JPH07106992B2 - 2,6―ジメチルナフタレンの分離方法 - Google Patents
2,6―ジメチルナフタレンの分離方法Info
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- JPH07106992B2 JPH07106992B2 JP1145176A JP14517689A JPH07106992B2 JP H07106992 B2 JPH07106992 B2 JP H07106992B2 JP 1145176 A JP1145176 A JP 1145176A JP 14517689 A JP14517689 A JP 14517689A JP H07106992 B2 JPH07106992 B2 JP H07106992B2
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- complexing agent
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C7/00—Purification; Separation; Use of additives
- C07C7/148—Purification; Separation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound
- C07C7/152—Purification; Separation; Use of additives by treatment giving rise to a chemical modification of at least one compound by forming adducts or complexes
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、テトラシアノキノジメタン(以下TCNQと略記
する。)系の化合物を用いた2,6−ジメチルナフタレン
を含有する混合物からの2,6−ジメチルナフタレンを分
離する方法に関するものである。(以下ジメチルナフタ
レンをDMNと略記する。) (従来の技術) 2,6−DMNは、酸化によりナフタレン2,6−ジカルボン酸
を与え、ポリエステルや可塑剤などの工業上重要な原料
物質として注目されている。2,6−DMNは石油系または石
炭タール系の留分中に他のDMN異性体との混合物として
含まれている。しかしながら、DMNには10種の異性体が
存在し、内でも2,7−DMNは沸点が極めて近接しており、
蒸留によって経済的に高純度の2,6−DMNを得ることは困
難である。一方、結晶化分離においても、DMN類は共融
混合物を形成することが知られており、特に2,6−DMNと
2,7−DMNあるいは2,3−DMNは二成分系共融混合物を形成
するため、DMN混合物から2,6−DMNを高い選択率で回収
することは難しい。そのため、2,6−DMNの分離法につい
ては数多くの方法が提案されている。たとえば、特公昭
47−29895、特公昭47−38440などにはm−ニトロ安息香
酸と錯体を形成させて分離する方法が、特公昭55−4473
4にはp−ニトロ安息香酸と錯体を形成させて分離する
方法が述られている。しかし、これらの方法は錯体を分
解して2,6−DMNを主体とする成分を取り出す方法として
アルカリ分解が採用されており非常に繁雑な工程が必要
とされる。あるいは特公昭55−47021にはニトロベンゼ
ン類を用いて錯体分離する方法も提案されているが選択
性など充分とはいえない。
する。)系の化合物を用いた2,6−ジメチルナフタレン
を含有する混合物からの2,6−ジメチルナフタレンを分
離する方法に関するものである。(以下ジメチルナフタ
レンをDMNと略記する。) (従来の技術) 2,6−DMNは、酸化によりナフタレン2,6−ジカルボン酸
を与え、ポリエステルや可塑剤などの工業上重要な原料
物質として注目されている。2,6−DMNは石油系または石
炭タール系の留分中に他のDMN異性体との混合物として
含まれている。しかしながら、DMNには10種の異性体が
存在し、内でも2,7−DMNは沸点が極めて近接しており、
蒸留によって経済的に高純度の2,6−DMNを得ることは困
難である。一方、結晶化分離においても、DMN類は共融
混合物を形成することが知られており、特に2,6−DMNと
2,7−DMNあるいは2,3−DMNは二成分系共融混合物を形成
するため、DMN混合物から2,6−DMNを高い選択率で回収
することは難しい。そのため、2,6−DMNの分離法につい
ては数多くの方法が提案されている。たとえば、特公昭
47−29895、特公昭47−38440などにはm−ニトロ安息香
酸と錯体を形成させて分離する方法が、特公昭55−4473
4にはp−ニトロ安息香酸と錯体を形成させて分離する
方法が述られている。しかし、これらの方法は錯体を分
解して2,6−DMNを主体とする成分を取り出す方法として
アルカリ分解が採用されており非常に繁雑な工程が必要
とされる。あるいは特公昭55−47021にはニトロベンゼ
ン類を用いて錯体分離する方法も提案されているが選択
性など充分とはいえない。
(本発明が解決しようとする課題) 本発明はある特定の錯化剤と錯体を形成させた後簡単な
操作により、高い選択性を持もって2,6−DMNを分離回収
する方法を提供するものである。
操作により、高い選択性を持もって2,6−DMNを分離回収
する方法を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、2,6−DMNを含有する混合物(以下混合物と略
記する。)とTCNQ系の特定の錯化剤とを接触させ、生成
する錯化剤と2,6−DMNを主とする錯体を分離し、該錯体
から2,6−DMNを分離回収することを特徴とする2,6−DMN
の分離方法に関するものである。
記する。)とTCNQ系の特定の錯化剤とを接触させ、生成
する錯化剤と2,6−DMNを主とする錯体を分離し、該錯体
から2,6−DMNを分離回収することを特徴とする2,6−DMN
の分離方法に関するものである。
以下に本発明を詳述する。
本発明の方法に適用し得る混合物としては、2,6−DMNを
含有するものであればよく、2,6−DMNとの錯体形成を阻
害したり、該錯体を溶解する成分を含まないものが好適
であり、石油系または石炭タール系に由来する各種のDM
Nを含有する炭化水素油、特に石油精製における接触分
解あるいは接触改質の際に得られる沸点が240〜280℃の
留分が好ましい。また、2,6−DMNを分離した後の、2,6
−DMNの濃度が低くなったDMN混合物を異性化し、2,6−D
MNの濃度を高めた生成物、ナフタレンあるいはメチルナ
フタレンをメチル化して得られた生成物、メチルナフタ
レン等を不均化して得られた生成物などであってもよ
い。混合物中の2,6−DMNの含有率が高い程分離油中の2,
6−DMN濃度は高くなり有利なことは当然であるが、混合
物の2,6−DMN濃度は、1重量%以上、好ましくは5重量
%以上が望ましい。
含有するものであればよく、2,6−DMNとの錯体形成を阻
害したり、該錯体を溶解する成分を含まないものが好適
であり、石油系または石炭タール系に由来する各種のDM
Nを含有する炭化水素油、特に石油精製における接触分
解あるいは接触改質の際に得られる沸点が240〜280℃の
留分が好ましい。また、2,6−DMNを分離した後の、2,6
−DMNの濃度が低くなったDMN混合物を異性化し、2,6−D
MNの濃度を高めた生成物、ナフタレンあるいはメチルナ
フタレンをメチル化して得られた生成物、メチルナフタ
レン等を不均化して得られた生成物などであってもよ
い。混合物中の2,6−DMNの含有率が高い程分離油中の2,
6−DMN濃度は高くなり有利なことは当然であるが、混合
物の2,6−DMN濃度は、1重量%以上、好ましくは5重量
%以上が望ましい。
本発明に適用し得る錯化剤としては、ビス〔1,2,5〕チ
アジアゾロテトラシアノキノジメタン(構造式I,以下BT
DA−TCNQと略記する。)、 2,6−ジクロロテトラシアノアントラキノジメタン(構
造式II,以下2,6−Cl2−TCNAQと略記する。)、 2,6−ジヨードテトラシアノアントラキノジメタン(構
造式III,以下2,6−I2−TCNAQと略記する。)、 〔1,2,5〕チアジアゾロテトラシアノナフトキノジメタ
ン(構造式IV,以下TDA−TCNNQと略記する。)、 〔1,2,5〕セレナジアゾロテトラシアノナフトキノジメ
タン(構造式V,以下SeDA−TCNNQと略記する。)、 のTCNQ系化合物のうちのいずれか一つを選ぶことができ
る。これらの錯化剤は、混合物中の2,6−DMNが錯化剤に
対して通常10倍モル以下となるように添加される。BTDA
−TCNQの場合この比率は、0.5〜5倍モルが好ましく、
2,6Cl2−TCNAQ及び2,6I2−TCNAQの場合この比率は、0.5
〜5倍モルが好ましく、TDA−TCNNQ及びSeDA−TCNNQの
場合この比率は、0.3〜4倍モルが好ましい。
アジアゾロテトラシアノキノジメタン(構造式I,以下BT
DA−TCNQと略記する。)、 2,6−ジクロロテトラシアノアントラキノジメタン(構
造式II,以下2,6−Cl2−TCNAQと略記する。)、 2,6−ジヨードテトラシアノアントラキノジメタン(構
造式III,以下2,6−I2−TCNAQと略記する。)、 〔1,2,5〕チアジアゾロテトラシアノナフトキノジメタ
ン(構造式IV,以下TDA−TCNNQと略記する。)、 〔1,2,5〕セレナジアゾロテトラシアノナフトキノジメ
タン(構造式V,以下SeDA−TCNNQと略記する。)、 のTCNQ系化合物のうちのいずれか一つを選ぶことができ
る。これらの錯化剤は、混合物中の2,6−DMNが錯化剤に
対して通常10倍モル以下となるように添加される。BTDA
−TCNQの場合この比率は、0.5〜5倍モルが好ましく、
2,6Cl2−TCNAQ及び2,6I2−TCNAQの場合この比率は、0.5
〜5倍モルが好ましく、TDA−TCNNQ及びSeDA−TCNNQの
場合この比率は、0.3〜4倍モルが好ましい。
混合物と錯化剤の接触は、混合物が液体の場合はそのま
ま、あるいは混合物が液体又は固体の場合は、混合物を
石油エーテル,n−ペンタン,n−ヘキサン,n−ヘプタンな
どの軽質パラフィン系溶剤,ベンゼン,トルエン、ある
いはジクロロメタン,クロロホルムなどの塩素化パラフ
ィン系溶剤に溶解させた溶液とし、これに錯化剤を粉末
状態で添加して、−30℃〜220℃で撹拌混合させる。そ
の後錯体形成は温度−30℃〜150℃、特に0℃〜100℃で
行うのが好適である。その間、必要があれば攪拌を行な
う。錯体形成に要する時間は、混合物の組成や錯体形成
の条件により異なるが、概略1分から48時間である。
ま、あるいは混合物が液体又は固体の場合は、混合物を
石油エーテル,n−ペンタン,n−ヘキサン,n−ヘプタンな
どの軽質パラフィン系溶剤,ベンゼン,トルエン、ある
いはジクロロメタン,クロロホルムなどの塩素化パラフ
ィン系溶剤に溶解させた溶液とし、これに錯化剤を粉末
状態で添加して、−30℃〜220℃で撹拌混合させる。そ
の後錯体形成は温度−30℃〜150℃、特に0℃〜100℃で
行うのが好適である。その間、必要があれば攪拌を行な
う。錯体形成に要する時間は、混合物の組成や錯体形成
の条件により異なるが、概略1分から48時間である。
上述の如くして形成された錯体を含む固体を分離するに
は、通常のろ過,遠心分離,沈降などの固液分離方法が
適用される。この固体を石油エーテル,n−ペンタン,n−
ヘキサン,n−ヘプタンなどの軽質パラフィン系溶剤ある
いはメタノール,エタノールなどで洗浄することによ
り、2,6−DMNの純度をさらに向上させることができる。
は、通常のろ過,遠心分離,沈降などの固液分離方法が
適用される。この固体を石油エーテル,n−ペンタン,n−
ヘキサン,n−ヘプタンなどの軽質パラフィン系溶剤ある
いはメタノール,エタノールなどで洗浄することによ
り、2,6−DMNの純度をさらに向上させることができる。
ついで、錯体を含む固体を化合物による分解、加熱分解
などの適当な方法を用いて分解することにより2,6−DMN
に富んだ分解油を回収する。
などの適当な方法を用いて分解することにより2,6−DMN
に富んだ分解油を回収する。
化合物による分解にはエステル類,アセトニトリル類,
芳香族炭化水素類,塩素化パラフィン類,エーテル類,
アルコール類,パラフィン系炭化水素類,ケトン類など
の化合物を用いることができる。
芳香族炭化水素類,塩素化パラフィン類,エーテル類,
アルコール類,パラフィン系炭化水素類,ケトン類など
の化合物を用いることができる。
化合物による分解は、錯体を含む固体1重量部とエステ
ル類などの前記化合物5〜100重量部とを温度0℃乃至
化合物の沸点以下の温度で、5分〜5時間混合攪拌する
ことにより分解することが可能である。分解後は、蒸
留,抽出,吸着などの適当な方法で化合物、錯化剤及び
2,6−DMNを分離回収する。
ル類などの前記化合物5〜100重量部とを温度0℃乃至
化合物の沸点以下の温度で、5分〜5時間混合攪拌する
ことにより分解することが可能である。分解後は、蒸
留,抽出,吸着などの適当な方法で化合物、錯化剤及び
2,6−DMNを分離回収する。
加熱分解は分離油を直接回収することができるばかりで
なく、分離油を回収した後、錯化剤をそのまま再利用で
きることから好ましい方法である。
なく、分離油を回収した後、錯化剤をそのまま再利用で
きることから好ましい方法である。
加熱分解は錯化剤の再利用を可能にするために減圧下の
加熱とし、通常は圧力1mmHg〜50mmHg、温度50℃〜200℃
で行なわれる。好ましくは圧力1mmHg〜50mmHgの減圧下
で、BTDA−TCNQの場合130℃〜180℃、2,6−Cl2−TCNAQ
及び2,6−I2−TCNAQの場合100℃〜150℃、TDA−TCNNQ及
びSeDA−TCNNQの場合140℃〜190℃が採用される。分解
後の錯化剤はいずれも繰返し使用可能である。
加熱とし、通常は圧力1mmHg〜50mmHg、温度50℃〜200℃
で行なわれる。好ましくは圧力1mmHg〜50mmHgの減圧下
で、BTDA−TCNQの場合130℃〜180℃、2,6−Cl2−TCNAQ
及び2,6−I2−TCNAQの場合100℃〜150℃、TDA−TCNNQ及
びSeDA−TCNNQの場合140℃〜190℃が採用される。分解
後の錯化剤はいずれも繰返し使用可能である。
また、このような錯体の形成及び分離により回収した分
離油に対して、更に錯体の形成及び分解を繰り返し行う
ことにより、2,6−DMNの純度を高めることが可能であ
る。
離油に対して、更に錯体の形成及び分解を繰り返し行う
ことにより、2,6−DMNの純度を高めることが可能であ
る。
すなわち本発明は、従来の方法に比べ操作が簡単で、高
い選択性を持って2,6−DMNを分離回収できるばかりでな
く、錯化剤の再利用が可能であるため、工業的に有用な
方法を提供するものである。
い選択性を持って2,6−DMNを分離回収できるばかりでな
く、錯化剤の再利用が可能であるため、工業的に有用な
方法を提供するものである。
(実施例) 以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれ
に限定されるものではない。
に限定されるものではない。
実施例1 2,6−DMNを含有する混合物として、第1表に示す組成の
原料油(石油系接触改質油の250〜270℃留分)18.0gにB
TDA−TCNQの粉末(100〜325メッシュ)986mgを添加し
て、攪拌しながら170℃に加熱し、引続き攪拌下に室温
で4時間放冷した。生成した沈澱物をろ別しn−ヘキサ
ンで洗浄後、減圧乾燥し錯体を含む固体1.41gを得た。
この固体を圧力14mmHg、温度150℃で加熱分解し、発生
するガスを冷却して分離油461mgを回収した。残存した
黄色の結晶は元素分析及び赤外分光分析からBTDA−TCNQ
であることを確認した。原料油及び分離油のガスクロマ
トグラフによる組成分析結果を第1表に示す。
原料油(石油系接触改質油の250〜270℃留分)18.0gにB
TDA−TCNQの粉末(100〜325メッシュ)986mgを添加し
て、攪拌しながら170℃に加熱し、引続き攪拌下に室温
で4時間放冷した。生成した沈澱物をろ別しn−ヘキサ
ンで洗浄後、減圧乾燥し錯体を含む固体1.41gを得た。
この固体を圧力14mmHg、温度150℃で加熱分解し、発生
するガスを冷却して分離油461mgを回収した。残存した
黄色の結晶は元素分析及び赤外分光分析からBTDA−TCNQ
であることを確認した。原料油及び分離油のガスクロマ
トグラフによる組成分析結果を第1表に示す。
実施例2 実施例1で回収した分離油448mgをジクロロメタンに溶
解し、これにBTDA−TCNQの粉末(100〜325メッシュ)18
0mgを添加して、室温にて2時間混合攪拌した。生成し
た沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し錯
体を含む固体267mgを得た。この固体を圧力14mmHg、温
度150℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油8
7mgを回収した。残存した黄色の結晶は元素分析及び赤
外分光分析からBTDA−TCNQであることを確認した。分離
油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を第1表に
示す。
解し、これにBTDA−TCNQの粉末(100〜325メッシュ)18
0mgを添加して、室温にて2時間混合攪拌した。生成し
た沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し錯
体を含む固体267mgを得た。この固体を圧力14mmHg、温
度150℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油8
7mgを回収した。残存した黄色の結晶は元素分析及び赤
外分光分析からBTDA−TCNQであることを確認した。分離
油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を第1表に
示す。
実施例3 実施例1と同じ原料油3.35gに、実施例1で回収したBTD
A−TCNQ181mgを添加して、撹拌しながら170℃に加熱
し、引続き攪拌下に室温で4時間放冷した。生成した沈
澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し錯体を
含む固体258mgを得た。この固体を圧力14mmHg、温度150
℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油85mgを
回収した。残存した黄色の結晶は元素分析及び赤外分光
分析からBTDA−TCNQであることを確認した。分離油のガ
スクロマトグラフによる組成分析結果を第1表に示す。
A−TCNQ181mgを添加して、撹拌しながら170℃に加熱
し、引続き攪拌下に室温で4時間放冷した。生成した沈
澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し錯体を
含む固体258mgを得た。この固体を圧力14mmHg、温度150
℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油85mgを
回収した。残存した黄色の結晶は元素分析及び赤外分光
分析からBTDA−TCNQであることを確認した。分離油のガ
スクロマトグラフによる組成分析結果を第1表に示す。
実施例4 実施例1と同じ原料油2.46gに、SeDA−TCNNQの粉末(10
0〜325メッシュ)166mgを添加して、攪拌しながら170℃
に加熱し、引続き攪拌下に室温で39時間放冷した。生成
した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し
錯体を含む固体192mgを得た。この固体を圧力14mmHg、
温度145℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離
油34mgを回収した。残存した灰緑色の結晶は元素分析及
び赤外分光分析からSeDA−TCNNQであることを確認し
た。分離油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を
第1表に示す。
0〜325メッシュ)166mgを添加して、攪拌しながら170℃
に加熱し、引続き攪拌下に室温で39時間放冷した。生成
した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し
錯体を含む固体192mgを得た。この固体を圧力14mmHg、
温度145℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離
油34mgを回収した。残存した灰緑色の結晶は元素分析及
び赤外分光分析からSeDA−TCNNQであることを確認し
た。分離油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を
第1表に示す。
実施例5 実施例1と同じ原料油3.38gに、TDA−TCNNQの粉末(100
〜325メッシュ)199mgを添加して、攪拌しながら170℃
に加熱し、引続き攪拌下に室温で9時間放冷した。生成
した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し
錯体を含む固体235mgを得た。この固体を圧力14mmHg,温
度145℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油4
7mgを回収した。残存した黄土色の結晶は、元素分析及
び赤外分光分析からTDA−TCNNQであることを確認した。
分離油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を第1
表に示す。
〜325メッシュ)199mgを添加して、攪拌しながら170℃
に加熱し、引続き攪拌下に室温で9時間放冷した。生成
した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥し
錯体を含む固体235mgを得た。この固体を圧力14mmHg,温
度145℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分離油4
7mgを回収した。残存した黄土色の結晶は、元素分析及
び赤外分光分析からTDA−TCNNQであることを確認した。
分離油のガスクロマトグラフによる組成分析結果を第1
表に示す。
実施例6 実施例1と同じ原料油2.00gに、2,6−Cl2−TCNAQの粉末
(100〜325メッシュ)141mgを添加して、攪拌しながら1
70℃に加熱し、引続き攪拌下に室温で8時間放冷した。
生成した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾
燥し錯体を含む固体188mgを得た。この固体を圧力14mmH
g,温度130℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分
離油56mgを回収した。残存したオレンジ色の結晶は、元
素分析、赤外分光分析及び融点から2,6−Cl2−TCNAQで
あることを確認した。分離油のガスクロマトグラフによ
る組成分析結果を第1表に示す。
(100〜325メッシュ)141mgを添加して、攪拌しながら1
70℃に加熱し、引続き攪拌下に室温で8時間放冷した。
生成した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾
燥し錯体を含む固体188mgを得た。この固体を圧力14mmH
g,温度130℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分
離油56mgを回収した。残存したオレンジ色の結晶は、元
素分析、赤外分光分析及び融点から2,6−Cl2−TCNAQで
あることを確認した。分離油のガスクロマトグラフによ
る組成分析結果を第1表に示す。
実施例7 実施例1と同じ原料油1.50gに2,6−I2−TCNAQの粉末(1
00〜325メッシュ)158mgを添加して、攪拌しながら170
℃に加熱し、引続き攪拌下に室温で8時間放冷した。生
成した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥
し錯体を含む固体192mgを得た。この固体を圧力14mmH
g、温度140℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分
離油42mgを回収した。残存した黄色の結晶は、元素分
析、赤外分光分析及び融点から2,6−I2−TCNAQであるこ
とを確認した。分離油のガスクロマトグラフによる組成
分析結果を第1表に示す。
00〜325メッシュ)158mgを添加して、攪拌しながら170
℃に加熱し、引続き攪拌下に室温で8時間放冷した。生
成した沈澱物をろ別しn−ヘキサンで洗浄後、減圧乾燥
し錯体を含む固体192mgを得た。この固体を圧力14mmH
g、温度140℃で加熱分解し、発生するガスを冷却して分
離油42mgを回収した。残存した黄色の結晶は、元素分
析、赤外分光分析及び融点から2,6−I2−TCNAQであるこ
とを確認した。分離油のガスクロマトグラフによる組成
分析結果を第1表に示す。
実施例8 BTDA−TCNQを用いて実施例1と同様にして得た錯体を含
む固体(原料固体)を、第2表に示す各化合物と混合
し、20℃にて1時間混合攪拌し、残存した固体をろ別、
n−ヘキサンで洗浄後、5mmHgで減圧乾燥した。乾燥し
た原料固体及び残存固体中に含まれるBTDA−TCNQを定量
し、錯体の分解率を求めた。結果を第2表に示す。
む固体(原料固体)を、第2表に示す各化合物と混合
し、20℃にて1時間混合攪拌し、残存した固体をろ別、
n−ヘキサンで洗浄後、5mmHgで減圧乾燥した。乾燥し
た原料固体及び残存固体中に含まれるBTDA−TCNQを定量
し、錯体の分解率を求めた。結果を第2表に示す。
ここに、分解率は、1から原料固体の錯体を形成してい
る錯化剤に対する残存固体の錯体を形成している錯化剤
の比を引き、それを100倍した値をいう。
る錯化剤に対する残存固体の錯体を形成している錯化剤
の比を引き、それを100倍した値をいう。
比較例1 実施例1と同じ原料油20.0gに、m−ニトロ安息香酸5.0
gを加え100℃で15分加熱した。放置冷却後、ろ過し、石
油エーテルで洗浄し錯体を含む固体を回収した。この固
体をエチルエーテルに溶解し5%苛性ソーダで数回洗浄
し、その後水洗いした。ついでエーテルを蒸留除去し34
0mgの固体を回収した。固体のガスクロマトグラフによ
る組成分析結果を第1表に示す。
gを加え100℃で15分加熱した。放置冷却後、ろ過し、石
油エーテルで洗浄し錯体を含む固体を回収した。この固
体をエチルエーテルに溶解し5%苛性ソーダで数回洗浄
し、その後水洗いした。ついでエーテルを蒸留除去し34
0mgの固体を回収した。固体のガスクロマトグラフによ
る組成分析結果を第1表に示す。
(発明の効果) 本発明に係る2,6−DMNを含有する混合物と錯化剤を接触
させることにより生成する錯体から2,6−DMNを回収する
方法は、2,6−DMNの選択性、錯体からの分離回収性に優
れている。即ち2,6−DMNを含有する混合物と錯化剤とを
混合攪拌するという単純な操作で、高い選択性を持って
2,6−DMNと錯化剤の錯体を形成することができ、また、
混合物が液体であれば、錯化剤とそのまま混合すること
により、固体の場合は溶剤に溶解することにより容易に
錯体を作ることが可能である。以後の操作も通常の固液
分離法などが適用可能であり、更に分離された錯体を減
圧下における加熱等の簡単な操作で、高純度の2,6−DMN
を分離回収することができ、同時に再生する錯化剤をそ
のまま繰返し循環使用することが可能であるなど実用上
多くの利点を有している。
させることにより生成する錯体から2,6−DMNを回収する
方法は、2,6−DMNの選択性、錯体からの分離回収性に優
れている。即ち2,6−DMNを含有する混合物と錯化剤とを
混合攪拌するという単純な操作で、高い選択性を持って
2,6−DMNと錯化剤の錯体を形成することができ、また、
混合物が液体であれば、錯化剤とそのまま混合すること
により、固体の場合は溶剤に溶解することにより容易に
錯体を作ることが可能である。以後の操作も通常の固液
分離法などが適用可能であり、更に分離された錯体を減
圧下における加熱等の簡単な操作で、高純度の2,6−DMN
を分離回収することができ、同時に再生する錯化剤をそ
のまま繰返し循環使用することが可能であるなど実用上
多くの利点を有している。
Claims (7)
- 【請求項1】2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合
物と錯化剤として次に示すAからEのうちから選ばれた
1つの化合物を混合接触させ、生成する錯化剤と2,6−
ジメチルナフタレンとの錯体を分離し、該錯体を分解し
て2,6−ジメチルナフタレンを分離回収することを特徴
とする2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合物から
の2,6−ジメチルナフタレンの分離方法。 A.ビス〔1,2,5〕チアジアゾロテトラシアノキノジメタ
ン B.〔1,2,5〕セレナジアゾロテトラシアノナフトキノジ
メタン C.〔1,2,5〕チアジアゾロテトラシアノナフトキノジメ
タン D.2,6−ジクロロテトラシアノアントラキノジメタン E.2,6−ジヨードテトラシアノアントラキノジメタン - 【請求項2】2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合
物が、炭化水素油である請求項第1項記載の2,6−ジメ
チルナフタレンの分離方法。 - 【請求項3】2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合
物が、石油系の接触改質油又は接触分解油の240℃〜280
℃留分である請求項第1項記載の2,6−ジメチルナフタ
レンの分離方法。 - 【請求項4】2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合
物と錯化剤を接触する際に、該混合物を軽質炭化水素系
溶剤あるいは塩素化パラフィン系溶剤に溶解させた溶液
とし、これに錯化剤を添加して混合接触することよりな
る請求項第1項記載の2,6−ジメチルナフタレンの分離
方法。 - 【請求項5】2,6−ジメチルナフタレンを含有する混合
物と錯化剤とを接触して錯体を形成させる方法が、0℃
〜100℃にて混合接触することよりなる請求項第1項記
載の2,6−ジメチルナフタレンの分離方法。 - 【請求項6】2,6−ジメチルナフタレンと錯化剤との錯
体を分解する方法が、1mmHg〜50mmHgの減圧下50℃〜200
℃の温度に加熱することよりなる請求項第1項記載の2,
6−ジメチルナフタレンの分離方法。 - 【請求項7】2,6−ジメチルナフタレンと錯化剤との錯
体を減圧下で加熱分解し、回収した錯化剤を錯体形成に
循環再使用することよりなる請求項第1項記載の2,6−
ジメチルナフタレンの分離方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14377288 | 1988-06-13 | ||
JP63-143772 | 1988-06-13 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0276830A JPH0276830A (ja) | 1990-03-16 |
JPH07106992B2 true JPH07106992B2 (ja) | 1995-11-15 |
Family
ID=15346663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1145176A Expired - Lifetime JPH07106992B2 (ja) | 1988-06-13 | 1989-06-09 | 2,6―ジメチルナフタレンの分離方法 |
Country Status (4)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4940832A (ja) |
EP (1) | EP0346842B1 (ja) |
JP (1) | JPH07106992B2 (ja) |
DE (1) | DE68905673T2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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CN103896966B (zh) * | 2014-04-16 | 2016-08-24 | 吉林大学 | 一类阳极修饰薄膜材料及其在电致发光器件中的应用 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US3670039A (en) * | 1970-05-01 | 1972-06-13 | Sun Oil Co | Fractionation of c{11 {11 {11 bicyclic aromatic hydrocarbons by tetrahalophthalic anhydride complex formation |
US3855334A (en) * | 1973-10-29 | 1974-12-17 | Sun Ventures Inc | Separation of 2,6-dimethylnaphthalene by complexation |
US3870745A (en) * | 1973-10-29 | 1975-03-11 | Sun Ventures Inc | Complex of 2,6-dimethylnaphthalene and 2-cyano-6-methylnaphthalene |
US3936509A (en) * | 1974-11-04 | 1976-02-03 | Teijin Limited | Process for separating dimethyl naphthalenes comprising 2,6-dimethyl naphthalenes as main component |
JPS58188B2 (ja) * | 1978-09-27 | 1983-01-05 | 沖電気工業株式会社 | 半導体装置 |
JPS5547021A (en) * | 1978-09-29 | 1980-04-02 | Akebono Brake Ind Co Ltd | Small disc brake incorporating reservoir |
JPS6041622A (ja) * | 1984-06-20 | 1985-03-05 | Teijin Ltd | P−キシレン含有混合物からのp−キシレンの分離法 |
-
1989
- 1989-06-09 JP JP1145176A patent/JPH07106992B2/ja not_active Expired - Lifetime
- 1989-06-13 EP EP89110708A patent/EP0346842B1/en not_active Expired - Lifetime
- 1989-06-13 DE DE89110708T patent/DE68905673T2/de not_active Expired - Fee Related
- 1989-06-13 US US07/365,635 patent/US4940832A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
DE68905673T2 (de) | 1993-09-30 |
US4940832A (en) | 1990-07-10 |
DE68905673D1 (de) | 1993-05-06 |
EP0346842A1 (en) | 1989-12-20 |
EP0346842B1 (en) | 1993-03-31 |
JPH0276830A (ja) | 1990-03-16 |
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