JPH07103272B2 - ポリオレフィン組成物 - Google Patents

ポリオレフィン組成物

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JPH07103272B2
JPH07103272B2 JP62284801A JP28480187A JPH07103272B2 JP H07103272 B2 JPH07103272 B2 JP H07103272B2 JP 62284801 A JP62284801 A JP 62284801A JP 28480187 A JP28480187 A JP 28480187A JP H07103272 B2 JPH07103272 B2 JP H07103272B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は,腐食性,機械的及び光学的性質を改良し,熱
安定性が良く,色調の良好なポリオレフィン組成物に関
するものである。
<従来の技術> 従来ポリエチレン,ポリプロピレンなどのポリオレフィ
ンは優れた機械的及び化学的性質を有するために多くの
分野で使用されている。これらのポリオレフィンは,融
点以上,通常は200℃以上,時には300℃近い温度で加工
される。しかしながら,ポリオレフィンは加工時又は使
用時に,熱,光及び酸素の作用により劣化し,その機械
的性質などが著しく低下するために,例えば2,6−ジ−
t−ブチル−p−クレゾール,テトラキス〔メチレン−
3−(3・5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロピオネート〕メタンなどのフェノール系安定
剤,更には,ジラウリル−チオ−ジプロピオネート,ジ
ミリスチル−チオ−ジプロピオネートなどのイオウ系安
定剤,ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイ
ト,サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)などのリン系安
定剤を併用し,又,更には,例えば屋外で使用すること
が多い製品には,ベンゾフェノン系,ベンゾトリアゾー
ル系及びヒンダードアミン系の耐候剤が添加されること
は周知の通りである。
又,溶融した樹脂を速く結晶化させることによって成形
速度を増して単位時間当りの生産性を向上させること,
及び,製品の機械的,光学的性質を向上させ商品価値を
高めるために造核剤が添加される。造核剤としては,ソ
ルビトール誘導体,芳香族モノカルボン酸のアルミニウ
ム塩,タルクなどが知られているが,とりわけp−t−
ブチル安息香酸アルミニウム(以下PTBBA−Alと略称す
る)が常用されている。
又,本発明に係る新規ポリマー型の造核剤は,例えば,
特開昭60−139710号公報及び特開昭60−139731号公報等
に開示されている。
これらのポリオレフィンは,チーグラー型触媒を用いて
重合されるが,ポリオレフィン中には使用した触媒に起
因するハロゲン化合物が含有され,その含有量の多いポ
リオレフィンをそのまま成形すると成形時にハロゲン化
水素が発生し,成形機を腐食させる。
この腐食を防止するために従来は,ポリオレフィンより
触媒残渣をアルコール等を用いて抽出除去する,いわゆ
る脱灰法と発錆防止剤を添加する方法とが用いられてき
た。
ところが,近年,活性の高い触媒が開発され,相対的に
ポリオレフィン中の触媒残渣量が減少するにともなっ
て,複雑な工程を必須とする脱灰プロセスから,触媒残
渣を除去しない合理化された無脱灰プロセスが開発され
つつある。しかしながら,この方法で製造されたポリオ
レフィン中の触媒残渣量は,脱灰法で製造されたものに
比べ,まだ高く,満足するレベルに到達していない。従
って,このようなポリオレフィンにとって発錆防止対策
は,従来にも増して重要である。
発錆防止剤としては,アルカリ土類金属化合物即ち,酸
化物,水酸化物,脂肪酸金属塩あるいはハイドロタルサ
イト等のような複化合物が知られている。中でも,脂肪
酸金属塩,とりわけステアリン酸カルシウムが一般に常
用されている。
<発明が解決しようとする問題点> 触媒残渣に基づく塩素量の多いポリオレフィンに発錆防
止剤,安定剤,耐候剤及び造核剤を配合し,成形すると
次のような問題点が生じる。
例えば,造核剤としてPTBBA−Al及び発錆防止剤として
ステアリン酸カルシウムを用いた場合には,PTBBA−Al無
添加の場合よりも腐食が非常に悪化する。両者のステア
リン酸を分析したところ,PTBBA−Alを添加した場合の方
が非常にステアリン酸遊離量が多いことより,腐食悪化
の原因は両者が反応し,分解するためと推定される。腐
食はステアリン酸カルシウムを増量することによって改
良されるものの,造核効果が阻害されるため,所望の性
能を得るためには,造核剤の増量が必要になる。
一方,PTBBA−Alは安定性を阻害するため,その増量は安
定剤の増量が必要になるなどの問題につながる。これら
はいずれも添加剤の増量,即ち,コストアップ要因とな
り,工業上好ましくなく解決しなければならない重要な
問題である。
又,PTBBA−Alを用いた場合の弊害としては,例えば,特
開昭52−115850号公報にベンゾトリアゾールあるいはベ
ンゾフェノン系の紫外線吸収剤と併用すると著しく着色
し商品価値を落すため特別の着色防止対策が必要である
ことが開示されている。
一方,造核剤としてソルビトール誘導体を用いた場合の
問題点としては,例えば,特開昭62−138545号公報には
触媒残渣の塩素により分解し,アルデヒド類が生成し,
臭気原因となり,あるいは得られた成形体より有機物質
の溶出による安全衛生上の問題,更には,透明性の長期
持続性を損うなどの問題があることが開示されている。
更には,ソルビトール誘導体は加工時にロール汚れの発
生等の問題をともない又,機械的性質の改良効果も小さ
いことより用途的に制限される。
又,造核剤としてタルクを用いた場合には無機物のた
め,例えば,フィルム用途においてはフィッシュアイが
生じ商品価値を損い,又,その造核効果も小さいことよ
り制限された用途しか用いることができない。
本発明者らは,このような塩素含有量の多いポリオレフ
ィンにPTBBA−Al,又はソルビトール誘導体等を用いるこ
とによる各種の問題点を改良すべく鋭意検討した結果,
新規のポリマータイプの造核剤を用いることにより改良
できることを見出し,本発明に至った。
<問題点を解決するための手段> 本発明は,触媒残さに起因する塩素原子を5wt ppm以上
含有するポリオレフィンに対して,炭素数6以上のビニ
ルシクロアルカンを重合してなるビニルシクロアルカン
重合体及び発錆防止剤とを含有することを特徴とするポ
リオレフィン組成物である。
本発明で対象とするポリオレフィンはエチレン,プロピ
レン,1−ブテン,4−メチル,ペンテン−1などの単独重
合体及び共重合体あるいはブロック共重合体である。特
にプロピレン重合体及びプロピレン,エチレン共重合体
あるいはブロック共重合体が好適に用いられる。
これらのポリオレフィンは,ヘプタン等の溶媒中で重合
するスラリー重合法により製造され,脱灰プロセスを経
たものを用いてもよいが,後述の触媒を用いて液モノマ
ー中で重合する塊状重合法,気相モノマー中で重合する
気相重合法,即ち本質的に溶媒を媒体としない重合方法
によって製造されるポリオレフィンに特に有効である。
触媒残渣に起因する塩素原子が5wt ppm〜500wt ppm,特
に10wt ppm以上のポリオレフィンに対して顕著な効果を
発現する。
本発明で用いられる該ビニルシクロアルカン重合体と
は,該ビニルシクロアルカン単独重合体,該ビニルシク
ロアルカンと少量の他のビニルシクロアルカン又はα−
オレフィンとのランダム共重合体,または該ビニルシク
ロアルカンとα−オレフィンのブロック共重合体を意味
するものである。該ビニルシクロアルカンブロック共重
合体とは,(1)第1段階で該ビニルシクロアルカンを
重合し,第2段階でプロピレンの単独重合を行なった共
重合体,(2)第1段階で該ビニルシクロアルカンを重
合し第2段階でプロピレンと他のα−オレフィンとのラ
ンダム共重合を行なった共重合体,(3)第1段階でプ
ロピレンの単独重合を行ない第2段階で該ビニルシクロ
アルカンの重合を行ない,第3段階で再びプロピレンの
単独又は他のα−オレフィンとのランダム共重合を行な
った共重合体等の該ビニルシクロアルカンと各種α−オ
レフィンとの多段共重合体である。これらの該ビニルシ
クロアルカン重合体のうち,好ましい重合体は該ブロッ
ク共重合体であり,さらに好ましい重合体は上記(1)
〜(3)に示した様なプロピレンとのブロック共重合体
である。
本発明に用いられる炭素数6以上のビニルシクロアルカ
ンには,ビニルシクロブタン,ビニルシクロペンタン,
ビニル−3−メチルシクロペンタン,ビニルシクロヘキ
サン,ビニル−2−メチルシクロヘキサン,ビニル−3
−メチルシクロヘキサン,ビニルノルボルナン等が挙げ
られる。これらのうち炭素数8以上のビニルシクロアル
カンがさらに好ましい化合物である。
本発明のポリオレフィン組成物中の該ビニルシクロアル
カン単位の含有量は,ポリオレフィン本来の物性を変化
させることなく改良効果が発現する為には0.05wt ppm〜
1wt%が必要であり,好ましくは0.5wt ppm〜0.5wt%,
さらに好ましくは0.5wt ppm〜0.1wt%である。
本発明に用いられるポリオレフィン及び該ビニルシクロ
アルカン重合体の製造は,チタン化合物と有機アルミニ
ウム化合物からなる触媒系で好適に製造される。チタン
化合物としては,東洋ストーファー社,東洋チタニウム
社,丸紅・ソルベー社等から市販されている三塩化チタ
ン触媒が挙げられる。また特開昭57−59916号公報,同5
5−133408号公報等に記載されたマグネシウム化合物に
チタン化合物が担持された触媒も好適に使用される。有
機アルミニウム化合物としては,AlXaR3−a(X:ハロゲ
ン原子,アルコキシ基,又は水素原子,R:炭素1〜18の
アルキル基,a:0≦a<3なる数)で示されるアルキルア
ルミニウム化合物が好ましく,具体的化合物例としてAl
(CH33,Al(C2H53,Al(C2H52Cl,Al(C2H5)Br,Al
(C2H5(OCH4),Al(C2H5(OC4H9),Al(C
2H5)(OC4H92,Al(C2H5)Cl2,Al(C4H93,Al(C
4H92Cl,Al(C6H133,Al(C6H132Cl等及びこれらの
混合物が挙げられる。また重合時に重合体の立体規則性
を向上させる為にカルボン酸エステル,リン酸エステル
又はケイ酸エステル等の電子供与体を添加して,ポリオ
レフィン及び該ビニルシクロアルカン重合体を重合する
ことも可能である。
本発明で用いる発錆防止剤としては,次のようなものが
例示できる。
(A) アルカリ及びアルカリ土類金属化合物 例えば,酸化ナトリウム,酸化カリウム,酸化カルシウ
ム,酸化亜鉛,酸化アルミニウム,酸化マグネシウム,
水酸化ナトリウム,水酸化カリウム,水酸化カルシウ
ム,水酸化亜鉛,水酸化アルミニウム(アルミナ水和
物),水酸化マグネシウム,アルミン酸ソーダ及びけい
酸ソーダ,炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,炭酸カルシ
ウム等があげられる。
(B) 複化合物 一般式 MxAly(OH)2x+3y−2z(A)z・aH2O(MはM
g,CaまたはZn,AはCO3またはHPO4,x,y,zは正数,aは零ま
たは正数)で示される複化合物であって,例えば, Mg6Al2(OH)16CO3・4H2O,Mg8Al2(OH)20CO3・5H2O,Mg
5Al2(OH)14CO3・4H2O,Mg10Al2(OH)22(CO3・ 4H2O,Mg6Al2(OH)16HPO4・4H2O, Ca6Al2(OH)16CO3・4H2O,Zn6Al6(OH)16CO3・4H2O, などがあげられる。これら複化合物の中では,MがMgであ
り,AがCO3である化合物がもっとも好ましい。
(C) アルキル乳酸金属塩,乳酸金属塩 例えば,アルキル乳酸金属塩としては,重合度2の乳酸
(2−ラクチル乳酸)とステアリン酸エステル化反応物
(ステアリル乳酸)のカルシウム塩を主成分とし,これ
と少量の関連酸類の塩との混合物であるステアリル酸カ
ルシウムが一般的であるが,その他公知のものが制限な
く用いられる。また,乳酸金属塩としては乳酸カルシウ
ムが一般的であるが,その他の例えば,乳酸バリウム,
乳酸亜鉛,乳酸マグネシウム等があげられる。
これらの発錆防止剤の添加量は,ポリオレフィンの塩素
原子含有量によっても異なるが,ポリオレフィンの0.00
5wt%以上,好ましくは0.01〜5wt%,とくに好ましくは
0.02〜1wt%である。
(D) 高級脂肪酸金属塩 高級脂肪酸金属塩については,次に記述する。本発明で
用いる高級脂肪酸金属塩は,炭素数8〜23の脂肪酸とア
ルカリ金属又は,アルカリ土類金属等軽金属の塩であ
る。
好ましい脂肪酸の具体例を挙げれば,ラウリル酸,ミリ
スチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン酸,
リノール酸,リノレイン酸で,これらの脂肪酸と塩をつ
くるべき金属の具体例を挙げれば,カリウム,ナトリウ
ム,カルシウム,バリウム,マグネシウム,アルミニウ
ム,その他があるが,特に好ましいのはカルシウムで中
でもステアリン酸カルシウムが好適に用いられる。
これら発錆防止剤の添加量は,ポリオレフィン中に含有
する触媒残さに起因する塩素原子に対して0.5倍当量以
上であって,好ましくは1.0倍当量以上である。0.5倍当
量以下では,塩素の補足が十分されず腐食性が改良され
ないからである。
又,発錆防止剤の添加量の上限は,特にポリオレフィン
の性能を損なわない限り制限されないが,一般には5wt
%程度迄であろう。
本発明の組成物には,その特性を害さない限り,他の添
加剤,例えば,酸化安定剤,紫外線吸収剤,光安定剤,
滑剤,帯電防止剤,難燃剤,顔料,可塑剤及びフィラー
などを配合しても良く,又,脂肪酸金属塩以外の発錆防
止剤を少量配合することもできる。
ポリオレフィンへのこれら添加剤の配合方法としては,
均質な組成を得るに適したあらゆる方法をとることがで
きる。
即ち,これらの原料を同時に配合しても,また各々配合
してもよく,これらの原料の一部または全部をマスター
バッチとして混合しても良い。
これらの原料は,通常の混練法,即ち,ロール,バンバ
リーミキサー,一軸押出機,二軸押出機などを用いて混
練すれば良い。
本発明のポリオレフィン組成物は,射出成形,圧空成
形,真空成形,押出し成形,ブロー成形,延伸等の周知
技術によって,シート,フィルム,容器,繊維等の多種
類の製品にする事が出来る。
<実施例> 以下実施例をあげ,本発明を具体的に説明するが,本発
明はこれらにより何ら制限を受けるものではない。
実施例1 (1) ビニルシクロヘキサンとプロピレンの共重合体
の合成 脱水精製されたn−ヘプタン100mlにトリエチルアルミ
ニウム1.95g,p−アニス酸エチル675mgと特開昭57−5991
6号公報の実施例1に従って合成したチタン化合物触媒
6.0gを順次加え,後にこの混合溶液を50℃に昇温した。
続いてビニルシクロヘキサン50mlを添加して,ビニルシ
クロヘキサンの重合を45分間行なった。その後生成した
重合スラリーをn−ヘプタン200mlで4回洗浄して,未
反応ビニルシクロヘキサンと助触媒のトリエチルアルミ
ニウム及びp−アニス酸エチルを除去した。次いでn−
ヘプタン洗浄を行なった活性スラリーから減圧蒸留によ
りn−ヘプタンを除去して,活性触媒を含有したポリビ
ニルシクロヘキサンのパウダー1.2gを得た。仕込んだチ
タン化合物触媒1g当りのポリビニルシクロヘキサン重合
量は1.0gであった。
上記ビニルシクロヘキサン重合触媒1.6g,トリエチルア
ルミニウム0.75g,p−トルイル酸メチル0.237g,n−ヘプ
タン1500mlを用いて,内容積5のスチレンス製オート
クレーブ中でプロピレンの重合を圧力6kg/calゲージ,
温度70℃,水素濃度1.5vol%において40分間行なった。
重合終了後n−ブタノール50mlを加えて重合を停止さ
せ,重合スラリーを取り出し,重合パウダーと溶媒を
過分離した。
重合パウダーは温度70℃,5%n−ブタノールのn−ヘプ
タン溶液で洗浄した後,N塩酸500mlで洗浄し更に,メタ
ノールで洗浄液が中性になるまで洗浄を行なった。パウ
ダーを乾燥後重量を計ると840gであった。プロピレンの
重合量は,チタン化合物触媒1g当り1030gであった。こ
の共重合体粉末中のビニルシクロヘキサン含有量は,チ
タン化合物触媒当りの重合量から求めると952wt ppmと
なる。
このポリマーの塩素原子含有量を燃焼法により前処理し
た後,イオンクロマトグラフィーにより分析したとこ
ろ,2wt ppmであった。
(2) ポリオレフィン樹脂組成物 塩化マグネシウムを含有するチタン化合物を一成分とす
る高活性触媒を用いて,脱灰処理することなく得られた
気相重合法によるプロピレン−エチレンブロック共重合
体(MI13g/10分,エチレン含有量6.8wt%,塩素原子含
有量20wt ppm)94.8重量部と上記(1)の共重合体5.2
重量部及びステアリン酸カルシウム0.05重量部と2,6−
ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.1重量部,テトラキ
ス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒド
ロシフェニル)プロピオネート〕メタン0.05重量部,ジ
ミリスチル−チオ−ジプロピオネート0.1重量部を加
え,ヘンシェルミキサーで混合した後,40mmφ押出機を
用いてチッソ雰囲気下でペレット化した。このペレット
の臭気は全くない。
(3) 発錆度 良く研磨した軟鋼板に厚さ3mmのスペーサーを介してペ
レットを乗せ,280℃に加熱したプレス機で100kg/cm2,10
分間保持する。その後冷却プレスし,鋼板より試料を剥
取り,鋼板は20℃相対湿度100%に保った容器中に24時
間放置する。鋼板表面の発錆状態を標準板(発錆度0〜
10)と比較し,評価する。発錆度0は錆なし,10は全面
に非常に発錆した状態を示す。発錆度が2以下なら実用
上問題がない。
(4) 熱安定性 ペレットを230℃のプレス機で,厚さ1mmのシートを作成
し,そのシートより25mmφの円盤を打抜き,150℃のギャ
ーオーブンに入れ,ポリマーが劣化し崩壊が開始するま
での時間を測定した。
(5) 色 調 ペレットの色調を目視観察した。
(6) 曲げ弾性率 JIS K 6758に従ってプレス成形した厚み5.0mmのサンプ
ルについてASTM D 790−66に従って測定した。
各評価結果を第1表に示す。
実施例2〜7 上記(1)の共重合体又は発錆防止剤の種類,添加量を
変えた他は,実施例1と同様の条件で評価した結果を第
1表に示す。
比較例1〜9 造核剤を添加しない場合,造核剤としてPTBBA−Al又は
1,3,2,4−ジ−p−メチル−ベンジリデンソルビトール
(以下DMBSと略称する)を用いた場合等,第1表に示す
配合処方の他は,実施例1と同様な条件で評価した結果
を第1表に示す。造核剤を用いない場合は,機械的性質
(曲げ弾性率)が低い。PTBBA−Alを用いた場合は,発
錆が大きく安定性が低下する。また,ハイドロタルサイ
トとPTBBA−Alと併用の場合は,色調も悪化する。DMBS
を用いた場合には,加工時の臭気が非常に大きく,又,
機械的性質の発現効果も小さい。
実施例8〜15,比較例10〜18 三塩化チタンタイプの高活性触媒を用いて塊状重合法に
よって脱灰処理を施すことなく得られたMI2g/10分,塩
素原子含有量50wt ppm又は100wt ppmのポリプロピレン
を用いて,第2表に示す配合処方で実施例と同様の評価
を行なった。なお,実施例9,10で用いるビニルシクロヘ
キサンとプロピレン共重合体のビニルシクロヘキサンの
含有量は1wt%である。
評価結果を第2表に示す。
実施例16〜18,比較例19,23 三塩化チタンタイプの高活性触媒を用いて,脱灰処理を
施して得られたMI2g/10分,塩素原子含有量10wt ppmの
ポリプロピレンを用いて,第3表に示す配合処方で実施
例1と同様の評価を行なった。
評価結果を第3表に示す。
<発明の効果> 触媒残さに起因する塩素原子を5wt ppm以上を含有する
ポリオレフィンに対して,ビニルシクロアルカン重合体
及び発錆防止剤を添加することにより,発錆を防止し,
かつ高い曲げ弾性率が得られるポリオレフィン組成物が
得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 溝口 ▲吉▼男 千葉県市原市姉崎海岸5―1 住友化学工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−115050(JP,A) 特開 昭62−115049(JP,A) 特開 昭61−287948(JP,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】触媒残さに起因する塩素原子を5wt ppm以
    上含有するポリオレフィンに対して、炭素数6以上のビ
    ニルシクロアルカンを重合してなるビニルシクロアルカ
    ン重合体及び発錆防止剤とを含有することを特徴とする
    ポリオレフィン組成物。
  2. 【請求項2】触媒残さに起因する塩素原子を5wt ppm以
    上含有するポリオレフィンが本質的に溶媒を媒体としな
    い重合方法により製造されたポリオレフィンである特許
    請求の範囲第1項に記載のポリオレフィン組成物。
  3. 【請求項3】ビニルシクロアルカン重合体の含有量が0.
    05wt ppm〜1wt%である特許請求の範囲第1項記載のポ
    リオレフィン組成物。
  4. 【請求項4】発錆防止剤として高級脂肪酸金属塩をポリ
    オレフィン中の触媒残さに起因する塩素原子に対して0.
    5倍当量以上含有する特許請求の範囲第1項記載のポリ
    オレフィン組成物。
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