JPH0699136B2 - 疎水化無機粒子 - Google Patents

疎水化無機粒子

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JPH0699136B2
JPH0699136B2 JP1199274A JP19927489A JPH0699136B2 JP H0699136 B2 JPH0699136 B2 JP H0699136B2 JP 1199274 A JP1199274 A JP 1199274A JP 19927489 A JP19927489 A JP 19927489A JP H0699136 B2 JPH0699136 B2 JP H0699136B2
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將之 相澤
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、疎水性及び耐着色性に優れた疎水化無機粒子
に関する。特に、重合性単量体と混合して充填剤として
使用したとき、得られる硬化体に極めて良好な耐着色性
を与えることが可能な疎水化無機粒子である。
[従来の技術] 従来ポリマー等の有機高分子化合物との複合材料を形成
する際、該無機粒子と有機高分子化合物との親和性を高
め、得られる複合材料の強度を高めるために疎水化処理
が一般に行われていた。例えば、重合性単量体、無機粒
子及び重合開始剤よりなる歯科用充填剤を歯牙の空洞部
に充填、硬化して得られる硬化体の強度を向上させるた
めに、上記無機粒子の表面をシランカップリング剤等の
疎水化剤で処理することが行われていた。
[発明が解決しようとしている問題点] しかしながら、上記疎水化粒子で処理された無機粒子
は、充分な疎水性を付与した場合であっても、着色性溶
液との接触により着色物質が無機粒子表面に吸着される
という現象を生じる。特に該無機粒子を重合単量体と混
合し、前記歯科用充填剤として使用する場合には、口腔
内に摂取される食物に由来する着色物質が修復部に充填
された硬化体の無機粒子の表面に吸着するのみでなく、
該無機粒子と硬化体のマトリックスを形成する重合体と
の界面に浸入し、その硬化体が着色を生じるという問題
を有していた。
[問題点を解決するための手段] 本発明者等は、上記問題に鑑み着色性溶液との接触によ
る着色の少ない、即ち、耐着色性に優れた疎水化無機粒
子を開発すべく研究を重ねた。その結果、無機粒子の表
面に、疎水基として重合性基を有し、且つ主鎖の長さが
長い特定のシランカップリング剤と、疎水基として主鎖
の長さ短い特定のシランカップリング剤とを併せ結合し
た疎水化無機粒子が、優れた疎水性及び耐変色性を有す
ると共に、前記重合性単量体とによって構成される組成
物を硬化して得られる複合体におても、良好な耐変色性
を与え得ることを見いだし本発明を完成した。
即ち、本発明は、一般式 A−B−Si−(X1)3 〔式中Aはビニル基又はイソプロペニル基、Bは直鎖状
に少なくとも2個の原子が結合している2価の官能基、
X1はアルコキシル基、又はハロゲン原子を示す。〕 で表される長鎖シランカップリング剤と一般式 R−Si−(X2)3 〔式中Rは主鎖の炭素数が3以下のアルキル基、アルケ
ニル基又はフェニル基、シクロヘキシル基、X2はアルコ
キシル基又はハロゲン原子を示す。〕 で表される短鎖シランカップリング剤とを無機粒子の表
面に結合してなる疎水化無機粒子である。
本発明において、無機粒子は、特に制限されるものでは
ないが、代表的なものを例示すれば、シリカ、石英、チ
タニア、アルミナ、ジルコニア、酸化鉄、酸化亜鉛、酸
化トリウム等の無機酸化物、シリカ−チタニア、シリカ
−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−イットリア
等の無機複合酸化物、窒化珪素、窒化チタン、窒化ジル
コニウム、窒化アルミニウム、窒化ホウ素等の無機窒化
物等が挙げられる。また、上記した無機粒子の形状、大
きさは特に制限されるものではない。例えば形状として
は、球状、不定形等が一般的である。また、大きさにつ
いても用途に応じて適宜決定すれば良い。具体的には、
重合性単量体と無機粒子を混合してなる前記歯科用充填
剤の場合、0.1〜50μmの粒径を有するものが好まし
い。
本発明において長鎖シランカップリング剤は、一般式A
−B−Si−(X1)3で表される。上記一般式中、直鎖状に
少なくとも2個の原子が結合している2価の官能基であ
るBは、直鎖状に少なくとも2個の原子が結合していれ
ばよいが、好ましくは、4〜20個の原子を直鎖状に結合
したものが好ましい。また、上記原子は、炭素原子が一
般的であるが、炭素原子以外の原子、例えば、酸素原
子、イオウ原子、窒素原子等であってもよい。かかる炭
素原子以外の原子は炭素原子間に隣接して存在させるこ
とが好ましい。また、前記式中のX1はアルコキシル基又
はハロゲン原子であるが、そのうち特にアルコキシル基
が好ましい。上記アルコキシル基は、−OR′(但しR′
はアルキル基を示す)で表され、R′の炭素数が1〜4
のものが好適である。また、ハロゲン原子はCl、Br、I
等が一般的であり、特にClが好ましい。
本発明で使用される長鎖シランカップリング剤を例示す
れば、下記の化合物が挙げられる。
CH2=CH(CH2)2Si(OCH3)3 CH2=CCH3(CH2)2Si(OCH3)3 CH2=CH(CH2)3Si(OCH3)3 CH2=CCH3(CH2)3Si(OCH3)3 CH2=CH(CH2)4Si(OCH3)3 CH2=CCH3(CH2)4Si(OCH3)3 CH2=CHCH2(CH2)3Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)4Si(OCH3)3 CH2=CHOCH2CH2OCH2CH2Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)5Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)6Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)7Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)8Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)9Si(OCH3)3 CH2=CCH3COO(CH2)10Si(OCH3)3 CH2=CCH3COOCH2CHOHCH2NCH3(CH2)3Si(OCH3)3 CH2=CHS(CH2)2OCH2CHOHCH2O(CH2)3Si(OCH3)3 また、本発明で使用される短鎖シランカップリング剤
は、一般式R−Si−(X2)3で示される。上記式中X2は、
前記X1と同様なアルコキシル基又はハロゲン原子が特に
制限なく選択される。代表的な短鎖疎水化剤を例示すれ
ば、下記の化合物が挙げられる。
CH3Si(OCH3)3 CH3CH2Si(OCH3)3 CH3CH2CH2Si(OCH3)3 CH2=CHSi(OCH3)3 CH2CHCH2Si(OCH3)3 上記した長鎖シランカップリング剤及び短鎖シランカッ
プリング剤はそれぞれ、1種または2種以上混合して使
用しても良いが、その結合量は長鎖シランカップリング
剤について、無機粒子表面1m2当り0.31×10-5mol/m2
2.5×10-5mol/m2の範囲が好ましく、さらに0.5×10-5mo
l/m2〜1.3×10-5mol/m2の範囲がより好ましい。結合量
がこの範囲より少ないと無機粒子表面は十分に被覆され
ず、多いと複合材料の力学的強度が低下する傾向にあ
る。
また短鎖シランカップリング剤の結合量は、長鎖シラン
カップリング剤の結合量に対し5〜50mol%好ましく
は、10〜40mol%の範囲であることが好ましい。長鎖シ
ランカップリング剤の実質的処理量は、上記結合量に相
当する量を基準とし、処理時に損失する量を適宜加算し
てもよく、この場合、0.3×10-5mol/m2〜3.0×10-5mol/
m2の範囲が良好である。また、短鎖シランカップリング
剤の処理量は、長鎖シランカップリング剤の処理量に対
し、5〜100mol%の範囲が良好である。
さらに、長鎖シランカップリング剤と短鎖シランカップ
リング剤との主鎖を構成する原子数の差は3以上異なる
ことが好ましい。
本発明において、上記した疎水化無機粒子の製造方法は
特に制限されない。代表的な方法を例示すれば、下記の
疎水化無機物の製造方法が好ましく適用できる。
即ち、本発明によれば、一般式 A−B−Si−(X1)3 〔但し、式中Aはビニル基又はイソプロペニル基、Bは
直鎖状に2個の原子が結合している2価の官能基、X1
アルコキシル基又はハロゲン原子を示す。〕で表される
長鎖シランカップリング剤と、 一般式 R−Si−(X2)3 〔但し、式中Rは主鎖の炭素数が3以下のアルキル基又
はアルケニル基、フェニル基、もしくはシクロヘキシル
基、X2はアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。〕で
表される短鎖シランカップリング剤とによって無機物の
表面を疎水化することを特徴とする疎水化された無機物
の製造方法が提供される。
本発明に於けるシランカップリング剤と無機物との反応
は不活性有機溶媒存在下で両者を接触することにより行
われる。かかる不活性溶媒としては一般に、メタノー
ル、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノ
ール、イソブタノール、の如きアルコール性溶媒アセト
ン、メチルエチルケトンの如きカルボニル基を有する溶
媒、エチルエーテル、ジオキサンの如きエーテル基を有
する溶媒ギ酸メチル、酢酸エチルの如きエステル基を有
する溶媒、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素等
ハロゲン元素を有する溶媒ペンタン、n−ヘキサン、シ
クロヘキサン、ヘプタン等の脂肪族系の溶媒、あるいは
ベンゼン、キシレン等の芳香族系の溶媒等が挙げられ、
本発明においては、これらの溶媒の一種又は二種以上を
適宜選択して使用すればよい。上記溶媒の使用量は、無
機物の表面が不活性溶媒と十分接触し得る量であれば特
に限定されるものではない。一般に無機物が無機粒子の
場合、該無機粒子の分散性、溶媒の除去の容易さから無
機粒子100重量部に対し、200〜2000重量部の割合で使用
することが好ましい。
上記シランカップリング剤と無機粒子との接触条件は、
適宜決定すればよいが、一般には、室温から該溶媒の沸
点以下の温度が用いられる。
さらに、シランカップリング剤と無機粒子とを接触させ
る前に無機粒子表面を第1級あるいは第2級の脂肪族ア
ミンと接触させるとより良好な結果が得られる。脂肪族
アミンとの接触は直接接触させるか上記の不活性溶媒中
で行えばよくアミンの使用量は疎水化剤の0.1〜10倍モ
ル好ましくは、0.5〜5倍モルの範囲で用いるのが好適
である。疎水化剤を反応させた無機粒子の乾燥は、必要
に応じて濾過器、遠心分離機、エバポレーター等を用い
て不活性溶媒を分離し、50〜200℃、好ましくは、80〜1
50℃の温度下に減圧乾燥、風乾、常圧乾燥等を行えばよ
い。
上記した疎水化された無機物の製造方法は、無機粒子に
限らず、無機板状体、無機棒状体等の無機物の成形体に
も適用可能である。
本発明の疎水化無機粒子は、重合性単量体と混合して硬
化性組成物を形成したとき、これを硬化させて得られる
硬化体の耐着色性を効果的に向上させることができる。
かかる重合性単量体は、特に限定されるものではなく、
熱、光により重合可能なものが制限なく使用される。か
かる重合性単量体を具体的に示せば次のとおりである。
イ)単官能性単量体 メチルメタクリレート;エチルメタクリレート;ヒドロ
キシエチルメタクリレート;テトラヒドロフルフリルメ
タクリレート;グリシジルメタクリレート;及びこれら
のアクリレートあるいはアクリル酸、メタクリル酸、p
−メタクリロキシ安息香酸、N−2−ヒドロキシ−3−
メタクリロキシプロピル−N−フェニルグリシン、4−
メタクリロキシエチルトリメリット酸及びその無水物、
6−メタクリロキシヘキサメチレンマロン酸、10−メタ
クリロキシデカメチレンマロン酸、2−メタクリロキシ
エチルハイドロゲンフォスフェート、10−メタクリロキ
シデカメチレンジハイドロゲンフォスフェート、2−ヒ
ドロキシエチルハイドロゲンフェニルフォスフェート。
ロ)二官能性単量体 (1)芳香族化合物系のもの 2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン;2,2−
ビス〔4−(3−メタクリロキシ)−2−ヒドロキシプ
ロポキシフェニル〕プロパン;2,2−ビス(4−メタクリ
ロキシエトキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−メ
トキシジエトキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(4−
メタクリロキシテトラエトキシフェニル)プロパン;2,2
−ビス(4−メタクリロキシペンタエトキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(4−メタクリロキシジプロポキシ
フェニル)プロパン;2(4−メタクリロキシエトキシフ
ェニル)−2(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン;2(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)−2(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロ
パン;2(4−メタクリロキシプロポキシフェニル)−2
−(4−メタクリロキシトリエトキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(4−メタクリロキシプロポキシフェニ
ル)プロパン;2,2−ビス(4−メタクリロキシイソプロ
ポキシフェニル)プロパン及びこれらのアクリレート;2
−ハイドロキシエチルメタクリレート、2−ハイドロキ
シプロピルメタクリレート、3−クロロ−2−ハイドロ
キシプロピルメタクリレートあるいは、これらのアクリ
レートのような−OH基を有するビニルモノマーと、ジイ
ソシアネートメチルベンゼン、4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートのような芳香族基を有するジイソシ
アネート化合物との付加から得られるジアダクト (2)脂肪族化合物系のもの エチレングリコールジメタクリレート;ジエチレングリ
コールジメタクリレート;トリエチレングリコールジメ
タクリレート;ブチレングリコールジメタクリレート;
ネオペンチルグリコールジメタクリレート;プロピレン
グリコールジメタクリレート;1,3−ブタンジオールジメ
タクリレート;1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート
及びこれらのアクリレート;2−ハイドロキシエチルメタ
クリレート;2−ハイドロキシプロピルメタクリレート、
3−クロロ−2−ハイドロキシプロピルメタクリレート
あるいはこれらのアクリレートのように−OH基を有する
ビニルモノマーとヘキサメチレンジイソシアネート、ト
リメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ジイソシア
ネートメチルシクロヘキサン、メチレンビス(4−シク
ロヘキシルイソシアネート)のようにジイソシアネート
化合物との付加から得られるジアダクト;無水アクリル
酸、無水メタクリル酸;1,2−ビス(3−メタクリロキシ
−2−ヒドロキシプロポキシ)エチル、ジ(2−メタク
リロキシエチル)フォスフェート、ジ(3−メタクリロ
キシプロピル)フォスフェート (ハ)三官能性単量体 トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチ
ロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタ
クリレート (ニ)四官能性単量体 ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ペンタエ
リスリトールテトラアクリレート及びジイソシアネート
メチルベンゼン、ジイソシアネートメチルシクロヘキサ
ン、イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、メチレンビス(4−シクロヘキシルイソシアネ
ート)、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート、ト
リレン−2,4−ジイソシアネートのようなジイソシアネ
ート化合物とグリシドールジメタクリレートとの付加か
ら得られるジアダクト 以上のビニルモノマー以外に、一般に工業用として公知
のもの使用できる。一般に好適に使用される代表的なも
のを例示すれば、 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル
類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イ
ソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;スチレ
ン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロルメチ
ルスチレン、スチルベンゼン等のアルケニルベンゼン類
等が好適に用いられる。
重合性単量体を複数種類を用いる場合、この重合性単量
体が室温で粘度が極めて高いもの、あるいは固体である
場合には、低粘度の重合性単量体と組み合わせて使用す
るのが好ましい。この組合せは2種類に限らず、3種類
以上あってもよい。
また、上記重合性単量体のうち単官能性単量体を使用す
る場合は、多官能性単量体と供に使用することが好まし
い。
本発明で用いる重合開始剤は、特に限定されず、公知の
ものが制限なく採用される。また、添加量も公知の添加
範囲が採用される。
一般に、重合開始剤は重合性単量体の重合手段によって
異なる。この重合手段には、紫外線、可視光線等の光エ
ネルギーによるもの、加熱によるもの、過酸化物と重合
促進剤との反応によるもの等があり、必要に応じてその
重合手段を選ぶことができる。例えば、光エネルギーに
よる反応(以下、光重合という)の場合には、重合開始
剤としてカンファーキノン、ベンジル、α−ナフチル、
アセトブテンキノン、P,P′−ジメトキシベンジル、4
−ニトロベンジル、ヘキサジオン、シクロヘキサジオ
ン、P,P′−ジクロロベンジル、ビアセチル、ペンタン
ジオン、1,2−フェナントレンキノン、3,4−フェナント
レンキノン、9,8−フェナントレンキノンβ−ナフトキ
ノン等のα−ジケトン化合物、該α−ジケトン化合物と
第3級アミン、該α−ジケトン化合物と第3級アミン及
びα位にオキシ基を有するカルボン酸、該α−ジケトン
化合物とホスファイト化合物のα−ジケトンと公知の還
元剤との組合せが好適である。この場合、α−ジケトン
/還元剤の重量比は、10/90〜60/40が好ましい。上記重
合開始剤の配合量は、通常の配合量が特に制限なく選択
される。一般に、重合性単量体に対して0.01〜5重量%
の割合で使用される。
また、熱重合の場合には、重合開始剤として、例えば、
ベンゾイルパーオキサイド、ジ−p−クロロベンゾイル
パーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等の有機
過酸化物、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、4,4′
−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物等の
公知の重合開始剤を使用することができる。上記重合開
始剤の配合量は、通常採用されている量が特に制限なく
選択される。一般に重合性単量体に対して0.01〜5重量
%の割合で使用される。
[本発明の効果] 本発明の疎水化無機粒子及び本発明の方法によって得ら
れた疎水化された無機成形体は、疎水性に非常に優れ、
しかも活性点が完全に被覆され、化学的に安全であるた
め優れた耐着色性を有する。
特に、該疎水化無機粒子は、重合性単量体と混合して硬
化性組成物として用いた場合、その硬化体の耐変色性を
著しく向上させることが可能であるという効果を発揮す
る。
[実施例] 本発明を更に具体的に説明するため、以下実施例を挙げ
て説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例、比較例に示した表面処理粒
子の撥水性、耐変色性の測定方法、または疎水化剤の結
合量は、下記に示す方法によった。
(1)撥水性 撥水性の強さは、水との接触角の高さから求めることが
できる。
表面処理粒子1.0gを錠剤成形器により盤状に成形し、こ
の上にマイクロシリンジにより蒸留水を50μl滴下し接
触角測定装置を用いて3分後の値を測定した。
(2)耐着色性試験 表面処理粒子の耐着色性は、該粒子を37℃、7.4%コー
ヒー溶液に24時間浸漬し、着色の度合を下記の基準によ
り評価した。
○・・・・・着色が少ないもの △・・・・・着色が多いもの ×・・・・・着色が著しいもの また、硬化体の耐着色性試験は、以下の方法に従った。
無機粒子 70重量部 bis−GMA 18 〃 TEGDMA 12 〃 AIBN 0.15 〃 上記の組成比で調整したペーストを4気圧N2雰囲気下で
加熱重合し、得られた硬化体を7.4%コーヒー溶液に37
℃、24時間浸漬し、浸漬前後の変色量を日本電色社製色
差計を用いて測定した。
尚、bis−GMA、TEGDMA、AIBNは、それぞれ、2,2−ビス
(4−(3−メタクリロキシ)プロポキシフェニル)プ
ロパントリエチレングリコールジアクリレート、2,2−
アゾビスイソブチロニトリルの略称である。
(3)シランカップリング剤結合量測定方法 水酸化カリウム水溶液によりpH12に調整したメタノール
溶液に表面処理粒子を分散させ、48時間還流した。次に
この溶液を濾過し無機粒子と溶媒を分離した。メタノー
ルにより数回洗浄した後、回収した溶媒を塩酸により中
和し、 濃縮した後、H−NMRにより溶液中の疎水化剤の疎水基
の同定、並びに定量を行った。
実施例1〜3 テトラエチルシリケート(日本コルコート社製)1600g
と0.05%硫酸水54gをイソブタノール2.0lに溶かして5
時間撹拌し、部分的に加水分解した後、テトラブチルジ
ルコネート650g、ナトリウムメチラート77gを添加した
1時間攪拌した後、水0.3lを加えさらに加水分解し、ゲ
ルを得た。次にゲルを取り出し100℃にて加熱乾燥して
溶媒を除去し、乾燥ゲルを得た。乾燥ゲルは、ボールミ
ルで粉砕した。この粉砕物を900℃で2時間焼成し、白
色粉体を得た。この白色粉体は、X線回折と蛍光X線回
折からジルコニアの正方晶系の結晶を一部含むジルコニ
ア、シリカ、酸化ナトリウムの複合酸化物からなる不定
系無機粉体であった。
得られた無機粉体、粒径0.5〜50μm平均粒径5μmBET
法による比表面積は、3m2であった。この複合酸化物粉
体10gをイソプロピルアルコール100mlに加え、攪拌機に
より分散した後、n−プロピルアミン0.1mlを加えさら
に30分間攪拌した。この溶液に長鎖疎水化剤としてγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、短鎖疎水
化剤としてメチルメトキシシランを添加した。1時間攪
拌し、エバポレーターにより溶媒を除去した後、80℃15
時間減圧乾燥することににより表面改質された無機酸化
物粉体を得た。無機粒子表面積1m2当りの疎水化剤の処
理量は、表1に示す。
比較例1〜3 比較例1,2は、それぞれγ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン、メチルメトキシシランを単独で処理
した場合、比較例3は、γ−メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランを比較例1の3倍モル量処理した。表
面処理方法は、実施例1と同様に行った。実施例1〜3
比較例1〜3の結果を表1に示す。
表1の実施例1〜3に示される様に、短鎖疎水化剤が長
鎖疎水加剤に対し10〜40mol%の範囲で結合している系
は、長鎖疎水化剤、短鎖疎水化剤を単独で用いた系(比
較例1,2)また、長鎖疎水化剤を過剰に処理した系(比
較例3)と比較して耐変色性が著しく向上した。
実施例4〜6 0.04%塩酸5.0gとテトラエチルシリケート(日本コルコ
ート社製)142.0gをメタノール0.44lに溶かし、この溶
液を30℃で約1時間攪拌しながら加水分解した。その
後、これにテトラブチルチタネート(日本曹達社製)3
7.7gをメタノール0.25lとイソプロパノール0.39lの混合
溶液に溶かした溶液を攪拌しながら添加し、テトラブチ
ルチタネートとの混合溶液を調整した。次に攪拌機付き
の内容積3lのガラス製反応容器にメタノール0.75l及び
イソブチルアルコール1.13lを導入し、これに0.41の
アンモニア水溶液(濃度25wt%)を加えてアンモニア性
アルコール溶液を調整し、これにシリカの種子を作るた
めの有機珪素化合物溶液としてテトラエチルシリケート
3.0gをメタノール30mlに溶かした溶液を添加し、添加終
了10分後反応液がわずかに乳白色を帯びたところで、さ
らに続けて、上記混合溶液を約5時間かけて添加した。
次ぎに、テトラエチルシリケート108.0g、ナトリウムメ
チラート3.3gをメタノール0.75lに溶解し、この溶液を
約3時間かけて添加し、反応生成物を析出させた。なお
反応中は反応容器の温度を20℃に保った。反応終了後更
に30分間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポレ
ーターで溶媒を除去し更に80℃で減圧乾燥することによ
り乳白色の粉体を得た。次ぎに、この粉体を900℃、1
時間焼成してシリカ、チタニア、酸化ナトリウムからな
る球状複合酸化物粉体を得た。
得られた粉体の平均粒子径は、0.23μmでBET法による
比表面積は、16m2/gであった。
この複合酸化物粉体10gをエチルアルコール100mlに加
え、攪拌機により分散した後、n−プロピルアミン0.2m
lを加え、さらに30分間攪拌した。この溶液に長鎖疎水
化剤として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シランを短鎖疎水化剤としてメチルトリメトキシシラン
を表2に示した量添加した。さらに1時間攪拌した後エ
バポレーターにより溶媒を除去し、80℃15時間減圧乾燥
した。
得られた表面処理粉末について実施例1〜4と同様、疎
水性、耐変色性について調べた。
結果を表2に示す 実施例1〜3と同様、シリカ−チタニア系複合酸化物粒
子においても、表面は完全に被覆され耐変色性、撥水性
とも良好であった。
実施例7 実施例3で用いた無機粒子1gに対して長鎖シランカップ
リング剤、ε−メタクリロキシペンチルトリメトキシシ
ランを8.5×10-5mol/g(5.3×10-6mol/m2)、短鎖シラ
ンカプリング剤、フェニルトリメトキシシランを2.0×1
0-5mol/g(1.6×10-6mol/m2)量処理した。表面処理方
法は、実施例4と同様に行った。
実施例8 実施例3で用いた無機粒子1gに対して長鎖シランカップ
リング剤ε−メタクリロキシペンチルトリメトキシシラ
ンを8.5×10-5mol/g(5.3×10-6mol/m2)、短鎖シラン
カップリング剤、シクロヘキシルトリメトキシシランを
2.0×10-5mol/g(1.6×10-6mol/m2)量処理した。表面
処理方法は、実施例4と同様に行った。
実施例9 実施例3で用いた幹粒子1gに対して長鎖疎水化剤、κ−
メタクリロキシオクチルトリメトキシシランを8.5×10
-5mol/g(5.3×10-6mol/m2)、短鎖疎水化剤、ビニルト
リメトキシシランを2.0×10-5mol/g(1.6×10-6mol/
m2)量処理した。表面処理方法は実施例4と同様に行っ
た。
実施例10 実施例3で用いた無機粒子1gに対して長鎖疎水化剤とし
て、ε−メタクリロキシペンチルトリメトキシシラン4.
2×10-5mol/g(2.6×10-6mol/m2)、γ−メタクリロキ
シプロピルトリメトキシシラン4.2×10-5mol/g(2.6×1
0-6mol/m2)、短鎖疎水化剤としてビニルメトキシシラ
ンを2.2×10-5mol/g(1.4×10-6mol/m2)量処理した。
表面処理方法は、実施例4と同様に行った。
比較例6,7 比較例4は、実施例3で用いた無機粒子1gに対して、長
鎖疎水化剤として、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランを8.5×10-5mol/g(5.3×10-6mol/m2)、
短鎖疎水化剤として、ペンチルトリメトキシシランを2.
0×10-5mol/g(1.3×10-6mol/m2)、比較例5では、長
鎖疎水化剤としてオクチルトリメトキシシランを2.0×1
0-5mol/g(1.3×10-6mol/m2)短鎖疎水化剤としてメチ
ルトリメトキシシランを1.4×10-6mol/g(0.8×10-6mol
/m2)量処理した。表面処理方法は、実施例4と同様に
行った。
実施例7〜10比較例6,7の結果を表3に示す。
このように、疎水基の主鎖の長さが4以上の疎水化剤と
3以下の疎水化剤との組合せにおいて良好な耐変色性を
示したが、上記組合せに於いても、重合性能を持たない
長鎖疎水化剤との組合せでは、耐変色性は低下した。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 A−B−Si−(X1)3〔式中Aはビ
    ニル基又はイソプロペニル基、Bは直鎖状に少なくとも
    2個の原子が結合している2価の官能基、X1はアルコキ
    シル基又はハロゲン原子を示す。〕で表される長鎖シラ
    ンカップリング剤と、一般式 R−Si−(X2)3〔式中R
    は主鎖の炭素数が3以下のアルキル基、アルケニル基又
    はフェニル基、シクロヘキシル基、X2はアルコキシル基
    又はハロゲン原子を示す。〕で表される短鎖シランカッ
    プリング剤とを無機粒子の表面に結合してなる疎水化無
    機粒子。
  2. 【請求項2】一般式 A−B−Si−(X1)3〔但し、式中
    Aはビニル基又はイソプロペニル基、Bは直鎖状に少な
    くとも2個の原子が結合している2価の官能基、X1はア
    ルコキシル基又はハロゲン原子を示す。〕で表される長
    鎖シランカップリング剤と一般式R−Si−(X2)3〔但
    し、式中Rは主鎖の炭素数が3以下のアルキル基又はア
    ルケニル基、フェニル基もしくはシクロヘキシル基、X2
    はアルコキシル基又はハロゲン原子を示す。〕で表され
    る短鎖シランカップリング剤とによって無機物の表面を
    疎水化することを特徴とする表面が疎水化された無機物
    の製造方法。
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