JPH07114587A - 建築物等の設計図形処理方法 - Google Patents

建築物等の設計図形処理方法

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JPH07114587A
JPH07114587A JP5281649A JP28164993A JPH07114587A JP H07114587 A JPH07114587 A JP H07114587A JP 5281649 A JP5281649 A JP 5281649A JP 28164993 A JP28164993 A JP 28164993A JP H07114587 A JPH07114587 A JP H07114587A
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building
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JP5281649A
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Hiroshi Kubota
博 窪田
Toichiro Takita
東一郎 滝田
Wataru Umezawa
亘 梅沢
Yoshiaki Tomiyama
義明 富山
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Hitachi Computer Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Computer Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】図面作成効率の良い設計施工用図面作成方法を
実現する。 【構成】オブジェクト指向プログラムの可能な図形デー
タ処理装置において、各部材要素100〜111が内部
の各オブジェクトに対応づけられ、その各オブジェクト
間には各部材要素間の接続関係に対応してメッセージ交
換経路が設けられ、部材要素100について移動等の操
作を行うと、これの対応オブジェクト(100)が操作
対応の自己のデータの処理とメッセージ交換経路経由で
の他のオブジェクト(104,107)へのメッセージ
送信をし、メッセージを受けた他のオブジェクト(10
4,107,108,110,111)も自己のデータ
の処理とメッセージ送信を継続する。これにより、関連
する要素までも自動的に修正が済んでしまう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建築物等の設計図形
処理方法に関し、詳しくは、コンピュータによる建築設
計等において、設計図上でビル躯体やその設備について
設計変更をする場合に、変更する部材要素に関係する他
の部材要素についての図形変更を自動的に行うことがで
きるような建築物等の設計図形処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の建築設計図形等のコンピュータに
よる図形処理にあっては、柱や壁面などの各部材要素を
それぞれベクトル型の線データからなるデータのブロッ
クとして管理し、それぞれの組合せて設計図形全体を構
成して、それによりディスプレイ上に設計図形を表示し
ている。
【0003】すなわち、図形データ処理装置いわゆるC
ADシステムにおけるプロッタやディスプレイによって
プロッタ用紙や画面等に描かれた図面上に各部材要素が
表され、この各部材要素はそれぞれの位置や相互の接続
関係等に応じてそれぞれ図面上の所定の位置に配置され
るが、CADシステムの内部では、各部材要素の形状等
を図面上に表すための図形データを、各部材要素対応の
単位ではなく、各部材要素の一部を示すに過ぎない輪郭
等だけを示す単なるベクトル図形データ(一本の線図形
を表すデータ)を単位として、これの集まりとして扱っ
ていた。このことは、基本処理の繰り返しを得意とする
コンピュータにとって扱い易い。
【0004】もっとも、既登録部品やグループとして指
定された一群のベクトル図形データについては纏めて1
つのデータブロックとして扱い、グループ名とか部品等
の名称によって一度に操作できるのが一般的である。こ
の処理のために、CADシステムは、その内部では、ベ
クトル図形データの全集合のうちのどの部分集合がグル
ープ等として指定されたかをデータブロックとして記憶
しておき、データブロックの一つが操作対象としてマウ
ス等によって選択されると、このデータブロックに属す
る複数のベクトル図形データ全てが同時に同じ操作をさ
れたものとして扱う。このことは、各部品等を実物対応
で処理したいオペレータにとって扱い易い。
【0005】このようにベクトル図形データを単位とし
て操作するコンピュータ向きの方法を基本とし、さらに
複数のベクトル図形データをも纏めて操作可能として、
コンピュータ処理効率と操作効率との両立を図っている
のが、従来の一般的な図形処理方法であり、建築設計図
形等のコンピュータによる図形処理にあっても、従来は
この方法を踏襲していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の建築
物等の設計図形処理方法は、一本の線についてのベクト
ル図形データを単位とすることから、既に完成図面が確
定して手書きで紙の上に描かれていたり或はオペレータ
の頭の中で完成図面のイメージが明瞭に固まっていて、
この線書きの完成図面の図形データをトレース感覚でC
ADシステムに正確に入力しその後は単に奇麗に機械描
画させるだけという目的に対しては、十分なものであっ
た。
【0007】しかし、毎回全図形をCADシステムに入
力するのは膨大な作業となる。そこで、既にCADシス
テムに入力した完成図面の図形データを元にしてこれの
一部を修正して別の図面を作成したいという要請も多
い。ところが、従来の設計図形処理方法では既存の図形
データの修正は必ずしも容易ではない。特に、建築物等
を対象とする設計図形処理の場合、柱や壁等の部材要素
が個別に存在するのではなく互いに接続されて関連しあ
っていることが多く、修正作業が繁雑なものとなり易
い。
【0008】すなわち、建築物等の設計図形処理にあっ
ては、複数のベクトル図形データからなるデータブロッ
クとしてまとめられた部品やグループを単位として操作
したとしても、1つの部材の修正を完成させるために
は、さらに部材間の接続状態を維持するために他の部材
についても関連する修正作業を施す必要があり、多数回
の操作を必要とする状況が、頻繁に発生する。このた
め、接続部材との関係で派生する追加の作業がオペレー
タの重荷となる。
【0009】図6,図7は、この種の図形処理を行う一
例である。図6(a)は、ビル設備の躯体図の一部であ
って、柱と壁とからなる。ここで、300〜302は壁
の輪郭線であり、303〜307は柱の輪郭線である。
ビル設備の躯体図においては、柱と壁が同一の材質で出
来ている場合、この図のように共通の稜線は表示しない
のが、通常である。このような入力済み図形から壁を削
除した図形を作成しようとする場合に、図6(a)にお
いて単に壁を削除するという操作だけを行うと、図6
(b)の如き図になってしまい、柱の輪郭線の一部が不
完全なものとなる。このため、図6(b)における柱の
輪郭線303と307とを削除し、さらに、図6(c)
における柱の輪郭線308を加えるという操作も必要で
あった。
【0010】図7(a)は、図6(a)と同様のもので
あり、やはり柱と壁とからなるビル設備の躯体図の一部
である。この図7(a)において柱を右に移動させる場
合を説明する。単に柱を右に移動させるという操作を行
っただけでは、図7(b)の如く、柱と壁とが離れてし
まい、しかも、柱と壁の輪郭線の一部が欠落する。かか
る不都合を是正するためには、さらに、図7(b)にお
ける壁の輪郭線300,302をそれぞれ延長して、図
7(c)における長い壁の輪郭線400,401にする
という付加的な修正作業も必要であった。
【0011】このように、各部の部材要素の位置や形状
を変化させた場合にデータブロックとして管理された1
つの要素しか変更ができず、個別にそれぞれの要素を変
更していかなければならない問題がある。この発明の目
的は、このような従来技術の問題点を解決するものであ
って、オペレータの作業量が少なくて図面作成効率の良
い設計施工用図面作成方法を実現することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
のこの発明の建築物等の設計図形処理方法の構成は、建
築物等の複数の部材要素の図形データを組合せてディス
プレイ上に設計図として表示し、表示された前記図形デ
ータによる各部材要素に対応してマウスやカーソル等の
入力装置からの指示により個別に移動、削除、追加、変
更等の操作が可能な図形データ処理装置において、前記
入力装置からの指令に応じて前記複数の各部材要素の表
示図形データの生成と所定の位置への表示処理とをそれ
ぞれ行うオブジェクト指向プログラム処理における複数
のオブジェクトと、これらオブジェクトにそれぞれ設け
られたメッセージ送受信領域と、前記部材要素間の結合
先のオブジェクトを示す領域とを備え、前記オブジェク
トを所定の位置関係で結合させることにより設計図形を
表示するとともに、前記オブジェクトは、前記メッセー
ジ送受信領域で相互にメッセージの送受信を行い、前記
入力装置に応じてあるオブジェクトが操作されたときに
は、操作に応じて元の位置との関係で発生する接続関係
のメッセージを前記結合先のオブジェクトを示す領域の
情報に基づいて前記結合先オブジェクトに送信し、前記
部材要素間の接続関係を示すメッセージを受信したとき
にそのメッセージに対応して送信先の図形と自己の図形
との関係を前記所定の位置関係と受信したメッセージと
に応じて補完した表示図形データを生成しかつ前記結合
先のオブジェクトを示す領域に情報があるときにはその
情報に従って結合先のオブジェクトに自己の元の位置と
の関係で発生する前記接続関係を示すメッセージを送信
するものである。
【0013】
【作用】このように、この発明では、指令やメッセージ
に応じて部材要素の表示図形データを生成する処理プロ
グラムと表示図形データ等からなるオブジェクト指向プ
ログラム処理におけるオブジェクトを基本に各部材要素
を構成し、これらの結合により設計図形を表示するとと
もに、各オブジェクトは、部材要素間の接続関係を示す
メッセージを受信したときにそのメッセージに対応して
送信先の図形と自己の図形との関係を補完する表示図形
データの生成処理を行いかつ前記結合先のオブジェクト
を示す領域に情報があるときにはその情報に従って結合
先のオブジェクトに自己の元の位置との関係で発生する
前記の接続関係を示すメッセージを送信するようにして
いるので、例えばカーソルにより画面上移動処理が行わ
れているオブジェクトは、それに結合する他のオブジェ
クトに対して接続関係を示すメッセージとして移動方向
と移動量に関するメッセージを送信することで、結合相
手方のオブジェクトが現在位置と受信した移動方向と移
動量とから補完する線情報を発生して新しい表示図形デ
ータを生成して表示制御をするものである。
【0014】このようにすることにより、あるオブジェ
クトの部材要素を、例えば、移動したときには、これに
関連する他のオブジェクトの部材要素は、補完した図形
となる。なお、操作は、削除や追加等があるが、それに
応じて補完できるメッセージの内容をオブジェクトに送
出すればよい。したがって、1つの部材要素を変更する
操作を行うだけでこの部材要素に関連する他の部材要素
も自動的に変更されるので、オペレータは実物そのもの
を操作するかの如き感覚で少ない作業を行うだけでよ
く、図面作成効率が向上する。
【0015】
【実施例】以下、この発明の建築物等の設計図形処理方
法の実施例について説明する。3つの実施例を示す。図
1に示す第1の実施例はこの発明の骨格を明示するため
のものであり、直接目視可能なディスプレイ画面上の表
示に基づいてこれを説明する。図2,3に示す第2の実
施例はこの発明の実用性,有用性を明示するためのもの
であり、実際的な対象について内部のオブジェクトとの
対応関係を明示しながらこれを説明する。図4,5に示
す第3の実施例はこの発明の具体的内容を明示するため
のものであり、これの内部に係わる詳細な構成と動作に
ついて完全に説明する。
【0016】何れの実施例についても、次のことが前提
である。図形データ処理装置のハードウエア構成は、基
本的には一般のCADシステムとほぼ同様であり、設計
図の図形を画面表示するディスプレイや設計図を製図用
紙上に描くプロッタ、キーボード、マウス等の入出力装
置を備え、これらをコンピュータが管理・制御するもの
である。ただし、このコンピュータがオブジェクト指向
プログラムを実効処理し得るものである点は、相違す
る。この発明の建築物等の設計図形処理方法は、オブジ
ェクト指向プログラムにおけるオブジェクトを利用して
構成される。なお、この発明は移動等の変更処理に特徴
があるので、初期入力等が済んだところから説明する。
【0017】第1の実施例を説明する。図1は、或る建
築物の特定の階の平面躯体図を示す。(a)は修正前
を、(b)は修正後を示す。ここで、100〜103は
通り芯を、104〜107は柱を、108〜111は壁
を表現している。柱は通り芯の交点に配置され、壁は柱
と柱の間に配置されている。図1(a)において、オペ
レータが図面上の通り芯100を左に移動させる命令を
入力操作したとする。
【0018】コンピュータ内部では、先ずこの命令に応
じたメッセージの送付が開始され、このメッセージを受
けたオブジェクトが、対応する自己の処理を行うととも
に、接続関係のある他のオブジェクトへのメッセージ送
出を行う。このことが、未処理の部材要素が無くなるま
で繰り返される。具体的には、左に移動すべき旨のメッ
セージが通り芯100のオブジェクトに送られ、これを
受けて通り芯100のオブジェクトは自己の座標値を修
正して左に移動するという動作を実効し、さらに自分が
左に移動した旨のメッセージを、接続関係のある柱10
4,107のオブジェクトに送る。
【0019】これを受けた柱104のオブジェクトは自
己の座標値を修正して同じく左に移動するという動作を
実効し、さらに自分が左に移動した旨のメッセージを、
接続関係のある壁108,111のオブジェクトに送
る。さらに、これを受けた壁108のオブジェクトは自
己の座標値を修正して左に縮むという動作を実効する。
同様にして、柱107のオブジェクトは左に移動すると
いう動作を実効するとともにメッセージを壁110,1
11のオブジェクトに送り、壁110のオブジェクトは
左に縮むという動作を実効する。また、柱104からの
メッセージと柱107からのメッセージを受けた壁11
1のオブジェクトは自己の座標値を修正して左に移動す
るという動作を実効する。
【0020】その結果、オペレータが図1(a)におけ
る通り芯100を左に移動操作しただけで、これと直接
又は間接的な接続関係を有する柱104,107,壁1
08,110,111も自動的に修正され、図1(b)
のビル躯体設計施工用図面が作成される。したがって、
従来であれば6回の操作を必要とした修正作業を、僅か
1回の操作で完了することができる。
【0021】第2の実施例を説明する。図2は、図1の
平面躯体図に付帯設備が設けられて実際の建築物に近い
状態となった例を示す。やはり(a)は修正前を、
(b)は修正後を示す。ここで、100〜111は図1
における部材と同じものであるが、112はスイッチ
を、113は配線を、114は蛍光灯を表現しており、
これらは付帯設備の具体例である。スイッチ112は壁
111上に配設され、蛍光灯114は部屋のほぼ中央に
配置され、配線113はスイッチ112と蛍光灯114
とを接続している。
【0022】また、より具体的な説明をするために、こ
れに対応したコンピュータ内部のオブジェクトイメージ
を図3に示す。オブジェクト200〜214は、それぞ
れ図2における通り芯100〜蛍光灯114、すなわち
100番違いのものに対応する。各オブジェクト200
〜214は、接続関係を有する部材要素のそれぞれに対
応するオブジェクト同士の間に、メッセージ交換を担う
通信のオブジェクトが付加的に設けられている。これに
より、各オブジェクト間には各部材要素間の接続関係に
対応したメッセージ交換経路が確立される。なお、図3
では、各部材要素のオブジェクト200〜214に丸を
付し、メッセージ交換のオブジェクトを丸間の直線で示
している。
【0023】図2(a)及びこれに対応する図3のオブ
ジェクトが既に存在するときに、オペレータが、図2
(a)のビル躯体及び設備設計施工用図面から、それに
比べて長さが短いだけの部屋についての他のビル躯体及
び設備設計施工用図面を作成することを意図した場合を
想定する。これは、実務上しばしば発生する。図2
(a)において、第1の実施例と同様に、オペレータは
図面上の通り芯100を左に移動させる命令を入力操作
する。
【0024】するとコンピュータ内部では、オペレータ
の命令に応じて、先ず、左に移動すべき旨のメッセージ
が、通り芯100に対応するオブジェクト200に送ら
れる。これを受けてオブジェクト200は自己の座標値
を修正する。これにより、通り芯100は左に移動する
という動作を実効する。さらにオブジェクト200は自
分が左に移動した旨のメッセージを、接続関係のあるオ
ブジェクト204,207に送る。
【0025】このメッセージを受けたオブジェクト20
4,207はそれぞれ自己の座標値を修正し、これによ
り柱104,107は同じく左に移動するという動作を
実効する。さらに、オブジェクト204,207は、自
分が左に移動した旨のメッセージを、それぞれ接続関係
のあるオブジェクト208,210,211のオブジェ
クトに送る。オブジェクト208,210はそれぞれ自
己の座標値又は長さを修正し、これにより壁108,1
10が左に縮むという動作を実効する。同様に壁111
も移動する。
【0026】さらに、これに加えて、オブジェクト21
1は、自分が左に移動した旨のメッセージを、接続関係
のあるオブジェクト212に送る。これを受けたオブジ
ェクト212は自己の座標値を修正し、これによりスイ
ッチ112が左に移動する。そして、オブジェクト21
2は、自分が左に移動した旨のメッセージを、やはり接
続関係のあるオブジェクト213に送る。オブジェクト
213は自己の長さを修正し、これにより配線113が
左に縮む。この段階まで処理が進むと、間接的な影響を
受ける部材要素であって未処理のものが各部材要素10
0〜114の中に存在しなくなり、新たなメッセージの
送出が行われなくなり、一連の処理が一段落する。
【0027】このように、オペレータが図2(a)にお
ける通り芯100を左に移動操作しただけで、これと直
接又は間接的な接続関係を有する柱104,107,壁
108,110,111も自動的に修正され、さらには
付帯設備であるスイッチ112,配線113までも自動
的に修正され、図2(b)のビル躯体及び設備設計施工
用図面が作成される。したがって、従来であれば8回の
操作を要した修正作業を僅か1回の操作で完了すること
ができて、オペレータの意図を反映させることが容易に
なり、図面作成効率が向上する。
【0028】第3の実施例を説明する。図4は、CAD
システムのディスプレイ上に表示されたビル躯体図の例
であり、通り芯410と柱420と壁430とからな
る。図4(a)は、変更操作を施す前のビル躯体図を示
し、図4(b)は、それに対して通り芯410を左に移
動させる変更操作を施した後のビル躯体図を示す。一
方、図5は、CADシステムにおけるコンピュータのメ
モリ上に展開されたオブジェクト等の説明図である。
【0029】ここで、500は、部材要素に対応するオ
ブジェクトの一覧からなるオブジェクトリストであり、
オブジェクト510,520,530へのポインタの集
合である。なお、図5では、ポインタには上向き矢印↑
を付して示す。このオブジェクトリスト500を検索す
ることで、任意の部材要素のオブジェクトにアクセスす
ることができる。
【0030】510は通り芯410に対応づけられたオ
ブジェクト、520は柱420に対応づけられたオブジ
ェクト、530は壁430に対応づけられたオブジェク
トである。これらは、それぞれ、プログラム領域51
1,521,531と、プログラム領域512,52
2,532とを含む。プログラム領域511,521,
531に格納されたプログラムは、それぞれ、移動のメ
ッセージの受信等に応じて、自己と対応する部材要素の
形状等を規定する表示図形データを変更したり生成した
りする。プログラム領域512,522,532に格納
されたプログラムは、それぞれ、自己と対応する部材要
素の図形をディスプレイ上の該当位置に表示する。
【0031】さらに、これらのオブジェクトは、それぞ
れ、自己と対応する部材要素に関する座標値や長さ等の
図形データを記憶するデータ領域513,523,53
3と、部材要素間の結合関係に対応して結合先オブジェ
クトを指すポインタを格納する結合先指示領域514,
524,525,534とを含む。このようにプログラ
ムとデータと結合関係とが一体となってオブジェクトを
構成することで、単なるデータブロックに基づく処理で
は困難であった一連の処理が、実現容易になる。
【0032】540と550は、部材要素に対応するオ
ブジェクトとは別に、部材要素間の結合関係に対応して
設けられたオブジェクトであり、メッセージの転送等を
司るものである。結合関係のために別途オブジェクトを
設けることは必須ではないが、このように独立して設け
ることにより、面倒なメッセージ交換処理やそのターミ
ネイトの判断処理等を局所化でき又その結果として各部
材対応の処理も各対応オブジェクトに局所化できて、各
オブジェクトの構成が容易になるとともにバグが出難く
なって全体の信頼性が増す。
【0033】この目的のためにオブジェクト540は、
プログラム領域541と、メッセージ交換処理に必要な
ステータスフラグ等の管理データが格納されるメッセー
ジ転送管理用領域542と、結合先オブジェクトに対し
メッセージ転送が既に行われたか未転送かを示すフラグ
等からなるデータ領域543と、を含む。プログラム領
域541のプログラムは、メッセージ交換処理を行う。
すなわち、自己と結合関係のある部材対応のオブジェク
トからメッセージが送られてくるとこれを受信し、さら
に自己と結合関係のある部材対応の他のオブジェクトで
あって未転送のものに対しメッセージを転送する。
【0034】さらに、オブジェクト540は、結合先指
示領域544,545を含んでおり、この領域にはオブ
ジェクト510,520へのポインタが設定されてい
る。一方、オブジェクト510,520の結合先指示領
域514,524には、それぞれ、オブジェクト540
へのポインタが設定されている。このように、オブジェ
クト540を介してオブジェクト510とオブジェクト
520との結合関係が、いわゆるダブルリンク類似の構
造により、確立されている。
【0035】オブジェクト550は、オブジェクト54
0と同様の構成であり、これを介してオブジェクト52
0とオブジェクト530との結合関係が確立されてい
る。かかるリンクによって、オブジェクト510,52
0に対応する通り芯410と柱420との接続関係、オ
ブジェクト520,530に対応する柱420と壁43
0との接続関係が内部構造にも反映される。そして、通
り芯410,壁430ごとの単なるデータブロックを超
えた関係をCADシステム内部に取り込むことが可能と
なる。
【0036】このような構成の下での動作を説明する。
具体的には通り芯410を移動させるときの処理につい
て説明する。図4(a)の状態の図形がディスプレイ画
面上に表示されているときに、マウスを移動操作してデ
ィスプレイ画面上のカーソルを通り芯410の近傍にも
ってきてマウスのスイッチを押すことにより、通り芯4
10を選択指定する。この入力を受けてコンピュータ内
部では、オブジェクトリスト500が検索され、そのと
きのカーソル位置に最も近いオブジェクト510が選択
される。そして、カーソルを介しての以後の移動指示等
の指示は、このオブジェクト510に向けられる。
【0037】オペレータがカーソルを移動させると、そ
の移動量および方向のデータを含むメッセージがオブジ
ェクト510に送られ、これを受けたオブジェクト51
0では、プログラム領域511のプログラムが起動され
る。このプログラムは、メッセージが移動処理を要求す
るものであることに対応して移動処理を司るものであ
り、このプログラムは、起動されると、メッセージ内の
移動量等に従ってデータ領域513の座標値等を修正す
る。これにより、通り芯410の移動処理がなされる。
さらにこのプログラムは、結合先指示領域514のポイ
ンタがオブジェクト540を指していることに対応し
て、同一内容のメッセージをオブジェクト540に送出
する。
【0038】オブジェクト510からのメッセージを受
けたオブジェクト540では、プログラム領域541の
プログラムが起動される。このプログラムは、先ずメッ
セージ転送管理領域542を調べ、その中にある自己の
オブジェクトがメッセージ転送処理中であるか否かのフ
ラグにより判定する。この段階では、自己のオブジェク
トがメッセージ転送処理中でないことが判明するので、
そのフラグをメッセージ転送処理中の値に変え、さらに
メッセージの送り主がオブジェクト510であることに
対応してデータ領域543の中のオブジェクト510対
応のフラグをセットする。これにより、メッセージ既転
送のものが明瞭となり、またメッセージ送り主での二重
処理が防止される。さらに、データ領域543の中のフ
ラグがセットされておらず且つ結合先指示領域545の
ポインタによって指されるオブジェクト520にメッセ
ージが転送される。
【0039】オブジェクト540からのメッセージを受
けたオブジェクト520では、プログラム領域521の
プログラムが起動される。このプログラムは、メッセー
ジが移動処理を要求するものであることに対応して移動
処理を司るものであり、このプログラムは、起動される
と、メッセージ内の移動量等に従ってデータ領域523
における座標値等を修正する。これにより、柱420の
移動処理がなされる。さらにこのプログラムは、結合先
指示領域524のポインタに従ってオブジェクト540
に同じメッセージを送出し、結合先指示領域525のポ
インタに従ってオブジェクト550にも同じメッセージ
を送出する。
【0040】オブジェクト520からのメッセージを受
けたオブジェクト540では、プログラム領域541の
プログラムが起動される。このプログラムがメッセージ
転送管理領域542の中にあるメッセージ転送処理中か
否かのフラグにより判定すると、このフラグが処理中の
状態値にセット済みなので、既に自己のオブジェクトが
メッセージ転送処理中であることになり、特に新たな処
理は何も行わない。これにより、オブジェクト540で
の余分な二重処理が防止される。
【0041】オブジェクト520からのメッセージを受
けたオブジェクト550では、プログラム領域551の
プログラムが起動される。このプログラムは、先ずメッ
セージ転送管理領域552を調べ、特にその中にある自
己のオブジェクトがメッセージ転送処理中であるか否か
のフラグを調べる。この段階では、自己のオブジェクト
がメッセージ転送処理中でないので、そのフラグをメッ
セージ転送処理中の値に変え、さらにメッセージの送り
主がオブジェクト520であることに対応してデータ領
域553の中のオブジェクト520対応のフラグをセッ
トする。これにより、メッセージ既転送のものが明瞭と
なり、またメッセージ送り主での二重処理が防止され
る。さらに、データ領域553の中のフラグがセットさ
れておらず且つ結合先指示領域555のポインタによっ
て指されるオブジェクト530にメッセージが転送され
る。
【0042】オブジェクト550からのメッセージを受
けたオブジェクト530では、プログラム領域531の
プログラムが起動される。このプログラムは、メッセー
ジが移動処理を要求するものであることに対応して移動
処理を司るものであり、このプログラムは、起動される
と、メッセージ内の移動量等に従ってデータ領域533
中の長さデータ等の値を修正する。これにより、壁43
0の長さが縮む。さらにこのプログラムは、結合先指示
領域534のポインタに従ってオブジェクト550に同
じメッセージを送出する。
【0043】オブジェクト530からのメッセージを受
けたオブジェクト550では、プログラム領域551の
プログラムが起動される。このプログラムがメッセージ
転送管理領域552の中にあるメッセージ転送処理中か
否かをフラグにより判定すると、このフラグが処理中の
状態値にセット済みなので、既に自己のオブジェクトが
メッセージ転送処理中であることになり、特に新たな処
理は何も行わない。これにより、オブジェクト550で
の余分な二重処理が防止される。
【0044】この段階に至ると、新なたメッセージの送
出が発生せず、これまでに起動された各プログラムは、
フラグのクリア等の後処理をして次々に起動順と逆の順
序で終了し、一連の処理が完了する。これにより、通り
芯410を移動させる操作に応じて、各オブジェクト5
10,520,530におけるデータ領域513,52
3,533の図形データが更新される。すなわち、通り
芯410を移動させる操作に連れて、これと接続関係の
ある柱420も移動させられ、さらに柱420と接続関
係のある壁430はその分だけ長さが変更される。以上
の一連の処理が、ディスプレイ上でカーソルを移動させ
る度に、CADシステム内部で自動的に行われる。
【0045】ディスプレイ画面に図形全体を再表示させ
る場合には、オペレータがメニュー選択画面等で再表示
をCADシステムに指示する。すると、システム内部で
は、ディスプレイ画面上への図形表示を指示するメッセ
ージが、オブジェクトリスト500に含まれている全オ
ブジェクト510,520,530に対して送出され
る。これを受けた各オブジェクトでは、プログラム領域
512,522,532に格納された各プログラムが起
動され、それぞれのデータ領域513,523,533
のデータに従って各部材要素410,420,430の
図形がディスプレイ上で変更後の該当位置に表示され
る。これにより、通り芯410の移動に応じて柱42
0,壁430も変更された後の設計図が表示される(図
4(b)参照)。プロッタでの作図も同様にして行われ
る。
【0046】以上、移動処理によるデータの更新と設計
図の表示とを分けて説明したが、これらを並行して行っ
てもよい。そうするには、プログラム領域511,52
1,531の各プログラムを起動するときに、プログラ
ム領域512,522,532の各プログラムをも起動
すればよい。これにより、移動状態のダイナミックな状
態の目視確認が可能となる。なお、コンピュータの負荷
が重くなり処理速度が低下するような場合には、この処
理を行うか否かのモードを選択可能とするのもよい。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から理解できるように、この
発明の建築物等の設計図形処理方法にあっては、オブジ
ェクト指向プログラムの可能な図形データ処理装置にお
いて、各部材要素が内部の各オブジェクトに対応づけら
れ、その各オブジェクト間には各部材要素間の接続関係
に対応してメッセージ交換経路が設けられ、何れかの部
材要素について移動等の操作を行うと、これの対応オブ
ジェクトが操作対応の自己のデータの処理とメッセージ
交換経路経由での他のオブジェクトへのメッセージ送信
をし、メッセージを受けた他のオブジェクトも自己のデ
ータの処理とメッセージ送信を継続する。
【0048】これにより、直接の操作対象の部材要素を
操作するだけでこれに関連する部材要素までも自動的に
修正が済んでしまう。したがって、オペレータの負担が
軽減されるとともにオペレータは現実感を伴って操作を
行うことができるようになり、その結果、図面作成効率
が向上するという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の構成の建築物等の設計図形
処理方法の第1の実施例について、或る建築物の特定の
階の平面躯体図である。
【図2】図2は、この発明の構成の建築物等の設計図形
処理方法の第2の実施例について、付帯設備をも有する
建築物の平面躯体図である。
【図3】図3は、そのオブジェクトの概要図である。
【図4】図4は、この発明の構成の建築物等の設計図形
処理方法の第3の実施例について、或る建築物の平面躯
体図である。
【図5】図5は、そのオブジェクトの詳細図である。
【図6】図6は、従来の建築物等の設計図形処理方法の
説明図であり、壁を除去する例についてのものである。
【図7】図7は、従来の建築物等の設計図形処理方法の
説明図であり、柱を移動する例についてのものである。
【符号の説明】
100,102,103 通り芯 104,105,106,107 柱 108,109,110,111 壁 112 スイッチ 113 配線 114 蛍光灯 200,201,202,203 通り芯のオブジェク
ト 204,205,206,207 柱のオブジェクト 208,209,210,211 壁のオブジェクト 212 スイッチのオブジェクト 213 配線のオブジェクト 214 蛍光灯のオブジェクト 300,301,302 壁の輪郭線を構成する線分 303,304,305 柱の輪郭線を構成する線分 306,307,308 柱の輪郭線を構成する線分 400,401 壁の輪郭線を構成する線分 410 通り芯 420 柱 430 壁 500 オブジェクトリスト 510,520,530,540,550 オブジェク
ト 511,521,531,541,551 プログラム
領域 512,522,532 プログラム領域 542,552 メッセージ転送管理用領域 513,523,533,543,553 データ領域 514,524,534,544,554 結合先指示
領域 525,545,555 結合先指示領域
フロントページの続き (72)発明者 梅沢 亘 神奈川県秦野市堀山下1番地 日立コンピ ュータエンジニアリング株式会社内 (72)発明者 富山 義明 神奈川県秦野市堀山下1番地 日立コンピ ュータエンジニアリング株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建築物等の複数の部材要素の図形データを
    組合せてディスプレイ上に設計図として表示し、表示さ
    れた前記図形データによる各部材要素に対応してマウス
    やカーソル等の入力装置からの指示により個別に移動、
    削除、追加、変更等の操作が可能な図形データ処理装置
    において、前記入力装置からの指令に応じて前記複数の
    各部材要素の表示図形データの生成と所定の位置への表
    示処理とをそれぞれ行うオブジェクト指向プログラム処
    理における複数のオブジェクトと、これらオブジェクト
    にそれぞれ設けられたメッセージ送受信領域と、前記部
    材要素間の結合先のオブジェクトを示す領域とを備え、
    前記オブジェクトを所定の位置関係で結合させることに
    より設計図形を表示するとともに、前記オブジェクト
    は、前記メッセージ送受信領域で相互にメッセージの送
    受信を行い、前記入力装置に応じてあるオブジェクトが
    操作されたときには、操作に応じて元の位置との関係で
    発生する接続関係のメッセージを前記結合先のオブジェ
    クトを示す領域の情報に基づいて前記結合先オブジェク
    トに送信し、前記部材要素間の接続関係を示すメッセー
    ジを受信したときにそのメッセージに対応して送信先の
    図形と自己の図形との関係を前記所定の位置関係と受信
    したメッセージとに応じて補完した表示図形データを生
    成しかつ前記結合先のオブジェクトを示す領域に情報が
    あるときにはその情報に従って結合先のオブジェクトに
    自己の元の位置との関係で発生する前記接続関係を示す
    メッセージを送信することを特徴とする建築物等の設計
    図形処理方法。
  2. 【請求項2】前記部材要素間の結合先のオブジェクトを
    示す領域には、複数の前記結合先が記憶され、送信先の
    オブジェクトから接続関係を示す情報を受信したときに
    は、これを受信したオブジェクトは、図形生成処理を完
    了させる請求項1記載の建築物等の設計図形処理方法。
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