JPH0693355A - メタリック摩擦材の製造方法 - Google Patents

メタリック摩擦材の製造方法

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JPH0693355A
JPH0693355A JP24478792A JP24478792A JPH0693355A JP H0693355 A JPH0693355 A JP H0693355A JP 24478792 A JP24478792 A JP 24478792A JP 24478792 A JP24478792 A JP 24478792A JP H0693355 A JPH0693355 A JP H0693355A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】黒鉛の脱落が防止されたメタリック摩擦材とす
る。 【構成】略螺旋状の金属繊維と黒鉛粉末とを先ず混合
し、次いで摩擦材のマトリックスを構成する母材金属の
粉末をさらに混合した後、成形・焼結する。黒鉛は螺旋
状の金属繊維中に優先的に保持されているので、マトリ
ックスからの脱落が防止され、摩擦材の耐磨耗性が向上
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のブレーキなど
に利用される摩擦材の製造方法に関し、より詳しくはマ
トリックスが金属からなるメタリック摩擦材の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】摩擦材に要求される性能として、耐摩耗
性に優れていること、摩擦係数が高いこと、摩擦係数が
安定していること、などが挙げられる。これらの性能を
満足させるためには単一素材では困難であり、摩擦材は
多くの素材が混合された複合材料から構成されている。
【0003】このような摩擦材は、大別すれば次のよう
に分類できる。 (1)コルク、セルロース:単体もあるが、多くは樹脂
を含浸して熱成形したもの (2)ウーブン:ガラス繊維、黄銅線を芯にしてアスベ
スト、有機繊維などで作った紐に樹脂を含浸させ、紐を
巻いた後熱成形したもの (3)セミモールド:紐に樹脂を含浸させ、ゴム材料を
充填し熱成形したもの (4)レジンモールド:アスベスト、ガラス繊維などを
基材とし、フェノール樹脂と各種充填材を混合した後熱
成形したもの (5)ゴムモールド:レジンモールドの樹脂の代わりに
ゴムを用いたもの (6)セミメタリック:レジンモールドのうち、基材が
金属繊維のもの (7)メタリック:金属粉末を焼結したもの (8)サーメット:セラミック粉末と金属粉末を焼結し
たもの 自動車用としては、このうちセミモールド、レジンモー
ルド系の摩擦材が従来より多用されている。しかし近年
のエンジン出力の向上などにより、摩擦材はさらに高速
高荷重性能を要求されるようになり、メタリック摩擦材
の利用も検討されている。またメタリック摩擦材は、輸
送機械、工作機械、あるいは産業車両用としても多く利
用されている。
【0004】このメタリック摩擦材は、シンタードメタ
リック摩擦材とも称され、マトリックスとなる銅系金属
などの母材金属粉末と、黒鉛などの潤滑材粉末と、硅
砂,ムライト,金属短繊維などの摩擦成分粉末とを混合
し、それを成形・焼結して製造されている。ところが、
例えば金属短繊維を含むメタリック摩擦材からなるブレ
ーキ装置では、金属短繊維がマトリックスから脱落して
摩擦材とディスクロータなどの間に存在し、制動時に押
し潰されることにより「ブレーキ鳴き」が発生すること
が明らかとなった。
【0005】そこで特開平3−79733号公報には、
長手方向の少なくとも一箇所で屈曲及び/又は湾曲され
た金属短繊維を用いた摩擦材が開示されている。この摩
擦材によれば、金属短繊維どうしの絡み合いによりマト
リックスからの金属短繊維の脱落が防止されるため、鳴
きを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで潤滑材として
メタリック摩擦材に広く用いられている黒鉛は、例えば
銅系金属をマトリックスとする摩擦材に用いられた場
合、銅と黒鉛間には何ら結合力がないため、摩擦摺動時
に黒鉛が容易に脱落するという不具合があった。本発明
はこのような事情に鑑みてなされたものであり、黒鉛の
脱落が防止されたメタリック摩擦材とすることを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のメタリック摩擦材の製造方法は、略螺旋状の金属繊
維と黒鉛粉末とを混合する第1混合工程と、第1混合工
程で形成された混合粉末に摩擦材のマトリックスを構成
する母材金属の粉末をさらに混合する第2混合工程と、
第2混合工程で形成された混合粉末から摩擦材形状の成
形体を形成する成形工程と、成形体を焼結する焼結工程
と、からなることを特徴とする。
【0008】
【作用】本発明の製造方法では、先ず略螺旋状の金属繊
維と黒鉛粉末とを混合する第1混合工程が行われ、その
後第2混合工程でさらに母材金属粉末が混合される。こ
れにより、黒鉛粉末は略螺旋状の金属繊維中に効果的に
保持され、母材金属粉末中に独立して存在するのが防止
される。
【0009】そしてこのような混合粉末から成形・焼結
されたメタリック摩擦材では、略螺旋状の金属繊維はマ
トリックスを構成する母材金属と一体的に焼結されると
ともに、黒鉛はマトリックス中に塊状に存在するのが防
止され、略螺旋状の金属繊維中に保持された状態でマト
リックス中に存在している。したがって黒鉛と母材金属
との間になんら結合力が無くとも、相手材との摩擦摺動
時に黒鉛が脱落するのが防止されている。そして黒鉛は
摩擦摺動時に螺旋状金属繊維の隙間から徐々に摺動面に
供給されるため、長期間にわたって潤滑作用を奏し耐摩
耗性などに優れている。
【0010】なお、黒鉛の保持を確実とするために、螺
旋状金属繊維の螺旋のピッチを黒鉛粉末の径より小さく
することが好ましい。
【0011】
【実施例】以下、実施例により具体的に説明する。 (実施例) <第1混合工程>平均外径1.0mm、平均長さ3.0
mm、平均線径0.1mmの螺旋状銅繊維と平均粒径
0.3mmの黒鉛粉末を、重量比で銅繊維:黒鉛=4:
8となるようにV型混合機中に投入し、1時間混合し
た。 <第2混合工程>上記V型混合機中にさらに、母材金属
粉末としての銅粉末及び錫粉末、摩擦成分粉末としての
SiO2 粉末を、表1に示す組成となるように投入し、
30分間混合した。
【0012】
【表1】 なお、母材金属としては上記以外に、銅、銅−錫−亜鉛
合金などの銅系金属、鉄を主体とし、これに銅、ニッケ
ル、コバルトなどを加えた鉄系金属などを用いることが
できる。また摩擦成分としては、ムライト、硅砂などを
用いることができる。さらに、潤滑材として黒鉛に加え
て硫化鉛、硫酸鉛などの鉛化合物あるいはMoS2 など
を用いることもできる。 <成形工程>得られた混合粉末を金型中に入れ、圧縮成
形してディスクパッド形状の成形体を形成した。 <焼結工程>得られた成形体を銅メッキされた裏金表面
に載置し、800℃で2時間加圧保持して焼結し、その
後機械加工してディスクパッドとした。 <試験>このディスクパッドをキャリパーにセットし、
鋳鉄製ロータを相手材として表2に示す条件で摩耗試験
を行い、摩耗率を測定した。結果を図3に示す。なお、
ディスクパッドとピストンの間に、ベーパロック防止の
ための断熱板を設置した。
【0013】
【表2】 (比較例)螺旋状銅繊維を用いず代わりに銅短繊維を4
重量%用い、第1混合工程を行わず第2混合工程で全部
を一度に混合したこと以外は実施例と同様にして、比較
例のディスクパッドを形成した。そして同様に摩耗率を
測定し、結果を図3に示す。 (評価)図3より、実施例の製造方法で得られたディス
クパッドは、比較例の製造方法で得られたディスクパッ
ドより摩耗試験時の摩耗率が小さく、耐摩耗性に優れて
いることがわかる。
【0014】実施例の製造方法で得られたディスクパッ
ドでは、図1に示すように銅マトリックス4中に螺旋状
銅繊維1とSiO2 粒子が均一に分散して一体的に保持
され、螺旋状銅繊維1中に黒鉛2が保持されているた
め、黒鉛2は摩擦摺動中に銅マトリックス4から脱落す
るのが防止されている。そして黒鉛2は螺旋状銅繊維1
から徐々に摺動面に供給されるため、黒鉛2の潤滑作用
が長期間持続されたことによるものである。
【0015】一方、比較例の製造方法により得られたデ
ィスクパッドでは、図2に示すように黒鉛2は平均粒径
0.1〜0.4mmの塊状となって、SiO2 粒子3及
び銅短繊維5とともにマトリックス4中に均一に分散し
て存在し、黒鉛2と銅マトリックス4との結合力は極め
て弱い。したがって黒鉛2は摩擦摺動時に銅マトリック
ス4から容易に脱落し、黒鉛2の潤滑作用が徐々に小さ
くなるため摩耗試験時の摩耗率が大きくなっている。
【0016】
【発明の効果】すなわち本発明の製造方法により得られ
たメタリック摩擦材によれば、摩擦摺動時の黒鉛の脱落
が防止され、黒鉛の潤滑作用が長期間作用するため、耐
摩耗性に優れている。そして本発明の製造方法によれ
ば、そのようなメタリック摩擦材を容易に、かつ安定し
て確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法により得られるメタリック摩
擦材の模式的断面図である。
【図2】従来の製造方法により得られるメタリック摩擦
材の模式的断面図である。
【図3】摩耗率の程度を説明する棒グラフである。
【符号の説明】
1:螺旋状銅繊維 2:黒鉛
3:SiO2 粒子 4:銅マトリックス 5:銅短繊維

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略螺旋状の金属繊維と黒鉛粉末とを混合
    する第1混合工程と、 該第1混合工程で形成された混合粉末に摩擦材のマトリ
    ックスを構成する母材金属の粉末をさらに混合する第2
    混合工程と、 該第2混合工程で形成された混合粉末から摩擦材形状の
    成形体を形成する成形工程と、 該成形体を焼結する焼結工程と、からなることを特徴と
    するメタリック摩擦材の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109930021A (zh) * 2017-12-19 2019-06-25 北京有色金属研究总院 一种铜基二氧化硅复合材料及其制备方法
CN113118434A (zh) * 2021-03-31 2021-07-16 上海连纵轨道交通科技有限公司 高速动车组制动闸片及其制备方法
CN113564498A (zh) * 2021-07-26 2021-10-29 西安理工大学 一种抗冲击耐磨复合衬板及其制备方法

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CN113118434B (zh) * 2021-03-31 2021-12-17 上海连纵轨道交通科技有限公司 高速动车组制动闸片及其制备方法
CN113564498A (zh) * 2021-07-26 2021-10-29 西安理工大学 一种抗冲击耐磨复合衬板及其制备方法

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