JPH07112934B2 - 磁気ヘツド並びにその接合ガラス及び磁気記録再生装置 - Google Patents

磁気ヘツド並びにその接合ガラス及び磁気記録再生装置

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JPH07112934B2
JPH07112934B2 JP2254163A JP25416390A JPH07112934B2 JP H07112934 B2 JPH07112934 B2 JP H07112934B2 JP 2254163 A JP2254163 A JP 2254163A JP 25416390 A JP25416390 A JP 25416390A JP H07112934 B2 JPH07112934 B2 JP H07112934B2
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    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
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    • C03C8/24Fusion seal compositions being frit compositions having non-frit additions, i.e. for use as seals between dissimilar materials, e.g. glass and metal; Glass solders

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気記録再生装置に搭載される磁気ヘッドに
係り、特に量産性、耐摩耗性、耐傷付き性、耐候性及び
磁気特性に優れた磁気ヘッド並びにその接合ガラス、及
びそれを搭載する磁気記録再生装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の磁気ヘッドにおいては、磁気コアにフェライト単
体、非磁性ギャップ材に主としてSiO2、及び磁気コアの
接合に接合温度が700〜800℃の範囲にあるSiO2−B2O3
ガラスやSiO2−PbO系ガラス等がそれぞれ使用されてい
た。
近年、VTR等の磁気記録再生装置の高密度記録化を図る
ために、情報記録媒体の高保磁力化、記録再生周波数の
広帯域化、記録テープやディスクの高速化等が要求され
るようになり、従来の磁気ヘッドではこれらの要求を満
たすことが困難となってきている。このため、磁気コア
にフェライトより飽和磁束密度が高いCo系非晶質合金、
センダスト系合金、Fe−C系材料等の磁性膜が使用又は
注目されるようになった。これらの磁性膜の飽和磁束密
度は8000ガウス以上で、フェライトの4000〜5000ガウス
に比べ非常に高いので、このような磁性膜を用いた磁気
ヘッドを用いれば従来の磁気ヘッドより著しい高密度記
録化を期待することができる。しかし、これらの磁性膜
はフェライトより耐熱温度が低いという性質があり、従
来の磁気ヘッドに適用していた接合温度700〜800℃のガ
ラスはもはや使用することはできない。そのため、低温
ガラス接合が可能なPbO−B2O3系ガラスが使用されてい
る。また、非磁性ギャップ材には、この系のガラスとの
ある程度の反応を予想して、従来通りSiO2が用いられて
いる。
しかし、PbO−B2O3系ガラスは、従来の磁気ヘッドに使
用していたガラスより、耐水性や耐湿性等の化学的安定
性、及び硬度や強度等の機械的性質が著しく劣るため、
磁気ヘッドの製造歩留まりが低いという問題があった。
また、記録テープなどを走行させたときに、磁気ヘッド
のガラス接合部が摩耗しやすく、しかも傷付きやすいと
いう問題もあった。これらの問題は、情報記録媒体を蒸
着法やスパッタリング法によって形成した記録テープ等
を走行させた場合、及び湿度が高い状態で記録テープを
走行させた場合に、より顕著に現われる。その上、PbO
−B2O3系ガラスは、ガラス接合時に磁性膜を侵食しやす
いために、期待通りの磁気特性を有する磁気ヘッドが得
られにくいという問題もあった。このような問題を解決
するために、特開昭62−78128号及び特開昭62−88109号
公報に記載されたガラス組成物及び磁気ヘッドが提案さ
れた。これらの公報には、従来のPbO−B2O3系ガラスよ
り化学的安定性や機械的性質に優れているV2O5−P2O5
Sb2O3系ガラス、及びこのガラスを用いて信頼性を向上
させた高性能磁気ヘッドについて記載されている。な
お、この磁気ヘッドの接合ガラスは、適正な熱膨張係数
と接合温度、耐水性の改善、結晶化防止等を考慮し、好
ましい組成範囲を重量%でV2O5を55〜70,P2O5を17〜25,
Sb2O3を3〜20,PbOを0〜20,Tl2Oを0〜15,及びNb2O5
0〜5としている。また、さらに好ましい接合ガラスの
組成範囲を重量%でV2O5を55〜65,P2O5を18〜22,Sb2O3
を5〜12,PbOを3〜10,Tl2Oを3〜10及びNb2O5を0.5〜
2としている。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術は、磁気ヘッドのガラス接合時に発生する
気泡、及び接合ガラスと非磁性ギャップ材との反応性に
ついては配慮されていなかった。このため、上記従来技
術による好ましい組成範囲のV2O5−P2O5−Sb2O3系ガラ
スではガラス接合時に気泡が多数発生し、気泡が磁気ヘ
ッドの摺動面に存在すると、記録テープ等を走行させた
ときに、その気泡に記録媒の微粉体がつまり、磁気ヘッ
ドの性能が劣化するという問題が発生する。また、V2O5
−P2O5−Sb2O3系ガラスでは、非磁性ギャップ材として
使用されているSiO2との反応性が乏しい。このため、接
合ガラスと非磁性ギャップ材とが反応して一対の磁気コ
アとして一体化するタイプの磁気ヘッドでは、非磁性ギ
ャップ材にSiO2を使用している限り、しっかりとしたガ
ラス接合はあまり期待することはできない。
本発明の目的は、量産性、耐摩耗性、耐傷付き性、耐候
性及び磁気特性に優れた磁気ヘッド及び接合ガラスを提
供することにある。
また、前記磁気ヘッドを用いることによって、高信頼性
・高性能磁気記録再生装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明は、支持体に形成さ
れた高飽和磁束密度の磁性膜からなる一対の磁気コアを
非磁性ギャップ材を介して互いに突き合わせ、ガラスで
接合した構造の磁気ヘッドにおいて、接合ガラスが、バ
ナジウム元素を主要構成元素とする酸化物系ガラスであ
り、含有されるバナジウム元素のうち、55%以上が4価
のバナジウムである酸化物系ガラスを用いたものであ
る。ここで、前記接合ガラスはバナジウム元素と酸素元
素のほかに少なくともリン元素とアンチモン元素を含む
組織であることが好ましい。さらに、前記接合ガラスは
構成元素として鉛、テルル、バリウム、タリウム及び砒
素の元素のうちの一種を含むことが好ましい。また、前
記磁気ヘッドにおいて、前記非磁性ギャップ材に少なく
ともバナジウム元素を含む複合酸化物又は酸化物混合体
を用いるとよい。ここで、前記非磁性ギャップ材は更に
少なくともリン元素を含むことが好ましい。更に、前記
非磁性ギャップ材は少なくともアンチモン、鉛、テル
ル、バリウム、タリウム及び砒素の元素のうちの一種を
含むことが望ましい。
前記磁気ヘッドでは、前記磁性膜は1000エルステッド以
上の高保磁力記録媒体に対応できるように、8000ガウス
以上の飽和磁束密度を有することが望ましく、その具体
例としてCo系非晶質合金、センダスト系合金、Fe−C系
材料等が挙げられる。また、これらの磁性膜は非磁性材
を介して多層化させた方が良い。
また前記磁気ヘッドでは、前期支持体は記録媒体または
その保護材による摩耗を抑制するために、600以上のマ
イクロビッカース硬さHvを有することが望ましく、更に
高周波領域における雑音を抑制するために、この支持体
は非磁性セラミックスであることが好ましい。
また、本発明は、バナジウム元素を主要構成元素とする
酸化物系ガラスであって、このガラスに含有されるバナ
ジウム元素のうち、4価のバナジウム量を55%以上に制
御した接合ガラスである。この接合ガラスの代表的な組
成は、バナジウム元素と酸素元素のほかに少なくともリ
ン元素とアンチモン元素とを含み、これらの含有率がV2
O5、P2O5及びSb2O3に換算して、V2O5100重量部に対し、
P2O5が35〜75重量部及びSb2O3が40〜80重量部の範囲に
あるガラスである。更に、構成元素として少なくとも
鉛、テルルまたはバリウムの元素のうちの一種を含むこ
とが好ましく、その含有量はPbO、TeO2及びBaOに換算し
て、V2O5100重量部に対し、合計で55重量部以下であ
る。さらに好ましくは、8〜38重量部である。なお、こ
れらが含まれていなくても問題はない。また、更に構成
元素として少なくともタリウム及び砒素の元素のうちの
一種を含むことが好ましく、その含有率はTl2O及びAs2O
3に換算して、合計で30重量部以下である。さらに好ま
しくは、8〜16重量部である。なお、これらが含まれて
いなくても問題はない。なお、本発明の接合ガラスは、
磁気ヘッドばかりではなく、他の電子部品等の低温ガラ
ス接合にも有効に使用することができる。
また、本発明は、支持体に形成した高飽和磁束密度の磁
性膜からなる一対の磁気コアを非磁性ギャップ材を介し
て対向させ、これを一体化するために、バナジウム元素
を主要構成元素とし、含有されるバナジウム元素のうち
の4価のバナジウム量が55%以上である酸化物系ガラス
を備えた磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの駆動部と、磁気
ヘッドによる情報記録媒体との間の情報処理を行う制御
部とを備えた磁気記録再生装置である。この磁気記録再
生装置は、本発明の磁気ヘッドを使用するために、蒸着
法又はスパッタリング法によって形成された1000エルス
テッド以上の高保磁力記録媒体にも十分に対応でき、し
かも前記磁気ヘッドが前記情報記録媒体又はその保護材
と5.8m/sec以上の相対速度が接触し、磁気ヘッドの著し
い摩耗は認められず、安心して使用できるものである。
従って、本発明の磁気ヘッドを搭載したVTR等の磁気記
録再生装置は、性能及び信頼性の向上を図ることができ
る。また、本発明の磁気ヘッドは磁気ディスクを用いる
磁気記録再生装置などにも有効に用いることができる。
〔作用〕
一般に、バナジウム元素を主要構成元素とする酸化物系
ガラスは水分子等が容易に入り込める層状構造を持ち、
その層状構造は5価のバナジウム元素によって形成され
ると考えられている。このような構造を持つバナジウム
元素を主要構成元素とする酸化物系ガラスは、ガラス接
合時に多数の気泡を発生する。この原因を究明したとこ
ろ、上記構造の層間に取り込まれた水分子等がガラス接
合時に気化するためであると考えられた。そこで、気泡
の低減を図るために、ガラス組成及び添加物がガラス構
造に与える影響を調べた。その結果、5価のバナジウム
を還元することによって得られた4価のバナジウムの生
成割合が多いほど、気泡の発生量が少なくなることを見
出した。そのガラス構造を分析した結果、4価のバナジ
ウムの生成割合が多いほど、水分子等が入り込みにくい
三次元網目構造へと変化することが考えられた。
上記接合ガラスは化学的安定性及び機械的性質に優れ、
しかもガラス接合時に磁性膜を侵食しにくいという特長
もあるので、量産性、耐摩耗性、耐傷付き性、耐候性及
び磁気特性に優れた磁気ヘッドが得られる。しかし、4
価のバナジウムの生成割合が55%未満であると、ガラス
接合部には気泡が発生し、その発生量は4価のバナジウ
ムの生成割合が低いほど多い。すなわち4価のバナジウ
ムの生成割合が55%未満であると、信頼性が高い磁気ヘ
ッドを高い歩留まりで製造することは難しい。
リン元素もアンチモン元素と同様に、5価のバナジウム
を還元し、4価のバナジウムを変化させるが、これらの
含有率はV2O5、P2O5及びSb2O3に換算して、V2O5が100重
量部に対し、P2O5が35〜75重量部及びSb2O3が40〜80重
量部の範囲であることが適している。P2O5が35重量部未
満又はSb2O3が80重量部を越えると、ガラス接合部での
結晶化傾向が顕著となり、良好な接着強度が得られず、
しかも気泡に類似した空隙部が残留する。更に、Sb2O3
が80重量部を越える場合では、4価のバナジウムの生成
割合が約100%となり、5価のバナジウムへの還元作用
が著しく低下する。一方、P2O5が75重量部を越えると、
耐水性が劣化し、しかも接合温度が高くなりすぎる。ま
た、Sb2O3が40重量部未満であると、4価のバナジウム
の生成割合が55%未満となったり、または耐水性が劣化
したりする。更に、構成元素として少なくとも鉛、テル
ル、バリウム、タリウムまたは砒素の元素のうちの一種
を含むことが好ましい。これらの元素のうち、ガラス化
安定性の向上には鉛、テルル及びバリウムの元素、化学
的安定性の向上には鉛、バリウム及び砒素の元素、熱膨
張係数の制御には鉛、テルル及びタリウムの元素、接合
温度の低温化にはテルル、タリウム及び砒素の元素が有
効である。また、砒素及びタリウムの元素はアンチモン
元素と同様に、5価のバナジウムを還元し、4価のバナ
ジウムを変化させる働きもある。これらの元素の含有率
は鉛、テルルまたはバリウムの元素のうちの一種以上を
含む場合には、PbO、TeO2及びBeOに換算して、V2O5100
重量部に対し、合計で55重量部以下、更にその他の元素
のうちの一種以上を含む場合には、Tl2O及びAs2O3に換
算して、合計で30重量部以下であることが適している。
PbO、TeO2及びBaOのうちの一種以上の合計が55重量部を
超えると、ガラスがもろくなったり、又は接合温度が高
くなりすぎたりする。8重量部以上あると好ましいが、
それ以下であっても問題はない。また、Tl2O及びAs2O3
のうちの一種以上の合計が30重量部を超えると、結晶化
傾向が大きくなりすぎ、良好な接着力が得られない。6
重量以下であれば好ましいが、それ以下であっても問題
はない。
上記接合ガラスは、高信頼性・高性能磁気ヘッドに有効
に用いられるものであるが、磁気ヘッド以外の分野にお
ける低温ガラス接合にも十分使用が可能である。例え
ば、セラミックスや金属の焼結助剤、コーティング剤、
接着剤等に利用価値が大きい。
更に、前記磁気ヘッドにおいて、前記非磁性ギャップ材
を少なくともバナジウム元素を含む複合酸化物又は酸化
物混合体とすることによって、前記接合ガラスとの反応
性が向上し、ガラス接合部の強度の向上または改善を図
ることができる。この非磁性ギャップ材は更に少なくと
もリン元素を含むことによって、より反応性を向上でき
る。更に少なくともアンチモン、鉛、テルル、バリウ
ム、タリウムまたは砒素の元素のうちの一種を含むこと
によって、前記した以上に反応性を向上でき、しかも非
磁性ギャップ材の化学的安定性をも向上できる。前記元
素を含む非磁性ギャップ材は、具体的には例えば従来か
ら非磁性ギャップ材として使用されているSiO2と前記元
素の酸化物との複合酸化物又は酸化物混合体である。た
だしSiO2にこだわる必要はなく、信頼性があるギャップ
規制ができればどんな物質でもよい。すなわち、SiO2
み又はそれ以上の融点と硬度を持つ物質であれば使用可
能であり、例えば、SiO2の他にAl2O3やZrO2等が挙げら
れる。
本発明の磁気ヘッドには、上記接合ガラスを用いるの
で、高飽和磁束密度の磁性膜としてCo系非晶質合金、セ
ンダスト系合金又はFe−C系材料等が有効に使用でき
る。これらの磁性膜は、フェライトより熱的安定性が劣
るが、飽和磁束密度が8000ガウス以上と著しく高いため
に、メタルテープや蒸着テープ等に使用される1000エル
ステッド以上の高保磁力記録媒体に対応でき、磁気ヘッ
ドの高性能化を図ることができる。また、前記磁性膜は
非磁性膜を介して多層化することによって、磁気ヘッド
の性能を更に向上できる。
本発明の磁気ヘッドには、前記磁性膜を形成する支持体
として、熱膨張係数が磁性膜に近く、マイクロビッカー
ス硬さHvが600以上の材料を使用するために、記録テー
プやディスクを走行させたときの摩耗量が少ない。ま
た、記録テープやディスクの高速化にも対応できる。更
に、好ましくは非磁性セラミックスであることが望まれ
る。支持体が非磁性であると、フェライトのように高周
波領域において摺動雑音を発生することはなく、広帯域
において良好な記録再生特性を示す磁気ヘッドが得られ
る。
したがって、本発明の磁気ヘッドは、蒸着法又はスパッ
タリング法によって形成された1000エルステッド以上の
高保磁力記録媒体にも十分な記録ができ、しかも前記情
報記録媒体又はその保護材と接触し、その相対速度を大
きくしても長時間の使用に耐え、また高周波領域におけ
る記録再生も可能であることから、VTR等の磁気記録再
生装置の性能及び信頼性を著しく向上することができ
る。
現在のVHS−VTRは塗布型の酸化鉄テープを使用し、磁気
ヘッドとテープとの相対速度が5.8m/secである。また、
Hi8−VTRは高保磁力蒸着テープを使用し、その相対速度
が3.8m/secである。蒸着テープは酸化鉄テープより保磁
力が高いため高密度記録化には有利であるが、磁気ヘッ
ドを摩耗させやすい。また、磁気ヘッドと記録テープの
相対速度が大きくても、高密度記録化に有効であるが、
やはり磁気ヘッドの摩耗が大きい。将来、VTR等の磁気
記録再生装置は高密度記録化を図るために、上記相対速
度の高速化、及び情報記録媒体の高保磁力化は必須であ
る。更に、記録再生周波数の広帯域化も必要である。本
発明の磁気ヘッド及びこれを搭載した磁気記録再生装置
は、このような状況に十分に対応することができる。
〔実施例〕
本発明を実施例により説明する。
第1図〜第3図に代表的な磁気ヘッドの斜視図を示す。
磁気ヘッドにおいて、高飽和磁束密度の磁性膜1、1′
とは支持体2、2′上に形成され、磁性膜は接合ガラス
が磁性膜を侵食しないようにするための反応防止膜4、
4′を介して接合ガラス3、3′で接合される。ギャッ
プ突き合わせ部5で、非磁性ギャップ材及びコイル巻線
窓を介し、作動ギャップを形成している。
第1図及び第2図の磁気ヘッドにおける磁性膜1、1′
は磁気ヘッドの性能をより向上させるために、第4図及
び第5図に示すように非磁性膜7、8、9、7′、
8′、9′を介し、多層化させた方がよい。
次に、上記3種類の磁気ヘッドの製造方法について説明
する。第1図の磁気ヘッドでは、まず第6図に示すよう
に、支持体2にコイル巻線窓用の溝10とトラック溝11を
設け、ギャップ突き合わせ面を形成する。これを十分に
洗浄後、第7図に示すように、ギャップ突き合わせ面に
磁性膜1とその反応防止膜4をスパッタし、この磁性膜
の耐熱温度以下でトラック溝11に接合ガラス3を充填す
る,なお、この磁性膜は第4図で示したように、単層で
はなく、非磁性膜を介し多層化した方がよい。次に、第
8図に示すように、不要なガラスと磁性膜を研磨し除去
することによって、コイル巻線窓用の溝10と所要のトラ
ック幅tをギャップ突き合わせ面に形成し、一点鎖線A
で切断し、一対の磁気コアブロック12、13を製造する。
これらの磁気コアブロックを十分に洗浄後、ギャップ突
き合わせ面にそれぞれ非磁性ギャップ材14を所定量スパ
ッタし、第9図に示すように突き合わせ、磁性膜の耐熱
温度以下で接合する。次に、一点鎖線B及びB′で順次
切断することによって、第1図で示した磁気ヘッドを製
造する。
第2図の磁気ヘッドの製造方法は、まず第10図に示すよ
うに、支持体2にコイル巻線窓用の溝10とトラック溝11
を設け、ギャップ突き合わせ面を形成する。これを十分
に洗浄後、第11図に示すように、ギャップ突き合わせ面
に磁性膜1とその反応防止膜4をスパッタする。なお、
磁性膜は第5図で示したように、単層ではなく、多層化
した方がよい。次に、第12図に示すように、不要な磁性
膜を研磨し、更にトラック溝11′を設ける。これを十分
に洗浄後、第13図に示すように、磁性膜の耐熱温度以下
でトラック溝11と11′に接合ガラス3を充填する,な
お、ガラス充填前にさらに反応防止膜をスパッタしても
よい。そして、第14図に示すように、不要なガラスと磁
性膜を研磨及び除去することによって、コイル巻線窓用
の溝10と所要のトラック幅tをギャップ突き合わせ面に
形成し、一点鎖線Aで切断し、一対の磁気コアブロック
12、13を製造する。これらの磁気コアブロックを十分に
洗浄後、ギャップ突き合わせ面にそれぞれ非磁性ギャッ
プ材14を所定量スパッタし、第15図に示すように突き合
わせ、磁性膜の耐熱温度以下で接合する。次に、一点鎖
線B及びB′で順次切断することによって、第2図で示
した磁気ヘッドを製造する。この磁気ヘッドでは、第1
図で示した磁気ヘッドより磁性膜を厚くすることがで
き、しかもトラック幅を小さくすることができるので、
磁気特性のより優れた磁気ヘッドを得ることが可能であ
る。
第3図の磁気ヘッドの製造方法は、まず第16図に示すよ
うに、コイル巻線窓用の溝10を設けた支持体2のギャッ
プ突き合わせ面に磁性膜1を所定量スパッタする。な
お、スパッタする支持体のギャップ突き合わせ面は、疑
似ギャップとして作動しないように、わざと荒らしてお
く必要がある。次に、第17図に示すように、ギャップ突
き合わせ面に形成した磁性膜1の凹凸を平面研削し、更
に所要のトラック幅tが得られるようにトラック溝11を
設け、一点鎖線Aで切断し、一対の磁気コアブロック1
2、13を製造する。これらの磁気コアブロックを十分に
洗浄後、ギャップ突き合わせ面にそれぞれ非磁性ギャッ
プ材14を所定量スパッタし、第18図に示すように突き合
わせ、棒状の接合ガラス3を磁性膜の耐熱温度以下でト
ラック溝11と11′に流し込むことによって接合する。そ
して、第1図及び第2図の磁気ヘッドにおける製造方法
と同様に順次切断することによって、第3図で示した磁
気ヘッドを製造する。この磁気ヘッドは第1図及び第2
図で示した磁気ヘッドより磁気特性が劣るが、製造方法
が簡単であり、量産性に優れている。
実施例に用いた磁性膜を第1表に示す。また、比較のた
めに、VTR等の磁気ヘッドによく用いられる、高飽和磁
束密度の単結晶Mn−Znフェライトも合わせて示す。この
表からわかるように、Co系非晶質合金、センダスト系合
金及びFe−C系材料の飽和磁束密度はフェライトのそれ
より著しく高い。このため、磁気ヘッドのガラス接合時
に接合ガラスが磁性膜を侵食しなければ、磁気ヘッドの
高性能化に与える効果は多大である。更に、磁気ヘッド
のガラス接合温度が、磁性膜の耐熱温度より高いと、そ
の磁気特性が劣化するため、ガラス接合はその耐熱温度
以下で行う必要がある。
実施例に用いた支持体を第2表に示す。支持体は磁気ヘ
ッドの耐摩耗性の点でマイクロビッカース硬さHvが少な
くとも600は必要である。更に、支持体は磁性膜の熱膨
張係数にある程度合わせる必要があったので、実施例で
は第1表に示した磁性膜Aには第2表のa〜cの支持
体、磁性膜Bにはeとfの支持体、及び磁性膜Cにはc
とdの支持体を用いた。
次に、本発明の磁気ヘッド用接合ガラスについて説明す
る。検討したガラスの組成と特性を第3表(1)〜
(8)に示す。なお、ガラスの組成表示は前述した酸化
物として換算したものである。これらのガラスの製造方
法は、ガラス原料を所定量配合混合し、電気炉中で1000
〜1100℃で1〜2時間溶融し、予め加熱しておいた受け
治具に流し込みガラスブロックを得た。各ガラス特性は
以下の測定方法によって求めた。
バナジウム元素の還元イオン分率V4+/Vtotal 酸化還元滴定法により4価のバナジウム(V4+)の全バ
ナジウム元素(Vtotal)の濃度の分析し、バナジウム元
素の還元イオン分率(V4+/Vtotal)を求めた。
接合温度 磁気ヘッドにおけるガラス接合を想定し、ガラスの粘度
が103〜105ポイズ程度となる温度を測定した。
気泡発生数 20×15×1mmのガラス板2枚を水中に0.5時間浸漬させた
後に合わせ、窒素中前記接合温度で20分間保持すること
によって接合した。そして、この接合部断面を観察する
ことによって、単位面積当たりの平均気泡発生数を求め
た。
熱膨張係数 φ5×30mmのガラス棒を測定試料とし、熱膨張計を用い
て、大気中、昇温速度5℃/minで測定した。なお、熱膨
張係数は50℃から転移温度より20℃低い温度までの範囲
で求めた。
マイクロビッカース硬さHv 圧子荷重100gf及び荷重時間15秒の条件で測定した。更
に、その際のガラスの割れ具合から、脆さを評価した。
耐水性 一辺が5mmの立方体に加工したガラス片を70℃の蒸留水4
0ccに2時間浸漬したときのガラス表面の変化及び重量
減少率で評価した。ガラス表面の変化及び重量減少率が
認められない場合には○、重量減少率がほとんど認めら
れないが、ガラス表面に水による侵食が観察される場合
には△、及び両方とも認められる場合には×でランク付
けした。
第19図に第3表で示したガラスのV4+/Vtotalと気泡発生
数の関係を示す。ガラスのV4+/Vtotalが増加すると、気
泡の発生数は低減し、特に55%以上では気泡の消滅を図
ることができる。更に、耐水性の向上、結晶化の防止及
び接合温度の高温化防止を考慮すると、ガラス組成は酸
化物換算で、V2O5100重量部に対し、P2O5が35〜75重量
部、及びSb2O3が40〜80重量部の範囲であることが好ま
しい。第20図にP2O5の含有率と特性との関係を示す。な
お、プロット近傍に記した数字は第3表のガラスNo.で
ある。これらのガラスはV2O5とP2O5とからなり、気泡発
生数と耐水性に関しては満足のいくものではないが、P2
O5の効果を調べるには有効である。P2O5の含有率が少な
いと接合温度を低くできるが、35重量部未満では結晶化
を起こし、接合ガラスに適していない。一方、P2O5の含
有率が多いとV4+/Vtotalが大きくなり、気泡発生数を少
なくできるが、75重量部を超えると接合温度が高くなり
すぎ、第1表で示したような高飽和磁束密度の磁性膜を
用いた磁気ヘッドには使用できない。また、V2O5、P2O5
及びSb2O3等からなる多成分系ガラスについても同様な
ことがいえる。例えば、P2O5が35重量部未満であるNo.7
のガラスは結晶化を起こし、一方P2O5が75重量部を超え
るNo.33のガラスは接合温度が高すぎる。更に、No.33の
ガラスは耐水性が良くない。このことから、P2O5の適正
組成範囲はV2O5100重量部に対し、35〜75重量部である
ことが好ましい。
第21図にSb2O3の含有率と特性との関係を示す。なおプ
ロット近傍に記した数字は、第20図と同様に第3表のガ
ラスNo.である。Sb2O3の含有率の増加とともにV4+/V
totalも直線的に増加し、V4+/Vtotalが90%に達すると
なだらかに増加する。この直線部より換算すると、アン
チモン1元素が2個のバナジウム元素を還元することが
分かる。更に、第21図で示したガラス以外であっても、
同様な現象が認められることを確認した。したがって、
アンチモン元素を加えることによって次式の反応が進行
するものと考えられる。
2V5++Sb3+→2V4++Sb5+ この反応式と第20図を利用すれば、V4+/Vtotalを推測す
ることができる。すなわち、4価のバナジウム生成量を
制御することができ、これによってガラス接合時の気泡
を消滅させることが可能である。更に、Sb2O3はP2O5
は異なり、接合温度に与える影響は少ない。しかし、Sb
2O3の含有率が40重量部未満であると、No.8〜12、19〜2
2、30、34、37〜39、41、42、47、71及び75〜77のガラ
スのように良好な耐水性が得られない。一方、80重量部
を超えると、No.18と27のガラスのように結晶化を起こ
す。このことから、Sb2O3の適正組成範囲はV2O5100重量
部に対し、40〜80重量部であることが好ましい。
更に、ガラス化安定性と化学的安定性の向上、熱膨張係
数の制御または接合温度の低温化を図るために、酸化物
換算でPbO、TeO2、BeO、Tl2O及びAs2O3のうちの一種以
上を含むことが好ましい。しかし、PbO、TeO2及びBaOの
うちの一種以上をV2O5100重量部に対して、55重量部を
超える範囲で含有すると、No.36、No.45、No.51、No.5
3、No.57、No.61、No.63、No.65、No.67及びNo.70のガ
ラスのように脆くなるために、加工が難しくなり、磁気
ヘッド用接合ガラスとしては不向きである。このため、
PbO、TeO2及びBaOの適正組成範囲はV2O5100重量部に対
し、合計55重量部以下であることが好ましい。また、Tl
2OまたはAs2O3のうちの少なくとも一種をV2O5100重量部
に対し、30重量部を超える範囲で含有すると、No.74、N
o.82、No.84、No.86及びNo.88のガラスのように結晶化
を起こしたり、又は耐水性が悪化したりする。このた
め、Tl2O及びAs2O3の適正組成範囲はV2O5100重量部に対
し、合計30重量部以下であることが好ましい。
以上より、第3表中で好ましい磁気ヘッド用接合ガラス
は、No.13〜17、23〜26、28、29、31、32、35、40、4
3、44、46、48〜50、52、54〜56、58〜60、62、64、6
6、68、69、72、73、78〜81、83、85及び87である。実
施例には、これらのガラスの中から、磁気ヘッドに使用
する磁性膜と支持体の熱膨張係数、及び磁性膜の耐熱温
度を配慮し、適切な接合温度と熱膨張係数をもつと考え
られるガラスを選んだ。また比較例として、上記ガラス
を除く第3表中のガラスのうち、前記同様に適切な接合
温度と熱膨張係数をもつと考えられるものを選んだ。更
に、第4表に示す従来からのPbO−B2O3系ガラスも用い
た。この表に示された各ガラス特性は、第3表で示した
場合と同様の測定法並びに評価法に準ずる。上記に示し
た本発明の磁気ヘッド用接合ガラスは、この第4表に示
した従来ガラスと比較すると、耐水性に著しく優れ、し
かも同じ接合温度をもつもの同士を比べると、硬さ等の
機械的性質も本発明のガラスの方が優れている。
実施例に用いた非磁性ギャップ材を第5表に示す。これ
らの非磁性ギャップ材はスパッタリング法によって形成
した。表中の組成は、非磁性ギャップ材のものではな
く、これを形成するためのスパッタ用ターゲットのもの
である。なお、表中のNo.3、14、23、38、69、75及び83
のガラスは第3表中のものである。スパッタ膜の耐熱性
は、窒素雰囲気で550℃、600℃及び650℃までそれぞれ
加熱し、0.5時間保持した後、冷却し、SEM観察すること
によって判断した。その判断基準は、スパッタ膜の溶融
した様子が認められない場合には○、溶融した様子が認
められる場合には×とした。第5表のIの非磁性ギャッ
プ材のスパッタ用ターゲットには、溶融成形したSiO2
ラス(石英ガラス)を用いた。このターゲットを用いて
形成するスパッタ膜は、磁気ヘッドの非磁性ギャップ材
として従来から頻繁に用いられてきている。その他のII
〜XIIの非磁性ギャップ材の場合には、SiO2ガラス(石
英ガラス)粉末、Al2O3粉末又はZrO2粉末と、V2O5粉末
又は上記ガラス粉末とを混合成形し、ホットプレスによ
り焼結したターゲットを用いた。V2O5粉末又は上記ガラ
ス粉末とをターゲットに混合する理由は、接合ガラスの
成分をスパッタ膜に混入させ、接合ガラスとの反応性を
向上させるためである。このようなターゲットを用いて
形成したスパッタ膜は、ターゲットを構成する各元素か
らなる複合酸化物又は酸化物混合体の状態で存在する。
これらのスパッタ膜の耐熱性は、VII以外の非磁性ギャ
ップ材では650℃まで良好であり、第1表で示した磁性
膜の耐熱温度より高いため、安定なギャップ形成が可能
である。VIIの非磁性ギャップ材では接合ガラスの含有
量が多いために、650℃で溶融してしまった。しかし、6
00℃までは耐熱性が良好であるので、この温度以下での
ギャップ規制は可能である。
第1表の磁性膜、第2表の支持体、第3表及び第4表の
接合ガラス、並びに第5表の非磁性ギャップ材を用い
て、第1〜3図で示した磁気ヘッドを作製し評価した。
(実施例1) 磁性膜としてCo系非晶質合金、その支持体として単結晶
Mn−Znフェライト、及び非磁性ギャップ材としてSiO2
ラスを用いた。接合ガラスには、磁性膜の耐熱温度、及
び磁性膜とその支持体の熱膨張係数を配慮し、第3表及
び第4表の中から適当なものを選んだ。これらの材料を
用いて、第1図の磁気ヘッドを作製した。その作製温
度、すなわちガラス充填温度及びガラス接合温度は、第
3表及び第4表で示した各ガラスの接合温度に準じた。
作製した磁気ヘッドの実装結果を第6表に示す。ここ
で、不良率は接合ガラスに関するものであり、下記、
、の不良率を順番にそれぞれ調べた。なお、各不良
率は作製歩留まりが100%の場合のヘッド数を基準とし
た。
加工不良率:ヘッド加工によってガラス破損したヘッ
ド数の割合。
気泡不良率:前記ヘッド加工によって得られたヘッド
のうち摺動面に3μm以上の気泡がガラス接合部に観察
されたヘッド数の割合。
磁性膜侵食不良率:前記気泡が摺動面に存在しないヘ
ッドの中から磁気ギャップ部近傍の磁性膜が接合ガラス
によって侵食された様子が認められたヘッド数の割合。
また、ヘッドチップ強度は、最終的に得られた磁気ヘッ
ドのチップが、どの程度の荷重により破壊するかを測定
したものである。テープ摺動試験(摩耗特性)は、最終
的に得られた磁気ヘッドをVTRのシリンダーに取り付
け、Hi8−VTR用の高保磁力蒸着テープを相対速度3.75m/
sec、5.8m/sec及び11m/secで300時間走行させ、磁気ヘ
ッドの摺動面を観察することによって、ガラス接合部の
へこみ具合や傷付き具合から評価した。その結果、良好
なものには○、そうでないものには×とした。
従来から使用されているPbO−B2O3系ガラスNo.(89)〜
(91)、(94)及び(98)を磁気ヘッドに用いた場合に
は、気泡不良率は低いが、磁性膜侵食不良率が非常に高
かった。更に、これらのガラスは機械的性質に劣ってい
るために、加工不良率が高く、またヘッドチップ強度が
低かった。このため、ヘッドチップを取り扱う際には十
分な注意が必要である。相対速度が3.75m/secのときの
テープ摺動試験では、No.(89)、(91)及び(98)の
ガラスを用いた場合には良好な結果が得られた。しか
し、No.(90)及び(94)のガラスでは硬度が低いた
め、ガラス接合部の摩耗量や傷付き具合が大きかった。
テープの相対速度が更に大きくなると、上記したすべて
のガラスはより顕著に摩耗し、相対速度が11m/secのと
きには磁気ヘッドがしばしば破損した。一方、全バナジ
ウム量に対し、4価のバナジウム量が55%未満であるガ
ラスNo.10、21、34、38、71、75及び76を用いた場合に
は、磁性膜は侵食されなかったが、気泡が多数発生し、
その不良率が著しく高かった。このため、作製歩留まり
が非常に低く、かなり高価な磁気ヘッドとなってしま
う。しかし、これらのガラスは機械的性質に優れている
ために、前記PbO−B2O3系ガラスを用いた場合よりヘッ
ドチップ強度が高く、しかもテープ摺動試験で良好な結
果が得られた。特に、マイクロビッカース硬さHvが340
以上であるNo.21と38のガラスを用いた場合に、テープ
の相対速度が11m/secであっても良好な摺動性を示し
た。なお、機械的性質が良いにもかかわらず、加工不良
率が低くならなかったのは、ガラス接合部の気泡が原因
している。
これらに対して、本実施例では全バナジウム量に対し、
4価のバナジウム量を55%以上としたガラスを用いたの
で、気泡を著しく低減でき、またこの気泡低減によって
更に加工不良率も低くすることができた。これによっ
て、作製歩留まりを著しく向上でき、磁気ヘッドの低コ
スト化に多いに役立つことになる。更に、実施例で用い
たガラスはNo.10、21、34、38、71、75及び76のガラス
と同様に、磁性膜を侵食しないので、良好な磁気特性を
もつ磁気ヘッドが得られる。また、テープ摺動試験でも
ほとんどの実施例が相対速度11m/secであっても良好な
摺動性を示した。これらの実施例には、マイクロビッカ
ース硬さHvが340以上であるガラスが使用されていた。
(実施例2) 磁性膜としてCo系非晶質合金、その支持体としてα−Fe
2O3系セラミックス、及び非磁性ギャップ材として第5
表のものを使用した。接合ガラスには、磁性膜の耐熱温
度、及び磁性膜とその支持体の熱膨張係数を配慮し、第
3表の中からNo.46のガラスを選んだ。また、比較例と
してNo.38のガラスを用いた。これらの材料を用いて、
第1図の磁気ヘッドを作製した。この磁気ヘッドは支持
体に非磁性材を用いるため、良好な高周波特性を示す。
磁気ヘッドの作製温度、すなわちガラス充填温度及びガ
ラス接合温度は、第3表で示した各ガラスの接合温度に
準じた。作製した磁気ヘッドの実装結果を第7表に示
す。なお、磁気ヘッドの評価方法は実施例1と同様であ
る。
No.46のガラスと第5表の非磁性ギャップ材とを組み合
わせて磁気ヘッドを作製した結果、II〜XIIの非磁性ギ
ャップ材を使用することによって、従来の非磁性ギャッ
プ材I(SiO2ガラス)を用いた場合よりヘッドチップ強
度並びに加工性を向上できた。更に気泡不良率の低減を
図ることもできた。これはII〜XIIの非磁性ギャップ材
に接合ガラスの主要成分を含ませたため、接合ガラスと
の反応性が向上し、よりしっかりとした接合が可能とな
り、また発生した気泡がぬけやすくなったことが原因で
ある。更に、このような非磁性ギャップ材を用いること
によって、磁性膜を侵食するようなことは認められなか
った。全バナジウム量に対し、4価のバナジウム量が55
%未満であるNo.38のガラスを用いた場合においても、
上記非磁性ギャップ材を使用することによって気泡不良
率を10〜20%低減でき、しかもヘッドチップ強度並びに
加工性も向上した。しかし、No.46のガラスを用いた場
合より気泡不良率は非常に高い。また、テープ摺動試験
では、両ガラスとも硬度が大きいため良好な結果が得ら
れた。
(実施例3) 磁性膜としてセンダスト系合金、その支持体としてTiO2
−NiO−CaO系セラミックス、及び非磁性ギャップ材とし
て第5表のVI(SiO2ガラス−No.38ガラス)とI(SiO2
ガラス)を使用した。接合ガラスには、磁性膜の耐熱温
度、及び磁性膜とその支持体の熱膨張係数を配慮し、第
3表及び第4表の中から適当なガラスを選んだ。これら
の材料を用いて、第1図の磁気ヘッドを作製した。この
磁気ヘッドも実施例2のものと同様に、良好な高周波特
性を示す。磁気ヘッドの作製温度、すなわちガラス充填
温度及びガラス接合温度は、第3表及び第4表で示した
各ガラスの接合温度に準じた。作製した磁気ヘッドの実
装結果を第8表に示す。なお、磁気ヘッドの評価方法は
実施例1と同様である。
PbO−B2O3系ガラスNo.(95)〜(97)及び(99)を用い
た比較例の磁気ヘッドでは、気泡不良率は低いが、加工
不良率と磁性膜侵食不良率が高く、しかもヘッドチップ
強度が低かった。更に、テープ摺動試験においても良好
な結果は得られなかった。また、No.45、51、57、63及
び70のガラスを用いた比較例では、気泡不良率と磁性膜
侵食不良率とは低いが、これらのガラスが脆いため、加
工不良率が高く、しかもヘッドチップ強度が低かった。
さらに、これらのガラスは硬度が高い割に、テープ摺動
試験では良好な結果が得られなかった。これに対し、実
施例の磁気ヘッドでは、すべての評価項目において良好
な結果が得られた。
(実施例4) 磁性膜としてFe−C系材料、その支持体としてMgO−NiO
系セラミックス、及び非磁性ギャップ材として第5表の
V〜VIIIを使用した。接合ガラスには、マイクロビッカ
ース硬さHvが340以上であり、しかも磁性膜の耐熱温
度、及び磁性膜とその支持体の熱膨張係数を配慮し、第
3表の中から適当なガラスを選んだ。これらの材料を用
いて、第1図の磁気ヘッドを作製した。この磁気ヘッド
も実施例2のものと同様に、良好な高周波特性を示し
た。磁気ヘッドの作製温度、すなわちガラス充填温度及
びガラス接合温度は、第3表で示した各ガラスの接合温
度に準じた。作製した磁気ヘッドの実装結果を第9表に
示す。なお、磁気ヘッドの評価方法は実施例1と同様で
ある。
第9表から明らかなように、飽和磁束密度が非常に高い
Fe−C系材料を磁性膜として使用しても、本発明の磁気
ヘッド用接合ガラスとその接合ガラスの主要成分を含む
非磁性ギャップ材を組合せて用いることによって、前記
実施例と同様に、すべての評価項目において良好な結果
が得られた。すなわち、従来とは異なり、不良率が非常
に低く、更にヘッドチップ強度が高く、しかもテープの
高速摺動性も良好であることから、量産性、耐久性及び
磁気特性が優れた磁気ヘッドを提供することができる。
このような磁気ヘッドは、磁気記録再生装置の高密度記
録化に多大な効果をもたらす。
(実施例5) 磁性膜としてCo系非晶質合金、その支持体としてNiO−C
oO−TiO2系セラミックス、及び非磁性ギャップ材として
第5表のI、VI、XI及びXIIを使用した。接合ガラスに
は、磁性膜の耐熱温度、及び磁性膜とその支持体の熱膨
張係数を配慮し、第3表及び第4表の中から適当なガラ
スを選んだ。これらの材料を用いて、第2図の磁気ヘッ
ドを作製した。この磁気ヘッドも実施例2のものと同様
に、良好な高周波特性を示した。磁気ヘッドの作製温
度、すなわちガラス充填温度及びガラス接合温度は、第
3表及び第4表で示した各ガラスの接合温度に準じた。
作製した磁気ヘッドの実装結果を第10表に示す。なお、
磁気ヘッドの評価方法は実施例1と同様である。
No.35及び79のガラスを用いた実施例の磁気ヘッドで
は、非磁性ギャップ材に本発明の磁気ヘッド用接合ガラ
スの主要成分を含むVI、XI及びXIIを用いることによっ
て、加工不良率と気泡不良率の低減、及びヘッドチップ
強度の向上を図ることができた。すなわち、より優れた
特性をもつ磁気ヘッドが得られるわけである。その際、
非磁性ギャップ材は、本発明の磁気ヘッド用接合ガラス
の主要成分が含まれれば、SiO2ガラスにこだわらず、ギ
ャップ規制が可能なAl2O3やZrO2等のセラミックスでも
良いことが分かった。ヘッドチップ強度試験及びテープ
摺動試験で、No.35のガラスよりNo.79のガラスを用いた
方が良好な結果が得られたのは、No.79のガラスの方が
より機械的特性が優れているためである。一方、PbO−B
2O3系ガラスNo.(93)を用いた比較例の磁気ヘッドで
は、非磁性ギャップ材にVI、XI及びXIIを用いても、加
工不良、磁性膜侵食不良及びヘッドチップ強度が改善さ
れず、逆に悪化した。
(実施例6) 磁性膜としてセンダスト系合金、その支持体としてMnO
−NiO系セラミックス、及び非磁性ギャップ材として第
5表のVI(SiO2ガラス−No.38ガラス)とI(SiO2ガラ
ス)を使用した。これらの材料と実施例3で使用した非
磁性ギャップ材及び接合ガラスを用いて、第2図の磁気
ヘッドを作製した。この磁気ヘッドも実施例2のものと
同様に、良好な高周波特性を示した。磁気ヘッドの作製
温度、すなわちガラス充填温度及びガラス接合温度は、
第3表及び第4表で示した各ガラスの接合温度に準じ
た。作製した磁気ヘッドの実装結果を第11表に示す。な
お、磁気ヘッドの評価方法は実施例1と同様である。
本実施例は、実施例3と同様な結果が得られた。しか
し、実施例3の磁気ヘッドより加工不良が少なく、更に
ヘッドチップ強度も大きかった。これは使用した接合ガ
ラスと、本実施例で用いた磁気ヘッドの構造及び支持体
とのマッチングが良好であったためである。しかし、気
泡不良率が若干高くなった。この原因は、本実施例で採
用した磁気ヘッドの加工工程が多いため、汚れが付きや
すくなったためと考えられる。更に、このタイプの磁気
ヘッドは磁性膜が加工によって露出するために、接合ガ
ラスに侵食されやすいという問題がある。このため、Pb
O−B2O3系ガラスNo.(95)〜(97)及び(99)を用いた
比較例では、磁性膜侵食不良率が高くなった。これに対
し、実施例では、第1図の磁気ヘッドを採用した実施例
と同様に、磁性膜をほとんど侵食することはない。すな
わち、量産性や信頼性ばかりではなく、磁気特性におい
ても優れた磁気ヘッドが得られる。
(実施例7) 磁性膜としてFe−C系材料、その支持体としてNiO−CoO
−TiO2系セラミックスを使用した。接合ガラスには、磁
性膜の耐熱温度、及び磁性膜とその支持体の熱膨張係数
を配慮し、第3表及び第4表の中から適当なガラスを選
んだ。非磁性ギャップ材には、第3表のガラスを用いる
場合には第5表のIV(SiO2ガラス−No.14ガラス)、第
4表のガラスを用いる場合には従来からの非磁性ギャッ
プ材I(SiO2ガラス)を使用した。これらの材料を用い
て、第2図の磁気ヘッドを作製した。この磁気ヘッドも
実施例2のものと同様に、良好な高周波特性を示した。
磁気ヘッドの作製温度、すなわちガラス充填温度及びガ
ラス接合温度は、第3表及び第4表で示した各ガラスの
接合温度に準じた。作製した磁気ヘッドの実装結果を第
12表に示す。なお、磁気ヘッドの評価方法は実施例1と
同様である。
本実施例は、実施例6と同様な結果が得られた。しか
し、本実施例の磁気ヘッドの場合、飽和磁束密度が著し
く高いFe−C系材料の磁性膜を用いるので、磁気記録再
生装置の高密度記録化を更に図ることができる。
(実施例8) 実施例1で使用した材料を用いて、第3図の磁気ヘッド
を作製した。その作製温度、すなわちガラス充填接合温
度は、第3表及び第4表で示した各ガラスの接合温度に
準じた。作製した磁気ヘッドの実装結果を第13表に示
す。なお、磁気ヘッドの評価方法は実施例1と同様であ
る。
本実施例は、実施例1と同様な結果が得られた。しか
し、第3図の磁気ヘッドは、第1図及び第2図の磁気ヘ
ッドのように接合ガラスと非磁性ギャップ材とが反応し
て接合するタイプではなく、接合ガラスを流し込むと同
時に、接合するタイプのものである。すなわち、接合ガ
ラスは非磁性ギャップ材とは反応する必要がない。逆に
反応しすぎると、磁性膜を著しく侵食する恐れがある。
PbO−B2O3系ガラスNo.(89)〜(91)、(94)及び(9
8)を用いた比較例では、これらのガラスが非磁性ギャ
ップ材であるSiO2ガラスとよく反応するため、磁性膜を
著しく侵食しやすい。この結果、磁性膜侵食不良率が非
常に大きくなった。実施例及び比較例で示したバナジウ
ムを主要構成元素とする接合ガラスは、SiO2ガラスとほ
とんど反応しないし、また反応したとしても磁性膜を侵
食することはほとんどない。このため、磁性膜の侵食不
良は認められなかった。また、これらのガラスを第3図
のタイプの磁気ヘッドに使用した場合には、加工不良率
と気泡不良率の低減、及びヘットチップ強度の向上を図
ることができる。
以上の実施例から本発明の磁気ヘッドは従来の磁気ヘッ
ドより量産性、耐摩耗性、耐傷付き性、耐候性及び磁気
特性に優れているので、VTRなどの磁気記録再生装置の
高性能化に多大な効果をもたらす。
なお、第22図は前記磁気ヘッドを備えたVTRの概略構成
図を示す。磁気ヘッドであるビデオヘッド21は、それに
より収集した情報を処理する色信号処理部22及び輝度信
号処理部23等から成る制御部と接続され、情報記録媒体
であるカセット24の記録テープ25との間で情報を読み出
し、再生、及び記録できるようになっている。また、ビ
デオヘッド21はモータ26及びモータ駆動部27を含む駆動
部に接続されている。
〔発明の効果〕
本発明によれば、量産性、耐摩耗性、耐傷付き性、耐候
性及び磁気特性に優れた磁気ヘッドを提供することがで
きる。
従って、VTR等の磁気記録再生装置の性能及び信頼性を
著しく向上することができ、磁気ディスクを用いた磁気
記録再生装置などにも有効である。
【図面の簡単な説明】
第1〜3図は本発明の実施例における磁気ヘッドの斜視
図、第4図は第1図の磁気ヘッドの摺動面の説明図、第
5図は第2図の磁気ヘッドの摺動面の説明図、第6〜9
図は第1図の磁気ヘッドの製造方法における各工程の説
明図、第10〜15図は第2図の磁気ヘッドの製造方法にお
ける各工程の説明図、第16〜18図は第3図の磁気ヘッド
の製造方法における各工程の説明図、第19図はバナジウ
ム元素を主要構成元素とする酸化物系ガラスにおけるバ
ナジウムの還元イオン分率(V4+/Vtotal)とガラス接合
時の気泡発生数との関係を示した図、第20図は上記ガラ
スにおけるP2O5の含有率と特性との関係を示した図、第
21図は上記ガラスにおけるSb2O3の含有率と特性との関
係を示した図、第22図はVTRの概略構成図である。 1、1′……磁性膜、2、2′……支持体、3、3′…
…接合がラス、4、4′……反応防止膜、5……ギャッ
プ突合せ部、6……コイル巻線窓、7、8、9、7′、
8′、9′……非磁性膜、10……コイル巻線窓用の溝、
11、11′……トラック溝、12、13……磁気コアブロッ
ク、14……非磁性ギャップ材、21……ビデオヘッド、22
……色信号処理部、23……輝度信号処理部、24……カセ
ット、25……記録テープ、26……モータ、27……モータ
駆動部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康隆 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社日 立製作所日立研究所内 (72)発明者 有川 康之 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会社 日立製作所東海工場内 (72)発明者 大畑 司 茨城県勝田市大字稲田1410番地 株式会社 日立製作所東海工場内 (56)参考文献 特開 昭48−8818(JP,A) 特公 平6−86309(JP,B2)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体に形成された磁性膜からなる一対の
    磁気コアを、非磁性ギャップ材を介して互いに突き合わ
    せ、ガラスで接合した構造の磁気ヘッドにおいて、 前記接合ガラスが、バナジウム元素を主要構成元素とす
    る酸化物系ガラスであり、 該ガラスに含有されるバナジウム元素のうち、55%以上
    が4価のバナジウムであることを特徴とする磁気ヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】前記接合ガラスが、さらにリン元素とアン
    チモン元素とを含むことを特徴とする請求項1記載の磁
    気ヘッド。
  3. 【請求項3】前記接合ガラスが、鉛、テルル、バリウ
    ム、タリウム及び砒素の元素のうちの少なくとも一種を
    含むことを特徴とする請求項2記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】前記非磁性ギャップ材が、少なくともバナ
    ジウム元素を含む複合酸化物又は酸化物混合体であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】前記非磁性ギャップ材が、少なくともリン
    元素を含むことを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】前記非磁性ギャップ材が、アンチモン、
    鉛、テルル、バリウム、タリウム及び砒素の元素のうち
    の少なくとも一種を含むことを特徴とする請求項5記載
    の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】バナジウム元素を主要構成元素とする酸化
    物系ガラスであって、該ガラスに含有されるバナジウム
    元素のうち、55%以上が4価のバナジウムであることを
    特徴とする接合ガラス。
  8. 【請求項8】請求項7記載の接合ガラスにおいて、 前記バナジウム元素及び酸素元素及び、少なくともリン
    元素とアンチモン元素とを含み、これらの含有量はV
    2O5、P2O5及びSb2O3に換算して、V2O5100重量部に対
    し、P2O5が35〜75重量部及びSb2O3が40〜80重量部の範
    囲であることを特徴とする接合ガラス。
  9. 【請求項9】請求項8記載の接合ガラスにおいて、 構成元素として鉛、テルル及びバリウムの元素のうちの
    一種を含み、その含有量はPbO、TeO2及びBaOに換算し
    て、V2O5100重量部に対し、合計で8〜38重量部である
    ことを特徴とする接合ガラス。
  10. 【請求項10】請求項8または9記載の接合ガラスにお
    いて、 構成元素としてタリウム及び砒素の元素のうちの一種を
    含み、その含有量はTl2O及びAs2O3の酸化物に換算し
    て、合計で3〜16重量部であることを特徴とする接合ガ
    ラス。
  11. 【請求項11】バナジウム元素を主要構成元素とし、含
    有されるバナジウム元素のうちの55%以上が4価のバナ
    ジウムである酸化物系ガラスによって、高飽和磁束密度
    の磁性膜からなる一対の磁気コアを非磁性ギャップ材を
    介して一体化した磁気ヘッドと、該磁気ヘッドの駆動部
    と情報記録媒体との間の情報処理を行う制御部と、を備
    えることを特徴とする磁気記録再生装置。
  12. 【請求項12】請求項11記載の磁気記録再生装置におい
    て、前記磁気ヘッドと情報記録媒体またはその情報記録
    媒体の保護材とが5.8m/sec以上の相対速度ですることを
    特徴とする磁気記録再生装置。
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