JPH0695186A - 耐久性を有する非線形光学素子 - Google Patents

耐久性を有する非線形光学素子

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JPH0695186A
JPH0695186A JP24488092A JP24488092A JPH0695186A JP H0695186 A JPH0695186 A JP H0695186A JP 24488092 A JP24488092 A JP 24488092A JP 24488092 A JP24488092 A JP 24488092A JP H0695186 A JPH0695186 A JP H0695186A
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optical element
carbon atoms
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JP24488092A
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English (en)
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Yutaka Takeya
竹谷  豊
Taro Sakakibara
太郎 榊原
Naomichi Okamoto
尚道 岡本
Okihiro Sugihara
興浩 杉原
Kazuyuki Izawa
和幸 井沢
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Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐熱性のある非線形光学素子の提供 【構成】 非線形光学特性を発現しうる化合物がケイ素
からなるゾルゲルガラス担体中に含有されてなり、かつ
当該化合物が該担体中において双極子モーメントの方向
が膜厚方向に配向されるように含有されている非線形光
学素子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光情報伝送材料、光記
録技術分野における短波長変換、パラメトリック発振、
屈折率変化らを主とした非線形光学素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】有機材料の非線形光学特性が既存の無機
化合物に比べて大きいことが近年知られてきた。非線形
光学効果とは、例えばレーザ光のような強い光電場を物
質に印加した時、その物質の電気分極応答が印加電界の
大きさの一次に比例する関係から、その大きさの二次以
上の高次の効果があらわれることを示す。
【0003】二次の非線形光学には、入射光の波長を1
/2の波長に変換する第二高調波発生、1種類の波長の
光を2種類の光に変換させるパラメトリック発振、逆に
2種類の波長の光から1種類の波長の光を発現させる二
次光混合などがある。
【0004】これらの諸特性から、大きな技術発展が期
待される光データ/光情報処理や、光通信に用いられる
光スイッチ、光メモリー、あるいは、光情報記憶素子と
して使用される可能性が高い。特に近年光記録分野で
は、記録符号の読み取り、あるいは書き込みの波長の短
波長化が、高密度の記録を行う上で強く要望されるよう
になってきた。操作性、簡便性の観点から半導体レーザ
が主として用いられてきているが、既存の半導体材料の
組合わせでは、一般に630nmより短い波長の発光を
生起することは困難であるといわれている。この観点か
ら、ここに述べた二次の非線形光学特性を利用して、第
二高調波発生により、紫外領域に近い青色発光の材料が
詳しく検討され、ニオブ酸リチウム、KTP、BBOに
代表される無機材料での応用が積極的に研究されてい
る。しかしながら、無機材料は、その性能指数があまり
大きくないこと、応答速度が小さい、加工性が良くな
い、吸湿性が大きい、安定性が低いなど、実用上の問題
点が多い。
【0005】近年、これらの無機材料に対して、2―メ
チル―4―ニトロアニリン(MNA)に代表される、大
きい性能を有する有機化合物は、単結晶の形態でデバイ
ス材料への開発が行われている。しかし有機結晶は、機
械的特性や耐熱性が低いことが難点となっている。一般
に第2高調波発生能は分子内での分極が大きくかつその
分極の寄与が大きくなる長い共役系ほど大きくなるが、
このように分極を増大させると固体化の際、結晶が成長
する段階で分子の配向がその分極を打ち消し合うように
空間的に安定化し反転対称性の構造が優先的に形成され
るため光学素子として非線形光学効果が発現しないこと
が多い。特に、分極の大きな働きが期待されるカルボン
酸は、周知の通り2分子のカルボン酸同士が水素結合で
安定化することが知られており、この配置をとるために
カルボン酸類はそのままでは二次の非線形光学活性にな
ることはなく、高度の分極性を利用した機能素子として
用いるための大きな障害になることが多かった。かかる
観点から、分子1ケの双極子モーメントの活性が固体状
の集合体でも残存するような工夫が種々なされている
が、高い電場を印加することで双極子の方向を揃える事
が可能となる場合があり、通常コロナ放電処理として知
られている。このコロナ放電処理が可能となるために
は、非線形光学材料が適当な媒体に溶解、分子分散して
いる事が必要で、ポリマーを担体としたフイルム中など
に溶解して処理する事で、容易に達成出来る。
【0006】ところで、低温合成ガラスの作製法として
近年開発された、ゾルゲル法を用いて、非線形光学効果
を有する有機物質をゾルゲルガラス担体中にドープした
材料を製造するという報告がある(例えば、特許公開公
報 平成2―302329号)。それによると、非線形
光学効果を有する有機分子を混合したシリコンアルコキ
シドを加水分解、ゲル化させる過程において静電場を印
加することにより非線形光学有機分子が一方向に揃い、
これらはアルコキシドのゲル化に伴い、ガラスマトリッ
クス中に固定されるため、安定した非線形光学材料が得
られるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら該製造方
法では、室温で数日間電界を与えながらゲル化反応させ
ており、その煩雑性の点で工業的に生産性、経済性に問
題があると言わざるをえない。静電場を印加する温度も
50〜80℃と低く通常は長時間の処理が必要と推測さ
れる。
【0008】また、添加する有機分子は一般に溶解性が
大きくなく、シリコンアルコキシド、水およびアルコー
ルへの溶解量には制限があり、非線形光学素子として、
大きい性能を得ることがむずかしい。
【0009】
【課題を達成する手段】本発明は、以上のような問題を
解決すべくなされたものであり、鋭意検討を進めた結
果、ケイ素からなるゾルゲルガラス担体中に上記カルボ
ン酸誘導体(I)および/または上記一般式(II)で表
される非線形光学材料分子が高濃度に含有されてなり、
かつ加熱により生産性は高められ、さらに電界を印加す
ることによって該分子の配向を制御し担体内で長期にわ
たって固定されることが認められ、本発明に到達したも
のである。
【0010】即ち本発明は、非線形光学特性を有する下
記一般式(I)で表されるカルボン酸誘導体および/ま
たは下記一般式(II)で表される化合物の双極子モーメ
ントが、該材料を担持するゾルゲルガラス担体中にて配
向されていることを特徴とする配向非線形光学素子とそ
の製造方法に関するものである。
【0011】ここで述べる非線形光学特性を有するカル
ボン酸誘導体としては、下記一般式(I)
【0012】
【化4】 R1 ―Ar1 ―(CH=CH)n―CH=C(CN)―COB ・・・(I) [但し nは、0,1または 2を表す。Ar1 は、炭
素数5〜14の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3
―で表されるアミノ基、及び、そのハロゲン化水素塩、
4 ―O―で表されるエーテル基、R5 ―S―で表され
るチオエーテル基、シアノ基、―COOR6 または―O
COR7 で表されるエステル基、―CONR8 9 、―
NR10COR11で表されるアミド基、―R12で表される
炭化水素基(R2 ―R12は、同一もしくは異なり、炭素
数1〜8の1価の炭化水素基、または水素原子を表す)
から選ばれる官能基であり、Bは、―OH、―OR13
―NHR14で表されるカルボン酸並びに、アミド、エス
テルの官能基である。(R 13、R14はそれぞれ、同一も
しくは異なり、炭素数1から炭素数12の1価の炭化水
素基を表す)]で表されるカルボン酸誘導体である。
【0013】かかる材料の合成については、例えば、特
許公開公報 平成1―245230号(平成1年9月2
9日公開)に示されるように、芳香族アルデヒドと活性
メチレン化合物との反応で得られる α―シアノアクリ
ル酸化合物が該当する。カルボン酸誘導体は、酸の水素
結合のために結晶化する際に対称に配置した構造となる
ために、一般的に結晶化されたものは二次の非線形光学
特性は発現しない。従って、この酸を単純に以下に述べ
るゾルゲルガラス担持体に溶解、分子分散させるだけで
は、二次の非線形光学特性を期待できない。
【0014】さらに、ここで述べる非線形光学特性を有
する化合物としては、下記一般式(II)
【0015】
【化5】 X―(Ar2 ―Y)m1 ―(Ar3 )m2 ―Z ・・・(II) [但し m1 は、0,1または2を表し、m2 は、0ま
たは1を表す。Ar2およびAr3 は炭素数5〜14の
芳香族基を表す。XおよびZは、同一もしくは異なり、
ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、R15で表される炭
化水素基、―COOR16または―OCOR17で表される
エステル基、ハロゲン原子、―N(R18)R19で表され
るアミノ基、R20―S―またはR21―O―で表される基
から選ばれる官能基であり、ここで R15〜R17、R19
〜R21は同一もしくは異なり、炭素数1〜3の炭化水素
基もしくは水素原子を表し、R18 は―R22―OH、―
22―NO2 または―R22―NH2 で表される基から
選ばれる官能基であり、ここでR22は炭素数1〜3のメ
チレン鎖を表す。Yは―(CH=CH)1-3 ―、―N=
N―、―NH―で表される基である]で表される化合物
である。
【0016】これらの化合物としては、p―ニトロアニ
リン、2―メチル―4―ニトロアニリン、N,N―ジメ
チル―4―ニトロアニリン、2,4―ジニトロアニリ
ン、2―クロロ―4―ニトロアニリン、2―ブロモ―4
―ニトロアニリン、4―シアノ―N,N―ジメチルアニ
リン、4―ニトロ―トランス―スチルベン、4―アミノ
―トランス―スチルベン、4―ジメチル―アミノ―トラ
ンス―スチルベン、4―シアノ―4’―メトキシ―トラ
ンス―スチルベン、4―アミノ―4’―ニトロ―トラン
ス―スチルベン、4―ジメチルアミノ―4’―ニトロ―
トランス―スチルベン、4―ジメチルアミノペンタジエ
ニル、デスパースレッド―1(Disperse Re
d―1)、デスパースオレンジ―25(Dispers
e Orange―25)、デスパースイエロー―9
(Disperse Yellow―9)、デスパース
イエロー―7(Disperse Yellow―7)
等の有機染料類を挙げることができるが、これらに限定
されるものではない。
【0017】近年開発されたゾルゲル法と呼ばれるガラ
スの合成法は従来からの千数百度という高温を要する製
造法と違い室温以上でシリコンアルコキシドを触媒の存
在下、アルコールおよび水と反応させ、加水分解を経て
縮重合させることによりガラスを与える低温合成法であ
る。
【0018】この方法を用いると、耐熱性に乏しい有機
化合物を、加水分解反応以前のシリコンアルコキシド溶
液中にあらかじめ添加することで、ガラス中に均一分散
することができる。
【0019】本発明においてシリコンアルコキシドの加
水分解反応は、一般のゾルゲル法に準じて行われる。
【0020】本発明の一般式
【0021】
【化6】Si(OR0 4 ・・・(III ) で表されるシリコンアルコキシドとしては、R0 が炭素
数1〜4の飽和炭化水素基であり、テトラメトキシシラ
ン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、
テトラブトキシシランから選ばれる一種である。R0
炭素数の大きい炭化水素基を有するシリコンアルコキシ
ドほど一般的に加水分解速度が小さくなり、R0 の炭素
数が5以上では生産性が低く実用的でない。アルコール
は、ゾルゲル法における溶媒として用いられるものであ
って、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピル
アルコール、ブチルアルコール等を挙げることができ
る。
【0022】上記アルコールおよび水のシリコンアルコ
キシド1モルに対する添加割合は、特に制限はないが、
アルコール0.2〜20モル、水1〜10モルである。
【0023】ゾルゲル法で添加される酸性触媒は、シリ
コンアルコキシドの加水分解反応を促進し、沈澱の生成
や液相分離を防止して均質溶液を与えるはたらきがあ
る。酸としては、通常知られている一般のゾルゲルガラ
ス合成に用いられるものであればよく、塩酸、硝酸、硫
酸、酢酸等を挙げることができる。添加量は、特に制限
はないが、反応溶液が透明均質でありかつpHが6以下
であることが好ましい。pHが上記範囲外にあると反応
速度が小さくなり好ましくない。ところで、上記化学式
(I)あるいは(II)で表される有機化合物は、極性の
大きい溶媒を用いることで容易に溶解させることができ
る。非線形光学素子として性能を発揮するには、この非
線形効果の大きい有機色素化合物をできる限り高濃度に
存在させることが望ましい。ゾルゲル法における出発物
質であるシリコンアルコキシドは、極性があまり大きく
なく、該化合物を高濃度溶解することはむずかしい。
【0024】一方、ゾルゲル法では加水分解反応が進行
しさらに縮重合が進みガラス体が生成する際、系内に存
在する水アルコールが蒸発していくが、ガラス体の表面
と内部で揮発成分の濃度が異なって応力が生じるため、
亀裂、破壊、細片化がおこってしまうことがある。この
ような欠陥のないガラスを製造する際に、水よりも沸点
の高い極性溶媒を添加することが効果的である。水より
小さい表面張力を有する該極性溶媒が、水の蒸発後も反
応系内に存在することにより、生成するガラス体の表面
層に生ずる引っ張り応力は弱められ、欠陥のないガラス
体が得られる。すなわち、極性溶媒を添加することによ
り、有機色素化合物を高濃度に、シリコンアルコキシド
溶液中に溶解させ、かつ欠陥のない非線形光学素子を製
造するのに非常に有効である。
【0025】本発明で用いる極性溶媒としては、有機色
素化合物を高濃度に溶解し、かつシルコンアルコキシ
ド、アルコールおよび水と相溶し、さらにまた欠陥の生
じないガラス体を得られればよく、N,N―ジメチルホ
ルムアミド、N,N―ジメチルアセトアミド、シクロヘ
キサノンから選ばれる1種または2種以上の混合物であ
る。
【0026】添加量としては特に制限はないが、シリコ
ンアルコキシド1モルに対して0.1〜10モルであ
り、好ましくは0.5〜5モルである。0.1モルより
少ないと有機化合物を十分に添加できずガラス体にも欠
陥を生じやすくなる。また10モルを超えるとガラス体
の生成速度が小さくなり生産性が低くなってしまう。
【0027】シリコンアルコキシドにアルコール、極性
溶媒ならびに有機化合物を添加した溶液に、水および酸
性触媒を加え、加水分解と、それに続く縮重合反応が起
こる。その際、加熱することにより反応は促進され、ア
ルコール、水、極性溶媒の順で系内より蒸発、除去さ
れ、透明なガラス体を生産性よく効率的に得ることがで
きる。加熱温度は添加した有機化合物の融点あるいは分
解温度にもよるが、用いる極性溶媒の沸点付近でかつ有
機化合物の融点付近かそれ以下の温度であることが望ま
しく、100℃〜200℃の範囲で選ばれる。それ以下
の温度では極性溶媒がガラス担体に大量に残存してしま
い、一方、200℃を超えると有機色素化合物の一部
が、昇華したり分解、変成することがあり好ましくな
い。
【0028】上記方法を実施するにあたり、非線形光学
活性な化合物の双極子モーメントの方向をガラス体の内
部で揃えるために、直流電場を印加することが好まし
い。この高電場の印加方法としては、ポリマー担持体が
有効に帯電すればよく、各種の方法が考えられるが、コ
ロナ放電による方法を用いると容易に達成することが可
能となる。コロナ放電とは、図1に示した通り平板状電
極15と針状電極12との間に、直流電源11により高
電圧、例えば1kV以上、好ましくは5〜12kVの電
圧を印加して、コロナ放電を発生させ、該ガラス体13
を帯電させるものである。
【0029】この時の現象としては、空気中の分子がイ
オン化して、平板電極の方向にイオンが飛翔し、結果的
にガラス担持体にイオンが多数蓄積され、上部電極とガ
ラス担持体表面とが電位が等しくなるまで放電が継続す
ることになる。この間、担持体表面13と平板電極15
の間には、印加した電位差が生じており、担持体中の非
線形光学材料の有機化合物は電場と平行にその双極子モ
ーメントが保持されることになる。即ち、ガラス担持体
膜厚方向に、配向が揃う形になる。
【0030】このようなガラス担持体ではないが、ポリ
マーを担体として、コロナ放電により有機分子の配向を
揃え、対称中心を崩して第二高調波発生を行っている例
として、デスパースレッド―1(Disperse Red 1 )
と呼ばれるアゾ系色素での例、p―ニトロアニリンの例
がある。それらは例えば、雑誌オプトロニクス(199
0年)、3号、128頁に記載の、妹尾巌らの「高分子
非線形光学材料」、あるいは、雑誌O PLUS E(19
90年)12月号、129頁に記載の佐々木啓介の「ポ
リマーの光導波路への応用」等に詳細に解説されてい
る。
【0031】ここに述べられる通り、ポリマーを担体と
する試みは、既に公知の知見であるが、この際有機分子
の配向は揃うもののポリマーの自由空間容積が時間と共
に変化し、その結果有機分子はその空間内で配向を逐次
消失し結果的に非線形性が減少する事が認められる。
【0032】一方、本発明に述べたゾルゲルガラスは、
高分子材料のもつ自由容積空間の変化に対応する挙動が
抑制される。これは、まずゾルガラスの形成が縮重合反
応の完全な3次元架橋を基本構造にもち、ゾルゲルガラ
スへの変化でこの架橋過程が更に促進する為にミクロの
空間が、ほぼ固定される状態になるためであろうと考え
られる。このような形態変化への安定化はガラス中に分
散して配向された有機分子の形態を保持するために非対
称性が保持し、結果的に非線形特性の経時変化が大幅に
制御される事となり本発明に到達したものである。
【0033】このコロナ放電においては、一方の極は、
必ずしも針状である必要性がなく、線状でもここに示し
た目的に合致するもので、むしろガラス担持体に均等な
電場の印加が効果的に発現するために、より望ましい場
合もある。
【0034】分子の配向の確認は、上記コロナ放電した
ガラス担持体を回転させながら、入射光の偏光の方向を
変化させて、二次の高調波を観測することでも確認でき
るし、あるいは、電子スペクトルの測定を偏光の方向依
存性を測定することで、確認できる。
【0035】以下、実施例により本発明を詳述する。
【0036】
【実施例1】有機色素分子としてデスパースレッド―1
0.5gを、N,N―ジメチルホルムアミド(DM
F)2.2gとともにテトラエトキシシラン6.3gと
エタノール1.4gの混合液に添加し撹拌、溶解させ
た。これに、水2.3g、塩酸1.8gを加えたのち、
これを1分間2000回転のスピンコーターで製膜し、
ガラス基板上に作成した。このガラス基板を室温で10
分間放置後、図1に示すような平板電極の上に置き、片
側の線状電極の下8mmのところに静置して150℃に
加熱しながら、10kVの電界を印加した。この状態で
の電界印加時間は、60分でコロナ放電を行った。得ら
れた試料をNd-YAGレーザーの1.06μの波長の基本光
を入射し、緑色に発光する波長0.53μの第二高調波
を測定したところ、ポーリング終了直後から、700時
間経過後も出力強度の低下は全く見られず、経時変化の
ない極めて安定な第二高調波が観測された。メーカーフ
リンジ法により求めた水晶を基準試料とした第二高調波
発生強度は8.3pm/Vであった。
【0037】
【比較例1】デスパースレッド―1 0.5gをメチル
イソブチルケトン40gとともにポリメチルメタクリレ
ート(PMMA)10gに添加し、これを1分間に20
00回転のスピンコーターで製膜してガラス基板上に作
成した。このガラス基板をPMMAのガラス転移温度近
辺の95゜Cに加熱しながら10KVの電圧を印加し
て、上記と同様にコロナポーリングを行い、第二高調波
を測定したところ発生強度はポーリング直後は 6pm
/Vであったが、700時間経過後には強度は3.2p
m/Vに大幅に減少した。
【0038】
【実施例2】有機色素分子として、メチル―2―シアノ
―5―(4―メトキシフェニル)―ペンタジエノエート
0.5g、極性溶媒としてシクロヘキサン2.5gを用
いて実施例1と同様に行ったところ、強度5pm/Vの
第二高調波が観測された。そして出力強度の経時変化は
見られなかった。
【0039】
【実施例3】有機色素分子として、デスパースイエロー
―9を0.5g、N,N―ジメチルホルムアミド2.6
g、テトラエトキシシラン6.3g、メタノール1.5
gを用いた以外は上記と同様に実施した。140゜Cに
加熱しながら11kVの電界を印加しコロナ放電を行っ
たところ、強度4pm/Vの第二高調波が観測され、出
力強度の経時変化も見られなかった。
【0040】
【実施例4〜7】実施例1と同様の実験を行い、いずれ
も第二高調波の発生が観測され、出力強度の経時変化は
見られなかった。
【0041】
【表1】
【0042】
【比較例2】添加化合物として、メチル―2―シアノ―
5―(4―メトキシフェニル)ペンタジエノエート0.
01gをテトラエトキシシラン6.3gとエタノール
1.4gの混合液に添加したがほとんど溶けず、水2.
3g、塩酸1.8gを加えるとさらに化合物が沈澱して
しまった。
【0043】
【実施例8】上記実施例1の溶液を用いて、ガラス基板
上にあらかじめスパッタ処理された2層構造となってい
るコーニング7059(Corning7059)上に
スピンコーターにより製膜しガラス基板と併せ、4層構
造とし、これを同様にコロナポーリングを実施して、ゾ
ルゲルガラスを含む導波路を作製した。これを用いてチ
ェレンコフタイプの位相整合を行うことにより、第二高
調波の発生を観測した。本発生能は、700時間経過後
も低下は、殆ど観測されなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】コロナ放電の概略を示す。
【符号の説明】
11 高電圧電源 12 ワイアー 13 担持体 14 基板 15 平板電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉原 興浩 静岡県浜松市木戸町615 (72)発明者 井沢 和幸 静岡県引佐郡細江町中川7172−1227

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非線形光学特性を発現しうる化合物がケ
    イ素からなるゾルゲルガラス担体中に含有されてなり、
    かつ当該化合物が該担体中において双極子モーメントの
    方向が膜厚方向に配向されるように含有されている非線
    形光学素子。
  2. 【請求項2】 上記化合物が、下記式(I) 【化1】 R1 ―Ar1 ―(CH=CH)n―CH=C(CN)―COB ・・・(I) [但し nは、0,1または2を表す。Ar1 は、炭素
    数5〜14の芳香族基を表す。R1 ―は、R2 3 N―
    で表されるアミノ基、及び、そのハロゲン化水素塩、R
    4 ―O―で表されるエーテル基、R5 ―S―で表される
    チオエーテル基、シアノ基、―COOR6 または―OC
    OR7 で表されるエステル基、―CONR8 9 、―N
    10COR11で表されるアミド基、―R12で表される炭
    化水素基(R2 ―R12は、同一もしくは異なり、炭素数
    1〜8の1価の炭化水素基、または水素原子を表す)か
    ら選ばれる官能基であり、Bは、―OH、―OR13、―
    NHR14で表されるカルボン酸並びに、アミド、エステ
    ルの官能基である。(R13、R14はそれぞれ、同一もし
    くは異なり、炭素数1から炭素数12の1価の炭化水素
    基を表す)]で表されるカルボン酸誘導体であることを
    特徴とする請求項1記載の非線形光学素子。
  3. 【請求項3】 上記化合物が、下記一般式(II) 【化2】 X―(Ar2 ―Y)m1 ―(Ar3 )m2 ―Z ・・・(II) [但し m1 は、0,1または2を表し、m2 は、0ま
    たは1を表す。Ar2およびAr3 は炭素数5〜14の
    芳香族基を表す。XおよびZは、同一もしくは異なり、
    ニトロ基、シアノ基、アルデヒド基、R15で表される炭
    化水素基、―COOR16または―OCOR17で表される
    エステル基、ハロゲン原子、―N(R18)R19で表され
    るアミノ基、R20―S―または R21―O―で表される
    基から選ばれる官能基であり、ここでR15〜R17、R19
    〜R21は同一もしくは異なり、炭素数1〜3の炭化水素
    基もしくは水素原子を表し、R18は―R22―OH、―R
    22―NO2 または―R22―NH2 で表される基から選ば
    れる官能基であり、ここでR22は炭素数1〜3のメチレ
    ン鎖を表す。Yは―(CH=CH)1-3 ―、―N=N
    ―、―NH―で表される基である]で表される化合物で
    あるこを特徴とする請求項1記載の非線形光学素子。
  4. 【請求項4】 上記ケイ素からなるゾルゲルガラスが、
    下記一般式(III ) 【化3】Si(OR0 4 ・・・(III ) [但し R0 は、炭素数1〜4の炭化水素基を示す]で
    表されるシリコンアルコキシドを出発原料とするもので
    あることを特徴とする請求項1記載の非線形光学素子。
  5. 【請求項5】 上記シリコンアルコキシドのアルコール
    溶液に、100℃以上200℃以下の沸点を有する極性
    溶媒ならびに一般式(I)および/または(II)で表さ
    れる化合物を存在させ、これに水および酸性触媒を添加
    後、100℃以上200℃以下の温度において、0.5
    kV以上40kV以下の電圧を印加してコロナポーリン
    グして上記化合物を配向させ、同時に上記シリコンアル
    コキシド重合させることを特徴とする、非線形光学素子
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記極性溶媒が、N,N―ジメチルホル
    ムアミド、N,N―ジメチルアセトアミド、シクロヘキ
    サノンの中から選ばれる一種あるいは二種以上の混合物
    である請求項5記載の非線形光学素子の製造方法。
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