JP2637664B2 - 再生発泡ポリスチレン系樹脂成形体の製造方法 - Google Patents

再生発泡ポリスチレン系樹脂成形体の製造方法

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JP2637664B2
JP2637664B2 JP6695092A JP6695092A JP2637664B2 JP 2637664 B2 JP2637664 B2 JP 2637664B2 JP 6695092 A JP6695092 A JP 6695092A JP 6695092 A JP6695092 A JP 6695092A JP 2637664 B2 JP2637664 B2 JP 2637664B2
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新平 中山
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は使用済の発泡ポリスチレ
ン系樹脂成形体、あるいは成形時に副生する不良品等の
廃発泡成形体を再生して、再生発泡成形体を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】発泡ポリスチレン系樹脂成形体は、家電
製品の緩衝包装材、あるいは魚介類や生鮮食品の運搬用
容器等として大量に使用されているが、その一方で、使
用済の発泡成形体の廃棄処理対策は、社会的に大きな問
題となっている。そこで、近年では、使用済の発泡ポリ
スチレン系樹脂成形体を再生して、良好な発泡成形体を
製造することのできる発泡性ポリスチレン系の再生樹脂
粒子を得るために、種々の研究がなされている。
【0003】従来、使用済の発泡ポリスチレン系樹脂成
形体を破砕して、押出機により加熱溶融して、ダイスよ
り押し出して冷却した後、切断してペレットを得て、こ
のペレットに水分散状態で、ブタン、ペンタン等の発泡
剤を含浸することにより再生発泡性樹脂粒子を製造する
方法が知られている。また、押出機内の溶融樹脂中に発
泡剤を圧入して混練し、ダイスより押し出して冷却、切
断することにより、再生発泡性樹脂粒子を製造する方法
も公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の従来
の方法で製造された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を、
水蒸気により加熱発泡成形した再生発泡成形体では、気
泡が極端に細かくなり、耐熱性が低下するばかりでな
く、予備発泡粒子同士の密着性が悪いために、満足な成
形外観を有するものを得ることができない。また、この
発泡成形体は、機械的強度が低い等の欠点がある。
【0005】そこで特公昭58−24449号公報に
は、既に発泡したポリスチレン系樹脂粒子を原料とし
て、これに水分散状態で有機溶剤を加え、樹脂の軟化点
以上で攪拌した後、ブタン、ペンタン等の発泡剤を含浸
する方法が提案されている。また、特公昭58−244
50号公報には、同様の樹脂粒子を原料として、これに
水分散系でスチレン単量体を徐々に加えて発泡樹脂粒子
に吸収させ、加温して重合を行い、重合過程叉は重合後
に、ブタン、ペンタン等の発泡剤を含浸する方法が提案
されている。しかし、これらの方法で得られた発泡性ポ
リスチレン樹脂粒子は、元の発泡体を構成する多数の気
泡は消失して、全く気泡のない樹脂粒子となっており、
これを発泡成形して得られる発泡成形体の気泡状態、機
械的強度等は、ある程度改善されるものの、必ずしも十
分なものではない。しかも、これらの方法では、発泡し
たポリスチレン系樹脂成形体を、一旦もとの非発泡の樹
脂粒子の状態に戻してから発泡性樹脂粒子として再生す
るものであるため、工数がかかり、しかも多くの熱エネ
ルギーを必要とすることから、製造コスト的にも不利で
ある。
【0006】このように従来の方法では、発泡体を構成
する気泡を一旦消失させて、気泡を含まない樹脂粒子を
製造するという工程を経るために、工程が複雑になるば
かりでなく、加熱のために多くのエネルギーを消費する
とともに、加熱による樹脂の劣化によって、得られる再
生発泡体の品質が低下するという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、使用済の
発泡成形体を破砕した発泡樹脂粒子に、無機ガスを加圧
下において気相含浸するとともに、発泡粒子を圧縮した
状態で成形型内に充填し、発泡成形することにより、発
泡粒子の正常な気泡をそのまま利用して、成形体の煩雑
な工程を経ることなしに、しかも多くの熱エネルギーを
消費することなしに、容易に高品質の再生発泡成形体が
得られることを見いだし、本発明を完成するに至ったも
のである。
【0008】かくして本発明によれば、廃発泡ポリスチ
レン系樹脂成形体を破砕した発泡樹脂粒子に、その粒子
が合着しない緩和な温度下で、かつ加圧下において無機
ガスを気相含浸して、発泡樹脂粒子中に無機ガスを0.
5モル/kg(樹脂)以上含有させ、該無機ガス含有発泡
樹脂粒子を、成形型内充填後の発泡樹脂粒子のカサ容積
が元のカサ容積の70%以下になるように加圧ガスを用
いて圧縮しながら型内に供給し、基材樹脂のビカット軟
化点より10〜30℃高い温度域の水蒸気を導入して加
熱融着させて発泡成形体を得ることを特徴とする再生発
泡ポリスチレン系樹脂成形体の製造方法が提供される。
【0009】この発明おいて、その出発原料として用い
られる廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体を構成する樹脂
としては、スチレン重合体、少なくとも50重量%以上
のスチレン成分と他の重合可能な不飽和化合物との共重
合体、これらの混合樹脂、スチレンとポリエチレンある
いはポリプロピレンとの架橋重合体、並びにこれらの樹
脂に適量のゴム状物質を添加した強化樹脂等があげられ
る。上記共重合可能な不飽和化合物としては、α−メチ
ルスチレン、アクリロニトリル、アクリル酸もしくはメ
タクリル酸と1〜8個の炭素原子を有するアルコールと
のエステル、マレイン酸、フマル酸と1〜8個の炭素原
子を有するアルコールとのエステル、無水マレイン酸等
や、更に少量の架橋剤として、ジビニルベンゼン、ブタ
ジエン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等も
挙げることができる。廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体
は、上記のポリスチレン系樹脂の粒子に発泡剤を含浸さ
せた発泡性樹脂粒子を、予備発泡した後、所定の成形型
内で発泡成形して得られる発泡成形体であって、各種容
器、緩衝包装材、その他一定の用途に供された後の、使
用済みの廃棄されるべき発泡成形体、及びこれらの成形
体を製造するときに副生する成形不良品等が含まれる。
なお、廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体としては、上記
の樹脂を押出発泡して得られた発泡成形体の使用済み成
形体、成形不良品、トリミング時の裁断屑等を原料とす
ることも可能である。
【0010】なお、発泡成形体を構成する樹脂中には、
充填剤、可塑剤、難燃剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収
剤、酸化防止剤等、種々の添加剤が含有されていてもよ
い。本発明において、出発原料として用いる廃発泡ポリ
スチレン系樹脂成形体の基材樹脂は、単一の樹脂種を使
用することが望ましいが、発泡体の熱的性質(発泡成形
性)、気泡サイズ(成形品外観)がほぼ同等であれば、
2種以上の基材樹脂を混合して使用することもできる。
【0011】また、廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体
は、その用途に応じて発泡倍数が異なるが、本発明方法
によって均質な再生発泡成形体を得るためには、ほぼ同
じ発泡倍数の成形体を分別して原料として使用すること
が望ましい。廃発泡成形体の大半を占める家電製品の緩
衝包装材、魚介類用容器、リンゴ箱等は、およそ50〜
60倍の発泡成形体である。しかし、この程度のばらつ
き範囲内であれば、本願の原料として特に支障なく使用
することができる。
【0012】廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体は、破砕
機あるいは裁断機、その他任意の方法により、ほぼ球
状、立方体状等の形状を有する発泡樹脂粒子に破砕され
る。発泡樹脂粒子の平均粒子径は、再生発泡成形する成
形体の大きさにより適宜決められるが、一般的には、5
〜50mmであり、好ましくは10〜30mm程度である。
平均粒子径が50mmより大きい場合には、空気輸送時に
配管が詰まったり、成形型への充填性が悪くなる。一方
平均粒子径が5mmよりも小さい場合には、発泡成形体の
破砕時に発泡体の気泡が破壊されて、独立気泡率が低下
し、発泡成形時に十分な発泡性が得られず正常な発泡成
形体が得られない。
【0013】本発明で使用する発泡樹脂粒子の独立気泡
率は、65%以上、好ましくは80%以上であることが
必要である。発泡成形体を破砕するときに発生する不適
当な微粒子が多量に含まれる場合は、ふるい分けして微
粒子を除去することが望ましい。また破砕機あるいは裁
断機としては、発泡成形体の気泡をできるだけ破壊しな
いで、しかも微細粒子の発生を抑え、粒子径が揃い、球
状、立方体に近い形状の所望の発泡粒子が得られるもの
が好適に使用される。
【0014】本発明においては、まず上記発泡樹脂粒子
に、この粒子が合着しない緩和な温度下で、かつ加圧下
において、無機ガスを気相含浸する。本発明における無
機ガスとしては、炭酸ガス、窒素、空気等が用いられ、
これらは単独であるいは混合して使用される。無機ガス
の含浸処理は、耐圧密閉容器内で、発泡樹脂粒子が合着
しない緩和な温度下で行われる。ここで緩和な温度と
は、含浸処理中に発泡粒子間で合着が生起せず、かつ発
泡粒子が収縮しない温度を意味し、具体的には基材樹脂
のビカット軟化点より少なくとも20℃以上低い温度域
をいう。好ましい温度域は、使用する発泡樹脂粒子の基
材樹脂によって変化し、また無機ガスによっても変化す
るが、通常無機ガスの実質的含浸量を多くできること、
及び耐圧容器の内圧を低めに設定できること等から、含
浸処理温度は、より低温が望ましく、40℃以下が好ま
しい。しかし0℃以下の場合には、通常冷却のために工
業的にエネルギー消費量が大きくなり、好ましくない。
無機ガスの含浸速度の面からは、高い温度が望ましい
が、ガス含浸量が減少するために、炭酸ガスの場合、好
ましくは5〜40℃であり、窒素、空気の場合5〜30
℃である。なお基材樹脂のビカット軟化点−20℃以上
の温度で含浸を行うときには、発泡成形するまでに多量
のガスが逸散してしまい、発泡性が低下して、良好な発
泡成形体が得られない。
【0015】かかる緩和な温度条件下においては、無機
ガスは樹脂に対して溶媒として作用することがないた
め、発泡樹脂粒子同士が合着する恐れはない。したがっ
て、発泡樹脂粒子を静置した状態で、無機ガスのガス含
浸を行うことができる。また静置して無機ガスを含浸す
るに際して、加圧下の無機ガスを、ポンプ等により吸引
して調温室を通した後、容器下部に戻す等して循環させ
てもよい。
【0016】発泡樹脂粒子に無機ガスを含浸させる適当
な圧力は、1kg/cm2G以上、好ましくは2〜10kg/cm2
Gである。無機ガスの含浸は、無機ガスの種類、含浸圧
力、基材樹脂の種類、及び発泡樹脂粒子の粒子径等によ
って異なるが、少なくとも無機ガスが0.5モル/kg
(樹脂)以上含浸するまで行われ、通常1時間以内に達
成される。なお、発泡樹脂粒子内の無機ガス含有量は、
容器内で加圧下にある発泡樹脂粒子を容器から取り出
し、発泡樹脂粒子から逸散する無機ガスの容量または重
量を測定することにより求めることができる。
【0017】発泡樹脂粒子からの無機ガス逸散は比較的
速いことから、無機ガスが含浸された発泡樹脂粒子は、
成形型内に充填された時点で無機ガスを少なくとも0.
5モル/kg(樹脂)以上含有していることが必要であ
る。発泡樹脂粒子中の無機ガス含有量が、0.5モル/
kg(樹脂)未満なると発泡力が不足して、良好な発泡成
形体を得ることが難しい。
【0018】なお本発明では、無機ガスを使用するもの
であるが、本発明の効果が阻害されない限り、若干の揮
発性有機発泡剤を併用することも可能である。例えばプ
ロパン、ブタン等を、無機ガス1に対して、少量例えば
0.2以下のモル比で併用しても同様の効果を得ること
ができる。次いでこのようにして無機ガスを含浸した発
泡樹脂粒子を、加圧ガスを用いて圧縮しながら成形型内
に充填する。通常の予備発泡粒子の空間率は、約35〜
40%である。これに対して、本発明で使用される廃発
泡ポリスチレン系樹脂成形体を破砕した発泡樹脂粒子
は、カサ容積が大きく、空間率は約50〜60%とな
る。したがって、発泡成形時に十分な発泡性を得るため
には、発泡樹脂粒子を成形内に充填するに際して、発泡
粒子間の空間を小さくしておくことが必要となる。そこ
で、本願発明においては、成形型内に充填された発泡樹
脂粒子のカサ容積が、元のカサ容積の70%以下、より
好ましくは65%以下、40%以上になるよう圧縮しな
がら成形型内に供給する。発泡樹脂粒子の圧縮が70%
に満たないとには、発泡成形時に発泡力が不足して、発
泡樹脂粒子間の空間を十分に埋めることができず、隙間
ができて発泡成形体の外観が悪くなる。一方圧縮が40
%を越えると、過大な耐圧容器が必要となる割に、その
改善効果はあまり認められない。また過剰充填の兆候を
示し、成形時の水蒸気の通過が抑制され、発泡粒子間の
融着を阻害原因となる。
【0019】また本発明では、発泡樹脂粒子の圧縮状態
を維持するために、発泡樹脂粒子の充填前、及び充填中
の成形型内を、加圧状態に維持しておくことが望まし
い。発泡樹脂粒子を加熱成形して得られる再生発泡成形
体の発泡倍数は、元の廃発泡樹脂成形体の発泡倍数と、
加圧下の発泡樹脂粒子の圧縮率で決まり、成形型内での
発泡粒子のカサ倍数が、再生発泡成形体の発泡倍数とな
る。したがって、成形型内の内圧を、予め所定の加圧状
態に設定しておいて、発泡樹脂粒子を加圧充填する必要
がある。
【0020】本発明において、発泡樹脂粒子の加圧充
填、型内加圧に用いるガスとしては、気相含浸時に用い
る無機ガスを使用できるが、通常は圧縮空気が好適に使
用される。本発明においては、成形型の加圧状態を解放
して圧抜きをして成形型の内圧を大気圧に戻し、発泡粒
子間のガスを排出すると共に、圧縮された発泡粒子を膨
張復元した後、成形型に水蒸気を導入して発泡粒子を加
熱融着させて、発泡成形体を成形する。なお、発泡粒子
間のガスの排出は、型を加圧状態に維持したままで、水
蒸気を導入することにより、水蒸気を流通させて行って
もよい。加熱成形して得られた発泡成形体は、冷却水に
より冷却した後、成形型から取り出される。
【0021】発泡樹脂粒子の加熱成形に用いられる水蒸
気は、基材樹脂のビカット軟化点より10〜30℃高い
温度域になるように制御され、より好ましくは10〜2
0℃高い温度域に制御される。成形時の水蒸気温度がビ
カット軟化点+10℃より低い温度では、発泡速度が遅
く、無機ガスの外部への逸散が優位となって十分な発泡
効果が得られず、その結果、高品質の発泡成形体が得ら
れない。またビカット軟化点+30℃以上の温度域の場
合には、発泡適正幅が極度に狭くなり、工業的に正常な
発泡成形体を得ることが極めて困難である。なお、成形
加熱時間は、発泡成形体の大きさや発泡倍数等によって
変化するが、一般に10〜180秒程度であり、好まし
くは約15〜90秒である。なお、水蒸気としては、水
蒸気−空気混合媒体を用いることも可能である。
【0022】以上のようにして、発泡樹脂粒子に無機ガ
スを含浸し、成形型に加圧充填した後、加熱成形して得
られた本願の再生発泡成形体は、建築用途の断熱壁材や
床下地材、及び土木用途の軟弱地盤改良用EPS土木工
法の埋設材等として好適に使用される。これらの用途に
おいては、本願の再生発泡成形体は、比較的に肉厚なブ
ロック形状、あるいは板状の形状とされ、特に複雑な形
状に成形する必要のないことから、何等支障なく使用す
ることができる。これら用途については、望まれる発泡
成形体の発泡倍数は、40〜50程度であって、使用済
みの家電製品の緩衝包装材、あるいは魚介類や生鮮食品
の運搬容器等を、本願発明の原料として好適に使用され
る。
【0023】なお、本発明により得られた再生発泡体
を、上記の建築用途あるいは土木用途に使用する場合に
は、発泡成形体に自消性、難燃性を付与することが必要
となる。再生発泡成形体に自消性、難燃性を付与するに
は、発泡樹脂粒子の表面に、難燃剤、必要に応じて難燃
助剤加えて、被覆処理したものを、発泡成形すればよ
い。難燃剤としては、臭素化脂環族化合物、臭素化芳香
族化合物、臭素化芳香族ポリマー、臭素化フェニル(メ
タ)アクリル酸エステル等が好適に使用される。難燃剤
が粉末状の場合、JIS標準ふるい149μ通過の微粉
末を使用することが、粒子表面への付着性の面から望ま
しい。また、粒子に対する付着を確実にするために、適
度な粘性を有する液状難燃剤を一部被覆した後に、粉末
状難燃剤を被覆展着処理してもよい。更に比較的低融点
を有する粉末状難燃剤を、加温して溶融させて被覆処理
してもよい。かかる難燃剤としては、比較的少量の使用
で自消性をもたらし、発泡樹脂粒子表面への付着性がよ
く、成形時に発泡粒子間の融着を阻害せず、耐候性がよ
く、しかも樹脂基材を劣化させないものとして、ヘキサ
ブロモシクロドデカン、テトラブロモシクロオクタン、
トリブロモフェニルアリルエーテル、ペンタブロモフェ
ニルアリルエーアル、テトラブロモビスフェールのビス
アリールエーテル、テトラブロモビスフェノールのビス
ジブロモプロピルエーテル等が、特に好適に使用され
る。これらの難燃剤は、発泡樹脂粒子に対して、0.5
〜2.0重量%、より好ましくは0.8〜1.5重量%
の範囲で使用される。また、有機過酸化物等の、例えば
O−O、C−C、N=N結合を有する化合物を難燃助剤
として、0.1〜0.5重量%、難燃剤と併用して使用
してもよい。好ましい難燃助剤の例としては、ジクミル
パーオキサイド、1、1−ジフェニルビシクロヘキシ
ル、アゾジイソブチロニトリル等が挙げられる。
【0024】また本発明の発泡樹脂粒子には、成形型へ
の充填性を改善する滑剤、成形時の融着促進剤、成形冷
却時間短縮剤、帯電防止剤、着色剤等の表面処理剤を被
覆してもよい。具体的には、エチレンビスステアロアミ
ド、高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、食用油、高級脂肪
酸トリグリセライド、高級脂肪酸モノグリセライド、パ
ラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ジンクステ
アレート等を挙げることができる。
【0025】なお、かかる表面被覆処理は、無機ガスの
含浸に先だって、リボンブレンダー、タンブラー、レー
ディゲミキサー、ナウターミキサー、スーパーミキサー
等を利用して行われる。または無機ガスの含浸容器が回
転もしくは攪拌機能を有するものであれば、ガス含浸時
に同時に被覆処理を行ってもよい。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を用いて説明するが、
これにより本発明は限定されるものではなく、本発明の
範囲内で種々の変更が可能である。家電製品の緩衝包装
材として使用された発泡性ポリスチレン樹脂粒子の発泡
成形品を、破砕機で粒子径約10〜20mmに破砕し、こ
れを再生発泡体成形の出発原料として用いた。この破砕
した発泡樹脂粒子に難燃剤として、テトラブロモビスフ
ェノールのビスアリルエーテルを1.2重量%、スーパ
ミキサーを用いて表面被覆処理した。この難燃剤を被覆
した発泡粒子を、容積1000mlの耐圧容器に入れ、密
閉し、無機ガスを所定圧力で、全体を調温しながら1時
間保持して発泡樹脂粒子に無機ガスを含浸した。次い
で、加圧状態に維持した、内寸が30×7.5×2.5
cmの型窩有した成形型内に、上記の無機ガスを含浸した
発泡粒子を充填した。樹脂粒子の充填後、成形型の加圧
状態を解除して、成形型内の無機ガスを排出し、所定温
度の水蒸気を導入して加熱発泡することにより、再生発
泡成形体を製造した。
【0027】無機ガスの含浸条件、型内成形条件、及び
得られた再生発泡成形体について表1に示す。なお出発
原料として用いた廃発泡成形体は、一度使用した家電製
品の緩衝包装材であって、実施例1、比較例1、2、
4、5、および6は55倍発泡品、実施例2、比較例3
は40倍発泡品、実施例3は60倍発泡品である。これ
らの基材樹脂は、ポリスチレンである。
【0028】実施例4は、スチレン92%、無水マレイ
ン酸8%の共重合体の40倍発泡成形品である。実施例
1〜4は何れも製造上支障はなく、得られた再生発泡成
形体は、均質で融着良好な高品質のものであった。得ら
れた再生発泡成形体について、JISK−7201の酸
素指数法による燃焼試験方法に準拠して自消性を評価し
た結果、酸素指数26以上であり、良好な難燃性を有し
ていた。これに対し比較例1は、無機ガス含浸温度が高
過ぎて、発泡樹脂粒子が収縮する兆候があった。比較例
2は成形型充填時に、発泡樹脂粒子の圧縮が不足して、
高倍となり正常な成形ができなかった。比較例3は、無
機ガスの含浸圧力が不足して正常な成形ができなかっ
た。比較例4は、成形時の水蒸気温度が低く、発泡粒子
間の融着が不良であった。比較例5は、成形時の水蒸気
温度が高く、発泡成形体が収縮した。比較例6は、発泡
粒子が過剰に充填され、発泡粒子間の融着が不良であっ
た。
【0029】
【表1】
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、使用済みの発泡ポリス
チレン系樹脂成形体を破砕した発泡樹脂粒子に、無機ガ
スを加圧下において気相含浸するとともに、発泡粒子を
圧縮した状態で成形型内に充填し、発泡成形することに
より、発泡粒子の正常な気泡をそのまま利用して、廃発
泡体の減容化、リペレット、発泡剤含浸、予備発泡、加
熱成形という従来の煩雑な工程を経ることなしに、しか
も多くの熱エネルギーを消費することなしに、高品質の
再生発泡成形体を製造することができる。そして、本発
明により得られた再生発泡成形体は、建築用途、土木用
途をはじめ、多くの分野に利用可能である。
【0031】本発明の再生発泡成形体の製造方法は、大
量に発生する使用済み発泡成形体を有効に再生すること
ができ、廃棄処理対策あるいは資源の有効利用法として
多大な効果が得られる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:26 C08L 25:00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃発泡ポリスチレン系樹脂成形体を破砕
    した発泡樹脂粒子に、その粒子が合着しない緩和な温度
    下で、かつ加圧下において無機ガスを気相含浸して、発
    泡樹脂粒子中に無機ガスを0.5モル/kg(樹脂)以上
    含有させ、該無機ガス含有発泡樹脂粒子を、成形型内充
    填後の発泡樹脂粒子のカサ容積が元のカサ容積の70%
    以下になるように加圧ガスを用いて圧縮しながら型内に
    供給し、基材樹脂のビカット軟化点より10〜30℃高
    い温度域の水蒸気を導入して加熱融着させて発泡成形体
    を得ることを特徴とする再生発泡ポリスチレン系樹脂成
    形体の製造方法。
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