JPH07109571A - 電子ビーム式連続蒸着装置 - Google Patents

電子ビーム式連続蒸着装置

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JPH07109571A
JPH07109571A JP19161794A JP19161794A JPH07109571A JP H07109571 A JPH07109571 A JP H07109571A JP 19161794 A JP19161794 A JP 19161794A JP 19161794 A JP19161794 A JP 19161794A JP H07109571 A JPH07109571 A JP H07109571A
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JP
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vapor deposition
film
plasma
electron beam
charge state
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JP19161794A
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English (en)
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Mamoru Sekiguchi
守 関口
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Toppan Inc
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、蒸着の際に高分子フィルム上に生
じる負の帯電状態を連続的に除去し、蒸着膜の均一性及
び緻密性の向上を図る。 【構成】 プラズマの陽イオン密度を制御するイオン密
度制御指令に基づいて、蒸着膜に対向するようにプラズ
マを形成し、蒸着膜における負の帯電状態を陽イオンに
中和させて除去する帯電状態除去手段(49,54,5
8,60)と、この帯電状態除去手段を通過した蒸着膜
の帯電状態を検出する帯電状態検出手段(50,61)
と、この帯電状態検出手段による検出結果が所定の帯電
状態よりも負電位を示すとき、プラズマの陽イオン密度
を高めるようにイオン密度制御指令を帯電状態除去手段
に送出する帯電状態制御手段(62)とを備えた電子ビ
ーム式連続蒸着装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、連続的に走行する高分
子フィルム上に蒸発材料を蒸着する電子ビーム式連続蒸
着装置に係わり、特に連続的に蒸着される蒸着膜の均一
性及び緻密性を向上し得る電子ビーム式連続蒸着装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、食品を包装する透明な高分子フ
ィルムの作成には、香り、水及び酸素の透過を防ぐため
に高分子フィルムの表面に薄膜を蒸着させる電子ビーム
式連続蒸着装置が広く用いられている。
【0003】図11はこの種の電子ビーム式連続蒸着装
置の構成を示す模式図である。
【0004】この電子ビーム式連続蒸着装置は、真空排
気可能な真空容器1内に水平に設けられて長方形の開口
面2aを有する遮蔽板2が該真空容器1内を上部及び下
部チャンバー3,4に仕切っている。
【0005】上部チャンバー3では、夫々遮蔽板2の開
口面長手方向に平行に回転軸を有する巻出しロール5、
円筒状冷却ロール6、巻取りロール7及びそれらの間に
介在する4つの補助ロール81 〜84 が回転可能に設け
られている。
【0006】巻出しロール5は、薄膜蒸着前の高分子フ
ィルム9が予め巻かれ、この高分子フィルム9を2つの
補助ロール81 ,82 を介して円筒状冷却ロール6に連
続的に送り出している。
【0007】円筒状冷却ロール6は、良好な熱伝導性を
もつ金属を材料とし、外周面の一部が遮蔽板2の開口面
2aから下部チャンバー4内に突出するように配置され
ている。
【0008】巻取りロール7は、円筒状冷却ロール6か
ら下部チャンバー4を経由してきた高分子フィルム9を
2つの補助ロール83 ,84 を介して連続的に巻取って
いる。
【0009】一方、下部チャンバー4では、遮蔽板2の
開口面2aから突出した円筒状冷却ロール6及びその外
周部の高分子フィルム9に対向するように、蒸発材料1
0を有するルツボ11が円筒状冷却ロール6の下方に載
置されている。また、ルツボ11内の蒸発材料10は、
電子ビーム12を照射する電子銃13及びその電子ビー
ム12をルツボ11内に偏向させる図示しない偏向コイ
ルにより昇華又は蒸発され、ルツボ11の上方で走行し
ている高分子フィルム9に連続的に蒸着膜を形成する。
なお、この蒸発材料10の蒸発量は電子ビーム12のエ
ミッション電流に比例して制御可能となっている。
【0010】ところで、電子ビーム12を蒸発材料10
に照射したとき、この蒸発材料10から一部の電子が蒸
着膜上に反射されると共に、二次電子が蒸着膜上に放出
されることから、高分子フィルムはこれら反射電子及び
二次電子によって負に帯電される。
【0011】よって、このような負の帯電状態を除去す
るため、U.S.P.4815415号公報に示されて
いるような構成の除電用グローカソード14が第1のチ
ャンバー内に設けられている。
【0012】この除電用グローカソード14は、円筒状
冷却ロール6の外周部に対向して蒸着膜の形成面よりも
走行方向後段に配置され、所定の放電電圧をもつグロー
放電を発生して高分子フィルム9における負の帯電状態
を除去するものである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような電子ビーム式連続蒸着装置では、蒸着材料10の
蒸発量を増やすために電子ビーム12のエミッション電
流を増加させると、それに伴って高分子フィルム9の負
の帯電量が増加する問題がある。
【0014】例えば高分子フィルム9が負に帯電する
と、その帯電量に対応する正電荷が高分子フィルム9に
接触する円筒状冷却ロール6に供給される。このため、
円筒状冷却ロール6と高分子フィルム9とを剥離する際
に帯電量に対応して放電を生じ、高分子フィルム9にピ
ンホールや微小欠陥としての放電痕が残る問題がある。
また、円筒状冷却ロール6と高分子フィルム9との間に
帯電量に比例する静電気引力が発生し、この静電気引力
により高分子フィルム9や蒸着膜が損傷するという問題
がある。
【0015】さらに、除電用グローカソード14は、グ
ロー放電の放電電圧が一定であるため、蒸発材料10の
減少などによって連続的に変化する負の帯電状態を除去
しきれないという問題がある。
【0016】本発明は上記実情を考慮してなされたもの
で、蒸着の際に高分子フィルム上に生じる負の帯電状態
を連続的に除去し、蒸着膜の均一性及び緻密性を向上し
得る電子ビーム式連続蒸着装置を提供することを目的と
する。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に対応する発明は、真空中で蒸発材料に電子
ビームを照射して前記蒸発材料を蒸発させると共に、巻
出ローラから連続的に巻き出されて前記蒸発材料に対向
配置されるように走行する高分子フィルムを巻取ローラ
で巻き取ることにより、前記高分子フィルムの表面に前
記蒸発材料の蒸着膜を形成する電子ビーム式連続蒸着装
置において、プラズマの陽イオン密度を制御するイオン
密度制御指令に基づいて、前記蒸着膜に対向するように
プラズマを形成し、前記蒸着膜における負の帯電状態を
前記陽イオンに中和させて除去する帯電状態除去手段
と、この帯電状態除去手段を通過した前記蒸着膜の帯電
状態を検出する帯電状態検出手段と、この帯電状態検出
手段による検出結果が所定の帯電状態よりも負電位を示
すとき、前記プラズマの陽イオン密度を高めるように前
記イオン密度制御指令を前記帯電状態除去手段に送出す
る帯電状態制御手段とを備えた電子ビーム式連続蒸着装
置である。
【0018】また、請求項2に対応する発明は、真空中
で蒸発材料に電子ビームを照射して前記蒸発材料を蒸発
させると共に、巻出ローラから連続的に巻き出されて前
記蒸発材料に対向配置されるように走行する高分子フィ
ルムを巻取ローラで巻き取ることにより、前記高分子フ
ィルムの表面に前記蒸発材料の蒸着膜を形成する電子ビ
ーム式連続蒸着装置において、前記蒸発材料と前記高分
子フィルムとの間の空間にマイクロ波を放射して前記蒸
発材料の蒸発粒子を陽イオン化すると共に、この陽イオ
ン化した蒸発粒子を負の帯電状態をもつ前記蒸着膜に付
着させて前記蒸着膜を緻密に形成させる膜形成補助手段
と、前記蒸着膜に対向するようにプラズマを形成し、こ
のプラズマの陽イオン密度を制御するイオン密度制御指
令に基づいて、前記蒸着膜における負の帯電状態を前記
陽イオンに中和させて除去する帯電状態除去手段と、こ
の帯電状態除去手段を通過した前記蒸着膜の帯電状態を
検出する帯電状態検出手段と、この帯電状態検出手段に
よる検出結果が所定の帯電状態よりも負電位を示すと
き、前記プラズマの陽イオン密度を高めるように前記イ
オン密度制御指令を前記帯電状態除去手段に送出する帯
電状態制御手段とを備えた電子ビーム式連続蒸着装置で
ある。
【0019】さらに、請求項3に対応する発明は、上記
帯電状態除去手段として、前記陽イオンの元となる原料
ガスを供給するガス供給手段と、前記陽イオン密度に比
例して前記原料ガスを供給するように前記イオン密度制
御指令に基づいて、前記ガス供給手段により供給される
原料ガスの供給量を制御するガス量制御手段とを備えた
電子ビーム式連続蒸着装置である。
【0020】また、請求項4に対応する発明は、前記帯
電状態除去手段としては、前記蒸着膜に対向するプラズ
マ発生手段と、前記陽イオン密度に比例してプラズマ電
力を供給するように前記イオン密度制御指令に基づい
て、前記プラズマ発生手段により供給されるプラズマ電
力量を制御するプラズマ電力制御手段とを備えたことを
特徴とする電子ビーム式連続蒸着装置である。
【0021】さらに、請求項5に対応する発明は、前記
帯電状態除去手段としては、前記高分子フィルムの走行
方向に直交する方向に前記蒸着膜に対向する分割された
プラズマ発生手段と、前記陽イオン密度制御指令に基づ
いて、前記の分割されたプラズマ発生手段により供給さ
れるプラズマ電力を制御するプラズマ電力制御手段とを
備えたことを特徴とする電子ビーム式連続蒸着装置であ
る。
【0022】また、請求項6に対応する発明は、前記帯
電状態検出手段としては、前記高分子フィルムの走行方
向に直交する方向に沿って配置され、前記蒸着膜の電位
又は帯電量を検出する複数の検出部を有することを特徴
とする電子ビーム式連続蒸着装置である。
【0023】また、請求項7に対応する発明は、前記帯
電状態検出部で得られた検出結果が所定の帯電状態より
も負電位であるとき、前記プラズマの陽イオン密度を高
めるように前記イオン密度制御指令を帯電状態除去手段
にフィードバックすることを特徴とする電子ビーム式連
続蒸着装置である。
【0024】
【作用】従って、請求項1に対応する発明は以上のよう
な手段を講じたことにより、帯電状態除去手段が、プラ
ズマの陽イオン密度を制御するイオン密度制御指令に基
づいて、蒸着膜に対向するようにプラズマを形成し、蒸
着膜における負の帯電状態を陽イオンに中和させて除去
し、帯電状態検出手段がこの帯電状態除去手段を通過し
た蒸着膜の帯電状態を検出し、帯電状態制御手段がこの
帯電状態検出手段による検出結果が所定の帯電状態より
も負電位を示すとき、プラズマの陽イオン密度を高める
ようにイオン密度制御指令を帯電状態除去手段に送出す
るので、蒸着の際に高分子フィルム上に生じる負の帯電
状態を連続的に除去し、蒸着膜の均一性及び緻密性を向
上させることができる。
【0025】また、請求項2に対応する発明は、請求項
1に対応する発明に対して膜形成補助手段を付加し、こ
の膜形成補助手段が蒸発材料と高分子フィルムとの間の
空間にマイクロ波を放射して蒸発材料の蒸発粒子を陽イ
オン化すると共に、この陽イオン化した蒸発粒子を負の
帯電状態をもつ蒸着膜に付着させて蒸着膜を緻密に形成
させるので、請求項1に対応する作用に加え、蒸着膜の
均一性及び緻密性をより一層向上させることができる。
【0026】さらに、請求項3に対応する発明は、上記
帯電状態除去手段として、ガス供給手段が陽イオンの元
となる原料ガスを供給し、ガス量制御手段が陽イオン密
度に比例して原料ガスを供給するようにイオン密度制御
指令に基づいて、ガス供給手段により供給される原料ガ
スの供給量を制御するので、請求項1,2の作用に加
え、容易且つ確実に負の帯電状態を連続的に除去するこ
とができる。
【0027】さらに、請求項4に対応する発明は、上記
帯電状態除去手段として、前記蒸着膜に対向するプラズ
マ発生手段と、前記陽イオン密度に比例してプラズマ電
力を供給するように前記イオン密度制御指令に基づい
て、前記プラズマ発生手段によより供給されるプラズマ
電力量を制御するプラズマの電力を制御するので、請求
項1、2の作用に加え、容易且つ確実に負の帯電状態を
連続的に除去することが出来る。
【0028】さらに、請求項5に対応する発明は、前記
帯電状態除去手段としては、前記高分子フィルムの走行
方向に直交する方向に前記蒸着膜に基づいて、前記の分
割されたプラズマ発生手段により供給されるプラズマ電
力を制御するプラズマ電力手段とを備えているので、請
求項4の作用に加え、高分子フィルム全面にわたって蒸
着膜の均一性及び緻密性をより精度良く向上させること
ができる。
【0029】さらに、請求項6に対応する発明は、上記
帯電状態検出手段として、高分子フィルムの走行方向に
直交する方向に沿って配置された複数の検出部が蒸着膜
の電位又は帯電量を検出するので、請求項1〜5の作用
に加え、高分子フィルム全面にわたって蒸着膜の均一性
及び緻密性を向上させることができる。
【0030】さらに、請求項7に対応する発明は、それ
ぞれの検出部で得られた検出結果が所定の帯電状態より
も負電位である時、前記プラズマの陽イオン密度を高め
るように前記イオン密度制御指令を帯電状態除去手段に
フィードバックするので、請求項6の作用に加えて高分
子フィルム全面にわたって蒸着膜の均一性及び緻密性を
向上させることができる。
【0031】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0032】図1及び図2は本発明の一実施例に係る電
子ビーム式連続蒸着装置の構成を示す部分斜視図及び模
式図である。この電子ビーム式連続蒸着装置は、真空排
気可能な真空容器21内に設けられて長方形の開口面2
2aを有する遮蔽板22が該真空容器21内を第1及び
第2のチャンバー23,24に仕切っている。なお、図
1において、第2のチャンバー24は一部のみが示さ
れ、大部分が省略されている。
【0033】第1のチャンバー23では、夫々遮蔽板2
2の開口面長手方向に平行に回転軸を有する巻出しロー
ル25、円筒状冷却ロール26、巻取りロール27及び
それらの間に介在する4つの補助ロール281 〜284
が回転可能に設けられている。また、第1のチャンバー
23は窓29を有すると共に、5つの真空ポンプ30を
有する吸引ポート31がフランジとして設けられ、各真
空ポンプ30に排気されて1〜10-2mbarの真空度に到
達可能となっている。
【0034】巻出しロール25は、薄膜蒸着前の高分子
フィルム32が予め巻かれ、この高分子フィルム32を
2つの補助ロール281 〜282 を介して円筒状冷却ロ
ール26に連続的に送り出すものである。
【0035】円筒状冷却ロール26は、良好な熱伝導性
をもつ金属を材料とし、外周面の一部が遮蔽板22の開
口面22aから第2のチャンバー24内に突出するよう
に配置されている。なお、円筒状冷却ロール26と遮蔽
板22の開口面22aとの間隔をごく僅かとし、この僅
かな間隔を通して第1及び第2のチャンバー23,24
を互いに連通させることにより、両チャンバー23,2
4間に2桁の圧力差をもたせている。
【0036】巻取りロール27は、円筒状冷却ロール2
6から第2のチャンバー24を経由してきた高分子フィ
ルム32を2つの補助ロール283 〜284 を介して連
続的に巻取るものである。
【0037】一方、第2のチャンバー24は、図示しな
い拡散ポンプを有し、この拡散ポンプにより10-4mbar
の真空度に到達可能となっている。
【0038】また、第2のチャンバー24は、その下部
に水平方向に底面プレート33が設けられている。底面
プレート33には、遮蔽板22の開口面22aから突出
した円筒状冷却ロール26及びその外周部の高分子フィ
ルム32に対向し、且つ円筒状冷却ロール26の長手方
向に沿うように蒸発材料34を有する長尺のルツボ35
が載置されている。ルツボ35は冷却水を循環させる冷
却水パイプ36により巻装され、且つ遮蔽板22の開口
面22aに対応して開口されているルツボカバー37が
上方に配置されている。
【0039】また、底面プレート33はルツボ35の4
隅にルツボ35から離間して夫々支持部材(一部のみ図
示している)38が立設され、各支持部材38はルツボ
35の長手方向に直交する方向(以下、ルツボの幅方向
という)に沿って水平にスライド支持面39が互いに架
け渡されている。
【0040】さらに、第2のチャンバー24の下部に
は、ルツボ35の長手方向に平行な第1の回動軸40a
を基端部に有するロータリーアーム40が回動自在に設
けられている。ロータリーアーム40は第1の回動軸4
0aに平行な第2の回動軸40bを先端部に有し、第2
の回動軸40bにより回動自在にスライド板41が取付
けられている。スライド板41はロータリーアーム40
に応動してスライド支持面39上を進退自在に摺動する
ものであり、ルツボカバー37の上方を開閉する機能を
もっている。
【0041】また、ルツボ35の隣にはルツボ35の長
手方向に平行にマグネットコイル42が載置され、且つ
マグネットコイル42の端部には一部しか図示されない
がルツボ35の全幅を挟むようにルツボ35の幅方向に
沿ってヨーク金属シート43が取付けられている。この
ヨーク金属シート43はマグネットコイル42により発
生する磁界をルツボ35の上方に形成するものである。
【0042】また、第2のチャンバー24は、真空容器
21の外壁に設けられたフランジ44を介して2台の電
子銃451 ,452 がルツボ35の上方の空間に向けて
取付けられている。各電子銃451 ,452 は電子ビー
ム46を照射する機能を有し、この電子ビーム46はヨ
ーク金属シート43が形成する磁界によりルツボ35内
に偏向可能となっている。なお、ルツボ35内の蒸発材
料34は、電子銃45 1 ,452 から照射された電子ビ
ーム46により昇華又は蒸発され、遮蔽板22の開口面
22aから突出して走行する高分子フィルム32の膜形
成面上に連続的に蒸着膜を形成している。また、このよ
うなルツボ35内の蒸発材料34に電子ビーム46が照
射される様子は第2のチャンバー24に設けられた窓4
7を通して監視可能となっている。また、各電子銃45
1 ,452 は排気のためのターボモレキュラーポンプ
(図示せず)が使用可能となっている。
【0043】さらに、第2のチャンバー24は、ルツボ
35と膜形成面との間の空間にマイクロ波を導入するよ
うに、マイクロ波源(図示せず)に接続された膜形成補
助手段としてのマイクロホーンアンテナ48が電子銃4
1 ,452 の上方のチャンバー側壁に取付けられてい
る。このマイクロホーンアンテナ48はMW(2.45
GHz)の電波をルツボ35から蒸発した蒸発材料34
に与え、この蒸発材料34をイオン化させて膜形成面に
付着させる機能をもっている。
【0044】また、膜形成面よりも走行方向後段には前
述同様にグローカソード49が円筒状冷却ロール26の
外周部に対向配置され、このグローカソード49よりも
走行方向後段には複数の電位センサ50が高分子フィル
ム32に対向するように設けられている。
【0045】図3はこれらグローカソード及び電位セン
サの周辺構成を示す模式図である。ここで、グローカソ
ード49は電気供給ライン51を有するカソード52が
円筒状冷却ロール26の外周部に対向配置され、電気供
給ライン51はチャンバー側壁に設けられた絶縁部53
を介して真空容器21外部の直流電圧源54の負極に接
続されている。また、カソード52と第1のチャンバー
23との間には、カソード52と第1のチャンバー23
との間のプラズマの発生を阻止するために、接地された
暗室シールディング55が設けられている。なお、カソ
ード52は、例えばアルミニウム、チタン等の金属材料
からなる金属カソードや磁石を備えたマグネトロンカソ
ードが使用可能である。
【0046】暗室シールディング55はArガスを導入
する2つのガス導入管56が取付られ、各ガス導入管5
6は夫々真空容器21外で操作バルブ57、流量調節計
(MFC)58及び元バルブ59を介してArガスを供
給するArガスボンベ60に接続されている。
【0047】これにより、グローカソード49は、所定
の放電電圧をもつグロー放電を発生して高分子フィルム
32における負の帯電状態を除去可能としている。な
お、グローカソード49、直流電圧源54、ガス量制御
手段としての流量調節計58及びガズ供給手段としての
Arガスボンベ60は帯電状態除去手段を構成してい
る。また、図4では、、グローカソード49、暗室シー
ルディング内に発したプラズマの電流、カソードに印加
する電圧を制御する手段としてのプラズマ電力制御部1
00が直流電圧源54と接続され、ガス量制御手段とし
ての流量調節計58及びガス供給手段としてのArガス
ボンベ60とすることによって、帯電状態除去手段を構
成している。
【0048】一方、各電位センサ50は高分子フィルム
32の走行方向に直交する方向に沿って配置され、高分
子フィルム32上の蒸着膜の電位又は帯電量を検出して
その検出信号を図4に示す信号変換部61に送出する機
能をもっている。この種の電位センサ50は、例えばは
く検電器を用い、蒸着膜上の誘導電荷又は帯電電荷が有
する静電気力を直接駆動力として検出してもよい。
【0049】また、他の種類の電位センサ50として
は、検知電極を有するものとし、該検知電極と蒸着膜と
の間の結合容量Coを周期的に変化させて検知電極上に
周期的に変化する電荷を誘起させ、この電荷が移動する
ときの電流を抵抗により電圧Vsに変換して検出信号を
信号変換部61に送出するものが使用可能である。な
お、このような電位センサは、検知電極と蒸着膜との間
の距離を周期的に変化させることにより結合容量Coを
周期的に変化させる振動容量型電位センサや、検知電極
の面積を周期的に変化させることにより結合容量Coを
周期的に変化させるチョッパー型電位センサがある。
【0050】さらに、電位センサ50は、検知電極を有
し、検知電極を蒸着膜に近接させて該検知電極に発生し
た誘導電荷に基づいて表面電位を検出してその検出信号
を信号変換部61に送出する静電位誘導センサが使用可
能となっている。
【0051】続いて、このような表面電位をなくすため
の制御構成について図5を用いて説明する。図示するよ
うに、信号変換部61は、各電位センサ50から個別に
検出信号を受けたとき、該検出信号を表面電位値データ
に変換すると共に平均化し、この平均化された表面電位
値データを比較判定修正部62(帯電状態制御手段)及
び記録計63に送出するものである。なお、複数の検出
部としての各電位センサ50及び信号変換部61は帯電
状態除去手段を構成している。
【0052】あるいは、図12に示す如く高分子フィル
ムの幅方向に複数配置された検出部からの信号をグルー
ピングし、検出信号を幅方向に分割させ、平均化する。
【0053】比較判定修正部62は、信号変換部61か
ら受けた表面電位値データと予め設定された残表面電位
の許容範囲値とを比較判定し、該判定結果が表面電位値
データの許容範囲値からの逸脱を示すとき、イオン密度
制御指令を流量調節計58に送出し、グロー放電のとき
の陽イオン密度に比例するArガス流量を制御する機能
をもっている。
【0054】記録計63は信号変換部61から受ける表
面電位値データに基づいて、蒸着膜の表面電位などを記
録するものである。
【0055】一方、制御パネル64は、高分子フィルム
走行速度値、電子ビームの加速電圧値及びエミッション
電流値からなる加工条件を主制御部65に与える機能を
もっている。また、制御パネル64は記録の有無を記録
計63に設定すると共に、残表面電位の許容範囲値を比
較判定修正部62に設定する機能をもっている。
【0056】また、データベース66は、過去の試験結
果に基づいて、種々の加工条件に対応する供給電力値及
びガス流量値からなるグロー条件が記憶されている。
【0057】主制御部65は、制御パネル64から加工
条件を受けたとき、データベース66を参照して当該加
工条件に対応する供給電力値で直流電圧源54からカソ
ード52に負電圧を印加し、且つ当該加工条件に対応す
るガス流量値で流量調節計58を制御する機能をもって
いる。なお、ここでは流量調節計58に対するガス流量
値の制御指令がイオン密度制御指令となっている。
【0058】あるいは図6に示すように当該加工条件に
対応するガス流量値で流量調整計58から暗室シールデ
ィング内のカソード付近にガスが導入され、カソード5
2に負電圧を印加し、且つ当該加工条件に対応するプラ
ズマ電力値で直流電圧54内のプラズマ電力制御計を制
御する機能を持っている。なお、ここではプラズマ電力
計に対するプラズマ電力値の制御指令がイオン密度制御
指令になっている。プラズマ電力制御計としては、一定
電流量で電圧を制御する定電流制御による調整、または
一定電圧化で電流を制御する定電圧制御による調整、い
ずれでもよい。好ましくは前者である。
【0059】次に、以上のように構成された電子ビーム
式連続蒸着装置の動作を図7のフローチャートを用いて
説明する。
【0060】いま、真空容器21は所定の真空度に到達
し、蒸発材料34が蒸着可能となっている。
【0061】制御パネル64は、操作者の操作により、
高分子フィルム走行速度値、電子ビームの加速電圧値及
びエミッション電流値からなる加工条件を主制御部65
に入力する(ST1)。
【0062】主制御部65は、この加工条件に基づいて
データベース66を参照し、該加工条件に対応するグロ
ー条件のうち、供給電力値を直流電圧源54に設定して
カソード52に負電圧を印加すると共に、ガス流量値を
流量調節計58に設定する(ST2)。これにより、グ
ローカソード49は、Arガスをイオン化させてプラズ
マを形成する。
【0063】また、制御パネル64は、操作者の操作に
より、記録計63による記録を実行するように操作条件
を記録計63に入力して(ST3)記録計63に高分子
フィルム32の残表面電位を記録させると共に、残表面
電位の許容範囲値を比較判定修正部62に設定する(S
T4)。なお、ここでは残表面電位の許容範囲値を0〜
(−200)Vとしている。
【0064】この状態で、電子ビーム式連続蒸着装置
は、高分子フィルム32を走行速度値に従って巻出しロ
ール25及び巻取りロール27により走行させると共
に、電子ビーム46を加速電圧値及びエミッション電流
値に従ってルツボ35内の蒸発材料34に照射させる。
また、マイクロホーンアンテナ48はルツボ35の上方
空間にマイクロ波を照射する。
【0065】一方、このような電子ビーム46の照射に
より、ルツボ35から蒸発材料34が蒸発すると共に、
蒸発材料34から反射電子や二次電子が高分子フィルム
32に出射される。高分子フィルム32は二次電子等に
より負に帯電され、蒸発した蒸発材料34はマイクロ波
により陽イオン化された後に高分子フィルム32に付着
して蒸着膜を形成する。なお、蒸発材料34は陽イオン
化されているので、負に帯電した高分子フィルム32上
に緻密に付着する。
【0066】続いて、蒸着膜は、高分子フィルム32の
走行に伴い、グローカソード49に形成されたプラズマ
空間を通過する。ここで、負に帯電している蒸着膜は、
プラズマ空間内のAr+ イオンによって電気的に中和さ
れ、しかる後、各電位センサ50により残表面電位が検
出される。
【0067】各電位センサ50は蒸着膜の残表面電位を
検出してその検出信号を信号変換部61に送出する。信
号変換部61は、これら検出信号から表面電位値データ
を求め、該表面電位値データを記録計63及び比較判定
修正部62に入力する(ST5)。
【0068】比較判定修正部62はこの表面電位値デー
タと残表面電位の許容範囲値とを比較判定し(ST
6)、該判定結果が表面電位値データが許容範囲値にあ
る旨を示すとき、各電位センサ50による残表面電位の
検出を継続すると共に、電位検出の終了の有無を判定し
(ST7)、判定結果が終了を示さない限り、ST5に
戻って各電位センサ50による残表面電位の検出を継続
する。
【0069】また、ST6において、判定結果が表面電
位値データが許容範囲値から逸脱した旨を示すとき、比
較判定修正部62は表面電位値データが許容範囲値に入
るようにイオン密度制御指令を流量調節計58に送出
し、プラズマを形成するArガスの流量を制御する(S
T8)。
【0070】このような制御においては、例えば、カソ
ード52への供給電力と、蒸着膜の残表面電位と、Ar
ガス流量との間には図9に示すような対応関係がある
が、比較判定修正部62では、この対応関係に基づき、
供給電力値を一定としてArガス流量のみを変化させる
ことにより、蒸着膜の残表面電位を許容範囲値に制御し
ている。
【0071】または、図8のフローチャートに示すよう
に、ST6において、判定結果が表面電位値データが許
容範囲値から逸脱した旨を示すとき、比較判定修正部6
2は表面電位値データが許容範囲値に入るようにイオン
密度制御指令をプラズマ電力制御部に送出し、グロープ
ラズマを形成するプラズマ電力量を制御する(ST
8)。
【0072】このような制御においては、例えば、カソ
ード52への供給電力と、蒸着膜の残表面電位と、グロ
ープラズマ電力量との間には図10に示すような対応関
係があるが、比較判定修正部62のみでは、この対応関
係に基づき、Arガス流量を一定として供給電力値のみ
を変化させることにより、蒸着膜の残表面電位を許容範
囲値に制御している。
【0073】以下、残表面電位が許容範囲値に入ると、
本実施例装置は、ST5に戻って電位センサ50により
残表面電位を検出しながら高分子フィルム32に蒸着膜
を形成し続ける。
【0074】上述したように本実施例によれば、グロー
カソード49が、プラズマの陽イオン密度を制御するイ
オン密度制御指令に基づいて、蒸着膜に対向するように
プラズマを形成し、蒸着膜における負の帯電状態を陽イ
オンに中和させて除去し、電位センサ50がこのプラズ
マ空間を通過した蒸着膜の帯電状態を検出し、比較判定
修正部62が、電位センサ50による検出結果が所定の
許容範囲値からの逸脱を示すとき、プラズマの陽イオン
密度を高めるようにイオン密度制御指令を流量調節計5
8またはプラズマ電力調整計100に送出するようにし
たので、蒸着の際に高分子フィルム32上に生じる負の
帯電状態を連続的に除去でき、もって、蒸着膜の均一性
及び緻密性を向上させることができる。
【0075】また、本実施例によれば、負の帯電状態を
除去していることから静電気引力の発生を阻止し、これ
に伴い、高分子フィルム32や蒸着膜を剥離時の損傷か
ら保護すると共に、放電痕の発生を防止することができ
る。
【0076】さらに、本実施例によれば、マイクロホー
ンアンテナ48が蒸発材料34と高分子フィルム32と
の間の空間にマイクロ波を放射して蒸発材料34の蒸発
粒子を陽イオン化すると共に、この陽イオン化した蒸発
粒子を負の帯電状態をもつ蒸着膜に付着させて蒸着膜を
緻密に形成させるようにしたので、蒸着膜の均一性及び
緻密性をより一層向上させることができる。
【0077】また、本実施例によれば、制御が容易な流
量調節計58のArガス流量を調節することにより、ま
たは制御が容易なプラズマ電力制御部内の電圧または電
流調節計によりカソードへの印加電圧またはプラズマ電
流を調節することにより、蒸着膜の残表面電位を制御す
るようにしたので、容易且つ確実に負の帯電状態を連続
的に除去することができる。
【0078】さらに、本実施例によれば、高分子フィル
ム32の走行方向に直交する方向に沿って複数の電位セ
ンサ50を配置し、さらにフィルムの残表面電位を幅方
向に分割、制御するようにしたので、高分子フィルム3
2の全面にわたって蒸着膜の均一性及び緻密性を向上さ
せることができ、もって、負の帯電状態のムラに起因し
た高分子フィルム32の巻取り時のしわの発生を防止す
ることができる。
【0079】なお、上記実施例では、プラズマ内の陽イ
オン密度をガス流量のみで制御する場合について説明し
たが、これに限らず、プラズマ内に陽イオン密度をモニ
タするプローブを設け、このモニタ結果に基づいて陽イ
オン密度を制御するようにしても、本発明を同様に実施
して同様の効果を得ることができる。
【0080】また、上記実施例では、グローカソード4
9にArガスを導入する場合について説明したが、これ
に限らず、例えばO2 /Ar混合ガス又はH2 /Ar混
合ガスを導入する構成としても、本発明を同様に実施し
て同様の効果を得ることができる。
【0081】その他、本発明はその要旨を逸脱しない範
囲で種々変形して実施できる。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように本発明により、蒸着
の際に高分子フィルム上に生じる負の帯電状態を連続的
に除去し、蒸着膜の均一性及び緻密性を向上でき、蒸着
膜の均一性及び緻密性をより一層向上でき、容易且つ確
実に負の帯電状態を連続的に除去でき、高分子フィルム
全面にわたって蒸着膜の均一性及び緻密性を向上できる
電子ビーム式連続蒸着装置を提供できる。
【0083】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る電子ビーム式連続蒸着
装置の構成を示す部分斜視図。
【図2】同実施例における電子ビーム式連続蒸着装置の
構成を示す模式図。
【図3】同実施例におけるグローカソード及び電位セン
サの周辺構成を示す模式図。
【図4】別の実施例におけるグローカソード及び電位セ
ンサの周辺構成を示す模式図。
【図5】同実施例における制御機能を説明するためのブ
ロック図。
【図6】別の実施例における制御機能を説明するための
ブロック図。
【図7】同実施例における動作を説明するためのフロー
チャート。
【図8】別の実施例における動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図9】同実施例における残表面電位のガス流量依存性
を示す図。
【図10】別の実施例における残表面電位のプラズマ電
位依存性を示す図。
【図11】従来の電子ビーム式連続蒸着装置の構成を示
す模式図。
【図12】別の実施例における電位センサー及びグロー
カソードの関係図。
【符号の説明】
48…マイクロホーンアンテナ 49…グローカソード
50…電位センサ 54…直流電圧源 58…流量調節計 60…Arガス
ボンベ 61…信号変換部 62…比較判定修正部 63…記録
計 64…制御パネル 65…主制御部 66…データべース 100…プラズ
マ電力制御部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空中で蒸発材料に電子ビームを照射して
    前記蒸発材料を蒸発させると共に、巻出ローラから連続
    的に巻き出されて前記蒸発材料に対向配置されるように
    走行する高分子フィルムを巻取ローラで巻き取ることに
    より、前記高分子フィルムの表面に前記蒸発材料の蒸着
    膜を形成する電子ビーム式連続蒸着装置において、 プラズマの陽イオン密度を制御するイオン密度制御指令
    に基づいて、前記蒸着膜に対向するようにプラズマを形
    成し、前記蒸着膜における負の帯電状態を前記陽イオン
    に中和させて除去する帯電状態除去手段と、 この帯電状態除去手段を通過した前記蒸着膜の帯電状態
    を検出する帯電状態検出手段と、 この帯電状態検出手段による検出結果が所定の帯電状態
    よりも負電位を示すとき、前記プラズマの陽イオン密度
    を高めるように前記イオン密度制御指令を前記帯電状態
    除去手段に送出する帯電状態制御手段とを備えたことを
    特徴とする電子ビーム式連続蒸着装置。
  2. 【請求項2】真空中で蒸発材料に電子ビームを照射して
    前記蒸発材料を蒸発させると共に、巻出ローラから連続
    的に巻き出されて前記蒸発材料に対向配置されるように
    走行する高分子フィルムを巻取ローラで巻き取ることに
    より、前記高分子フィルムの表面に前記蒸発材料の蒸着
    膜を形成する電子ビーム式連続蒸着装置において、 前記蒸発材料と前記高分子フィルムとの間の空間にマイ
    クロ波を放射して前記蒸発材料の蒸発粒子を陽イオン化
    すると共に、この陽イオン化した蒸発粒子を負の帯電状
    態をもつ前記蒸着膜に付着させて前記蒸着膜を緻密に形
    成させる膜形成補助手段と、 前記蒸着膜に対向するようにプラズマを形成し、このプ
    ラズマの陽イオン密度を制御するイオン密度制御指令に
    基づいて、前記蒸着膜における負の帯電状態を前記陽イ
    オンに中和させて除去する帯電状態除去手段と、 この帯電状態除去手段を通過した前記蒸着膜の帯電状態
    を検出する帯電状態検出手段と、 この帯電状態検出手段による検出結果が所定の帯電状態
    よりも負電位を示すとき、前記プラズマの陽イオン密度
    を高めるように前記イオン密度制御指令を前記帯電状態
    除去手段に送出する帯電状態制御手段とを備えたことを
    特徴とする電子ビーム式連続蒸着装置。
  3. 【請求項3】前記帯電状態除去手段としては、前記蒸着
    膜に対向するプラズマ発生手段と、前記陽イオン密度に
    比例して前記原料ガスを供給するように前記イオン密度
    制御指令に基づいて、前記ガス供給手段により供給され
    る原料ガスの供給量を制御するガス量制御手段とを備え
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の電子ビーム
    式連続蒸着装置。
  4. 【請求項4】前記帯電状態除去手段としては、前記蒸着
    膜に対向するプラズマ発生手段と、前記陽イオン密度に
    比例してプラズマ電力を供給するように前記イオン密度
    制御指令に基づいて、前記プラズマ発生手段により供給
    されるプラズマ電力量を制御するプラズマ電力制御手段
    とを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の電
    子ビーム式連続蒸着装置。
  5. 【請求項5】前記帯電状態除去手段としては、前記高分
    子フィルムの走行方向に直交する方向に前記蒸着膜に対
    向する分割されたプラズマ発生手段と、前記陽イオン密
    度制御指令に基づいて、前記の分割されたプラズマ発生
    手段により供給されるプラズマ電力を制御するプラズマ
    電力制御手段とを備えたことを特徴とする請求項4に記
    載の電子ビーム式連続蒸着装置。
  6. 【請求項6】前記帯電状態検出手段としては、前記高分
    子フィルムの走行方向に直交する方向に沿って配置さ
    れ、前記蒸着膜の電位又は帯電量を検出する複数の検出
    部を有することを特徴とする請求項1〜5に記載の電子
    ビーム式連続蒸着装置。
  7. 【請求項7】前記帯電状態検出部で得られた検出結果が
    所定の帯電状態よりも負電位であるとき、前記プラズマ
    の陽イオン密度を高めるように前記イオン密度制御指令
    を帯電状態除去手段にフィードバックすることを特徴と
    する請求項6に記載の電子ビーム式連続蒸着装置。
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