JPH0695168A - 調光ガラス - Google Patents

調光ガラス

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Publication number
JPH0695168A
JPH0695168A JP4247646A JP24764692A JPH0695168A JP H0695168 A JPH0695168 A JP H0695168A JP 4247646 A JP4247646 A JP 4247646A JP 24764692 A JP24764692 A JP 24764692A JP H0695168 A JPH0695168 A JP H0695168A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode layer
light control
control glass
transparent electrode
layer
Prior art date
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Pending
Application number
JP4247646A
Other languages
English (en)
Inventor
Kajiro Ushio
嘉次郎 潮
Masayuki Yamada
昌幸 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
Application filed by Nikon Corp filed Critical Nikon Corp
Priority to JP4247646A priority Critical patent/JPH0695168A/ja
Publication of JPH0695168A publication Critical patent/JPH0695168A/ja
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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 色ムラが少なくて、外観や耐久性の良好な調
光ガラスを提供する。 【構成】 少なくともエレクトロクロミック層とこれを
挟む一対の透明電極層とからなるエレクトロクロミック
素子を表面に形成した調光ガラスにおいて、前記一対の
透明電極層のシート抵抗を等しく又はほぼ等しくしたこ
とを特徴とする調光ガラス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エレクトロクロミック
素子を表面に形成した調光ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】電気素子を用いる調光ガラスは、液晶や
エレクトロクロミック素子(以下、ECDと略称する)
を利用するものなど、種々提案されており、液晶では既
に実用化されている。ECDを用いる調光ガラスは、実
用化は遅れているが、透過光のエネルギーを連続的に制
御でき、しかも視角依存性がない等の液晶にはない優れ
た特性を有する。ECDには、材料(主に電解質)の形
態として溶液型、ゲル型、全固体型等の種類がある。
【0003】調光ガラスの大型化が要請され、ECDに
おいても大型化の研究開発が進められているが、EC着
色層、電解質層、電極層等をすべて薄膜状に連続的に形
成する全固体型ECDは、貼り合わせや液状材料密封と
いった工程が不要であり、工程上最も大型化が容易と考
えられている。一般に調光ガラスの電極層には透明導電
膜が用いられる。現在多く使われているのはITOであ
るが、ZnOやSnO2 等その他の材料も検討されてい
る。これらの膜は通常、真空蒸着法やスパッタリング法
等で形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ECD調光ガラスの大
型化には種々の技術的問題を伴うが、その中の大きな問
題点の一つに色ムラがある。この色ムラは、ECD着色
時に時間が経過しても着色濃度がECDの全面で一定と
ならないで濃淡差ができる現象であり、外観不良の他、
耐久性低下の原因となる。
【0005】五層構造のECDの場合、両側の透明電極
を除いたEC三層(還元着色型EC層、イオン導電層、
可逆的電解酸化層)は、電子伝導については絶縁性を有
し、電荷注入は専らイオン電流として行われ、そのイオ
ンが着消色に寄与する。もしEC三層の一部の電子絶縁
性が十分でなく、電子電流即ちリーク電流がある場合に
は、その部分においてイオン注入と引き出しが阻害され
て、特に着色が十分におこらなくなり、結果として前記
色ムラが発生する。
【0006】局部的なリーク電流(ダスト、成膜ブツな
どによるもの)による色ムラは、調光ガラスの大型化に
伴って発生しやすくなるが、環境の清浄化や成膜条件の
適正化等の工程管理を強化することで、ある程度の改善
は可能である。しかし、EC三層の電子絶縁性が一様で
リーク電流が一様に分布している場合にも、取り出し電
極付近と電極から離れた中央部では色ムラが発生し、こ
の一様なリーク電流を十分におさえることは困難であ
る。この一様なリーク電流による色ムラは、調光ガラス
の大型化に伴って顕著になり問題がある。
【0007】本発明の目的は、色ムラが少なくて外観や
耐久性の良好な調光ガラスを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そのため、本発明は「少
なくともエレクトロクロミック層とこれを挟む一対の透
明電極層とからなるエレクトロクロミック素子を表面に
形成した調光ガラスにおいて、前記一対の透明電極層の
シート抵抗を等しく又はほぼ等しくしたことを特徴とす
る調光ガラス。」を提供する。
【0009】
【作用】図1に示す様な全固体型ECDにおける着色状
態を考える。イオン移動による着色が終了し、定常状態
に達してリーク電流だけが流れている状態では、上下の
電極間の電位差がその部分の着色濃度を示していると考
えてよい。今、上下の透明電極M1,M2間のEC三層
Meの膜厚方向の抵抗率をre、厚さをteとして場所
によらず一定とすると、この系は図2に示すような等価
回路を連続化したものとなり、下記の式1〜式3が成立
する。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
【数3】
【0013】ここで、V1,I1は上部電極層M1の取
り出し部からの距離がxの位置における上部電極層M1
の電位と層内電流を、V2,I2は同じく距離がxの位
置における下部電極層M2の電位と層内電流を、r1,
r2は上部電極層M1と下部電極層M2の抵抗率を、t
1,t2は上部電極層M1と下部電極層M2の膜厚をそ
れぞれ示し、またIeはEC三層Me内のリーク電流、
Lは電極間距離、Wは電極幅を示す。上下間の電位差V
=V1−V2は、式1〜式3によって位置(x)の関数
として求められ、式4に示す様になる。
【0014】
【数4】
【0015】ここで、Vpは印加電圧である。サイズ4
5cm×45cmの全固体透過型ECDにおいて、代表
的な物性値を式4に当てはめて行った計算から得られた
電位差(V1−V2)即ち着色濃度の分布を図3に示
す。上部電極層M1と下部電極層M2のシート抵抗は、
両方とも20Ω、印加電圧は2Vであり、CR1,CR
2,CR3,CR4の曲線は、それぞれEC三層Meの
抵抗(re・de/W)が約7750、1340、44
0、140Ωcmの場合の分布を示す。図3から、リー
ク電流が大きいほど(EC三層の抵抗が小さいほど)電
位差(着色濃度)は低下し、電極取り出し部と中央部の
電位差(着色濃度の差)即ち色ムラは大きくなることが
わかる。
【0016】次に、色ムラを上下の電極層M1,M2の
シート抵抗値の大小関係に着目して比較する為に、図4
に上部電極層のシート抵抗が20Ω、下部電極層のシー
ト抵抗が5Ωの時の電位差(着色濃度)分布を示す。C
R11,CR12,CR13,CR14の曲線は、それ
ぞれ図3のCR1〜CR4と同じEC三層の抵抗値(7
750〜140Ωcm)におけるデータを示す。これら
を比べると、電位差(着色濃度)自体は下部電極層M2
の抵抗が小さい方(図4)が大きくなるが、場所による
電位差(着色濃度)の分布についてみると、図3の場合
の方が小さくなっている。図3、4の場合以外の様々な
上下電極層の抵抗値における計算から、上下の電極層の
シート抵抗が等しいか、又はなるべく近いほうが、色ム
ラを少なくするためには望ましいという結果が得られ
た。電位差(着色濃度)の絶対値は印加電圧を大きくす
ることで増すことができるので、色ムラの少ない例えば
図3のような特性を有する調光ガラスが実用上は望まし
い。
【0017】以上、説明した様に調光ガラスの色ムラは
上下電極層M1,M2のシート抵抗を等しくするか、又
はなるべく近づけることにより少なくできる。上下電極
層M1,M2のシート抵抗(r1/d1,r2/d2)
を等しくするためには、抵抗率r1,r2及び/または
膜厚d1,d2を制御すれば良い。着色濃度からいって
も、着消色の応答速度からいっても上下電極層M1,M
2のシート抵抗の絶対値は、できるだけ小さい方が好ま
しい。しかし、一般に低抵抗率の透明電極層を得るため
には、蒸着、スパタリング等のような方法においても成
膜時の加熱(200〜300°C)が必要であることが
多いが、EC層をこのような高温で加熱するとその着消
色動作が劣化する。この原因は、着消色動作に大きな役
割を果たすといわれている膜中含有水が除去されるため
と考えられる。従って、EC層成膜前に行う下部透明電
極層の成膜にくらべるとEC層成膜後に行う上部透明電
極層の成膜ではEC層の劣化を防ぐために成膜時の温度
を低くせざるを得ず、結果として上部透明電極層の抵抗
率は下部透明電極層のそれよりも高くなってしまう。
【0018】そこで、上下の透明電極層のシート抵抗を
等しくするためには、下部透明電極層の抵抗率を上部透
明電極層に合わせて高くするか、または上部透明電極層
の膜厚を厚くするか、または下部透明電極層の膜厚を薄
くするか、あるいはこれらの組み合わせを行うと良い。
【0019】
【実施例】図5に示す45cm×45cmサイズの全固
体型ECD調光ガラスを以下の手順で作製した。 (1)45cm×45cmサイズのガラス製素子基板S
の表面全体にスパッタリングによりITO電極層を形成
した。スパッタリング時の基板加熱温度は200°C、
ITO電極層の膜厚は1000Å、ITO電極層のシー
ト抵抗は20Ωであった。
【0020】(2)フォトエッチングまたはレーザーカ
ッティングにより上部ITO電極層A用の取り出し電極
層Fと下部電極層Bとの間に溝を形成した。これにより
取り出し部Fとそれより隔離した下部ITO電極層Bを
形成した。尚、ITOをマスク蒸着することにより直接
にこれらのパターンを形成してもよい。 (3)スパッタリングにより酸化イリジウムと酸化スズ
との混合物からなる可逆的電解酸化層C、酸化タンタル
のイオン導電層D、酸化タングステン層Eを順次形成し
た。
【0021】(4)スパッタリングにより上部ITO電
極層Aを形成して、ECDを作製した。この時、ITO
電極層は既に素子基板S上に形成された取り出し部Fと
一端が接触するように形成した。また、スパッタリング
時の基板加熱は行わず(抵抗率は下部電極層のそれより
も高くなる)、上部ITO電極層Aの膜厚を3000Å
にして上部ITO電極層Aのシート抵抗が下部電極層B
と同じ20Ωになるようにした。
【0022】(5)断面がコの字型で長さが45cmの
リン青銅またはステンレス製の導電性クリップHを2本
用意した。この導電性クリップH2本を図6に示す様に
素子基板Sの対抗する辺に装着し、これにより導電性ク
リップHが上部、下部各電極層の取り出し部を圧着する
ようにした。 (6)エポキシ樹脂R及びガラス製の封止基板Gにより
素子を封止した。そして、上部電極層及び下部電極層の
取り出し部にそれぞれ外部配線LA,LBをボンディン
グして本発明実施例の調光ガラスを作製した。
【0023】この様にして作製した調光ガラスに駆動電
源Suから2Vの着色電圧を2分間印加して、この時の
調光ガラス全面におけるC光源による透過率分布を測定
したところ30〜33%であり、気になる色ムラは観察
されなかった。次に、−2Vの消色電圧を1分間印加す
ると透過率は70〜72%に回復し、消色中も消色後も
気になる色ムラは観察されなかった。
【0024】
【比較例】下部ITO電極層の膜厚を4000Åとして
シート抵抗を5Ωとした他は実施例と全く同様にして調
光ガラスを作製した。この調光ガラスに駆動電源から2
Vの着色電圧を2分間印加して調光ガラス全面における
C光源による透過率分布を測定したところ22〜32%
であり、明らかな色ムラが観察された。次に、−2Vの
消色電圧を1分間印加すると透過率は62〜65%に回
復したが、消色中に気になる色ムラが観察された。
【0025】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、調光ガラ
スの上下一対の透明導電層のシート抵抗を等しく又はほ
ぼ等しくしているので、調光ガラスの色ムラを低減して
外観や耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明にかかる調光ガラスの構成及び電気
的状態を示す説明図である。
【図2】は、本発明にかかる調光ガラスの電子等価回路
図である。
【図3】は、上下電極層のシート抵抗値を等しく(20
Ω)した時の45cm×45cmサイズ調光ガラスの電
位差(着色濃度)分布を計算により求めたデータ図であ
る。
【図4】は、同じ大きさの調光ガラスで上部電極層のシ
ート抵抗値を20Ω、下部電極層のシート抵抗値を5Ω
とした時の電位差(着色濃度)分布を計算により求めた
データ図である。
【図5】は、本発明の実施例である調光ガラスの概略垂
直断面図である。
【図6】は、実施例の製造途中にある調光ガラスの概略
垂直断面図である。
【符号の説明】
A・・・上部ITO電極層 B・・・下部ITO電極層 E・・・酸化タングステン層 D・・・イオン導電層 C・・・可逆的電解酸化層 ECD・・・エレクトロクロミック素子 S・・・素子基板 H・・・導電性クリップ M1・・上部電極層 M2・・下部電極層 Me・・EC三層 V1・・上部電極層M1の電位 V2・・下部電極層M2の電位 I1・・上部電極層M1の層内電流 I2・・下部電極層M2の層内電流 Ie・・EC三層Me内のリーク電流 d1・・上部電極層M1の膜厚 d2・・下部電極層M2の膜厚 de・・EC三層Meの膜厚 W・・・電極幅 L・・・電極間距離 r1・・上部電極層M1の抵抗率 r2・・下部電極層M2の抵抗率 re・・EC三層Meの膜厚方向の抵抗率

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともエレクトロクロミック層とこ
    れを挟む一対の透明電極層とからなるエレクトロクロミ
    ック素子を表面に形成した調光ガラスにおいて、前記一
    対の透明電極層のシート抵抗を等しく又はほぼ等しくし
    たことを特徴とする調光ガラス。
JP4247646A 1992-09-17 1992-09-17 調光ガラス Pending JPH0695168A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4247646A JPH0695168A (ja) 1992-09-17 1992-09-17 調光ガラス

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4247646A JPH0695168A (ja) 1992-09-17 1992-09-17 調光ガラス

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0695168A true JPH0695168A (ja) 1994-04-08

Family

ID=17166590

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4247646A Pending JPH0695168A (ja) 1992-09-17 1992-09-17 調光ガラス

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0695168A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013028473A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Institute Of Physical & Chemical Research 電気制御調光素子

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013028473A (ja) * 2011-07-27 2013-02-07 Institute Of Physical & Chemical Research 電気制御調光素子

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