JPH0693459A - 無電解錫−鉛合金めっき液 - Google Patents

無電解錫−鉛合金めっき液

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JPH0693459A
JPH0693459A JP30478092A JP30478092A JPH0693459A JP H0693459 A JPH0693459 A JP H0693459A JP 30478092 A JP30478092 A JP 30478092A JP 30478092 A JP30478092 A JP 30478092A JP H0693459 A JPH0693459 A JP H0693459A
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JP
Japan
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plating solution
mol
tin
ions
film
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JP30478092A
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Riichi Okubo
利一 大久保
Shoji Kawakubo
鐘治 川窪
Keiji Suzuki
敬次 鈴木
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Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 銅系基材面に密着性の良い均一な錫−鉛合金
(はんだ)皮膜を環境上の問題少なく十分な膜厚で形成
させ得る“置換型の無電解錫−鉛合金めっき液”を提供
する。 【構成】 無電解錫−鉛合金めっき液を、 有機スルホン酸: 0.01〜 1 mol/L(リットル) , 2価の錫イオン: 0.01〜0.5 mol/L , 2価の鉛イオン: 0.01〜0.5 mol/L , チオ尿素及びその誘導体の1種以上: 0.05 mol/L以上, ハロゲンイオン: 0.001 〜1.0 mol/L を含有して成る組成とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、銅系基材面に密着性
の優れた錫−鉛合金皮膜を作業性良く十分な厚さで形成
することができる無電解錫−鉛合金めっき液に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】電気機器或いは電子機器部品等
として使用される銅又は銅合金材面の酸化を防止し良好
なはんだ付け性を確保する手段の1つに、錫イオン及び
鉛イオンを含む処理液中に前記銅系基材面を浸漬し、そ
の際の置換反応によって該基材面に錫−鉛合金(はん
だ)皮膜を析出させる「無電解錫−鉛合金めっき」があ
る。
【0003】そして、このような「無電解錫−鉛合金め
っき」に適用されるめっき液としては、塩酸をベ−スと
したもの(特開昭49−64527号公報,特開昭50
−57927号公報等を参照)、硼フッ化水素酸をベ−
スとしたもの(特公昭62−2630号公報等を参照)
並びに有機スルホン酸をベ−スとしたもの(特開平1−
184279号公報,特開平1−290774号公報,
特開平2−197580号公報,特開平3−6357号
公報,特開平3−28360号公報等を参照)が知られ
ている。
【0004】ところが、このうち、塩酸をベ−スとした
無電解錫−鉛合金めっき液には「塩酸のミストが発生し
て使用時に周りの環境悪化や設備の腐食を招く」という
問題のあることが、また、硼フッ化水素酸をベ−スとし
た無電解錫−鉛合金めっき液に対しては「排水中に有害
なフッ素が含まれるのを防止するのが非常に困難であ
る」との問題を有していることが指摘されていた。その
上、これらの無電解錫−鉛合金めっき液では、何れも得
られるめっき皮膜は銅系基材との密着性が悪く、剥がれ
を生じ易いという欠点のほか、析出結晶,膜厚並びに合
金組成が“めっき時間”や“基板内での位置”等により
バラツキを生じ易いとの不都合も認められた。
【0005】一方、有機スルホン酸をベ−スとした無電
解錫−鉛合金めっき液には上記のような問題が少ないも
のの、このめっき液を使用した場合には形成される無電
解錫−鉛合金めっき皮膜の厚さが精々1〜2μm程度に
しか達せず、塩酸浴や硼フッ化水素酸浴を使用した場合
と同等の十分な膜厚を確保することができなかった。
【0006】このようなことから、本発明が目的とした
のは、銅系基材面に密着性の良い均一な錫−鉛合金皮膜
を環境上の問題少なく十分な膜厚で形成させ得る“置換
型の無電解錫−鉛合金めっき液”を提供することであっ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成すべく、特に“有機スルホン酸浴”の「環境上の問題
が少ない上に、 密着性が良好で析出結晶が比較的均一な
錫−鉛合金めっき皮膜が得られる」という利点に着目
し、それらを生かしつつ析出膜厚の増大が図れる手立て
を求めて重ねられた研究の結果等を基に完成されたもの
であり、「無電解錫−鉛合金めっき液を、 有機スルホン酸: 0.01〜 1 mol/L(リットル) , 2価の錫イオン: 0.01〜0.5 mol/L , 2価の鉛イオン: 0.01〜0.5 mol/L , チオ尿素及びその誘導体の内の1種以上: 0.05 mol/L以上, ハロゲンイオン: 0.001 〜1.0 mol/L を含有して成る組成とすることにより、 銅系基材面に密
着性が良くて均一な錫−鉛合金皮膜を十分な膜厚で形成
できるようにした点」に大きな特徴を有している。
【0008】このように、本発明は、「有機スルホン
酸,2価の錫イオン,2価の鉛イオン並びにチオ尿素及
び/又はその誘導体をベ−スとする溶液にハロゲンイオ
ンを添加して成る液組成」を無電解錫−鉛合金めっき液
の基本組成としたことを骨子としているが、上記主成分
のほか、この種の置換型無電解めっき液の助剤として一
般に用いられている還元剤や界面活性剤等も加えて良い
ことは言うまでもない。
【0009】そして、チオ尿素又はその誘導体について
は、好ましくは2種以上を複合で含有させるのが良い。
なぜなら、これによって無電解はんだめっき皮膜の銅系
基材との密着性が更に向上し、また析出結晶はより一層
均一化するからである。
【0010】なお、本発明に係わる上記無電解錫−鉛合
金めっき液のpHは、錫イオンの溶解度の観点から2以
下とするのが好ましい。また、この無電解錫−鉛合金め
っき液は40℃以上の温度で使用するのが良いが(使用
温度の下限は液中成分の溶解度により決められる)、液
成分の蒸発,揮発等の兼ね合いからすると加温は90℃
までとするのが望ましい。更に、めっき処理に際して液
の攪拌を均一に行うことは、得られるめっき皮膜の均一
性のために重要である。そして、めっき液の攪拌に“空
気吹き込み”といった手段を採用することは液中の錫イ
オンの酸化が起きるので避けねばならず、そのため攪拌
はスタ−ラや機械揺動によるべきである。
【0011】以下、本発明に係わる無電解錫−鉛合金め
っき液の基本組成を前記の如くに限定した理由を、各構
成成分の作用と共に詳述する。
【作用】
a) 有機スルホン酸 有機スルホン酸は溶液中の2価の錫イオン(Sn2+)及び
鉛イオン(Pb2+)の安定化のために必要な成分である
が、その含有割合が 0.01mol/L未満であると前記イオン
が不安定となって酸化物,水酸化物として沈澱するよう
になり、一方、1mol/L を超えて含有されると、めっき
液の酸性度が強くなって被めっき材等の腐食が大きくな
りすぎるという不都合を生じる。従って、有機スルホン
酸の含有割合は0.01〜1mol/L と定めた。
【0012】なお、使用できる有機スルホン酸として
は、メタンスルホン酸,エタンスルホン酸,プロパンス
ルホン酸,2-プロパンスルホン酸,2-ヒドロキシエタン
スルホン酸,2-ヒドロキシプロパンスルホン酸,p-フェ
ノ−ルスルホン酸,p-アミノベンゼンスルホン酸,p-ト
ルエンスルホン酸等のアルカンスルホン酸,アルカノ−
ルスルホン酸,芳香族スルホン酸を挙げることができ
る。
【0013】b) 2価の錫イオン及び鉛イオン 2価の錫イオン(Sn2+)及び鉛イオン(Pb2+)は基材上
に錫−鉛合金を析出させるために必要な成分であり、こ
の錫イオン,鉛イオンの組成比を制御することで、得ら
れる析出物(めっき皮膜)の錫/鉛の組成比を任意に変
化させることができる。ただ、2価の錫イオン及び鉛イ
オンの含有割合がそれぞれ 0.01mol/Lを下回るとめっき
の析出速度が実際作業上不都合な程に遅くなることか
ら、各々の含有割合の下限は 0.01mol/Lと定めた。一
方、溶解度の関係から含有割合の上限を何れも0.5mol/L
と定めた。なお、めっき液中への2価の錫イオン及び鉛
イオンの供給は、有機スルホン酸の2価の錫塩及び鉛塩
によって行うのが好ましいが、前記有機スルホン酸の溶
液に酸化第1錫,酸化第1鉛等を溶解させる方法を採用
しても良い。
【0014】c) チオ尿素或いはその誘導体 チオ尿素或いはその誘導体は置換反応の進行に伴いめっ
き液中に溶出する銅イオン (Cu+ )の錯化剤として必要
な成分であるため1種又は2種以上を含有させるが、そ
の含有割合が 0.05mol/L未満であると置換反応が殆ど起
こらなくなって錫−鉛合金の析出がなされないことか
ら、チオ尿素及び/又はその誘導体の含有割合は 0.05m
ol/L以上と定めた。そして、チオ尿素及び/又はその誘
導体の含有割合が多くなっても格別な不都合はないが、
溶解度の関係から2mol/L 以下に止めるのが好ましいと
言える。
【0015】なお、先にも述べたが、本発明めっき液に
おいては上記チオ尿素及びその誘導体を2種以上含有さ
せるのが好ましい。これにより、析出形成される錫−鉛
合金めっき皮膜と銅系基材との密着性が一段と改善され
る上、析出結晶が著しく均一化する。この理由は明確で
はないが、チオ尿素及びその誘導体を2種以上含有させ
ることにより無電解めっき反応における析出電位のバラ
ツキが均一化し、その結果、析出結晶の粒子も均一化す
ると共に、これが皮膜密着性の向上に寄与するものと考
えられる。そして、チオ尿素及びその誘導体を2種以上
含有させる場合には、これら各々を 0.05mol/L以上の割
合で含有させるのが効果的である。チオ尿素の誘導体と
しては、ジメチルチオ尿素,ジエチルチオ尿素,アリル
チオ尿素等が挙げられる。
【0016】d) ハロゲンイオン 本発明に係わる無電解錫−鉛合金めっき液において、ハ
ロゲンイオンは析出物(めっき皮膜)の膜厚を増加させ
るという重要な作用を担っている。しかし、ハロゲンイ
オンの含有割合が0.001mol/Lを下回ると上記作用による
所望の効果が得られず、一方、所望効果の確保には1.0m
ol/Lを超えて含有させる必要がないことから、ハロゲン
イオンの含有割合を 0.001〜1.0mol/Lと限定した。な
お、ハロゲンイオンとしては塩素イオン又は臭素イオン
を用いるのが実際的であるが、設備の腐食回避という観
点から塩素イオンを使用する場合には濃度を0.5mol/L以
下に抑えるのが好ましい。
【0017】使用する塩素イオン源としては、塩酸,塩
化ナトリウム,塩化カリウム,塩化リチウム,塩化アル
ミニウム,塩化アンモニウム等、水可溶性の塩素含有化
合物を挙げることができる。同様に、臭素イオン源とし
ても水可溶性の臭素含有化合物、即ち臭化水素酸,臭化
ナトリウム,臭化カリウム,臭化リチウム,臭化アンモ
ニウム等が挙げられる。ただ、陽イオンとして錫や鉛よ
りも析出電位の貴な金属イオンを含むものは、めっき皮
膜への不必要な共析が起きるために好ましくない。
【0018】前述したように、本発明に係わる無電解錫
−鉛合金めっき液には還元剤,界面活性剤等の成分を加
えることができる。特に、錫イオン(Sn2+)の酸化を防
止するため次亜リン酸ナトリウム,次亜リン酸,ヒドラ
ジン等の還元剤を添加するのは非常に効果的である。こ
のような還元剤を添加する場合には、液中還元剤の濃度
は0.01〜0.5mol/Lの範囲に調整するのが適当である。
【0019】界面活性剤は、基材面の液の濡れ性を向上
しめっきムラを無くするのに有効である。特に、非イオ
ン界面活性剤が好ましい。界面活性剤を添加する場合に
は、大量に加えても効果が著しく増進する訳ではないの
で 10g/L以下、望ましくは5g/L 以下(より望ましくは
0.1〜1g/L )の範囲に濃度を調整するのが良い。な
お、非イオン界面活性剤としては、例えば 「ノニポ−ル
(商品名:三洋化成工業株式会社)」, 「ノイゲン(商品
名:第一工業製薬株式会社)」, 「エマルゲン(商品名:
花王石鹸株式会社)」, 「ノニオン(商品名:日本油脂株
式会社)」 等が使用できる。
【0020】続いて、本発明を実施例によって更に具体
的に説明する。
【実施例】
〈実施例1〉まず、下記に示す組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 メタンスルホン酸 0.1 mol/L, メタンスルホン酸錫(2価) 0.1 mol/L, メタンスルホン酸鉛(2価) 0.05 mol/L, チオ尿素 1.0 mol/L, 塩化ナトリウム 0.3 mol/L, 次亜リン酸ナトリウム 0.2 mol/L, 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。
【0021】次に、被めっき材たる銅製基板を酸性脱脂
剤「CP−140(商品名:日本鉱業株式会社)」を用
いて脱脂した後、エッチング剤「CP−2038(商品
名:日本鉱業株式会社)」でソフトエッチングを行い、
続いて10%硫酸に浸漬してから上記無電解錫−鉛合金
めっき液に浸漬した。この際、めっき液の液温は70℃
に保持し、マグネチックスタ−ラでゆるやかに攪拌し
た。
【0022】5分及び30分の浸漬後、銅製基板は液よ
り引き上げられ、乾燥された。このように処理された銅
製基板上には灰白色の皮膜が析出しており、この膜厚を
測定したところ、5分の浸漬では 5.8μm,30分の浸
漬では 9.6μmとなっていた。
【0023】また、皮膜の組成を調査したところ「錫/
鉛=4/6(重量比)」のはんだ組成となっていること
が確認された。そして、セロハンテ−プを用いて基材と
皮膜の密着性を評価したところ、従来の“有機スルホン
酸をベ−スとした無電解はんだめっき液”を用いたもの
に劣らない十分に優れた密着性を示した。
【0024】〈比較例1〉実施例1に示した液から塩化
ナトリウムを除いた組成の無電解錫−鉛合金めっき液を
調合した。そして、実施例1の場合と同様の銅製基板を
被めっき材とし、実施例1におけると同様の前処理の
後、上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、め
っき液の液温,攪拌条件及び浸漬時間が実施例1と同様
に設定されたことは言うまでもない。
【0025】この結果、銅製基板上には灰白色の皮膜が
析出しており、皮膜の組成は「錫/鉛=6/4(重量
比)」となっていて基材と皮膜の密着性は良好であった
が、皮膜の膜厚を測定したところ、5分の浸漬及び30
分の浸漬とも 1.9μmでしかなかった。
【0026】〈実施例2〉下記組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 p-フェノ−ルスルホン酸 0.05 mol/L, p-フェノ−ルスルホン酸錫(2価) 0.07 mol/L, p-フェノ−ルスルホン酸鉛(2価) 0.05 mol/L, チオ尿素 1.0 mol/L, 塩化カリウム 0.3 mol/L, 次亜リン酸ナトリウム 0.2 mol/L, 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。
【0027】そして、実施例1の場合と同様の銅製基板
を被めっき材とし、実施例1におけると同様の前処理の
後、上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、こ
の際、めっき液の液温を80℃としたほかは、攪拌条件
及び浸漬時間とも実施例1と同様に設定された。このよ
うに処理された銅製基板上には灰白色の皮膜が析出して
おり、この膜厚を測定したところ、5分の浸漬では 3.5
μm,30分の浸漬では 6.7μmとなっていた。
【0028】また、皮膜の組成を調査したところ「錫/
鉛=6/4(重量比)」のはんだ組成となっていること
が確認された。そして、セロハンテ−プを用いて基材と
皮膜の密着性を評価したところ、従来の“有機スルホン
酸をベ−スとした無電解錫−鉛合金めっき液”を用いた
ものに劣らない十分に優れた密着性を示した。
【0029】〈比較例2〉実施例2に示した液から塩化
カリウムを除いた組成の無電解錫−鉛合金めっき液を調
合した。そして、実施例2の場合と同様の銅製基板を被
めっき材とし、実施例2におけると同様の前処理の後、
上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、めっき
液の液温,攪拌条件及び浸漬時間が実施例2と同様に設
定されたことは言うまでもない。
【0030】この結果、銅製基板上には灰白色の皮膜が
析出しており、皮膜の組成は「錫/鉛=7/3(重量
比)」となっていて基材と皮膜の密着性は良好であった
が、皮膜の膜厚を測定したところ、5分の浸漬及び30
分の浸漬とも 1.8μmでしかなかった。
【0031】〈実施例3〉下記組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 メタンスルホン酸 0.1 mol/L, メタンスルホン酸錫(2価) 0.1 mol/L, メタンスルホン酸鉛(2価) 0.04 mol/L, ジメチルチオ尿素 0.7 mol/L, 臭化カリウム 0.1 mol/L 。
【0032】そして、実施例1の場合と同様の銅製基板
を被めっき材とし、実施例1におけると同様の前処理の
後、上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、こ
の際、めっき液の液温を75℃としたほかは、攪拌条件
及び浸漬時間とも実施例1と同様に設定された。このよ
うに処理された銅製基板上には灰白色の皮膜が析出して
おり、この膜厚を測定したところ、5分の浸漬では 4.7
μm,30分の浸漬では 6.0μmとなっていた。
【0033】また、皮膜の組成を調査したところ「錫/
鉛=6/4(重量比)」のはんだ組成となっていること
が確認された。そして、セロハンテ−プを用いて基材と
皮膜の密着性を評価したところ、従来の“有機スルホン
酸をベ−スとした無電解錫−鉛合金めっき液”を用いた
ものに劣らない十分に優れた密着性を示した。
【0034】〈比較例3〉実施例3に示した液から臭化
カリウムを除いた組成の無電解錫−鉛合金めっき液を調
合した。そして、実施例3の場合と同様の銅製基板を被
めっき材とし、実施例3におけると同様の前処理の後、
上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、めっき
液の液温,攪拌条件及び浸漬時間が実施例3と同様に設
定されたことは言うまでもない。
【0035】この結果、銅製基板上には灰白色の皮膜が
析出しており、皮膜の組成は「錫/鉛=8/2(重量
比)」となっていて、基材と皮膜の密着性は良好であっ
たが、皮膜の膜厚を測定したところ、5分の浸漬では
1.5μm,30分の浸漬では 1.8μmにしか達していな
かった。
【0036】〈実施例4〉下記組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 p-フェノ−ルスルホン酸 0.05 mol/L, p-フェノ−ルスルホン酸錫(2価) 0.07 mol/L, p-フェノ−ルスルホン酸鉛(2価) 0.05 mol/L, チオ尿素 1.0 mol/L, 臭化カリウム 0.3 mol/L, 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。
【0037】そして、実施例1の場合と同様の銅製基板
を被めっき材とし、実施例1におけると同様の前処理の
後、上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、こ
の際、めっき液の液温を80℃としたほかは、攪拌条件
及び浸漬時間とも実施例1と同様に設定された。このよ
うに処理された銅製基板上には灰白色の皮膜が析出して
おり、この膜厚を測定したところ、5分の浸漬では 6.3
μm,30分の浸漬では 7.4μmとなっていた。
【0038】また、皮膜の組成を調査したところ「錫/
鉛=6/4(重量比)」のはんだ組成となっていること
が確認された。そして、セロハンテ−プを用いて基材と
皮膜の密着性を評価したところ、従来の“有機スルホン
酸をベ−スとした無電解錫−鉛合金めっき液”を用いた
ものに劣らない十分に優れた密着性を示した。
【0039】〈比較例4〉実施例2に示した液から臭化
カリウムを除いた組成の無電解錫−鉛合金めっき液を調
合した。そして、実施例4の場合と同様の銅製基板を被
めっき材とし、実施例4におけると同様の前処理の後、
上記めっき液によるめっき処理を行った。なお、めっき
液の液温,攪拌条件及び浸漬時間が実施例4と同様に設
定されたことは言うまでもない。
【0040】この結果、銅製基板上には灰白色の皮膜が
析出しており、皮膜の組成は「錫/鉛=7/3(重量
比)」となっていて基材と皮膜の密着性は良好であった
が、皮膜の膜厚を測定したところ、5分の浸漬及び30
分の浸漬とも 1.8μmでしかなかった。
【0041】〈実施例5〉下記組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 メタンスルホン酸 0.1 mol/L , メタンスルホン酸錫(2価) 0.073 mol/L , メタンスルホン酸鉛(2価) 0.027 mol/L , チオ尿素 0.5 mol/L , ジメチルチオ尿素 0.2 mol/L , 塩酸 0.27 mol/L , 次亜リン酸ナトリウム 0.2 mol/L , 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。 そして、エッチングで回路パタ−ンを形成した銅張り積
層板(100mm×100mm)を準備し、これを酸性脱脂剤「CP
−140(商品名:日本鉱業株式会社)」にて脱脂した
後、エッチング剤「CP−2038(商品名:日本鉱業
株式会社)」でソフトエッチングを行い、続いて10%
硫酸に浸漬してから上記無電解錫−鉛合金めっき液に浸
漬した。この際、めっき液の液温は70℃に保持し、マ
グネチックスタ−ラでゆるやかに攪拌した。
【0042】15分及び30分の浸漬後、基板は液より
引き上げられ、水洗に続いて乾燥された。このように処
理された基板の銅パタ−ン上には灰白色の皮膜が析出し
ており、この膜厚を10点にわたって測定したところ、
15分の浸漬では平均 4.1μm,30分の浸漬では平均
6.8μmとなっていた。
【0043】また、皮膜の平均組成を調査したところ、
何れも 「錫/鉛=6/4(重量比)」のはんだ組成となっ
ていることが確認された。そして、セロハンテ−プを用
いて基材と皮膜の密着性を評価したところ、従来の“有
機スルホン酸をベ−スとした無電解はんだめっき液”を
用いたものに劣らない十分に優れた密着性を示した。更
に、走査型電子顕微鏡を用いて析出結晶の観察を行った
ところ、結晶粒径が約3〜5μmの均一な角張った結晶
の析出していることが確認された。
【0044】〈実施例6〉下記組成の無電解錫−鉛合金
(はんだ)めっき液(水溶液)を調合した。 メタンスルホン酸 0.2 mol/L, メタンスルホン酸錫(2価) 0.1 mol/L, メタンスルホン酸鉛(2価) 0.05 mol/L, チオ尿素 0.8 mol/L, ジメチルチオ尿素 0.2 mol/L, 臭化カリウム 0.08 mol/L, 次亜リン酸ナトリウム 0.2 mol/L, 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。 そして、実施例5の場合と同様の回路パタ−ンを形成し
た銅張り積層板を被めっき材とし、実施例5におけると
同様の前処理の後、上記めっき液によるめっき処理を行
った。なお、この際、めっき液の液温を75℃としたほ
かは、攪拌条件及び浸漬時間とも実施例5と同様に設定
された。このように処理された基板の銅パタ−ン上には
灰白色の皮膜が析出しており、この膜厚を10点にわた
って測定したところ、15分の浸漬では平均 5.6μm,
30分の浸漬では平均 9.0μmとなっていた。
【0045】また、皮膜の平均組成を調査したところ、
何れも「錫/鉛=46/54(重量比)」のはんだ組成
となっていることが確認された。そして、セロハンテ−
プを用いて基材と皮膜の密着性を評価したところ、従来
の“有機スルホン酸をベ−スとした無電解はんだめっき
液”を用いたものに劣らない十分に優れた密着性を示し
た。更に、走査型電子顕微鏡を用いて析出結晶の観察を
行ったところ、結晶粒径が約3〜5μmの均一な角張っ
た結晶の析出していることが確認された。
【0046】〈実施例7〉まず、下記組成の水溶液を調
合した。 メタンスルホン酸 0.25 mol/L, メタンスルホン酸錫(2価) 0.1 mol/L, メタンスルホン酸鉛(2価) 0.05 mol/L, チオ尿素 0.6 mol/L, 非イオン界面活性剤 0.5 g/L 。
【0047】そして、これに臭化ナトリウムを0mol/L
,0.002mol/L,0.02mol/L 及び 0.1mol/L の4水準の
濃度で添加し、無電解錫−鉛合金(はんだ)めっき液を
調製した。
【0048】次に、実施例5の場合と同様の回路パタ−
ンを形成した銅張り積層板を被めっき材とし、実施例5
におけると同様の前処理の後、上記各めっき液によるめ
っき処理を行った。この際、めっき液の液温を65℃、
浸漬時間を20分とし、その他の条件は実施例5と同様
とした。
【0049】この結果、処理された基板の銅パタ−ン上
には灰白色の皮膜が析出していることが確認されたが、
その皮膜(めっき皮膜)の膜厚を測定し、めっき液中臭
化ナトリウム濃度とこのめっき膜厚との関係を求めたと
ころ表1に示す結果が得られた。
【0050】
【0051】上記表1に示される結果からは、めっき液
中のハロゲンイオン濃度が増加するにつれてめっき膜厚
も厚くなることが確認できる。
【0052】
【効果の総括】以上に説明した如く、この発明によれ
ば、銅系基材面に密着性や均一性の優れた錫−鉛合金皮
膜を十分な膜厚で形成させることができ、かつ環境悪化
成分の含有量も極力少ない置換型無電解錫−鉛合金めっ
き液が提供されるなど、産業上非常に有用な効果がもた
らされる。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 めっき液成分として 有機スルホン酸: 0.01〜 1 mol/L , 2価の錫イオン: 0.01〜0.5 mol/L , 2価の鉛イオン: 0.01〜0.5 mol/L , チオ尿素及びその誘導体の内の1種以上: 0.05 mol/L以上, ハロゲンイオン: 0.001 〜1.0 mol/L を含有して成ることを特徴とする、無電解錫−鉛合金め
    っき液。
  2. 【請求項2】 ハロゲンイオンとして塩素イオンを含ん
    で成る、請求項1に記載の無電解錫−鉛合金めっき液。
  3. 【請求項3】 ハロゲンイオンとして臭素イオンを含ん
    で成る、請求項1に記載の無電解錫−鉛合金めっき液。
JP30478092A 1991-10-18 1992-10-16 無電解錫−鉛合金めっき液 Pending JPH0693459A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009054420A1 (ja) * 2007-10-22 2009-04-30 National Institute For Materials Science 合金皮膜の無電解めっき方法およびめっき液

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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