JPH0699743B2 - 軟化棒・線材の製造方法 - Google Patents

軟化棒・線材の製造方法

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JPH0699743B2
JPH0699743B2 JP448689A JP448689A JPH0699743B2 JP H0699743 B2 JPH0699743 B2 JP H0699743B2 JP 448689 A JP448689 A JP 448689A JP 448689 A JP448689 A JP 448689A JP H0699743 B2 JPH0699743 B2 JP H0699743B2
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裕 山内
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、軟化線材および軟化棒鋼の製造方法に関す
る。
[従来の技術] 周知のように、冷間鍛造される線材や棒鋼のうち、硬質
で成形性の悪いものは、予めその硬さを下げ、変形能を
向上させるために、球状化焼鈍が施されるのが一般的で
ある。この焼鈍は通常、A1点以上の温度における非常に
長時間の処理になるので、酸化性ガスによる鋼表面の脱
炭を防ぐため、雰囲気ガスとしてCOやH2を含む還元性ガ
スが使用されている。しかし、鋼表面にスケールが存在
すると還元性ガスとスケールとが反応して酸化性ガスが
発生し、酸化性ガス濃度の増大により却って脱炭が促進
される。このため従来法による線材や棒鋼の球状化焼鈍
前には、酸洗による化学的スケール除去工程が必須であ
る。
これに対して、特公昭59−18447号公報では、このスケ
ール除去工程を省略して、線材表面にスケールを付着さ
せたままで、かつ高価な還元性ガスではなく、N2などの
安価な不活性ガスで球状化焼鈍を行うという方法が開示
されている。この方法では、線材を熱延後850℃以上の
温度で巻取り、8秒以上経過させた後、4℃/秒以上の
速度で冷却して、鋼材表面に8μ以上のスケールを形成
させ、かつその内部を急冷組織(ソルバイト、ベイナイ
ト、マルテンサイト)にするという方法を採っている。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、上記方法によれば、圧延後の線材組織が
ベイナイト、マルテンサイトなどの急冷組織となるた
め、圧延後のハンドリング時に折損や置き割れが生じる
恐れがある。さらに、これに球状化焼鈍を施した場合、
炭化物がきわめて細かくなるため、冷間加工性は優れる
ものの硬度が高く、冷間鍛造時の型寿命が短くなるとい
う欠点がある。
そこで本発明の主目的は、上記スケール除去工程を要せ
ず、安価な不活性ガス中で焼鈍しても脱炭しないことは
勿論、圧延後に折損や置き割れも発生せず、焼鈍後の硬
さも適度に低下して、冷間鍛造時の型寿命を延ばすこと
ができる軟化線材等の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための本発明は、1.5%以下のCを
含有する鋼材を熱間圧延するに際し、仕上圧延終了温度
が850℃以下になるように制御しながら仕上圧延し、終
了後、0.5℃/秒以上、4℃/秒未満の冷却速度で500℃
まで冷却し、次いで室温まで冷却した後、製品表面のス
ケールを付着させたまま、不活性ガスを90%以上含有す
る雰囲気中で、球状化焼鈍を施すことを特徴とするもの
である。
[作 用] 本発明では、上記のように仕上圧延での温度制御を行
い、かつその後の冷却速度を所定範囲内としているか
ら、圧延後の鋼組織を、ソルバイト、ベイナイト、マル
テンサイト等の急冷組織ではなく、フェライト・パーラ
イトまたはフェライト・パーライト・球状セメンタイト
の混合組織とすることができ、焼鈍後の硬さを適度に低
下できるため、圧延後の折損等を防ぐことができ、さら
に冷間鍛造時の型寿命を延長できる。
また本発明では、スケールの組織と厚さを所定範囲に調
整することができるため、焼鈍時における脱炭を効果的
に防止できる。
本発明では、焼鈍時に高価な還元性ガスを使用しなくて
すみ、それだけ製造コストが低下する。
また本発明では、スケールを付着したままで焼鈍できる
から、脱炭スケール工程を省略でき、工程の簡素化が図
れる。
[発明の具体的構成] 次に、本発明における各数値の限定理由について詳説す
る。まず鋼に含有するC量を1.5%以下に限定したの
は、一般に鋼に網目状に析出するいわゆる初析セメンタ
イトが存在すると、冷間鍛造時にこの初析セメンタイト
を起点として表面割れが発生するが、C量が1.5%を超
えると、いかなる条件で圧延・冷却しても上記初析セメ
ンタイトの生成を防止することは不可能であり、またそ
の後の焼鈍によってもこれを消滅せしめることは不可能
であるからである。
次に、仕上圧延終了温度を850℃以下に制御するのは、
次の二つの理由による。第1は、第1図に示すように、
850℃以下にすると、製品の表面スケールの組成が、次
工程の不活性ガス中での球状化焼鈍における脱炭を防止
するのに有効なFe2O3、Fe3O4(特に、Fe3O4)の割合の
大きい組成になるためである。その第2は、仕上圧延終
了温度が850℃を超えると、スケール厚さが厚くなり、
圧延後のハンドリング中にスケールが剥離しやすくな
り、剥離した部分については、不活性ガス雰囲気中での
球状化焼鈍時に脱炭が進行してしまうからである。
また、第2図に示すように、スケール剥離はその厚さが
20μmを超えると急激に起こりやすくなるが、第3図に
示すように、仕上圧延終了温度を850℃以下にした場
合、その後の冷却速度を0、5℃/秒以上にする限り、
スケール厚さは20μm以下になるので、仕上圧延終了後
の冷却速度は0.5℃/秒以上とした。また、冷却範囲を5
00℃までとしたのは、500℃以下ではスケール厚さ、組
成にほとんど変化が生じないためである。また、冷却速
度を4℃/秒未満にしたのは、冷却速度が4℃/秒より
大きくなると、製品の組織がベイナイトやマルテンサイ
トなどの急冷組織となり、圧延後、球状化焼鈍実施まで
に置き割れやハンドリング中の折損が生じる可能性が大
きく、さらには、すでに述べたように、球状化焼鈍を施
しても硬さが高いためである。一方、4℃/秒未満にし
た場合には、製品の組織が急冷組織にならず、上記のよ
な問題が生じない。以上のことから、仕上圧延後の冷却
速度を0.5℃/秒以上、4℃/秒未満とした。
次に、上記方法で圧延した線材および棒鋼を、その表面
にスケールを付着させたまま、90%以上の不活性ガスを
含有する雰囲気内で球状化焼鈍を施す理由について説明
する。
第4図に示すように、上記線材および棒鋼をその表面に
スケールを付着させたまま焼鈍すると、焼鈍雰囲気中の
不活性ガス(N2等)の含有率が90%より低くなると急激
に表層部の脱炭が進行するため、90%以上の不活性ガス
を含有する雰囲気中で焼鈍することを規定した。この場
合、不活性ガスとしては、N2等の安価な不活性ガスを使
用でき、高価な還元性ガスを使用する必要がない。
なお、上記説明において参照した第1図〜第4図で採用
した具体的条件等について付言すると、第1図は、SCM4
35、18φmmの線材を製造した場合の仕上圧延温度と圧延
後のスケール中に含まれるFe3O4およびFe2O3の組成比率
を示したものである。圧延後の冷却速度は2℃/秒であ
る。
第2図は、種々の厚さのスケールを有するSCM435、18mm
φの線材を軸方向に引っ張り、2%の塑性変形を与えた
場合のスケール厚さとスケール剥離率(重量%)を示し
たものである。
第3図は、SCM435、18mmφの線材を製造した場合の仕上
圧延終了温度と圧延後のスケール厚さの関係を仕上圧延
後の冷却速度ごとに示したものである。
第4図は、スケール厚さが14μmのSCM435、18mmφ線材
に第5図に示すヒートパターンの焼鈍を施した場合の球
状化焼鈍雰囲気中のN2含有率(体積%)と焼鈍後の表面
脱炭層深さの関係を示したものである。
なお、上記第1図〜第4図において使用した鋼種は、い
ずれもSCM435であるが、他の鋼種についても本発明を適
用しうる。
[実施例] 次に実施例を説明する。
S45C、SCM435、SUJ2の2トン鋼片をそれぞれ仕上圧延終
了温度、仕上圧延後の冷却速度を変化させて18mmφ線材
に製造した。線材製造後、その組織を観察するととも
に、これら線材を500mm長さに切断して1000本のサンプ
ルを作成し、7日間放置して置き割れの発生率を確認し
た。次に残りの線材を表面スケールが残存したままの状
態で、S45Cについては、第6図のヒートパターンで、SC
M435については第5図のヒートパターンで、SUJ2につい
ては第7図のヒートパターンで球状化焼鈍を施した。球
状化焼鈍雰囲気中のN2含有量はいずれも97%である。
球状化焼鈍後、それぞれの硬さおよび表面脱炭層深さを
測定した。結果を第1表に示す。
第1表において、No.1〜6、11〜16、21〜26は本発明法
にしたがって製造した線材であり、No.7〜10、17〜20、
27〜30は本発明以外の方法で製造した線材である。な
お、これらの線材巻取温度はそれぞれの仕上圧延終了温
度以上でかつ仕上圧延終了温度−20℃以下の範囲に入っ
ている。
第1表から明らかなように、本発明範囲内の条件で製造
した線材は、仕上圧延・冷却後の組織がいずれも急冷組
織(ベイナイト、マルテンサイト)にはなっておらず、
球状化焼鈍前の置き割れ発生率はいずれも0%であり、
球状化焼鈍後の表面脱炭層深さはいずれも0.10μm以下
で、かつ硬さも十分低い。
これに対し、比較例における線材は、球状化焼鈍前の置
き割れ発生率、球状化焼鈍後の表面脱炭層深さ、硬さの
いずれかが劣っている。
[発明の効果] 以上の通り、本発明によれば、スケール除去工程を要せ
ず、安価な不活性ガス中で焼鈍しても脱炭せず、圧延後
に折損や置き割れも発生せず、焼鈍後の硬さも十分低下
して、冷間鍛造時の型寿命を延ばすことができる軟化棒
・線材の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は仕上圧延終了温度とスケール組成との関係を示
す図、第2図はスケール厚さとスケール剥離率との関係
を示す図、第3図は仕上圧延終了温度とスケール厚さと
の関係を示す図、第4図はN2ガス含有率と表面脱炭層深
さとの関係を示す図、第5図〜第7図は各種ヒートパタ
ーンを示す図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1.5%以下のCを含有する鋼材を熱間圧延
    するに際し、仕上圧延終了温度が850℃以下になるよう
    に制御しながら仕上圧延し、終了後、0.5℃/秒以上、
    4℃/秒未満の冷却速度で500℃まで冷却し、次いで室
    温まで冷却した後、製品表面のスケールを付着させたま
    ま、不活性ガスを90%以上含有する雰囲気中で、球状化
    焼鈍を施すことを特徴とする軟化棒・線材の製造方法。
JP448689A 1989-01-11 1989-01-11 軟化棒・線材の製造方法 Expired - Lifetime JPH0699743B2 (ja)

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