JPH0698740B2 - 積層フィルム - Google Patents

積層フィルム

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JPH0698740B2
JPH0698740B2 JP2037995A JP3799590A JPH0698740B2 JP H0698740 B2 JPH0698740 B2 JP H0698740B2 JP 2037995 A JP2037995 A JP 2037995A JP 3799590 A JP3799590 A JP 3799590A JP H0698740 B2 JPH0698740 B2 JP H0698740B2
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sulfonic acid
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克俊 宮川
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、低密度で帯電防止性、易接着性及び白色性に
優れた積層フィルムに関する。詳しくは、紙の代用品、
すなわちカード、ラベル、シール、宅配伝票、ビデオプ
リンター用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、
白板、印画紙、複写用紙、印刷用紙等の基材として、特
に帯電防止性、耐水性、耐アルカリ性にも優れた積層フ
ィルムに関する。特に、UVインキ印刷用、フレキソ印刷
用等の印刷用フィルムとして優れた積層フィルムに関す
る。
[従来の技術] 印刷用基材フィルムとしては、紙に代わって耐水性、機
械的強度に優れたプラスチックフィルムが使用されてき
ている。印刷用基材フィルムとしてはプラスチックフィ
ルムに無機粒子を添加して白色性を高めたものが印刷後
の麗美観の点からも好ましい。従来、白色プラスチック
フィルムとしては、ポリオレフィン樹脂に炭酸カルシウ
ムを添加したもの(特公昭63-64310)等のポリオレフィ
ン樹脂をベースとしたものが知られているが、これらの
フィルムは熱に弱く、機械的強度が弱い等の問題点があ
る。また、これらの欠点を改善するものとしてポリエス
テルをベースとしてポリプロピレンを添加したポリエス
テルフィルムが報告されている(例えば、特開昭63-168
441等)。
しかしながら、ポリエステルに多量の二酸化チタンや炭
酸カルシウム等の無機物を添加して得られるフィルム
は、白色性は付与できるが低比重化ができず、フィルム
自体が固くなりゴワゴワした感じになり用途によっては
問題となることがある。また、ポリプロピレンを添加し
た場合は、無機物を添加した場合に比べればフィルム自
身の固さは多少とも緩和されるが、熱寸法安定性が悪い
のみならず紙等に比べればソフト性、柔軟性及び白色性
にも劣るという欠点がある。すなわち低比重で熱寸法性
に優れたポリエステルフィルムは得られていない。
また、従来、二軸配向ポリエステルフィルムは表面が高
度に結晶配向されているため、各種塗料、接着剤、イン
キ等との接着性が乏しいという欠点を有している。易接
着性を付与するためにフィルム表面のコロナ放電処理、
紫外線照射処理、プラズマ処理、火焔処理等による表面
活性化法、酸、アルカリ、アミン水溶液、トリクロル酢
酸等の薬剤による表面エッチング法、フィルム表面にポ
リエステル、アクリル樹脂、ポリウレタン等をプライマ
ー層として設ける方法等が知られている。
しかしながら、上述した既存の方法では接着力として不
十分で、化学構造が同一あるいは類似のものとの接着に
はかなり強力な接着力を示すことが多いが、この接着さ
れたフィルムをアンモニア水中あるいは沸騰水中に浸漬
させると容易に接着界面から剥離したり、白濁したりす
る等の欠点を有している。
[発明が解決しようとする課題] 従って、本発明の目的は、かかる問題点を改善し、低比
重で白色性に富み、かつ易接着性、帯電防止性、耐アン
モニア性、耐ボイル性に優れたポリエステルフィルムを
提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、鋭意研究の結果、ポリエステルに非相溶
ポリマー及び低比重化剤を加えることにより得られた低
密度化された白色ポリエステルフィルムの表層に配向し
たスルホン酸を付与することにより易接着性に優れたポ
リエステルフィルムが得られることを見出し、この発明
を完成した。
すなわち、本発明は、フィルム支持体(I)の少なくと
も片面に配向したスルホン酸基を有するポリマー層(I
I)を積層して成る積層フィルムであって、フィルム支
持体(I)が150℃の熱収縮率が2%未満であり、かつ
比重が0.95以下のポリエステルフィルムであり、ポリマ
ー層(II)の少なくとも表層部に配向度が5〜100であ
るスルホン酸基を有することを特徴とする積層フィルム
を提供する。
本発明のポリエステルフィルムは、比重が小さいにも関
わらず熱寸法安定性に優れ、クッション性、白色度の高
いフィルムである。
さらに、配向したスルホン酸を表層に設けることにより
易接着性、特に耐アルカリ性に優れた易接着性を付与す
ることができる。
[発明の具体的な説明] 本発明の積層フィルムは、フィルム支持体層(I)の少
なくとも片面に配向したスルホン酸基を有するポリマー
層(II)が形成されて成る積層フィルムである。
本発明において、フィルム支持体(I)は150℃の熱収
縮率が2%未満であり、かつ比重が0.95以下のポリエス
テルフィルムである。
本発明において、ポリエステルフィルムの比重は0.95以
下、好ましくは0.90以下、さらに好ましくは0.80以下で
ある。0.95より大きいとフィルムにソフト感、柔軟性が
付与されないためである。柔軟性は例えば、ビデオプリ
ンター用等の受容紙として用いる特の感熱記録ヘッドの
押圧を低下させても鮮明に画像を転写させることができ
るために必要な事項である。もちろん、手に触れた時の
感触も重要な要素である。このため、後述のようにクッ
ション率としては10%以上であることが望まれる。
本発明においてポリエステルフィルムの熱収縮率は、長
手方向および幅方向共に150℃で2%未満、好ましくは
1%未満である。熱収縮率が2%以上となるとフィルム
の熱寸法安定性が悪くなり、感熱転写、印刷、乾燥等の
熱の加わる工程においてフィルムが変形し易くなる。特
に、150℃での熱収縮率が重要になることが多い。
本発明でいうポリエステルとは、ジオールとジカルボン
酸とから縮重合によって得られるポリマーであり、ジカ
ルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタ
ル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン
酸等で代表されるものであり、またジオールとはエチレ
ングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレ
ングリコール、シクロヘキサンジメタノール等で代表さ
れるものである。具体的には例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン−p−オキシベンドエート、
ポリ−1,4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレー
ト、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレー
ト等を挙げることができる。本発明の場合、特にポリエ
チレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好
ましい。ポリエチレンテレフタレートフィルムは耐水
性、耐久性、耐薬品性等に優れているものである。
もちろん、これらのポリエステルはホモポリエステルで
あってもコポリエステルであっても構わない。共重合成
分としてはジエチレングリコール、ネオペンチルグリコ
ール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分及び
アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、2,6−ナフタレン
ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等の
ジカルボン酸成分を挙げることができる。
また、このポリエステルの中には、公知の各種添加剤、
例えば酸化防止剤、帯電防止剤等が添加されても良い。
本発明に用いられる非相溶ポリマーとしてはポリ−3−
メチルブテン−1、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポ
リビニル−t−ブタン、1,4−トランス−ポリ−2,3−ジ
メチルブタジエン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリス
チレン、ポリメチルスチレン、ポリジメチルスチレン、
ポリフルオロスチレン、ポリ−2−メチル−4−フルオ
ロスチレン、ポリビニル−t−ブチルエーテル、セルロ
ーストリアセテート、セルローストリプロピオネート、
ポリビニルフルオライド、ポリクロロトリフルオロエチ
レン等から選ばれた融点200℃以上のポリマーを挙げる
ことができる。本発明の場合には価格、熱安定性、ポリ
エステルとの分散性等の点からポリ−4−メチルペンテ
ン−1、セルローストリアセテート及びその変性体が特
に好ましい。もちろん、該非相溶ポリマーの融点は200
℃以上、好ましくは210℃以上、さらに好ましくは220℃
以上であることが必要である。融点が200℃未満だとポ
リエステルフィルム中での該非相溶ポリマーの分散形状
が球状をとらず、層状の扁平な形状をとることが多く、
またクッション性の高いポリエステルフィルムが得られ
ないためである。さらに、該非相溶ポリマーの融点は、
300℃以下、好ましくは280℃以下、さらに好ましくは26
0℃以下であるのが好ましい。これポリエステルの溶融
押出温度以下でないと該非相溶ポリマーが溶解しないた
めである。
該非相溶ポリマーの添加量としては、好ましくは3〜30
重量%、さらに好ましくは5〜20重量%である。添加量
が3重量%未満であると、本発明のポリエステルフィル
ムの比重が0.95以下のものが得にくいばかりか、白色度
が80%以上の白いポリエステルフィルムになりにくく、
さらには、クッション率が10%以上と高いクッション性
に優れたポリエステルフィルムを得ることが困難であ
る。また、逆に該非相溶ポリマーの添加量が30重量%を
越えると、本発明のポリエステルフィルムの機械的性質
が劣ったものになるばかりか、熱寸法安定性にも劣り15
0℃の熱収縮率が5%以上と大きくなる等の問題が生じ
る。
次に、本発明に用いる低比重化剤とは、ポリエステルに
添加して比重を小さくする効果を持つ化合物のことであ
り、特定の化合物のみその効果が認められる。例えば、
ポリエチレングリコール、メトキシポリエシレングリコ
ール、ポリテトラメチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール等のポリアルキレングリコール、エチレンオ
キサイド/プロピレンオキサイド共重合体、さらにはド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホ
ネートナトリウム塩、グリセリンモノステアレート、テ
トラブチルホスホニウムパラアミノベンゼンスルホネー
ト等で代表されるものである。本発明の場合、特にポリ
エチレングリコールが好ましい。低比重化剤の添加によ
ってポリエステルフィルムの比重を0.1g/cc以上小さく
することができるのである。さらに、この低比重化剤の
添加によってポリエステルフィルムの白色度が向上し、
表面が平滑化するのみならず、耐劈開性が向上し、更に
ポリエステルの延伸性も大幅に向上するという効果もあ
る。
本発明における低比重化剤の添加量としては、好ましく
は0.1〜5重量%、さらに好ましくは0.5〜3重量%であ
る。添加量が0.1重量%未満であると、ポリエステルフ
ィルムが低比重化せず、ソフトなフィルムとはならずポ
リエステルフィルムの比重として0.95以下になりにく
い。逆に添加量が5重量%を越えると低比重化の効果が
認められなくなるばかりか、該フィルムの白色度が低下
し、b値が正の大きな値になってしまう。
次に、本発明において非相溶ポリマーがポリエステルフ
ィルム中で球形に近い形状であること、すなわち、形状
係数が1〜4の範囲にあることが好ましい。ポリエステ
ルフィルム中の非相溶ポリマーの性状によって得られる
フィルム特性、特にフィルムの比重とクッション率との
相関性、熱寸法安定性、表面粗さ、白色性等に大きな相
違点が生じてくる。すなわち、非相溶ポリマーの形状が
球形に近い場合、層状に分散している場合に比べて低比
重化できるのみならず、白色度、クッション率が高く熱
寸法安定性のよいフィルムを得ることができる。ポリマ
ーを球形に近い形状で分散させることは、ポリマーの形
状がポリエステルに添加する非相溶ポリマーの粘度、相
溶性パラメーター、融点、さらには低比重化剤の種類、
添加量等に強く依存する。球状に近い形状とは、フィル
ム中に分散する非相溶ポリマーの形状係数すなわち、長
径と短径の非が1〜4、好ましくは1〜2である場合を
いう。
本発明におけるポリエステルフィルムのクッション率
は、好ましくは10%以上、さらに好ましくは15%以上で
ある。クッション率が10%未満であると、例えばビデオ
プリンター用等の受容紙として用いた際、感熱記録ヘッ
ドの押圧を下げると鮮明な画像を転写させることができ
ず、また手に触れた時の感触が悪くなる。
本発明におけるポリエステルフィルムの白色度は好まし
くは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。さら
に、色差計で求めた色調b値は好ましくは−3以下、さ
らに好ましくは−4以下−20以上である。b値が小さい
程見掛けのフィルムの白さが向上して高級なイメージを
与えるものである。
上述した非相溶ポリマーや低比重化剤等の添加により色
調は変化するが、必要により蛍光増白剤を添加しても良
い。蛍光増白剤としては、商品名“ユビテック"OB、MD
(チバガイギー社製)、“OB−1"(イーストマン社製)
等が挙げられる。
本発明におけるポリエステルフィルムの光学濃度は、好
ましくは0.7以上1.6以下、さらに好ましくは0.8以上1.6
以下である。光学濃度が0.7未満であると、フィルムの
遮蔽性が小さいため裏側が透けて見え好ましくない。ま
た、光学濃度が1.6を越えると微細気泡を大量に含むた
め強度の弱いものとなり、また熱収縮も悪くなるので好
ましくない。
本発明のポリエステルフィルムには、炭酸カルシウム、
非晶質ゼオライト粒子、アナターゼ型の二酸化チタン、
リン酸カルシウム、シリカ、カオリン、タルク、クレー
等の微粒子を併用しても良い。これらの添加量はポリエ
ステル組成物100重量部に対して0.005〜25重量部とする
のが好ましい。またこのような微粒子以外にもポリエス
テルの重縮合反応系で触媒残渣とリン化合物との反応に
より析出した微粒子を併用することもできる。析出微粒
子としては、例えばカルシウム、リチウム及びリン化合
物から成るもの又はカルシウム、マグネシウム及びリン
化合物から成るもの等を挙げることができる。これらの
粒子のポリエステル中の含有量はポリエステル100重量
部に対して0.05〜1.0重量部であることが好ましい。
フィルム支持体の厚みは特に限定されないが、通常1μ
m以上500μm以下、好ましくは10μm以上300μm以
下、さらに好ましくは30μm以上250μm以下であるの
が好ましい。
次に、支持体であるポリエステルフィルムの表層に配向
したスルホン酸基を付与するためには、スルホン酸基を
有するポリマーを単独あるいは他の化合物と混合した組
成物をポリエステルフィルムにコーティングした後、特
定の条件で延伸することにより達成できるものである。
すなわち、スルホン酸基を有するポリマーとは、−SO3X
基を有するスルホン酸又はその塩を有するポリマーで、
代表的なものとして、 の形でアクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル
酸、メタクリル酸エステル又はエチレンと共重合したも
の、 のみから成るポリマー又は を各種のポリエステルのジカルボン酸の一部あるいは全
部として使用したポリマー等を挙げることができる。
しかしその中でもビニルポリマーの形態の方が、本発明
の目的の耐水性、耐アルカリ性の点で好ましく、さらに
はスルホン化ポリスチレン及び/又はその塩が好まし
い。
ただし、ここでいるXはH+、Na+、Li+、NH4 +、K+等のカ
チオン性イオンから選ばれるもので、中でも本発明の場
合、特にNH4 +、H+、Li+が特に好ましい。
また、ポリマー中のスルホン酸基モノマーの導入率は、
配向して耐水性、耐アルカリ性を有する易接着性を得る
ためには、40〜100モル%が好ましい。スルホン酸基モ
ノマーを有したポリマーの平均分子量は、重量平均で10
00〜500万、好ましくは2000〜100万程度である。
スルホン酸基をモノマーとして含有した樹脂は、それを
単独でポリエステルフィルムの表層にコーティングした
りすることも可能だが、本発明の場合、特に他の樹脂と
混合して使用するのが好ましい。ポリエステルフィルム
上にコーティングする場合、水溶性あるいは水分散性の
ポリマー、例えばポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、ビニル系樹
脂、ブタジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系
樹脂あるいはそれらの混合物を熱可塑性、熱硬化性を問
わず挙げることができる。
水溶性あるいは水分散性の樹脂としてポリウレタン、ポ
リエステル、アクリル樹脂を使用することが接着性、透
明性の点から好適である。
好適であるポリウレタンの具体例としては、ポリウレタ
ンがカルボン酸塩基、スルホン酸塩基、硫酸半エステル
塩基の少なくとも一種類を有するもの、中でもアンモニ
ウム塩となったものを挙げることができる。
好適であるポリエステルの具体例としては、5−スルホ
ソジウムイソフタリックアシドを0.5〜20モル%共重合
したポリエステルやポリエチレングリコール又はエチレ
ンオキシド、プロピレンオキシドを1〜30モル%共重合
したものを挙げることができる。中でも、酸成分として
テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルジカルボン酸、アジピン酸の少なくとも
1種を、またアルコール成分としてエチレングリコール
あるいはヘキシレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
テトラメチレングリコール、ポリエチレングリコールの
少なくとも1種を持ち、5重量%希釈時の水溶液や水分
散液の粘度が3〜6cpsなるポリエステルを使用した場
合、接着性、帯電防止性のみならず複合層表面が平滑で
フィルム光沢に優れるため特に好ましい。
次にアクリル系樹脂としては、アルキルアクリレートあ
るいはアルキルメタクリレートを主要な成分とするもの
を挙げることができ、該成分30〜99.9モル%とこれらと
共重合可能でかつ官能基を有する接着性の向上のための
ビニル単量体成分70〜0.1モル%を含有する水溶性ある
いは水分散性樹脂で数平均分子量で20万〜100万の樹脂
が好ましい。
アクリル系樹脂中のアクリルアクリレートあるいはアル
キルメタクリレートが30モル%以上であることが塗布形
成性、塗膜の強度、耐ブロッキング性が良好になる点で
好ましい。アクリル系樹脂中のアクリルアクリレートあ
るいはアクリルメタクリレートが99.9モル%以下である
のが好ましいのは、共重合成分として特性の官能基を有
する化合物をアクリル系樹脂に導入することにより水溶
化、水分散化し易くすると共にその状態を長期にわたり
安定にするためであり、さらに塗布層とポリエステルフ
ィルム層との接着性の改善、塗布層内での反応による塗
布層の強度、耐水性、耐薬品性の改善、さらに本発明の
フィルムと他の材料との接着性の改善等をはかることが
できるからである。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレート
のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、ラウリル
基、ステアリル基、シクロヘキシル基等を挙げることが
できる。
アクリルアクリレートあるいはアクリルメタクリレート
と共重合可能でかつ官能基を有するビニル単量体は、樹
脂に親水性を付与して樹脂の水分散性を良好にしたり、
あるいは樹脂とポリエステルフィルムや下塗り層上に設
ける他の塗布層との接着性を良好にする官能基を有する
ものが好ましい。好ましい官能基とは、カルボキシル基
又はその塩、酸無水物基、スルホン酸基又はその塩、ア
ミド基又はアルキロール化されたアミド基、アミノ基
(置換アミノ基を含む)又はアルキロール化されたアミ
ノ基あるいはそれらの塩、水酸基、エポキシ基等であ
る。特に接着性、水溶性、水分散性の点で好ましいもの
は、カルボキシル基又はその塩、酸無水物基、エポキシ
基等である。これらの基は樹脂中に二種以上含有されて
いても良い。
アルキルアクリレートあるいはアルキルメタクリレート
と共重合する官能基を有するビニル系単量体は、反応性
官能基、自己架橋性官能基、親水性基等の官能基を有す
る下記の化合物類が使用できる。
カルボキシル基又はその塩、あるいは酸無水物基を有す
る化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコ
ン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、これらのカ
ルボン酸のナトリウム等との金属塩、アンモニウム塩あ
るいは無水マレイン酸等が挙げられる。
スルホン酸基又はその塩を有する化合物としては、ビニ
ルスルホン酸、スチレンスルホン酸、これらのスルホン
酸のナトリウム塩等との金属塩、アンモニウム塩等が挙
げられる。
アミド基あるいはアルキロール化されたアミド基を有す
る化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチルメタクリルアミド、メチロール化アクリ
ルアミド、メチロール化メタクリルアミド、ウレイドビ
ニルエーテル、β−ウレイドイソブチルビニルエーテ
ル、ウレイドエチルアクリレート等が挙げられる。
アミノ基あるいはアルキロール化されたアミノ基あるい
はそれらの塩を有する化合物としては、ジエチルアミノ
エチルビニルエーテル、2−アミノエチルビニルエーテ
ル、3−アミノプロピルビニルエーテル、2−アミノブ
チルビニルエーテル、ジメチルアミノエチルメタクリレ
ート、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、それらの
アミノ基をメチロール化したもの、ハロゲン化アルキ
ル、ジメチル硫酸、サルトン等により4級塩化したもの
等が挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、β−ヒドロキシエチル
アクリレート、β−ヒドロキシエチルメタクリレート、
β−ヒドロキシプロピルアクリレート、βヒドロキシプ
ロピルメタクリレート、β−ヒドロキシビニルエーテ
ル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒド
ロキシヘキシルビニルエーテル、ポリエチレングリコー
ルモノアクリレート、ポリエチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリプロピレングリコールモノアクリレー
ト、ポリプロピレングリコールメタクリレート等が挙げ
られる。
エポキシ基を有する化合物としては、グリシジルアクリ
レート、グリシジルメタクリレート等が挙げられる。
さらに、上記以外に次に示すような化合物を併用しても
良い。すなわち、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、スチレン類、ブチルビニルエーテル、マレイン酸モ
ノあるいはジアルキルエステル、フマル酸モノあるいは
ジアクリルエステル、イタコン酸モノあるいはジアルキ
ルエステル、メチルビニルケトン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、酢酸ビニル、ビニルピリジン、ビニルピロリ
ドン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられるが、こ
れらに限定されるものではない。
アクリル系樹脂は、界面活性剤を含有していても良い
が、アクリル系樹脂に含有されている低分子量体の界面
活性剤が製膜過程で凝縮され、粒子と粒子の界面に蓄積
されたり、塗布量の機械的強度、耐水性、積層体との接
着性に問題を生じる場合がある。このような場合には、
界面活性剤を含有しないいわゆるソープフリー重合によ
る重合物を利用できる。
しかしその中でも、メチルメタクリレートとメチルアク
リレートの35/65〜65/35(モル比)の共重合体を幹ポリ
マーとし、‐COOH、‐CH2OHを有するモノマーを各々1
〜5重量%導入した水分散性アクリルが特に好ましい。
スルホン酸又はその基を有するポリマー(B)の他の全
ポリマー(A)への重量混合比率の目安は、5〜95%の
範囲の時が本発明に好ましくなる場合が多い。これは5
重量%より少ない場合、接着性改良効果と帯電防止性が
不十分であるため好ましくなく、一方95重量%より多い
場合、塗膜強靭性が乏しくなるため好ましくない。特
に、10重量%〜30重量%である場合、耐アルカリ性、接
着性、塗膜強靭性と帯電防止性のバランスが良好であり
好ましい。
塗布層の固着性(ブロッキング性)、耐熱性、耐溶剤
性、機械的強度の改良のため架橋剤としてメチロール化
あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン系、アク
リルアミド系、ポリアミド系等の樹脂、エポキシ化合
物、アジリジン化合物、ブロックポリイソシアネート、
ビニル化合物等の反応性化合物を塗布層に含有せしめて
も良い。
また、本発明における塗布層には、必要に応じて消泡
剤、塗布性架橋剤、増粘剤、勇気系潤滑剤、無機系粒
子、酸化防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、塗料、顔料等
を含有せしめても良い。
また、必要に応じて、塗布層中に無機粒子を添加しても
良いが、その代表例を挙げれば、好ましくは平均粒系1
μm以下、さらに好ましくは0.5μm以下、特に好まし
くは0.2μm以下のもので、具体的にはカオリン、シリ
カ、シリカゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン、バリウ
ム塩、アルミナ、硫化モリブデン、カーボンブラック、
ジルコニウム類等が挙げられるが、これらに限定される
ものではない。
しかしその中でも膨潤性を示す層状ケイ酸塩を使用する
場合、易滑性、塗膜強靭性の面から好適である。膨潤性
を示す層状ケイ酸塩としては、モンモリロナイト、バー
ミキュライト、ヘクトライト、テニオライト、テトラシ
リシックマイカ等を挙げることができるが、透明性の点
から合成されたテニオライト、ヘクトライト、テトラシ
リシックマイカが好ましい。
さらに、該スルホン酸基含有層に任意の添加剤、例えば
熱安定剤、ブロッキング防止剤等を含有させても良いこ
とは明らかである。
しかし、スルホン酸基を有するポリマー(B)を他のポ
リマー(A)と混合してポリエステルフィルムに塗布し
て表層にスルホン酸基を有するポリエステルフィルムを
得るだけでは、本発明の目的である耐アルカリ性、耐沸
水性に優れた易接着性を得ることができない。すなわ
ち、表層のスルホン酸基が配向していなければならな
い。表層のスルホン酸基が配向することにより、接着
性、特にジアゾ塗料、UVインキ、ゼラチン組成物等との
接着性が大幅に向上するのみならず、接着後に耐水処理
や耐アルカリ処理をしても接着力の低下がほとんど認め
られなくなる。
スルホン酸基及び/又はその塩の配向度は5〜100、好
ましくは10〜80の範囲にあることにより、耐アンモニア
性、耐ボイル性に優れた強力な接着性を有したポリエス
テルフィルムを得ることができる。配向度が5未満、好
ましくは10未満であると、沸水処理やアルカリ処理等の
後加工をすることにより接着性が大幅に低下し、実用上
の接着強度がでない。一方、配向度が100、好ましくは8
0を越えると、表層に小さなクラックが入り、突起や凹
みが生じるようになり透明性や帯電防止性を低下させる
のみならず、沸水処理やアルカリ処理で接着性が急激に
低下してしまい実用に供さない。
スルホン酸基を配向させるには、任意の延伸条件では達
成できず、ある特定の条件下で延伸することにより達成
できる。スルホン酸基の配向は、スルホン酸基の結合し
ている主鎖、例えばビニルポリマー等が延伸によりフィ
ルム支持体面内に平行に膜面配向すると共に、極性の強
いスルホン酸基が密度高く配向しているためにスルホン
酸基も面内を配向するようになる。しかもこのとき延伸
させる条件を特定の条件下にしておかないとスルホン酸
基はフィルム表面に垂直に配向しない。
本発明の効果をより顕著に発現させるには、例えばスル
ホン酸基を含有した液を塗布後、延伸する過程におい
て、塗布膜中に水が存在しない状態で延伸するのが好ま
しく、そのために塗剤の濃度を高くしたり、予熱時間を
充分にとったり、フィルム破れやネッキング延伸等の欠
点の生じない範囲で延伸温度を高くしたり、延伸速度を
速くする等の方法をとるのが有効である。具体的には塗
剤濃度は好ましくは3〜20重量%、さらに好ましくは5
〜10重量%である。延伸温度は好ましくは98〜180℃、
更に好ましくは110〜150℃である。延伸速度は延伸温度
によって適宜選択する必要があり、例えば10,000%/分
〜400,000/分程度がよい。
さらに、延伸工程雰囲気中には、水分が存在しているこ
とも大切である。具体的には、延伸工程中を加圧水中、
あるいは加圧スチーム存在下で延伸することによって達
成できる。そのときの湿度としては、延伸されるフィル
ム表層での値として10%RH以上、好ましくは25%RH以上
であることが必要である。すなわち、塗布膜中には水分
は存在しないが、該塗布膜の表層のみに延伸時水分が存
在することによりスルホン酸基が選択的に強く配向する
のである。
スルホン酸基を有する塗布層の厚みは特に限定されない
が、好ましくは0.001〜5μm、さらに好ましくは0.01
〜0.4μm,最も好ましくは0.04〜0.2μmである場合、接
着性、帯電防止性の点から好適である。
次に、本発明の積層フィルムの製造方法について説明す
るが、かかる例に限定されるものではない。
最初に、本発明の支持体(I)のシートを成形する。ポ
リエチレンテレフタレートに非相溶ポリマーとして4−
メチルペンテン−1ポリマー及び低比重化剤としてポリ
アルキレングリコールを加えて充分に混合、乾燥させた
後、270〜300℃に加熱された押出機Aに供給しTダイよ
りシート状に成形することができる。また、無機粒子等
の添加剤を含んだポリエチレンテレフタレートを常法に
より押出機Bに供給してTダイ3層口金で押出機B層の
ポリマーが両表層になったB/A/Bの3層構造に積層して
シート状に成形することもできる。
上記のようにして得られたシート状フィルムは、温度10
〜60℃の冷却ドラム上で冷却固化して未延伸フィルムと
することができる。次にこの未延伸フィルムを80〜120
℃に加熱したロール群に導き、長手方向に縦延伸し20〜
30℃のロール群で冷却し得られる一軸延伸フィルム上に
所定のスルホン酸基を含有した塗布層の設けた後、充分
予熱工程で脱水し98〜180℃の加熱スチームで加湿しな
がら横方向に延伸する。フィルム上に塗布する前に必要
に応じて空気中その他種々の雰囲気中でコロナ放電処理
を施しておいても良い。また、ウレタン樹脂、エポキシ
樹脂等の公知のアンカー処理剤を用いてアンカー処理を
施しても良いが、通常は特に必要でない。塗布の方法は
特に限定されず、押出ラミネート法、メルトコーティン
グ法を用いても良いが、高速で薄膜コートすることが可
能であるという理由から水あるいは各種溶媒に分散した
塗料をグラビアコート法、リバースコート法、キスコー
ト法、ダイコート法、メタリングバーコート法等により
塗布するのが好適である。
延伸過程において、延伸倍率は、縦、横それぞれ2〜5
倍に延伸するが、その面積倍率(縦延伸倍率×横延伸倍
率)は6〜20倍であることが好ましい。面積倍率が6倍
未満であると得られるフィルムの白色性が不良となり、
逆に20倍を越えると延伸時に破れを生じやすくなり製膜
性が不良となる傾向がある。
こうして得られた二軸延伸フィルムは、フィルムの平面
性、寸法安定性を付与するためにテンター内で150〜230
℃の熱固定を行なった後、均一に徐冷し室温まで冷まし
て巻きとり、本発明のフィルムを得ることができう。
[物性の測定ならびに効果の評価方法] (1)表面粗さ JIS B0601-1976に従い、カットオフ0.25mm、測定長4mm
で中心線平均粗さRa(μm)及び最大粗さRt(μm)を
求める。
(2)ボイドの平均球相当径 フィルムの製膜工程の機械方向あるいはその垂直方向に
切った断面を走査型電子顕微鏡で1000倍〜5000倍に拡大
した写真を撮り、指定した厚みの範囲の少なくとも100
個以上のボイドをイメージアナライザにかけ、ボイドの
面積に相当する円の直径の分布を求める。この分布の体
積平均径をボイドの平均球相当径とする。
(3)比重 四塩化炭素−n−ヘプタン系の密度勾配管によって25℃
での値を用いる。
(4)熱収縮率 フィルムは長手方向又は幅方向に幅10mm長さ300mmに切
り、200mm間隔にマーキングし支持板に一定張力(5g)
下で固定した後、マーキング間隔の原長a(mm)を測定
する。次に、3gのクリップを用いて荷重をかけ150℃の
熱風オーブン中で回転させながら30分間処理し、原長測
定と同様にしてマーキング間隔b(mm)を測定する。下
記の式により熱収縮率を求め、5本の平均値を用いる。
熱収縮率(%)=(a−b)/a (5)光学濃度 フィルムを約150μmの厚みになるように重ね、光学濃
度計(TR927、マクベス社製)を用いて透過濃度を測定
する。フィルムの厚みと光学濃度とをプロットし、150
μmの厚みに相当する光学濃度を求める。
(6)白色度 JIS−L−1015に準じて、島津製作所(株)製UV−260を
用いて波長450nm及び550nmにおける反射率をそれぞれB
%、G%としたとき、 白色度(%)=4B−3G で表わされる。
(7)色調 フィルムの表面色を日本電色工業(株)製色差計Σ80で
測定し、得られたL値、a値、b値で判定する。
(8)延伸性 24時間連続して製膜した時、フィルム破れが皆無のもの
を「良好」、2回以上のものを「破れあり」とする。
(9)スリット切粉 24時間本発明のフィルムを片刃レザーで切断した時、レ
ザーに白い粉が付着している場合を「発生」とする。
(9)クッション率(%) 三富製作所(株)ダイヤルゲージNo.2109-10に標準測定
子900030を用い、さらにダイヤルゲージスタンドNo.700
1DGS-Mを用いてダイヤルゲージ押え部分に荷重50gと500
gとをかけた時のそれぞれのフィルムの厚さd50、d500
ら次式により求める。
(10)形状係数 ボイドの平均径を求めるときと同様に、フィルム断面で
の非相溶ポリマーの形状をイメージアナライザーにかけ
100個の平均の長径/短径の比率で表わす。
(11)接着性 下記塗剤を塗布後、塗膜上にクロスカット(100ケ/c
m2)を入れ該クロスカット面に45゜にセロテープ(CT−
24(ニチバン(株))を貼り、ハンドローラーを用いて
約5kgの荷重をかけ、10回往復して圧着させ、セロテー
プを手で90゜方向に引き剥して塗布層の剥離度合を観察
し以下の基準で判定する。
○:良好(剥離面積が5%未満) △:やや劣る(剥離面積が5%以上20%未満) ×:不良(剥離面積が20%以上) a)紫外線硬化型インキ(UVインキ:東洋インキ(株)
製)FD0(墨)を約5μm厚さに塗布し照射出力80W/c
m、照射距離で10cmで8秒間処理する。
b)重合度1500、ケン化度90モル%のポリビニルアルコ
ール(PVA)を水に溶解し乾燥後の塗膜厚みが5μmに
なるように塗布する。塗膜後130℃で2分間乾燥を行
う。
c)ジアゾバインダー用セルロース 市販のジアゾバインダー用セルロースとしてCBA381−05
(ナガセ産業(株)製を酢酸エチルに溶解し、濃度10重
量%とした後、バーコートし110℃で1.5分乾燥されて5.
0μm厚みの塗布層を形成する。
(12)帯電防止性 超絶縁抵抗計MODEL-VE-40(川口電機工業(株)製)に
て印加電圧100Vでの20℃、60%RHにおける表面抵抗を測
定する。表面抵抗が1X1011Ω/□以下を「良」、1X1011
Ω/□を越える場合を「不良」とする。
(13)耐水性 前記(11)でジアゾバインダー用セルロース層を形成さ
せたフィルムを濃度30重量%のアンモニア水に室温で20
時間浸漬処理後、CAB層にセロテープを貼り、前記(1
1)と同様な方法で評価する。
(14)耐溶剤性 塗布層表面に有機溶剤として酢酸エチル、トルエン、メ
チルエチルケトン、アセトン、イソプロパノールの各々
について、該溶剤を適度に含浸させた綿棒で5回(往復
回数)擦り表面状態の変化を肉眼及び拡大鏡/又は微分
干渉顕微鏡で観察し、その変化を未処理品と相対比較
し、次のごとく判定する。
◎:全く変化なし。
○:わずかに溶解している。
△:かなり溶解状態にあるが改質層はある。
×:ほぼ完全に溶解除去されている。
(15)スルホン酸あるいはスルホン酸塩の濃度 島津X線光電子分光ESCA750を用いて以下に示す測定条
件で、最表層100ÅにおけるC1Sに対するS2Pの相対強度
比で表わす。
−測定条件− 励起X線:MgK α1、2線(1253.6eV) X線出力:8kV、30mA 温度:20℃ 真空度:10-5Pa (16)スルホン酸基の配向度 フィルム面内でFT−IR−ATR法により長手方向と幅方向
の垂直2方向に測定した差スペクトルの吸光度を1000倍
した値を用いる。すなわち、高屈折率媒体として内部反
射回数25回のGe板を利用し、Wilks社のATR装置にセット
し、これをFT−IR−ATR法により長手方向と幅方向との1
450cm-1の吸光度の差が0になるように差スペクトルを
求める。試料は20x45mmの長方形にサンプリングし、こ
れをGe板に圧着し入射面に対し垂直な偏光をスペクトル
を測定する。ベースラインは1450cm-1と1000cm-1との吸
光値から直線を引いて求める。配向の吸光度は1155cm-1
のバンドを用いる。
FT−IR−ATRの測定条件は次の通りである。
装置:IFS−85(Bruker製FT-IR) 光源:クローバー(SiC) 検出器:DTGS(Deutrium Triglycine Sulfate) ビームスプリッター:Geコート/KBr (分解能:4cm-1、積算回数:1024、 アポダイゼーション:三角形 移送補正:Mertz法 ゼロフィリング:2) 付属装置:ATR測定用付属装置(Model-9、Wilks製) IRE Ge(52.5x20x2mm) 偏光子 ワイヤーグリッド型(Specac製) [実施例] 以下、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明の
実施例はこれらに限られるものではない。
実施例1 ポリエチレンテレフタレート(極限粘度[η]=0.65)
を88重量%、ポリ−4−メチルペンテン−1(三井石油
化学(株)TPX-DX820)を10重量%、分子量4000のポリ
エチレングリコールを2重量%を混合した原料を押出機
Aに供給し、常法により285℃で溶解してTダイ3層複
合口金の中央層に導入した。
一方、上記ポリエチレンテレフタレート90%重量%に、
炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm)を10重量%、蛍光
増白剤“OB−1"を0.01重量%添加した原料を押出機Bに
供給し、常法により285℃で溶解してTダイ3層複合口
金の両表層にラミネートして、該溶融体シートを表面温
度25℃に保たれた冷却ドラム上に静電荷法で密着冷却固
化させた。続いて該キャストシートを常法に従い長手方
向に98℃に加熱されたロール群を用いて3.5倍に延伸
し、25℃に冷却した。該延伸フィルムの表面を空気中で
放電処理を行った後、次に示す水系塗布剤を塗布した。
アクリル系重合体(A):メチルメタクリレート/エチ
ルアクリレート(50/50)モル%に官能基としてカルボ
キシル基、メチロール基を各2.5重量部導入したアクリ
ル系重合体(平均分子量50万)を用いた。
スルホン化ポリスチレン及び/又はその塩(B):SO2O-
X+基のX+イオンとしてH+を有し、分子量約7万のスルホ
ン化ポリスチレンを用いた。
(A)/(B)の重量比率を80/20とし、水で6重量%
に希釈し、更に無機粒子として平均粒系0.12μmのコロ
イダルシリカを塗剤中の固形分に対し重量比で0.3部添
加したものを塗剤とした。
塗剤をグラビアコーターで二軸延伸後の厚みが0.07μm
になるように塗布後、110℃で十分に予熱工程で水分を
乾燥させたのち、生スチームで雰囲気温度を145℃に加
熱及び加湿させて幅方向にテンター内で4.5倍延伸し、
続いて210℃で熱処理を行い、積層フィルムを得た。
得られたフィルムにおける支持体及び塗布層の特性を表
1に示す。得られたフィルムは、熱安定性に優れ、クッ
ション性、白色性の高い低比重のポリエステルフィルム
であることがわかる。また、接着性、耐電防止性にも優
れたものである。
比較例1、2 実施例1で用いた非相溶ポリマーのポリ−4−メチルペ
ンテン−1に代わりポリプロピレン(三井東圧社製ノー
ブレンJ4H)に代える以外は全く実施例1と同様にした
場合を比較例1、比較例1での熱処理を行わない場合を
比較例2とした。
得られた積層フィルムの特性を表1に示した。このよう
にポリプロピレンを用いた場合は、寸法安定性に優れた
低比重化フィルムは得られないことがわかる。
実施例2、3、比較例3、4 実施例1で用いた低比重化剤ポリエチレングリコール
(PEG)の添加量を実施例2、3、比較例3、4の順に
0.8、0.2、0.05、0重量%に変える以外は実施例1と同
様にして積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの特性を表1に示す。低比重化剤
ポリエチレングリコールの添加量により低比重で熱寸法
安定性に優れたフィルムの得られることがわかる。
比較例5 実施例1で用いた幅方向延伸条件を下記の条件に変更す
る以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。
−幅方向延伸条件=− 予熱温度(℃):80℃ 延伸温度(℃):145℃ 延伸領域の湿度(RH%):0 加湿方法:なし 得られたフィルムの特性を表1に示す。スルホン酸基の
表層での配向度が100を越える場合には、接着性、特に
耐アルカリ処理後の接着が弱くなり、実用的でない。
比較例6 実施例1において延伸工程中で塗布を行なわず支持体フ
ィルムのみを作製した。この支持体フィルムに実施例1
の6重量%の水系塗剤を塗布、120℃で2分間乾燥し、
積層厚み0.07μmの積層フィルムを得た。
得られた積層フィルムの特性を表1に示す。このフィル
ムの積層部におけるスルホン酸基の配向は20未満であ
り、接着性、耐アルカリ性、耐水性の劣るものであっ
た。
[発明の効果] 本発明はポリエステルを主体とするフィルム支持体
(I)にスルホン酸基を有するポリマー層(II)を積層
し、かつフィルム支持体(I)の熱収縮率、密度が特定
範囲内にあり、ポリマー層(II)のスルホン酸基が特定
範囲で分子配向しているため印刷用基材として用いた場
合、インク転写性、密着性、鮮明度に優れ、印刷時のゴ
ミの付着、熱による変形が極めて少なく印刷後の耐水
性、耐アルカリ性に優れたものとすることができた。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム支持体(I)の少なくとも片面に
    配向したスルホン酸基を有するポリマー層(II)を積層
    して成る積層フィルムであって、フィルム支持体(I)
    が150℃の熱収縮率が2%未満であり、かつ比重が0.95
    以下のポリエステルフィルムであり、ポリマー層(II)
    の少なくとも表層部に配向度が5〜100であるスルホン
    酸基を有することを特徴とする積層フィルム。
  2. 【請求項2】ポリエステルフィルム中に非相溶ポリマー
    が分散混合され、かつ該非相溶ポリマーのフィルム中で
    の形状係数が1〜4であることを特徴とする請求項1記
    載の積層フィルム。
  3. 【請求項3】非相溶ポリマーがメチルブテンポリマー、
    メチルペンテンポリマー、スチレン系ポリマー、フッ素
    系ポリマー、セルロースアセテート、セルロースプロピ
    オネートポリマーから選ばれた融点200℃以上のポリマ
    ーであることを特徴とする請求項2記載の積層フィル
    ム。
  4. 【請求項4】ポリエステルフィルムの色差計によって求
    めた色調b値が−3以下であることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  5. 【請求項5】ポリエステルフィルムがポリエステルに低
    比重化剤を含有させて得られることを特徴とする請求項
    1ないし4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 【請求項6】低比重化剤がポリアルキレングリコール、
    エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド共重合体、
    アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩
    及びそれらの変性体から選ばれたものであることを特徴
    とする請求項5に記載の積層フィルム。
  7. 【請求項7】スルホン酸基の表層濃度が0.002〜2.0%で
    あることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項
    に記載の積層フィルム。
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