得られる。この含浸時間は
無機ガスの種類、含浸圧力、重合体の種類、重合体粒子
径等によって異なるが少なくとも無機ガスが0.05モ
ル/kg(重合体)以上含浸されるまで行われ、通常1〜
10時間で達成される。特にポリオレフィン系樹脂の場
合、高品質の予備発泡粒子を得るには、無機ガス含有量
を0.05〜1.5モル/kg(重合体)とするのが好ま
しい。
【0019】なお本発明は無機ガスを使用するものであ
って、その目的からも揮発性有機発泡剤を使用する必要
は特にない。しかしながら本発明の効果が阻害されない
限り、若干の揮発性有機発泡剤を併用することも可能で
あり、プロパン、ブタン、ジクロロフルオロメタン等を
無機ガス1モルに対し、少量例えば0.2モル以下併用
しても同様な効果を得ることができる。
【0020】このようにして無機ガスが含浸された一次
発泡性重合体粒子は、次いで予備発泡工程に付される。
この際、重要なことは重合体粒子中の無機ガス含有量が
少なくとも0.05モル/kg(重合体)以上の条件で予
備発泡を行うことである。即ち無機ガスを含浸した発泡
性重合体粒子は、含浸加圧容器から大気に取り出すと無
機ガスが除々に逸散する。発泡性重合体粒子のガス含有
量0.05モル/kg(重合体)未満に減少すると均一な
発泡倍数の正常な予備発泡粒子を生産することが困難と
なる。
【0021】従って工業生産上は含浸処理後、加圧状態
を保ったまま一次発泡性重合体粒子を予備発泡用に計量
し、除圧と殆ど同時に水蒸気で加熱された予備発泡槽に
導入するか、または加圧状態から直接、予備発泡槽に圧
送して加熱発泡することが好ましい。一旦大気に取り出
した後に予備発泡に供する場合には、無機ガス含有量が
0.05モル/kg(重合体)未満に低下する迄に加熱発
泡させる必要がある。これらの対応は状況に応じて適宜
選択されるが何れも本発明の範囲内である。
【0022】予備発泡は発泡槽内で水蒸気を導入し、加
熱することにより行われる。本発明における水蒸気とし
ては、60〜100℃の露点を有する水蒸気、または水
蒸気−空気混合媒体を用いるのが適しており、特に後者
の混合媒体としては70〜100℃の露点を有するもの
が好ましい。なお露点60℃未満のものは高発泡体を得
難く好ましくない。
【0023】一段目の予備発泡の加熱は上記加熱水蒸気
によって行われ、重合体粒子の融解ピーク温度(以下T
P という)+10℃〜TP −10℃の温度域になるよう
に制御され、好ましくはTP +5℃〜TP −5℃の温度
域に制御される。この制御温度が、TP −10℃に満た
ない場合は発泡が遅くなり、無機ガスの外部逸散が優位
となって発泡効果が充分得られず、その結果高発泡性が
得られない。また制御温度がTP +10℃より高い場合
は、発泡適正域が極小となり、工業的に正常な予備発泡
粒子が得られない。
【0024】なお、かかる予備発泡時において発泡槽内
を予め上記加熱制御温度付近に予熱しておくか、または
発泡温度域にある水蒸気下に発泡性重合体粒子を供給す
ることが、良好な発泡性の維持の点で好ましく、通常
0.5〜2.0kg/cm2G程度の加圧下に保っておくのが
適当である。その発泡時間は10〜120秒となり、好
ましくは10〜60秒である。この発泡時に加熱の均一
性と発泡粒子の合着防止のため回転羽根による攪拌をす
ることが好ましい。
【0025】更に発泡槽へ水蒸気を供給する初期に、加
圧下の圧力を保持しながら発泡槽の一部を開けて、発泡
性重合体粒子の供給時に共に導入された空気、無機ガス
発泡剤を排出して温度の上昇と熱回りを良くすることも
できる。このようにして得られる一次予備発泡粒子は、
所望する発泡成形品の発泡倍数応じてカサ倍数3〜20
倍に発泡されており、予備発泡粒子間において発泡倍数
のバラツキが他の従来の製造方法にみられない程小さく
均一であり、二段目発泡用原料として適合するものであ
る。即ち工業的生産において二段目含浸発泡で一次予備
発泡粒子の各粒子間の発泡倍数のバラツキはより拡大さ
れる傾向にある。均質な発泡成形品を得るのに、均一な
一次予備発泡粒子を得る本発明の方法における一段目含
浸発泡の特徴がここにある。
【0026】次いでより高度に発泡した予備発泡粒子を
得るために、一次予備発泡粒子に二段目の無機ガス含浸
と予備発泡を行い、カサ倍数20倍以上に発泡した二次
予備発泡粒子を得る。一次予備発泡粒子への二段目の無
機ガス含浸は上記重合体粒子の場合とほぼ同様に一次発
泡粒子が合着しない緩和な温度下でかつ加圧下で行う
が、得られる二次発泡性重合体粒子中の無機ガス含有量
が0.5モル/kg(重合体)以上になるように行う。好
ましくは0.5〜4.0モル/kg(重合体)である。含
浸圧力は1kg/cm2G以上、好ましくは10〜50kg/cm2
Gである。含浸圧力が1kg/cm2G未満では、十分に無機
ガスを含浸することができない。一方圧力が50kg/cm2
Gを越えると、一次予備発泡粒子が大気圧に戻した状態
において、元の体積に復元しないほど過剰に収縮するこ
とから好ましくない。
【0027】この二次発泡性重合体粒子は二段目の予備
発泡に付される。この際重要なことは無機ガス含有量が
少なくとも0.5モル/kg(重合体)以上の条件で、T
P +15℃〜TP −20℃の温度域の水蒸気系で予備発
泡を行うことである。無機ガス含有量が0.5/kg(重
合体)未満になると高倍数の正常な二次予備発泡粒子を
得難くなる。また発泡温度がTP より20℃以上低い場
合には発泡が遅くなり、ガスの外部への逸散が優位にな
り発泡効果が充分得られない。逆にTP より15℃以上
高い温度の場合には発泡適正域が極小となり安定的に正
常な発泡粒が得られない。
【0028】二段目の予備発泡は一段目の予備発泡とほ
ぼ同様に行うが、発泡時間は5〜90秒であり、好まし
くは10〜45秒である。このようにして得られた二次
予備発泡粒子は所望する発泡成形品の発泡倍数に応じて
カサ倍数20倍以上に発泡している。次いで二次予備発
泡粒子に無機ガスを含浸して内圧を付与して型内発泡成
形を行うことにより高度に発泡した成形品が得られる。
二次予備発泡粒子に対する無機ガスによる内圧付与は一
次予備発泡粒子の無機ガス含浸と同様に緩和な温度下、
かつ加圧下で行われ、その含有量が0.5モル/kg(重
合体)以上になるように含浸する。よい成形性を得るに
は、0.5〜4.0モル/kg(重合体)の無機ガス含有
量が好ましい。
【0029】内圧付与した二次予備発泡粒子は無機ガス
含有量が少なくとも0.5モル/kg(重合体)以上の条
件で、TP +15℃〜TP −20℃の温度域にある水蒸
気系で10〜120秒、好ましくは20〜60秒加熱し
て公知手法によるいわゆる型内成形に付されて発泡成形
品を得る。この場合内圧付与した二次予備発泡粒子のガ
ス含有量が0.5モル/kg(重合体)未満になると正常
な発泡成形品は得られず、また成形温度がTP より20
℃以上低い場合には発泡が遅くなり無機ガスの外部逸散
が優位となり、発泡効果が充分得られない。逆にTP
り15℃以上高い温度の場合には重合体の発泡適正域が
極小となり正常な発泡成形品は得られない。
【0030】予備発泡粒の無機ガス含浸加圧時発泡粒は
圧縮され容積は減少している。そのまま圧縮状態で成形
型内に充填してもよいが、除圧して圧縮前の容積にほぼ
回復させてから成形型内に充填してもよい。なお、上記
の説明では、二次予備発泡粒子に内圧を付与して型内発
泡成形するものであるが、更により高度に発泡した成形
品を得るために、二次予備発泡粒子に対して、二段目の
含浸予備発泡と同様に、三段目以降の含浸予備発泡処理
を施した後、得られた予備発泡粒子に無機ガスで内圧を
付与して型内発泡成形することもできる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
これにより本発明は限定されるものではない。300m
lのガス含浸容器に、発泡時の合着防止剤炭酸カルシウ
ム0.4gで表面処理された種々ポリオレフィン系重合
体粒子150gを入れて密閉し、無機ガスを圧入して調
温しながら一定時間保持した後、直接加熱水蒸気加圧下
の発泡槽に充填するか、もしくは内圧を取り除き短時間
(約30分以内)の内に発泡槽に投入し、加圧下の水蒸
気系で加熱発泡し、一次予備発泡粒子を得た。
【0032】1000mlのガス含浸容器に、得られた
一次予備発泡粒子を50g入れて密閉し、無機ガスを圧
入して調温しながら一定時間保持した後、直接加熱水蒸
気加圧下の発泡槽に充填するか、もしくは内圧を取り除
き短時間(約30分以内)の内に発泡槽に投入し、加圧
下の水蒸気系で加熱発泡し、二次予備発泡粒子を得た。
【0033】3000mlのガス含浸容器に、得られた
二次予備発泡粒子を50g入れて密閉し、無機ガスを圧
入して調温しながら一定時間保持した後、容器内圧を取
り除き短時間(約30分以内)の内に予熱された成形金
型の型筒(30×30×1.5cm)内に充填し、加圧下
の水蒸気で加熱発泡成形し、発泡成形品を得た。以下処
理圧力、処理温度等の条件と得られた予備発泡粒子及び
発泡成形品の特性、性状についての結果を比較例と共に
表1〜4に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】 なお、用いた重合体は実施例1、5、比較例1〜12つ
いては住友化学工業社製ノーブレンS−131 エチレ
ン−プロピレンランダム共重合体であり、実施例2は住
友化学工業社製ノーブレンW−501 ポリプロピレン
であり、実施例3は住友化学工業社製ノーブレンFH−
1015 ポリプロピレンであり、実施例4はハイモン
ト社製PRO−FAX−814 特殊ポリプロピレンで
あり、実施例6は三菱油化社製ユカロンHE−60 エ
チレン酢ビコーポリマーである。
【0038】なお、実施例1〜6の予備発泡粒子は何れ
も工程中合着等は生じず、得られた発泡成型品は発泡が
均質で融着良好な高品質のものであった。これに対し比
較例1では含浸が高温すぎて合着を生じ、比較例2、
8、11、12ではガス含有量が少なく発泡力不足とな
った。比較例3、5、9、10では発泡成型時の熱不足
で発泡不良となった。比較例4、6、7では発泡時の熱
過剰で収縮を伴う発泡不良となった。
【0039】
【発明の効果】本発明の発泡重合体成形品の製造方法に
よれば、無機ガスを用いて予備発泡粒子間におけるバラ
ツキの小さな高度に発泡した予備発泡粒子が得られ、こ
の予備発泡粒子を発泡成形することにより、高倍率の均
質な発泡成形品を効率よく安定して製造することができ
る。本発明によれば、従来の無機ガス使用にみられる欠
点が大幅に改善されると共に、ガス含浸時に水分散系を
用いることなく、且つ特に加熱する必要がないため製造
工程上も有利となる。また安全な好ましい作業環境下で
製造でき、環境汚染を引き起こすことなく工業生産する
ことが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 C08L 23:00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系重合体粒子に、その粒
    子が合着しない緩和な温度下でかつ加圧下において無機
    ガスを気相含浸させて、無機ガス含有量が0.05モル
    /kg(重合体)以上の一次発泡性重合体粒子とし、これ
    を無機ガス含有量が0.05モル/kg(重合体)未満に
    減少する迄に発泡槽に導入し、上記重合体粒子の融解ピ
    ーク温度(TP )+10℃〜TP −10℃の温度域で水
    蒸気導入により加熱発泡させ一次予備発泡粒子を形成
    し、次いで該一次予備発泡粒子が合着しない緩和な温度
    下でかつ加圧下において一次予備発泡粒子に無機ガスを
    気相含浸させて、無機ガス含有量が0.5モル/kg(重
    合体)以上の二次発泡性発泡重合体粒子とし、これを無
    機ガス含有量が0.5モル/kg(重合体)未満に減少す
    る迄に発泡槽に導入し、TP +15℃〜TP −20℃の
    温度域で水蒸気導入により加熱発泡させ二次予備発泡粒
    子を形成した後、更にこの二次予備発泡粒子に無機ガス
    を該発泡粒子が合着しない緩和な温度下でかつ加圧下に
    おいて気相含浸させて、無機ガス含有量が0.5モル/
    kg(重合体)以上になるように二次予備発泡粒子に内圧
    付与し、これを無機ガス含有量が0.5モル/kg(重合
    体)未満に減少する迄に発泡成形用型に充填し、TP
    15℃〜TP −20℃の温度域で水蒸気導入により加熱
    発泡させて発泡成形品を得ることを特徴とする発泡重合
    体成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 ガス含浸時に重合体粒子が合着しない緩
    和な温度がその重合体粒子の融解ピーク温度より40℃
    以上低い温度域である請求項1の製造方法。
  3. 【請求項3】 水蒸気の導入が60〜100℃の露点を
    有しかつ重合体粒子の融解ピーク温度(TP )+15℃
    〜TP −20℃の温度域の水蒸気または水蒸気−空気混
    合媒体を用いて行われる請求項1の製造方法。
  4. 【請求項4】 二次予備発泡粒子に更に無機ガスを含浸
    し、予備発泡させて、三次以降の予備発泡粒子を得、こ
    の予備発泡粒子に無機ガスで内圧付与した後、成形型内
    で加熱発泡させることを特徴とする請求項1の製造方
    法。
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