JPH0694059A - 多板式ブレーキおよびその使用方法 - Google Patents

多板式ブレーキおよびその使用方法

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JPH0694059A
JPH0694059A JP5190181A JP19018193A JPH0694059A JP H0694059 A JPH0694059 A JP H0694059A JP 5190181 A JP5190181 A JP 5190181A JP 19018193 A JP19018193 A JP 19018193A JP H0694059 A JPH0694059 A JP H0694059A
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JP
Japan
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thickness
friction
friction plates
plate
brake
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JP5190181A
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English (en)
Inventor
Masatake Sakagami
正剛 阪上
Shiro Nakajima
志郎 中島
Yukinori Yamashita
幸典 山下
Yosuke Takemura
洋輔 竹村
Tomoyuki Wakamatsu
智之 若松
Takatoshi Takemoto
隆俊 竹本
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Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D55/00Brakes with substantially-radial braking surfaces pressed together in axial direction, e.g. disc brakes
    • F16D2055/0075Constructional features of axially engaged brakes
    • F16D2055/0095Plural rotors with different properties, e.g. to influence working conditions like wear or temperature

Landscapes

  • Braking Arrangements (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ライフコストを大幅に低減することができる
多板式ブレーキを提供することである。 【構成】 本発明に従う多板式ブレーキは、炭素繊維強
化炭素複合材料からなる複数の摩擦板を有し、摩耗によ
り厚みが減じた複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦板
として、少なくとも2回以上使用できるように、予め厚
みの異なる摩擦板を配列しておくことにより構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多板式ブレーキおよび
その使用方法に関し、特に高速鉄道、航空機等に使用さ
れる多板式ブレーキおよびその使用方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】従
来、航空機等に用いられる炭素繊維強化炭素複合材料
(以下、C/Cコンポジットと略す)製多板式ブレーキ
においては、C/Cコンポジット製ディスクは、その厚
みがほぼ同等のものが用いられていた。
【0003】ところが、ディスクの厚みがほぼ同等のも
のでは、摩擦により摩耗したディスクの厚みがかなり薄
くなってしまうため、ほとんど再使用することはできな
かった。このため、摩耗したディスクは、所定の厚みを
有する新品のディスクと交換される必要があった。
【0004】しかしながら、C/Cコンポジットは、レ
ジンモールド摩擦材あるいは銅系焼結金属等の従来材に
比べ、かなり高価であるため、従来の多板式ブレーキで
はライフコストが高くなるという問題を有していた。
【0005】そこで最近、C/Cコンポジット製多板式
ブレーキでは、摩耗した摩擦板を再研磨して元の厚みの
1/2の厚みとし、これを2枚重ねにして元の厚みを有
する1枚の摩擦板として再利用が行なわれるようになっ
てきた。
【0006】ところが、摩擦板を元の厚みの1/2の厚
みにまで加工するには加工費が嵩み不経済的である。
【0007】また、設計上、板厚の薄い摩擦板を多用す
るようなブレーキでは、摩擦板を元の厚みの1/2の厚
みにまで加工する際の作業のしにくさが問題となってく
る。さらに、厚みの薄い摩擦板を複数重ね合わせて元の
厚みとした摩擦板についてはその強度面に不安があっ
た。
【0008】本発明は、上述のような従来の課題を解消
するためになされたものであって、ライフコストを大幅
に低減することができる多板式ブレーキを提供すること
を目的とする。
【0009】また、本発明は使用済の摩擦板をより簡便
にかつ少なくとも2回以上有効に再使用することができ
る多板式ブレーキの使用方法を提供することをさらなる
目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の多板式
ブレーキは、炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数の
摩擦板を有する多板式ブレーキにおいて、摩耗により厚
みが減じた複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦板とし
て、少なくとも2回以上使用できるように、予め厚みの
異なる摩擦板を配列しておくことを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の好ましい局面によれば、
複数の摩擦板の配列において、中央から両端にかけて摩
擦板の厚さが段階的に薄くなるように構成される。
【0012】請求項1および請求項2に記載の多板式ブ
レーキにおいて、用いる摩擦板の厚みが最も厚いもの
で、(全摩擦板の厚みの合計)/(用いた摩擦板の数)
の20%増し以上であり、最も薄いもので、(全摩擦板
の厚みの合計)/(用いた摩擦板の数)の20%減以下
であることが望ましい。
【0013】請求項3に記載の多板式ブレーキの使用方
法は、炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数の摩擦板
を有する多板式ブレーキにおいて、摩耗により厚みが減
じた複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦板として、少
なくとも2回以上使用できるように、予め厚みの異なる
摩擦板を配列してなる多板式ブレーキの使用方法であっ
て、多板式ブレーキが低負荷で主として使用される常用
ブレーキに用いられる場合、摩耗により厚みが減じた摩
擦板の交換時に配列の両端に位置する摩擦板に新品の摩
擦板を配置することを特徴とする。
【0014】請求項4に記載の多板式ブレーキの使用方
法は、炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数の摩擦板
を有する多板式ブレーキにおいて、摩耗により厚みが減
じた複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦板として、少
なくとも2回以上使用できるように、予め厚みの異なる
摩擦板を配列してなる多板式ブレーキの使用方法であっ
て、摩耗により厚みが減じた摩擦板を単独でまたは複数
組合せて再利用のための摩擦板とし、摩耗前に再利用の
ための摩擦板と同じ厚さを有していた摩擦板の位置に再
利用のための摩擦板を移動させて、かつ摩耗により減じ
た厚みを補充するため、新品の摩擦板を新規に追加する
ことを特徴とする。
【0015】請求項3および請求項4に記載の多板式ブ
レーキの使用方法において、用いる新品の摩擦板は、そ
の両側面が研磨され、平滑な平面を有していることを前
提とする。
【0016】また、本発明において、摩擦板を構成する
炭素繊維強化炭素複合材料は、炭素繊維を強化繊維と
し、炭素をマトリックスとした複合材料であって、耐熱
性、熱拡散性、比強度等に優れているため、航空機、レ
ーシングカー、高速鉄道等の高速高負荷用多板式ブレー
キの摩擦材として使用され得る。
【0017】
【作用】請求項1に係る多板式ブレーキでは、予め厚み
の異なる摩擦板を配列しておくため、ブレーキ使用時の
摩耗により厚みが減じた摩擦板を再研磨することで、ま
たはそのままの状態で、摩耗前の厚みとは違う厚みを有
する摩擦板として再度効率よく使用することができる。
このため、従来のように摩耗して厚みが減じた摩擦板の
ほとんどを新品の摩擦板に取換えなくても、既に使用済
の摩擦板を再利用することで大部分の摩擦板をまかなう
ことができ、摩耗により減じた厚みにほぼ相当する、足
りない一部の摩擦板だけを新品の摩擦板で新規に補充す
ればよい。その結果、レジンモールド摩擦材または銅系
焼結金属等の従来材に比べて高価な炭素繊維強化炭素複
合材料からなる摩擦板の取換えにかかる経費が節減され
るため、多板式ブレーキのライフコストを大幅に低減す
ることができる。
【0018】摩擦板の再利用を考えた場合、厚みの異な
る複数の摩擦板の配列において、図3に示すように、第
1の厚みm1 を有する摩擦板ばかりを片方に寄せ、第1
の厚みm1 よりも大きな第2の厚みm2 を有する摩擦板
ばかりをもう一方に寄せるように配置しておき、摩擦板
の交換時に摩耗により厚みの減じた第2の厚みを有する
摩擦板を第1の厚みを有する摩擦板の位置に移動させか
つ新品の摩擦板を第2の厚みを有する摩擦板の位置に補
充するような例が考えられ得る。
【0019】しかし、このように摩擦板が配列されたブ
レーキでは、吸収エネルギーが大きな制動すなわち高負
荷でブレーキが使用された場合には、中央部付近に配置
される熱容量の小さい第1の厚みm1 を有する摩擦板で
局部的な温度上昇が生じ、周辺機器への熱障害あるいは
摩擦板自体の酸化消費を促進する等の弊害を招く恐れが
ある。
【0020】また、このように摩擦板が配列されたブレ
ーキでは、摩擦板の厚みが基本的に第1の厚みm1 と第
2の厚みm2 の2種類しかないため、再利用は2回まで
となり、もし3回以上使用しようとすれば、摩擦板全体
の厚みを一定にするため交換の度に補充する新品の摩擦
板の厚みを変更したり、使用済の摩擦板の加工寸法を変
更したりする必要が生じて、摩擦板交換時の作業が煩雑
化してしまう恐れがある。
【0021】よって厚みの異なる摩擦板の配列について
は、摩擦板を少なくとも2回以上有効に再利用するに際
してより簡便な交換作業でこれを容易に実現することが
できるものであり、さらにブレーキの使用条件に適合し
ているものであることが求められる。
【0022】たとえば、炭素繊維強化炭素複合材料から
なる複数の摩擦板を有する多板式ブレーキが高負荷で主
として使用されるブレーキに用いられる場合、より具体
的に言えば、航空機用のブレーキとして用いられる場合
には、請求項2に記載するように、予め厚みの異なる複
数の摩擦板の配列において、中央から両端にかけて摩擦
板の厚さが段階的に薄くなっていることが望ましい。
【0023】従来のように中央から両端にかけての摩擦
板の厚さがすべてほぼ同じであるブレーキを使用した場
合には、ブレーキ使用時に摩擦板の配列の中央部付近で
最も温度が高くなり、両端にいくに従って温度が低くな
る温度勾配が生じてしまう。
【0024】高負荷のブレーキ条件下では、吸収した熱
量を外に拡散しにくく、熱がこもり易い中央部付近の摩
擦板は、1000℃〜1500℃もの高温に達してしま
う。このため、複数の摩擦板の配列において、中央から
両端にかけて摩擦板の厚みが段階的に薄くなるように配
列しておけば、厚みの大きな中央部付近の摩擦板の熱容
量が増大して摩擦板の最高到達温度を低く抑えることが
できる。
【0025】この結果、不活性雰囲気では3000℃以
上まで安定であるが大気中では約500℃以上において
酸化により急激に摩耗が進む炭素繊維強化炭素複合材料
からなる摩擦板の摩耗量を最低限に抑えることができ
る。したがって、高負荷で主として使用される多板式ブ
レーキの耐久性をより向上することができる。
【0026】また特に中央部付近の摩擦板の局所的な酸
化摩耗が防止できることで中央部から両端にかけての摩
擦板の摩耗量すなわち摩耗により減ずる厚み量をほぼ均
一に揃えることができる。これにより、摩擦板の交換時
に摩擦板の摩耗量を推定し易くなり、再加工後の寸法や
追加する新品の摩擦板の厚みが容易に決定できるため交
換時の作業をより簡略化することができる。
【0027】なお、この場合摩擦板の再利用を考える
と、用いる摩擦板の厚みが最も厚いもので、(全摩擦板
の厚みの合計)/(用いた摩擦板の数)の20%増し以
上であり、最も薄いもので、(全摩擦板の厚みの合計)
/(用いた摩擦板の数)が20%減以下であることが望
ましい。
【0028】一方、炭素繊維強化炭素複合材料からなる
複数の摩擦板を有する多板式ブレーキが低負荷で主とし
て使用される常用ブレーキに用いられる場合、より具体
的に言えば、たとえば鉄道車両用に装着されるブレーキ
として用いられる場合には、摩擦材の最高到達温度はた
かだか100℃〜200℃程度であるため、局所的な酸
化摩耗を心配する必要はなく、高負荷で主に使用される
ブレーキのように摩擦板の配列において特に摩擦板の厚
みについて規定しておく必要がない。
【0029】それよりはむしろ交換時の作業性を改善す
るため、摩擦板の交換時に配列の両端に位置する摩擦板
に新品の摩擦板を配置することが望ましい。
【0030】通常、鉄道車両等に装着されるブレーキ
は、低負荷でしか作動させないため、使用後の摩擦板の
面内の凹凸は比較的小さい。そこで、摩擦板の再使用に
際して摩擦面をそのまま使用することが考えられる。こ
の場合、摩擦板交換前に同じ摩擦面を共有していた摩擦
板どうしを交換後隣合わせに配置する方が好ましいが、
異なった摩擦板を共有していた摩擦板どうしを隣合わせ
にしても、数十回の制動で当たりが出てくるため問題は
ない。
【0031】しかしながら、摩擦板の配列の両端に配置
される摩擦板では、摩擦面の反対面がピストンの作用面
または反作用面となるため、低負荷で使用されていた摩
擦面の凹凸であっても片当たり等の問題が生じる。この
ため摩耗により厚みが減じた摩擦板を再研磨なしに用い
ることは出来ない。
【0032】そこで、請求項3に係る多板式ブレーキの
使用方法では、摩擦板の交換時に摩擦板の配列の両端に
新品の摩擦板を配置するように補充すれば、使用済の摩
擦板を一切再研磨することなしにより簡便に摩擦板の交
換を完了することができる。したがって、板厚の薄い摩
擦板を多用するようなブレーキにおいても摩擦板交換時
の作業性を改善することができる。
【0033】ただし、通常低負荷で使用されるブレーキ
が非常用ブレーキとしても使用される場合がある。この
ような場合はすべての摩擦板を新品の摩擦板と交換する
ことが規定されていれば、安全上の問題は生じない。
【0034】また、請求項4に係る多板式ブレーキの使
用方法では、炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数の
摩擦板を有する多板式ブレーキにおいて、ブレーキ使用
時の摩耗により厚みが減じた複数の摩擦板の各々を厚み
の違う摩擦板として、少なくとも2回以上使用できるよ
うに、摩擦板の交換時に摩耗により厚みが減じた摩擦板
を単独でまたは複数組合せて再利用のための摩擦板と
し、摩耗前に再利用のための摩擦板と同じ厚さを有して
いた摩擦板の位置に再利用のための摩擦板を移動させ
る。
【0035】このため、ブレーキ使用時の摩耗により厚
みが減じた摩擦板を再研磨することであるいは再研磨す
ることなしに、元より厚みの小さい別の厚さの摩擦板と
してまたは2枚重ねにして元より厚みの大きい別の厚さ
の摩擦板として再度効率よく使用することができるよう
になる。このため、摩耗により減じた厚みを補充するた
めだけに、新品の摩擦板を新規に追加すればよい。
【0036】したがって、請求項4に記載の多板式ブレ
ーキの使用方法を用いれば、摩擦板全体の厚みを一定に
するため、摩擦板交換の度に摩耗により減じた厚みを補
充するため新規に追加する新品の摩擦板の厚みを変更し
たり、再使用する摩擦板の加工寸法を変換したりする必
要は一切なく、より簡便な交換作業で摩擦板を元の状態
に再配列することができる。よって、摩擦板を2回以上
有効に再使用することができる。
【0037】
【実施例】
実施例1 C/Cコンポジットからなるディスク9枚一組の多板式
ブレーキ装置において、図1に示すようにピストン2の
端からディスクの厚みが22mm、26mm、29m
m、33mm、36mm、33mm、29mm、26m
m、22mmの順にディスク1を組込んだ。
【0038】このようにディスク1が組込まれたブレー
キ装置を用いて高負荷の摩擦試験を実施し、ディスクの
全摩耗量が48mmに達したとき、摩耗したディスクを
ブレーキ装置より取外し、研磨を行なった。この研磨に
より、元の厚みが22mmのディスクを18mmの厚み
に仕上げた。同様に、元の厚みが26mm、29mm、
33mm、36mmのディスクをそれぞれ16.5m
m、22mm、26mm、29mmの厚みに仕上げた。
厚みが16.5mm、18mmのディスクをそれぞれ2
枚重ねにすることで、厚みが33mm、36mmのディ
スクとした。
【0039】これらの再使用ディスクに、厚みが33m
m、29mmの新品ディスクをそれぞれ1枚づつ追加
し、上記と同様の配列でブレーキ装置に組込んだ。この
ブレーキ装置を用いて摩擦試験を実施し、ディスクの摩
耗状況を調べた。
【0040】その結果、再使用ディスクの摩耗状況は、
新品のディスクのみを用いた場合とほぼ同等の効果が得
られ、再使用しても性能的に何ら問題がないことが確認
された。
【0041】比較例1 上記の実施例1と比較するため、C/Cコンポジットか
らなるディスク9枚一組の多板式ブレーキ装置におい
て、厚みがすべて28mmのディスクを9枚組込み、実
施例1と同様に摩擦試験を行なった。
【0042】ディスクの全摩耗量が48mmに達したと
き、摩耗したディスクをブレーキ装置より取外し、研磨
を行なった。この研磨により元の厚みが28mmのディ
スクを14mmの厚みに仕上げた。厚みが14mmのデ
ィスクを2枚重ねにすることで、厚みが28mmのディ
スクとした。これらの再使用ディスクに、厚み28mm
の新品ディスク5枚を追加し、ブレーキ装置に組込ん
だ。このブレーキ装置を用いて摩擦試験を実施しディス
クの摩耗状況を調べた。
【0043】この結果、再使用ディスクと新品ディスク
との間の摩耗量において大きさ差異は見られなかった
が、両端に配列したディスクと中央付近に配列したディ
スクとでは、中央付近に配列したディスクで摩耗量が大
きくなる傾向が見られた。 実施例2 C/Cコンポジットからなるディスク9枚一組の多板式
ブレーキ装置において、図2に示すようにピストン端か
らディスクの厚みが15.23mm、15.78mm、
14.68mm、14.68mm、14.68mm、1
6.88mm、15.78mm、17.98mm、1
6.33mmの順にディスクを組込んだ。
【0044】このようにディスクが組込まれたブレーキ
装置を用いて低負荷の摩擦試験を実施し、ディスクの全
摩耗量が8.8mmに達したとき、摩耗したディスクを
ブレーキ装置より取外した。元の厚みが14.68mm
のディスク3枚を廃却し、新たに17.98mm、1
6.33mm、15.23mmの3枚のディスクを追加
して上記と同様の配列でブレーキ装置に組込んだ。この
とき、再使用ディスクは、摩耗したままのディスクを使
うものとし、研磨は一切行なわなかった。また、配列の
両端には新品のディスクを配置するものとした。ディス
クの交換に要した時間は約30分程度であった。
【0045】このブレーキ装置を用いて低負荷の摩擦試
験を実施し、ディスクの摩耗状況を調べた。
【0046】その結果、再使用ディスクの摩耗状況は、
新品のディスクのみを用いた場合とほぼ同等の結果が得
られ、再使用しても性能に何ら問題がないことが確認さ
れた。
【0047】比較例2 上記の実施例2と比較するため、C/Cコンポジットか
らなるディスク9枚一組の多板式ブレーキ装置におい
て、厚みがすべて15.78mmのディスクを9枚組込
み、実施例2と同様に低負荷で摩擦試験を行なった。
【0048】ディスクの全摩耗量が8.8mmに達した
とき、摩耗したディスクをブレーキ装置より取外し、研
磨を行なった。この研磨により元の厚みが15.78m
mのディスクを7.89mmの厚みに仕上げた。厚みが
7.89mmのディスクを2枚重ねにすることで、厚み
が15.78mmの再使用ディスクとした。これら4枚
の再使用ディスクに、厚み15.78mmの新品ディス
ク5枚追加し、ブレーキ装置に組込んだ。ディスクの交
換に要した時間は約17時間であった。
【0049】このブレーキ装置を用いて低負荷で摩擦試
験を実施し、ディスクの摩耗状況を調べた。
【0050】この結果、再使用ディスクと新品ディスク
との間の摩耗量に大きな差異は見られなかった。ただ
し、ディスク交換にかかる作業が実施例2に比べてより
煩雑になり、ディスク交換にかかる時間が格段に長くな
った。
【0051】より具体的に言えば、比較例2ではディス
ク交換に際して、摩耗したディスクを再研磨する作業、
再研磨ディスクを重ね合せて使用する際にディスクの保
持構造物との接触部(スプライン)を位置合せする作
業、および2枚のディスクの平坦度を微調整する作業等
が必要となる。特にスプラインの位置合せについては、
スプラインの位置ずれにより、摩擦時の応力がスプライ
ンに集中して破壊のもととなるため細心の注意を要す
る。
【0052】このように、実施例2に従ってディスク交
換の際に新品のディスクを両端に配列するようにすれ
ば、使用済のディスクを再研磨することなしにそのまま
再使用することができる。このため、ディスクを再研磨
する作業やディスクを重ね合せて使用する際にスプライ
ンを位置合せする作業が省略され、ディスク交換にかか
る作業の手間を最小限に抑えることができる。したがっ
て、ディスク交換にかかる時間や経費を大幅に節減する
ことができる。
【0053】上述した実施例は本発明に従う好ましい一
例であって、本発明を限定するものではない。多板式ブ
レーキに用いられるディスクの厚み、ディスク配列、デ
ィスクの数および再使用回数等を変えてさらに効率よく
炭素繊維強化炭素複合材料からなるディスクを用いても
よいことは明らかである。
【0054】
【発明の効果】請求項1に係る多板式ブレーキによれ
ば、厚みの異なる摩擦板が配置されることで、高価な炭
素繊維強化炭素複合材料からなる摩擦板を効率よく再使
用することができるようになり、多板式ブレーキにおい
て摩擦板のライフコストを大幅に低減することができ
る。
【0055】また、請求項2に係る好ましい局面におい
て、厚みの異なった摩擦板を中央から両端にかけて段階
的に薄くなるように配列すれば、摩擦板を効率よく再使
用できるだけでなく、炭素繊維強化炭素複合材料からな
る摩擦板の摩耗量を最小限に抑えることができるように
なり、その結果高負荷で主として使用される多板式ブレ
ーキの耐久性を向上することができるという効果があ
る。
【0056】さらに、請求項3に係る多板式ブレーキの
使用方法によれば、多板式ブレーキが、低負荷で主とし
て使用される常用ブレーキに用いられる場合、摩耗によ
り厚みが減じた摩擦板の交換時に配列の両端に位置する
摩擦板に新品の摩擦板を配置すれば、摩耗により厚みが
減じた摩擦板を一切研磨することなしに再使用できるの
でより簡便に摩擦板の交換を完了することができるとい
う効果がある。
【0057】また、請求項4に係る多板式ブレーキの使
用方法を用いれば、摩耗により厚みが減じた摩擦板を単
独でまたは複数組合せて再使用のための摩擦板とし、摩
耗前に再利用のための摩擦板と同じ厚さを有していた摩
擦板の位置に、再利用のための摩擦板を移動させる。こ
のため、摩耗により減じた厚みを補充するためだけに、
新品の摩擦板を新規に追加すればよい。したがって、よ
り簡便な交換作業で摩擦板を元の状態に再配列すること
ができる。よって、摩擦板を2回以上有効に再利用する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に従う多板式ブレーキの
一部を拡大した斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施例に従う多板式ブレーキの
摩擦板の配列を示す平面図である。
【図3】多板式ブレーキの摩擦板の配列の一例を示す平
面図である。
【符号の説明】
1 ディスク 2 ピストン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹村 洋輔 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 若松 智之 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内 (72)発明者 竹本 隆俊 兵庫県伊丹市昆陽北一丁目1番1号 住友 電気工業株式会社伊丹製作所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数
    の摩擦板を有する多板式ブレーキにおいて、 摩耗により厚みが減じた前記複数の摩擦板の各々を厚み
    の違う摩擦板として、少なくとも2回以上使用できるよ
    うに、予め厚みの異なる摩擦板を配列しておくことを特
    徴とする、多板式ブレーキ。
  2. 【請求項2】 前記複数の摩擦板の配列において、中央
    から両端にかけて前記摩擦板の厚さが段階的に薄くなる
    ことを特徴とする、請求項1に記載の多板式ブレーキ。
  3. 【請求項3】 炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数
    の摩擦板を有する多板式ブレーキにおいて、摩耗により
    厚みが減じた前記複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦
    板として、少なくとも2回以上使用できるように、予め
    厚みの異なる摩擦板を配列してなる多板式ブレーキの使
    用方法であって、 前記多板式ブレーキが低負荷で主として使用される常用
    ブレーキに用いられる場合、前記摩耗により厚みが減じ
    た摩擦板の交換時に、配列の両端に位置する摩擦板に新
    品の摩擦板を配置することを特徴とする、多板式ブレー
    キの使用方法。
  4. 【請求項4】 炭素繊維強化炭素複合材料からなる複数
    の摩擦板を有する多板式ブレーキにおいて、摩耗により
    厚みが減じた前記複数の摩擦板の各々を厚みの違う摩擦
    板として、少なくとも2回以上使用できるように、予め
    厚みの異なる摩擦板を配列してなる多板式ブレーキの使
    用方法であって、 前記摩耗により厚みが減じた摩擦板を単独でまたは複数
    組合せて再利用のための摩擦板とし、 前記摩耗前に前記再利用のための摩擦板と同じ厚さを有
    していた摩擦板の位置に前記再利用のための摩擦板を移
    動させて、かつ前記摩耗により減じた厚みを補充するた
    め、新品の摩擦板を新規に追加することを特徴とする、
    多板式ブレーキの使用方法。
JP5190181A 1992-07-31 1993-07-30 多板式ブレーキおよびその使用方法 Withdrawn JPH0694059A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100394060C (zh) * 2006-07-20 2008-06-11 西安超码科技有限公司 飞机炭刹车盘整体粘接维修方法
EP2077398A1 (de) * 2008-01-03 2009-07-08 Hoerbiger Antriebstechnik GmbH Lamellenkupplung/-bremse
CN103362994A (zh) * 2012-04-06 2013-10-23 梅西耶-布加蒂-道提公司 从交通工具制动器的堆叠盘片中使用和更新盘片的方法

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