JPH0710729Y2 - 超音波血流イメージング装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、超音波血流イメージング装置に関し、さら
に詳しくは、心臓の弁等の動きの速い体内構造物がカラ
ー表示されないようにした超音波血流イメージング装置
に関する。

［従来の技術］ 従来の超音波血流イメージング装置の一例を第３図に示
す。

この超音波血流イメージング装置51では、プローブ２お
よび送受信部３で超音波エコー信号を得、B/Mモード処
理部４およびDSC5を経て、カラー表示部６でB/Mモード
表示が行われる。また、直交検波器７で血流ドプラ信号
を得、ドプラスペクトラム処理部８を経て、ドプラスペ
クトラム表示が行なわれる。また、MTIフィルタ９で固
定信号成分を除去し、流速値演算部10で各観測点の流速
値を算出し、流速値平均部11で平均化し、比較部12で所
定の流速閾値Vth以上の領域のみを取り出し、DSC5を経
て、カラー表示部６で血流速断層像を表示する。また、
パワー演算部13で各観測点のパワー値を算出し、パワー
平均部14で近傍の観測点のパワー値を加味して平均化
し、比較部15で所定のパワー下限閾値Pth以上の領域の
みを取り出し、DSC5を経て、カラー表示部６でパワー断
層像を表示する。16は、血流速断層像とパワー断層像の
いずれかを選ぶための選択スイッチである。

上記超音波血流イメージング装置51で表示される血流速
断層像では、比較部12で所定の流速閾値Vth未満の平均
化流速値をカットすることによって、静止または比較的
動きの遅い体内構造物のカラー表示が抑制された画像が
得られる。

また、パワー断層像では、所定のパワー下限閾値Pth未
満のノイズのカラー表示を抑制する。

上記の外に分散値の表示もなされるが、説明の都合上こ
こでは省略する。

［考案が解決しようとする課題］ 上記従来装置51では、比較部12で所定の流速閾値Vth未
満の平均化流速値をカットすることによって、静止また
は比較的動きの遅い体内構造物のカラー表示を抑制して
いる。

しかし、心臓の弁等の動きの速い体内構造物は、血流で
はないのにカラー表示がなされるため、画像が見にくく
なってしまう問題点がある。

そこで、この考案の目的は、心臓の弁等のように血流で
はないが動きの速い体内構造物がカラー表示されないよ
うに改良した超音波血流イメージング装置を提供するこ
とにある。

［課題を解決するための手段］ この考案の超音波血流イメージング装置は、超音波を利
用して得た血流速断層像を画面に表示する超音波血流イ
メージング装置において、各観測点における血流ドプラ
信号のパワー値を算出するパワー値算出手段と、そのパ
ワー値が所定のパワー上限閾値以上である観測点に対応
する血流速断層像の各観測点については画面表示をマス
キングするマスキング手段とを具備してなることを構成
上の特徴とするものである。

［作用］ 心臓の弁等からの反射エコー強度は血液からのそれに比
べて20dB程度以上大きいという観測事実を考慮すると、
パワー上限閾値Pthuの設定により動きの速い心臓の弁等
の体内構造物と血液とを区別可能である。

そこで、パワー上限閾値Pthu以上の領域について血流速
断層像をマスキングすることにより、心臓の弁等の動き
の速い体内構造物のカラー表示を抑制できることにな
る。

［実施例］ 以下、図に示す実施例によりこの考案を更に詳しく説明
する。なお、これによりこの考案が限定されるものでは
ない。

第１図は、この考案の一実施例の超音波血流イメージン
グ装置１を示すものである。

プローブ2,送受信部3,B/Mモード処理部4,DSC5,カラー表
示部6,直交検波器7,ドプラスペクトラム処理部8,MTIフ
ィルタ9,流速値演算部10,流速値平均部11,比較部12,パ
ワー演算部13,パワー平均部14,比較部15および選択スイ
ッチ16は、第３図で示した従来装置51と同様の構成要素
であり、同じ参照番号を付している。

比較部17は、所定のパワー上限閾値Pthu未満の領域の平
均化パワー値のみを取り出すものである。

マスキング部18は、平均化パワー値がパワー下限閾値Pt
h以上でパワー上限閾値Pthu未満の領域についての血流
速断層像はスルーとするが、平均化パワー値がパワー下
限閾値Pt未満か又はパワー上限閾値Pthu以上の領域につ
いての血流速断層像はカットするものである。

マスキングスイッチ19は、得られる血流速断層像に関し
て、パワー閾値によるマスキングを施すか否かを選択す
るものである。

第２図は、DSC5に入力される平均化されたデータの領域
を、縦軸に平均化パワー値P,横軸に平均化流速値Ｖを用
いて表わしたものである。

ここで、選択スイッチ16を第１図の実線側として得られ
るパワー断層像は、領域B,Dの平均化パワー値Ｐによる
画像である。

また、選択スイッチ16とマスキングスイッチ19とを第１
図の破線側として得られる血流速断層像は、領域A,B,C
における平均化流速値Ｖによりカラー表示された画像で
あり、従来装置51によるそれと同じである。

次に、選択スイッチ16を第１図の破線側にし且つマスキ
ングスイッチ19を実線側として得られる血流速断層像
は、領域Ｂにおける平均化流速値Ｖによりカラー表示さ
れた画像である。この血流速断層像は、従来は抑制でき
なかった動きの速い体内構造物のカラー表示を、領域Ａ
における平均化流速値のマスキングによって抑制すると
共に、ノイズのカラー表示も、領域Ｃにおける平均化流
速値のマスキングによって抑制したものである。

［考案の効果］ この考案の超音波血流イメージング装置によれば、静止
または比較的動きの遅い体内構造物のカラー表示抑制に
加え、心臓の弁等のように動きの速い体内構造物のカラ
ー表示も抑制される。

さらにS/N比が改善された画像を得ることが出来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例の超音波血流イメージング
装置のブロック図、第２図は第１図の実施例装置の作動
を説明するための概念図、第３図は従来の超音波血流イ
メージング装置の一例のブロック図である。 （符号の説明） １……超音波血流イメージング装置 11……流速値平均部 13……パワー演算部 14……パワー平均部 17……比較部 18……マスキング部 19……マスキングスイッチ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】超音波を利用して得た血流速断層像を画面
   に表示する超音波血流イメージング装置において、 各観測点における血流ドプラ信号のパワー値を算出する
   パワー値算出手段と、そのパワー値が所定のパワー上限
   閾値以上である観測点に対応する血流速断層像の各観測
   点については画面表示をマスキングするマスキング手段
   とを具備してなることを特徴とする超音波血流イメージ
   ング装置。