JPH0698731B2 - ポリオレフィン被覆鋼材 - Google Patents

ポリオレフィン被覆鋼材

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JPH0698731B2
JPH0698731B2 JP2030320A JP3032090A JPH0698731B2 JP H0698731 B2 JPH0698731 B2 JP H0698731B2 JP 2030320 A JP2030320 A JP 2030320A JP 3032090 A JP3032090 A JP 3032090A JP H0698731 B2 JPH0698731 B2 JP H0698731B2
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    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C2222/00Aspects relating to chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive medium
    • C23C2222/20Use of solutions containing silanes

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリオレフィン被覆鋼材に関するものであ
り、特に高温環境下での使用において、被覆と鋼材間の
耐水密着力の低下と耐陰極剥離性を大幅に抑制したポリ
オレフィン被覆鋼材に関するものである。
(従来の技術) ポリオレフィン被覆鋼材は、長期の防食性が優れている
ことから、鋼管、鉄矢板等の防食に利用されている。石
油、天然ガス等のパイプラインにおいても、その防食性
からポリオレフィン被覆鋼管が多くなって来た。また、
近年、重量油の輸送向上のため重質油を加熱して低粘度
化して輸送する処置等により、管内流送物が高温にな
り、60℃を越える使用環境下での性能向上が重要な課題
となって来た。高温環境下で使用されるポリオレフィン
被覆鋼材に要求されるクロメート処理剤の性能として
は、耐陰極剥離性の向上、密着力の低下の防止等があげ
られる。
本発明者らは、特開平1-280545号に示したように、鋼管
の表面に、リン酸、シリカ微粒子を添加したクロメート
処理剤を用いた処理を施すことによって、60℃を越える
使用環境下での耐陰極剥離性を向上させる方法を提供し
た。また、密着力低下の防止に関しては、特開昭62−48
543号に、鋼板と樹脂の接着力を強化するために、リン
酸とシランカップリング剤を添加したクロメート処理剤
を用いる複合積層鋼板の製造方法の提案がある。
(発明が解決しようとする課題) 特開平1-280545号に示したクロメート処理を施したポリ
オレフィン被覆鋼材では、80℃までの耐高温陰極剥離性
は良好であるが、熱水に浸漬すると樹脂−鋼材間の密着
力が低下してゆく。また、特開昭62−48543号において
提案されたリン酸とシランカップリング剤を添加したク
ロメート処理剤では、高温での陰極剥離性が大きい。本
発明は、特開平1-280545号で提案したクロメート処理剤
を改良することによって耐高温陰極剥離性に加えて熱水
浸漬後の被覆−鋼材間の密着性が共に優れたポリオレフ
ィン被覆鋼材を提供するものである。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上述の問題点を解決すべく特開平1-280545号
に示した被覆構成で特にクロメート処理剤の改良を鋭意
検討したものである。すなわち、鋼材の表面に、リン酸
と無水クロム酸の混合水溶液を高分子還元剤で部分的に
還元し、シリカ系微粒子、水溶性シランカップリング剤
を添加した混合物からなるクロメート処理剤を塗布して
焼き付けたのち、プライマー、変性ポリオレフィン接着
剤、ポリオレフィンの被覆を順次積層することによっ
て、高温での耐陰極剥離性と熱水浸漬後の密着性が供に
優れたポリオレフィン被覆鋼材が得られることを見いだ
し、本発明に至った。このポリオレフィン被覆鋼材を第
1図に示す。第1図で鋼材5の表面に、リン酸、シリカ
系微粒子と水溶性シランカップリング剤を含有するクロ
メート処理剤層4、熱硬化性エポキシ樹脂等からなるプ
ライマー層3、変性ポリオレフィン接着剤層2、ポリオ
レフィン被覆または架橋ポリオレフィン被覆1を順次積
層したことを特徴とする高温での耐陰極剥離性、熱水浸
漬後の被覆−鋼材間の密着性が共に優れたポリオレフィ
ン被覆鋼材に関するものである。
以下、本発明につき詳細に説明を行なう。
本発明に使用する鋼材とは、炭素鋼あるいは、ステンレ
ス鋼、チタン合金鋼等の合金鋼である。また、炭酸鋼の
表面に、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、チタン、ア
ルミニウム−マグネシウム合金、ニッケル−クロム−鉄
系合金、ニッケル−モリブテン系合金、ニッケル−モリ
ブテン−クロム・タングステン系合金、チタン−パラジ
ウム系合金、チタン−アルミニウム−パナジウム系合金
等の金属を積層した鋼材であってもよい。さらに、炭酸
鋼の表面に亜鉛、アルミニウム、ニッケル、銅などのメ
ッキ、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、亜鉛−ニッケ
ル、亜鉛−ニッケル−コバルトなどの合金メッキ、ある
いは、これらのメッキ・合金メッキにシリカ、酸化チタ
ンなどの無機物の微細粒子を分散させた分散メッキを施
した鋼材であってもよい。
次に、本発明で使用するクロメート処理剤について説明
する。
本発明で使用するクロメート処理剤とは、蒸留水にリン
酸と無水クロム酸(CrO3)を溶解した水溶液を有機系還
元剤で部分的に還元し、リン酸、6価のクロムイオンと
3価のクロムイオンを混在させ、かつシリカ系微粒子と
水溶性シランカップリング剤を混合したものであるが、
必要に応じてリン酸の一部をピロリン酸、トリポリリン
酸等の縮合リン酸で置き換えることが出来る。
6価から3価へのクロムの部分的還元に用いる有機系還
元剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール等
のアルコール、ジエタノールアミン、トリエタノールア
ミン等のアルキロールアミン、蟻酸、酢酸、シュウ酸等
の飽和カルボン酸、ピロガロール等の芳香族多価アルコ
ール、コハク酸、アジピン酸等の不飽和カルボン酸等の
単分子還元剤、または、小麦デンプン、トウモロコシデ
ンプン等のデンプン、ポリビニルアルコール等の高分子
還元剤を用いることができる。熱水浸漬後の被覆−鋼材
間の密着力と耐高温陰極剥離性の向上には、高分子還元
剤、中でも、アミロペクチン分を多く含むデンプン、例
えばトウモロコシデンプンをアミログルコシターゼ等の
加水分解酵素で部分的に加水分解して得られるデキスト
リン(平均分子量50000−25000)、あるいは、 の分子構造を持ち、分子量が60000-140000の部分ケン化
ポリ酢酸ビニル等が望ましい。
前記のデキストリンと部分ケン化酢酸ビニルは、全クロ
ムに対する6価クロムの比率を所望の比率に保持するた
めに必要な量を用いる。所望の比率とは全クロムに対す
る6価クロムの重量比が、0.25-0.65の範囲が望まし
い。この比率に関しては、全クロムに対する6価クロム
の重量比が0.25未満及び0.65越では、熱水浸漬後の密着
力が低下しがちである。
尚、上記の全クロムに対する6価クロムの重量比を0.25
-0.65の範囲にするに要するデキストリンの量はクロメ
ート処理液中に全クロムに対する重量比で、0.09-0.45
の範囲であり、部分ケン化酢酸ビニルの量はクロメート
処理液中の全クロムに対する重量比で0.10-0.58の範囲
である。
前記のクロメート処理剤に添加するリン酸は、以下の効
果を持つ。クロメート処理液のpHを低下させるため、鋼
材とクロメート処理剤との反応性が高まると共に、加熱
焼付けによる6価クロムから3価クロムへの還元性の増
加をもたらし不溶解性の高いクロメート被膜を生成す
る。また、リン酸は、シリカ系微粒子表面の水酸基や、
遊離、もしくは配位したクロムイオンに結合することに
より、クロメート被膜を一体化して、クロメート被膜を
熱水に対して不溶解化させると共に陰極剥離試験の際の
アルカリの発生に対しても被膜が剥離し難くなると考え
られる。
リン酸の添加量は全クロムに対するリン酸イオンの重量
比が0.2-3.0の範囲で添加することが望ましい。リン酸
添加量が0.2未満及び3.0越では、熱水浸漬後の密着力が
低下する傾向にある。
次に、前記のクロメート処理剤に添加するシリカ系微粒
子としては、例えば日本アエロジル社製のアエロジル20
0、アエロジル300、アエロジル380、アエロジルOX50、
日本シリカ工業社のニッブシールL300、ニッブシール30
0A、ニッブシールE200、ニッブシールE200A等のシリカ
微粒子、日本アエロジル社製のアエロジルCOK84、アエ
ロジルMOX80、アエロジルMOX170等のシリカ−アルミナ
微粒子、日産化学工業社製のスノーテックスO、スノー
テックスOL、スノーテックスOS、スノーテックスOML、
触媒化成工業社製のCataloid SN 、Cataloid SA、 Cata
loid S2OL等のコロイダルシリカ、日産化成工業社製の
アルミナゾル100、アルミナゾル200等のシリカ−アルミ
ナゾルのうちから、1種または2種以上を混合して用い
る。
上記のシリカ系微粒子は、後述する水溶性シランカップ
リング剤と組み合わせて使用することより、クロメート
被膜を熱水やアルカリ水溶液に対して不溶解化させるの
に著しい効果がある。シリカ系微粒子の添加量は、クロ
メート処理液中の全クロムに対するシリカ系微粒子の重
量比が0.5-3.5の範囲になるように添加することが望ま
しい。シリカ系微粒子の添加量が0.5未満及び3.5越で
は、熱水浸漬後の密着力が低下する傾向にある。
次に、前記のクロメート処理剤に添加するシランカップ
リング剤としては、γ−アニリノプロピルトリメトキシ
シラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシ
ラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルト
リメトキシシラン等の水溶性シランカップリング剤を用
いる。
以上の水溶性シランカップリング剤は、水溶液中で反応
性の高いメトキシ基(Si-OCH3)が加水分解され、シラ
ノール基(Si-OH)が生成する。生成したシラノール基
は、クロムイオン、リン酸イオン、高分子還元剤、ある
いはシリカ系微粒子の表面の水酸基と反応することによ
り、クロメート被膜の熱水に対する不溶解性が著しく向
上する。また、メトキシ基の加水分解により生成するメ
チルアルコールは還元剤であるので、加熱焼付け時には
水溶性の6価クロムから不溶性の3価クロムへの還元を
促し、クロメート被膜をより不溶解化させる。さらに、
クロメート被膜とプライマー層の接着に関して、水溶性
シランカップリング剤が、アミノ基、またはエポキシ基
を持つため、これらの有機官能基がプライマーのアミノ
基、エポキシ基と容易に結合し、クロメート被膜とプラ
イマー層の密着性の向上に著しい効果がある。水溶性シ
ランカップリング剤の添加量としては、クロメート処理
液中の全クロムに対する重量比で、0.15-3.0の範囲が望
ましい。水溶性シランカップリング剤の添加量が0.15未
満及び3.0越では、熱水浸漬後の密着力が低下しやす
い。
前記クロメート処理剤は、塗布前に、鋼材表面上にスケ
ール、油分等がある場合には、アルカリ脱脂、酸洗、サ
ンドブラスト処理、グリッドブラスト処理、ショットブ
ラスト処理等を行ない表面付着物を除去する必要があ
る。塗布後のクロメート処理剤の焼付け温度としては、
50−300℃が適切である。鋼材表面温度が50℃未満で
は、クロメート処理剤層内の脱水、クロムの還元が不足
しやすい。300℃越では、クロメート処理剤の分解が起
きる。また、クロメート処理剤の付着量としては全クロ
ム重量として、20−900mg/m2が望ましい。20mg/m2未満
では、クロメート処理の効果が発揮されず、900mg/m2
では強固な被膜が形成されず密着性が低下する。
次に、本発明で使用するプライマーについて説明する。
本発明で使用するプライマーとは、エポキシ樹脂、硬化
剤と無機顔料を主成分とする。エポキシ樹脂としては、
ビスフェノールA、AD、Fのジグリシジリエーテル、あ
るいは、フェノールノボラック型のグリシジルエーテル
等を単独、または、混合して使用する。硬化剤として
は、脂環式変性アミン、脂肪族アミン、ジシアンジアミ
ド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等を使用する。ま
た、無機顔料としては、シリカ、酸化チタン、ウォラス
トナイト、マイカ、酸化クロム等を適宜用いる。また、
樹脂との濡れ性を良くするために、上記の顔料の表面に
アルミ−シリカ処理、シランカップリング処理、リン酸
塩処理等の化学処理を施してもよい。
次に、本発明で使用する変性ポリオレフィン接着剤につ
いて説明する。
本発明で使用する変性ポリオレフィン接着剤とは、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロンなどの公知のポリ
オレフィン、及び公知のポリオレフィン共重合体樹脂
を、マレイン酸、アクリル酸、メタアクリル酸などの不
飽和カルボン酸または、その酸無水物で変性したもの、
あるいは、その変性物をポリオレフィン樹脂で適宜希釈
したもの等、従来公知の変性ポリオレフィンである。
次に、本発明で使用するポリオレフィン被覆または、架
橋ポリオレフィン被覆について説明する。
本発明で使用するポリオレフィン被覆とは、主成分とし
て低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポ
リエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ナイロンなどの従来公知のポリオレフィン、及びエ
チレン−プロピレンブロックまたはランダム共重合体、
ポリアミド−プロピレンブロック又はランダム共重合体
等の公知のポリオレフィン共重合体を含む樹脂である。
架橋ポリオレフィン被覆とは、上記のポリオレフィン
に、電子線照射等を施し、架橋を行なった架橋ポリオレ
フィンを主成分とする。他の成分としては、顔料、充填
強化剤等を添加することができる。顔料としては、シリ
カ、シリカ・アルミナ、ルチル型酸化チタン、ガラス、
マイカ、酸化鉄赤、ケイ酸ジルコニウム、ケイ酸マグネ
シウム、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、ジンククロ
メート、ストロンチウムクロメート、シンナミド鉛、亜
酸化塩、リン酸アルミニウム、リン酸カルシウム、ケイ
モリブデン酸、ケイタングステン酸、リンモリブデン酸
亜鉛等の一般市販の顔料で、美観を要する場合には、カ
ドミウムイエロー、ポリアゾイエロー、キノフタロンイ
エロー、イソインドリノンイエロー、キナクリドンイエ
ロー、ベンガラレッド、ポリアゾブラウン、アゾレーキ
イエロー、ペリレンレッド、フタロシアニンブルー、フ
タロシアニングリーン、ベンガライエロー、アルミン酸
コバルト、アニリンブラック、カーボンブラック、ウル
トラマリンブルー、アルミニウム微粉末等の着色顔料を
添加することもできる。充填強化剤とは、ガラス、スラ
グ、シリコンカーバイド、カーボン、ボロン、ボロンナ
イトライド、アルミナ度の無機繊維充填材、ナイロン、
ポリエステル、ビニロン、アラミド、ケプラー等の有機
充填材である。
(実 施 例) 実施例−1及び比較例 本発明を具体的に説明するため、以下に各種のシランカ
ップリング剤を用いた本発明によるクロメート処理剤A-
Eを用いた実施例と、比較として、特開平1-280545号と
特開昭62-48543号に相当するクロメート処理剤F-1を用
いた比較例を挙げる。
<実施例のクロメート処理液A-Eの調合例> 実施例のクロメート処理液A-Eとしては、クロメート原
液として、無水クロム酸38.46g、リン酸30.95gを蒸留水
428.03gに溶解したものにデキストリン2.56gを加え加熱
撹拌を行いクロム酸の還元を行なった。冷却後、この液
に、10重量%のシリカ系微粒子を含む水溶液400gを加え
撹拌した。シリカ系微粒子としては日本アエロジル社製
のアエロジル200を用いた。この液とは別に水溶性シラ
ンカップリング剤A-Eを20重量%含む水溶液を社製して
おき、前述のクロメート原液に9対1の重量比で混合し
使用した。この時、溶液中の全クロムに対する6価クロ
ムの重量比は0.60、全クロムに対するリン酸の重量比は
1.5、全クロムに対するシリカ系微粒子の重量比は2.0、
全クロムに対するシランカップリング剤の重量比は1.0
であった。
<比較例のクロメート処理液Fの調合例> 特開平1-280545号に相当する比較例のクロメート処理液
Fとしては、無水クロム酸38.46g、リン酸30.95gを蒸留
水528.03gに溶解したものにデキストリン2.56gを加え加
熱撹拌を行いクロム酸の還元を行なった。冷却後、この
液に、10重量%のアエロジル200を含む水溶液400gを加
え撹拌し、処理液を作製した。この時、還元後の全クロ
ムに対する6価クロムの比率は0.60、全クロムに対する
リン酸の重量比は1.5、全クロムに対するシリカ系微粒
子の重量比は2.0であった。
<比較例のクロメート処理液Gの調合例> 特開平1-280545号に相当する比較例のクロメート処理液
Gとしては、無水クロム酸38.46g、リン酸30.95gを蒸留
水477.72gに溶解したものに5重量%の部分ケン化ポリ
酢酸ビニル水溶液(ケン化度:87%)を52.87g添加し加
熱撹拌し部分還元を行なった。冷却後、この液に、10重
量%のアエロジル200を含む水溶液400gを加え撹拌し、
処理液を作製した。この時、還元後の全クロムに対する
6価クロムの比率は0.60、全クロムに対するリン酸の重
量比は1.5、全クロムに対するシリカ系微粒子の重量比
は2.0であった。
<比較例のクロメート処理液Hの調合例> 特開昭62-48543号公報に相当する比較例のクロメート処
理液Hとしては、無水クロム酸38.46g、リン酸10.32gを
蒸留水848.66gに溶解したものにデキストリン2.56gを加
え加熱撹拌を行いクロム酸の還元を行なった。これに20
重量%のγ−アミノプロピルトリエトキシシラン水溶液
を100gを添加した。この時、還元後の全クロムに対する
6価クロムの比率は0.60、全クロムに対するリン酸の重
量比は0.5、全クロムに対するシランカップリング剤の
重量比は1.0であった。
<比較例のクロメート処理液Iの調合例> 特開昭62-48543号公報に相当する比較例のクロメート処
理液Iとしては、無水クロム酸38.46gを蒸留水620.24g
に溶解したものにデキストリン1.60gを加え加熱撹拌を
行いクロム酸の還元を行なった。これに0.1重量%の2
−アクリロイロキシアシッドフォスフェート水溶液330.
0gと10重量%のγ−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン水溶液を6.7g添加した。この時、還元後の全クロ
ムに対する6価クロムの比率は0.75であった。液の組成
を以下に示す。
CrO3 :38.46g/kg 2−アクリロイロキシアシッドフォスフェート :0.33g/kg γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン :0.67g/kg Cr3+/Cr6+=0.33 ポリオレフィン被覆鋼材の製造法としては、鋼板(9×
150×300mm)にグリッドブラスト処理を行い、その表面
に調合したクロメート処理剤を、クロム付着量として41
0-440mg/m2ロール塗布し、乾燥した後、200℃に加熱焼
付けを行なった。室温まで、鋼板を冷却した後、プライ
マーを膜厚50μmになるようにスプレー塗装機によって
塗布した後、表面温度220℃まで加熱し硬化させ、変性
ポリエチレン接着剤を膜厚200μmになるように静電塗
布した。この後、Tダイにより押し出し成形した3.0mm
厚のポリオレフィン被覆を加圧貼付けした後、冷却を行
いポリオレフィン被覆鋼材を製作した。上記の被覆鋼材
について、熱水浸漬試験(試験温度:100℃、浸漬時間:6
000時間)後の密着力測定(測定温度:室温、剥離角:90
度、剥離速度:50mm/min.で被覆を剥離するときのビール
強度を測定)及び、高温陰極剥離試験(試験温度:80
℃、電解液:3%−NaCl、電圧:1.5V〔Cu/CuSO4,標準電
極〕、初期ホリデー径:3.2mmφ、試験日数:120日間、試
験終了後の塗膜の換算剥離半径:((X/2)−(3.2/
2)1/2mm、Xは塗膜剥離直径)を行なった。結果を
第1表に示す。第1表の結果から、クロメート処理液中
に、リン酸、シリカ系微粒子、水溶性シランカップリン
グ剤を含む、本発明の実施例は、水溶性シランカップリ
ング剤を含まない特開平1-280545号に相当する比較例F,
G、シリカ系微粒子を含まない特開昭62-48543号に相当
する比較例H,Iに比べて、著しく優れた結果が得られる
ことがわかる。
実施例−2及び比較例 次に、本発明において、水溶性シランカップリング剤、
シリカ系微粒子、リン酸の添加量を換えた場合の実施例
を挙げる。
<クロメート処理液の調合例−2> クロメート処理液の実施例−1と同じ方法により、クロ
メート処理液を調合し、クロメート処理液中の水溶性シ
ランカップリング剤の添加量を変えて、前記のポリオレ
フィン被覆鋼材を製造した。該ポリオレフィン被覆鋼材
について前記の熱水浸漬後の密着力測定と高温陰極剥離
試験を行なった。結果を第2図に示す。
第2図の結果から、クロメート処理液中の水溶性シラン
カップリング剤の添加量としては、全クロムに対する重
量比が0.15-3.0で特に良好な結果が得られる。尚、添加
量が4.0でも添加量0よりは良好な結果であった。
<クロメート処理液の調合例−3> クロメート処理液の実施例−1と同じ方法により、クロ
メート処理液を調合し、クロメート処理液中のシリカ系
微粒子の添加量を変えて、前記のポリオレフィン被覆鋼
材を製作した。該ポリオレフィン被覆鋼材について前記
の熱水浸漬後の密着力測定と高温陰極剥離試験を行なっ
た。結果を第3図に示す。
第3図の結果から、クロメート処理液中のシリカ系微粒
子の添加量としては、全クロムに対する重量比で0.5-3.
5の範囲で、良好な結果が得られる。
<クロメート処理液の調合例−4> クロメート処理液の実施例−1と同じ方法により、クロ
メート処理液を調合し、クロメート処理液中のリン酸の
添加量を変えて、前記のポリオレフィン被覆鋼材を製作
した。これに対して前記の熱水浸漬後の密着力測定と高
温陰極剥離試験を行なった。結果を第4図に示す。
第4図の結果から、クロメート処理液中のリン酸の添加
量としては、全クロムに対する重量比で0.2-3.0の範囲
で、良好な結果が得られる。
(発明の効果) 実施例からも明かなように、下地に耐熱水性、密着性供
に優れたクロメート処理を行なうことにより、特開平1-
280545号で提案した耐高温陰極剥離性に加えて、従来に
ない熱浸漬後の密着性が優れたポリオレフィン被覆鋼材
を提供できることとなった。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明によるポリオレフィン被覆鋼材の断面
図、第2図はクロメート処理液中の全クロムに対する水
溶性シランカップリング剤の重量比と熱水浸漬後(6000
時間)の密着力、及び高温陰極剥離試験後の換算剥離半
径との関係を示すグラフ、第3図はクロメート処理液中
の全クロムに対するシリカ系微粒子の重量比と熱水浸漬
後(6000時間)の密着力、及び高温陰極剥離試験後の換
算剥離半径との関係を示すグラフ、第4図はクロメート
処理液中の全クロムに対するリン酸の重量比と熱水浸漬
後(6000時間)の密着力、及び高温陰極剥離試験後の換
算剥離半径との関係を示すグラフである。 1……ポリオレフィン被覆 2……変性ポリオレフィン接着剤層 3……プライマー層 4……クロメート処理剤層 5……鋼材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高松 輝雄 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 仮屋園 義久 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 加藤 弘忠 千葉県君津市君津1番地 新日本製鐵株式 會社君津製鐵所内 (72)発明者 大山 和幸 神奈川県平塚市大神2784 日本パーカライ ジング株式会社内 (72)発明者 中村 充 神奈川県平塚市大神2784 日本パーカライ ジング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−268636(JP,A) 特開 昭62−83478(JP,A) 実開 平1−312082(JP,U)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋼材の全面もしくは、一部に対して、クロ
    メート処理層、プライマー層、変性ポリオレフィン接着
    剤層、ポリオレフィン樹脂層からなる被覆層を順次積層
    させる重防食被覆鋼材であって、 前記クロメート処理剤として、全クロムに対する重量比
    で0.2〜3.0のリン酸と無水クロム酸の混合液を、有機的
    還元剤で部分的に還元し、 全クロムに対する重量比で0.5〜3.5のシリカ系微粒子
    と、 γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、 n−ブチルアミノプロピルメトキシシラン、γ−(2−
    アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
    −グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−
    (3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
    シシランの一種以上の水溶性シランカップリング剤を全
    クロムに対する重量比で0.15〜3.0添加した混合液を用
    いることを特徴とするポリオレフィン被覆鋼材。
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