JPH0692136A - 電気自動車用蓄熱式空気調和装置 - Google Patents

電気自動車用蓄熱式空気調和装置

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JPH0692136A
JPH0692136A JP4243187A JP24318792A JPH0692136A JP H0692136 A JPH0692136 A JP H0692136A JP 4243187 A JP4243187 A JP 4243187A JP 24318792 A JP24318792 A JP 24318792A JP H0692136 A JPH0692136 A JP H0692136A
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JP
Japan
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heat
water
refrigerant
heat storage
water tank
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Application number
JP4243187A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Ishikawa
石川  浩
Shigeo Numazawa
成男 沼澤
Kenichi Fujiwara
健一 藤原
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Denso Corp
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
NipponDenso Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 電気自動車のバッテリの容量を大きく消耗す
ることなく、外気温が0℃以下の低温時でも水と硫化ナ
トリウムの発熱反応によって生ずる反応熱を利用した車
室内暖房を可能にする。 【構成】 水槽11内の水と蓄熱槽12内の硫化ナトリ
ウムの発熱反応により生ずる反応熱を吸熱する吸熱器2
8と、この吸熱器28で吸熱した熱エネルギーをダクト
2内へ放熱する放熱器30と、電動式の冷媒圧縮機15
より吐出された冷媒と水槽11内の水とを熱交換させる
冷媒凝縮器16等より構成されるヒートポンプ5とを備
えている。暖房運転時に、水槽11内の水の温度が10
℃以下の場合には、ヒートポンプ5を運転して、冷媒凝
縮器16により水槽11内の水を強制的に蒸発させて、
水と硫化ナトリウムの発熱反応を促進させることによっ
て、車室内暖房を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水と蓄熱物質の化学反
応によって生ずる反応熱を利用して車室内の暖房を行う
電気自動車用蓄熱式空気調和装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電気自動車のようにエンジン
冷却水等の高熱源を有さないものにおいては、ヒートポ
ンプを用いて車室内の暖房を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ヒートポン
プにより車室内を暖房する電気自動車においては、冷媒
圧縮機で消費する電力が大きく車載電源の容量が大きく
消耗するという不具合があった。このような不具合を解
消する方法として、化学反応蓄熱、すなわち、水と蓄熱
物質の化学反応によって生ずる反応熱を利用して車室内
の暖房を行うようにすることが考えられる。ところが、
化学反応蓄熱においては、外気温が0℃以下の低温時に
水が氷結したり、蒸気圧が不足したりする等の原因によ
って、水蒸気と蓄熱物質の化学反応が進まず、車室内の
暖房方法として役目を果たさないという課題があった。
なお、外気温が低温時に電気ヒータによって水を加熱し
て水蒸気を多量に発生させて化学反応を進ませることも
考えられるが、ヒートポンプと同様に、車載電源の容量
が大きく消耗してしまうので実用に耐えられなかった。
本発明は、車載電源の容量を大きく消耗することなく、
外気温が低温時の際にも水と蓄熱物質の化学反応によっ
て生ずる反応熱を利用した車室内暖房が可能な電気自動
車用蓄熱式空気調和装置の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、空気を車室内
に導くダクトと、内部に水を溜める水槽、およびこの水
槽に蒸気導通管を介して連通し、内部に蓄熱物質を溜め
る蓄熱槽を有する化学反応蓄熱手段と、前記蓄熱槽内に
設けられ、水と蓄熱物質の化学反応により生じる反応熱
を熱媒体に吸熱させる第1熱交換器、および前記ダクト
内に設けられ、前記第1熱交換器において熱媒体に吸熱
した反応熱を放熱して空気を加熱する第2熱交換器を有
する室内暖房手段と、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮
機、および前記水槽内に設けられ、前記冷媒圧縮機より
吐出された冷媒と前記水槽内の水とを熱交換させて水を
加熱する冷媒凝縮器を有するヒートポンプと、を備えた
技術手段を採用した。
【0005】
【作用】本発明は、仮に外気温が低温時であっても、ヒ
ートポンプの冷媒凝縮器内に流入する冷媒によって水槽
内の水を加熱することにより水が多量に蒸発する。この
ため、水槽内で発生した水蒸気が蒸気導通管を介して蓄
熱槽内に導かれることによって、水蒸気と蓄熱物質の化
学反応が促進される。したがって、室内暖房手段の第1
熱交換器における熱エネルギーの吸熱量が大きくなるの
で、第2熱交換器におけるダクト内への放熱量が大きく
なる。この結果、ヒートポンプは、水が蒸発する温度ま
で水槽内の水を加熱すれば、水と蓄熱物質との化学反応
を進ませることができるので、ヒートポンプ単独で第2
熱交換器と同様の温度(放熱量)を得るよりも大幅に冷
媒圧縮機の省動力化が図れ高効率なヒートポンプとな
る。したがって、電気ヒータ等により水槽内の水を加熱
するものと比較しても車載電源の容量の消耗を抑えなが
ら車室内暖房を行える。
【0006】
【実施例】つぎに、本発明の電気自動車用蓄熱式空気調
和装置を図に示す一実施例に基づいて説明する。 〔実施例の構成〕図1は電気自動車用蓄熱式空気調和装
置を示した図である。電気自動車用蓄熱式空気調和装置
1は、空気を車室内に導くダクト2、このダクト2を介
して車室内に空気を送るブロワ3、発熱反応を利用して
蓄熱を行う化学反応蓄熱手段4を備える。さらに、電気
自動車用蓄熱式空気調和装置1は、この化学反応蓄熱手
段4の発熱反応を促進させ、且つ車室内を冷暖房するヒ
ートポンプ5、発熱反応により発生する反応熱を利用し
て車室内を暖房する温水式暖房装置6、およびこれらの
装置を制御する制御装置7(図2参照)を備える。
【0007】ダクト2の風上側には、車室内空気または
車室外空気を導入する導入口8が形成されている。ま
た、ダクト2の風下側には、車室内に空気を吹き出す吹
出口9が形成されている。ブロワ3は、制御装置7に制
御されるブロワモータ10により回転駆動され、所定の
回転数で回転してダクト2内に車室内に向かう空気流を
発生させる。化学反応蓄熱手段4は、内部に水(H
2 O)を溜める水槽11、内部に蓄熱物質{本例では硫
化ナトリウム(Na2 S)}を溜める蓄熱槽12、およ
び水槽11と蓄熱槽12との間で水蒸気をやり取りする
ための蒸気導通管13等よりなり、外部より密閉されて
いる。この蒸気導通管13の途中には、制御装置7の出
力に応じて蒸気導通管13を開閉する電磁弁14が配さ
れている。その電磁弁14は、無用な水と蓄熱物質との
発熱反応を防止するために設けられている。なお、化学
反応蓄熱手段4は、次式の発熱反応(放熱)を利用して
車室内の暖房を行ったり、次式の吸熱分解反応(蓄熱)
を利用して蓄熱したりする。
【数1】
【0008】ヒートポンプ5は、いわゆる冷凍サイクル
であって、電動式の冷媒圧縮機15、冷媒凝縮器16、
膨張弁17、電磁弁18、室内熱交換器19、二方弁2
0、膨張弁21および冷媒蒸発器22等を接続してな
る。冷媒圧縮機15は、制御装置7に制御される圧縮機
モータ23により回転駆動され、吸入側より内部に吸入
した冷媒ガスを圧縮して高温高圧の冷媒ガスを吐出側よ
り吐出する。冷媒凝縮器16は、水槽11内に配され、
高温の冷媒ガスと水槽11内の水とを熱交換させて水を
蒸発させると共に冷媒を凝縮させる。膨張弁17は、冷
媒凝縮器16で凝縮した高温の液冷媒を断熱膨張して低
温の霧状冷媒にする。電磁弁18は、膨張弁17を迂回
する迂回路24に設けられ、制御装置7の出力に応じて
迂回路24を開閉する。
【0009】室内熱交換器19は、ダクト2の風上側に
配され、暖房運転時に冷媒凝縮器16で凝縮した高温の
液冷媒とダクト2内を流れる空気とを熱交換させて空気
を加熱すると共に冷媒を過冷却する冷媒過冷却器として
働く。また、室内熱交換器19は、冷媒運転時に膨張弁
17で断熱膨張された低温の霧状冷媒とダクト2内を流
れる空気とを熱交換させて空気を冷却すると共に冷媒を
蒸発させる冷媒蒸発器として働く。二方切替弁20は、
室内熱交換器19より流出した冷媒を膨張弁21と冷媒
蒸発器22を介して冷媒圧縮機15に送る第1の位置2
0aと、室内熱交換器19より流出した冷媒を膨張弁2
1、冷媒蒸発器22を迂回する迂回路25を介して直接
冷媒圧縮機15に送る第2の位置20bとを有する。こ
の二方切替弁20は、制御装置7の出力によって第1の
位置20aまたは第2の位置20bに設定される。な
お、ヒートポンプ5は、暖房運転時に、電磁弁18が開
弁され、二方切替弁20が第1の位置20aに設定さ
れ、冷房運転時に、電磁弁18が閉弁され、二方切替弁
20が第2の位置20bに設定される。膨張弁21は、
室内熱交換器19で凝縮した高温の液冷媒を断熱膨張し
て低温の霧状冷媒にする。冷媒蒸発器22は、暖房運転
時に膨張弁21で断熱膨張された低温の霧状冷媒と電動
ファン26により送風される車室外空気とを熱交換させ
て空気を冷却すると共に冷媒を蒸発させる。
【0010】温水式暖房装置6は、本発明の室内暖房手
段であって、循環ポンプ27、吸熱器28、二方切替弁
29、放熱器30、室外熱交換器31を接続してなる。
循環ポンプ27は、制御装置7によって制御されるポン
プモータ32により回転駆動され、温水式暖房装置6内
に温水(熱媒体:エチレン・グリコール水溶液等の不凍
液)を循環させる。吸熱器28は、本発明の第1熱交換
器であって、蓄熱槽12内に配され、内部を通過する温
水と蓄熱槽12内の蓄熱物質とを熱交換させる。この吸
熱器28は、蓄熱槽12内の蓄熱物質と水蒸気との発熱
反応により発生する反応熱を温水に吸熱することによっ
て温水を加熱する。
【0011】二方切替弁29は、吸熱器28より流出し
た温水を放熱器30に送る第1の位置29aと、吸熱器
28より流出した温水を室外熱交換器31に送る第2の
位置29bとを有する。この二方切替弁29は、制御装
置7の出力によって第1の位置29aまたは第2の位置
29bに設定される。なお、温水式暖房装置6は、暖房
運転、蓄熱運転時に、二方切替弁29が第1の位置29
aに設定され、冷房運転時に二方切替弁29が第2の位
置29bに設定される。放熱器30は、本発明の第2熱
交換器であって、ダクト2の室内熱交換器19の風下側
に配され、内部を通過する温水とダクト2内を流れる空
気とを熱交換させる。この放熱器30は、温水の熱エネ
ルギーをダクト2内へ放熱することによってダクト2内
を車室内へ向かう空気を加熱する。室外熱交換器31
は、電気自動車の走行風を受け易い場所に設置され、高
温の温水と電動ファン33により送風される車室外空気
とを熱交換させて温水を冷却する。また、蓄熱槽12の
出口と二方切替弁29の入口との間の温水配管34に
は、その温水配管34内を流れる温水を加熱するPTC
ヒータやニクロム線ヒータ等の電気ヒータ35が配され
ている。この電気ヒータ35は、制御装置7によって通
電(オン)および通電の停止(オフ)が制御される。
【0012】図2は電気自動車用蓄熱式空気調和装置1
の制御装置7を示したブロック図である。その制御装置
7は、例えばシングルチップマイクロコンピュータであ
って、1つのICチップで、入力処理回路36、CPU
37、RAM38、ROM39、出力処理回路40を構
成している。なお、制御装置7は、走行用モータ(図示
せず)に電力を供給する車載電源としてのバッテリ(図
示せず)より電力の供給を受けて作動すると共に、その
バッテリの充電時には外部電源としての充電器(図示せ
ず)より電力の供給を受けて作動する。入力処理回路3
6は、CPU37の入力信号を処理する回路で、車室内
の前面の制御パネル(図示せず)に設けられたブロワス
イッチ41、暖房スイッチ42、冷房スイッチ43、蓄
熱スイッチ44と、水槽11内の水の温度を検出する水
温センサ45とが接続されている。CPU37は、入力
処理回路36を介して入力した入力信号等をROM39
に記憶された制御プログラムに基づいて、演算、処理を
行う。RAM38は、データを読み込んだり、書き込ん
だりすることができるメモリである。ROM39は、制
御プログラムや固定データを記憶するメモリである。
【0013】出力処理回路40は、CPU37の出力信
号に応じて、ブロワ制御回路46、圧縮機制御回路4
7、ファン駆動回路48、49、ポンプ制御回路50、
電磁弁駆動回路51、52、二方切替弁アクチュエータ
53、54、ヒータ駆動回路55を制御する。ブロワ制
御回路46は、出力処理回路40からの信号に応じてブ
ロワモータ10への印加電圧を変更する回路である。圧
縮機制御回路47は、出力処理回路40からの信号に応
じて圧縮機モータ23への通電(オン)および通電の停
止(オフ)を制御する回路である。ファン駆動回路4
8、49は、出力処理回路40からの信号に応じて電動
ファン26、33への通電(オン)および通電の停止
(オフ)を制御する回路である。
【0014】ポンプ制御回路50は、出力処理回路40
からの信号に応じてポンプモータ32への通電(オン)
および通電の停止(オフ)を制御する回路である。電磁
弁駆動回路51、52は、出力処理回路40からの信号
に応じて電磁弁14、18への通電(開弁)および通電
の停止(閉弁)を制御する回路である。二方切替弁アク
チュエータ53、54は、出力処理回路40からの信号
に応じて二方切替弁20、29への通電(第1の位置)
および通電の停止(第2の位置)を制御する回路であ
る。ヒータ駆動回路55は、出力処理回路40からの信
号に応じて電気ヒータ35への通電(オン)および通電
の停止(オフ)を制御する回路である。
【0015】つぎに、この電気自動車用蓄熱式空気調和
装置1の作用を図1ないし図5に基づいて簡単に説明す
る。 〔蓄熱運転時〕図3は電気自動車用蓄熱式空気調和装置
1の制御装置7の制御プログラムの一例を示したフロー
チャートである。初めに、蓄熱スイッチ44がオンされ
ているか否かを判断する(ステップS1)。このステッ
プS1の判断結果がNoの場合には、電磁弁14をオフ
し(ステップS2)、二方切替弁29、ポンプモータ3
2、電動ファン33、電気ヒータ35をオフして温水式
暖房装置6の運転を停止する(ステップS3)。その後
にリターンする。また、ステップS1の判断結果がYe
sの場合には、電磁弁14をオンし(ステップS4)、
二方切替弁29、ポンプモータ32、電動ファン33、
電気ヒータ35をオンして温水式暖房装置6を蓄熱運転
する(ステップS5)。その後にリターンする。
【0016】なお、蓄熱運転時の温水式暖房装置6内の
温水の流れは、放熱運転時と同じように、循環ポンプ2
7→吸熱器28→二方切替弁29→室外熱交換器31→
循環ポンプ27となる。したがって、電気自動車の充電
時には、電気ヒータ35の発熱により加熱された温水が
吸熱器28内に流入し、蓄熱槽12内の蓄熱物質の水和
物(Na2 S・5H2 O)を加熱して水分を蒸発させる
ことによって、蓄熱物質の水和物の吸熱分解反応を進ま
せる。これによって、蓄熱槽12で生じた水蒸気は、蒸
気導通管13を通って水槽11内に流入して車室外空気
により冷やされて水(液体)となり、暖房運転時の即効
暖房のために蓄熱物質が蓄熱される。
【0017】〔暖房運転時/冷房運転時〕図4は電気自
動車用蓄熱式空気調和装置1の制御装置7の制御プログ
ラムの一例を示したフローチャートである。初めに、ブ
ロワスイッチ41がオンされているか否かを判断する
(ステップS11)。このステップS11の判断結果が
Noの場合には、ブロワモータ10をオフし(ステップ
S12)、電磁弁14をオフし(ステップS13)、電
磁弁18、二方切替弁20、圧縮機モータ23、電動フ
ァン26をオフしてヒートポンプ5の運転を停止し(ス
テップS14)、二方切替弁29、ポンプモータ32、
電動ファン33、電気ヒータ35をオフして温水式暖房
装置6の運転を停止する(ステップS15)。その後に
リターンする。
【0018】また、ステップS11の判断結果がYes
の場合には、暖房スイッチ42がオンされているか否か
を判断する(ステップS16)。このステップS16の
判断結果がYesの場合には、ブロワモータ10をオン
し(ステップS17)、電磁弁14をオンし(ステップ
S18)、水温センサ45で検出された水槽11内の水
の温度Twが設定温度(例えば10℃)Ts以下に低下
しているか否かを判断する(ステップS19)。このス
テップS19の判断結果がNoの場合には、電磁弁1
8、二方切替弁20、圧縮機モータ23、電動ファン2
6をオフしてヒートポンプ5の運転を停止し(ステップ
S20)、ステップS22の制御を行う。
【0019】また、ステップS19の判断結果がYes
の場合には、電磁弁18、二方切替弁20、圧縮機モー
タ23、電動ファン26をオンしてヒートポンプ5を暖
房運転する(ステップS21)。そして、ポンプモータ
32をオンし、二方切替弁29、電動ファン33、電気
ヒータ35をオフして温水式暖房装置6を吸熱運転する
(ステップS22)。その後にリターンする。
【0020】なお、暖房運転時のヒートポンプ5内の冷
媒の流れは、冷媒圧縮機15→冷媒凝縮器16→迂回路
24→室内熱交換器19→二方切替弁20→膨張弁21
→冷媒蒸発器22→冷媒圧縮機15となる。また、吸熱
運転時の温水式暖房装置6内の温水の流れは、循環ポン
プ27→吸熱器28→二方切替弁29→放熱器30→循
環ポンプ27となる。これによって、水槽11内の水
は、冷媒圧縮機15より冷媒凝縮器16内に流入した高
温高圧の冷媒ガスと熱交換して加熱され、多量の水蒸気
が発生する。一方、循環ポンプ27より吸熱器28内に
流入した温水は、蓄熱槽12内の水蒸気と蓄熱物質の発
熱反応により生じた反応熱(本例の場合は442kcal
/kg)を吸熱して加熱され、放熱器30でダクト2内
に放熱する。このため、ブロワ3により車室内に向かっ
て流れる空気は、先ず冷媒過冷却器として働く室内熱交
換器19で加熱され、さらに放熱器30を通過する際に
急激に所定温度(例えば30℃)まで加熱された後に吹
出口9より車室内に吹き出される。
【0021】この結果、仮に車室外空気の温度が0℃以
下の低温時であっても、上述のように、ヒートポンプ5
の冷媒凝縮器16により水槽11内の水を強制的に蒸発
させることによって、水蒸気が水槽11の上部より蒸気
導通管13を通って蓄熱槽12内に流入して、蓄熱槽1
2内の蓄熱物質との発熱反応が促進される。このため、
車室外空気の温度が0℃以下の低温時であっても水槽1
1内の水が氷結したり、水蒸気の蒸気圧が不足したりす
る等の不具合を防止できるので、吸熱器28における熱
エネルギーの吸熱量が大きくなる。したがって、放熱器
30におけるダクト2内への放熱量が大きくなり、ダク
ト2内を車室内へ向かう空気の温度が瞬間的に昇温する
ため、車室内を即効暖房することができる。
【0022】なお、水槽11内の水の温度が設定温度
(例えば10℃)より上昇している時には、ヒートポン
プ5で水槽11内の水を加熱しなくても必要な量の水蒸
気が得られるので、ヒートポンプ5の運転を停止する。
このため、冷媒圧縮機15の省動力化を図ることができ
るので、バッテリの消耗を抑えることができ、省エネル
ギーとなる。
【0023】したがって、ヒートポンプ5の冷媒凝縮器
16では水槽11内の水の温度を0℃以下の温度(例え
ば−20℃)から設定温度(例えば10℃)まで上昇さ
せれば良い。また、ダクト2内の室内熱交換器19で
は、図5のモリエル線図に実線で示したように、冷媒を
過冷却(サブクール:Δisc)させることにより、冷媒
圧縮機15の動力を増加させることなく、ダクト2内の
空気を加熱することができるので、その分だけ蓄熱負荷
を小さくしている。
【0024】このため、ヒートポンプ5の成績係数(c
op)は、図5のモリエル線図に実線で示したように、
暖房側エンタルピ幅と冷媒圧縮機15の仕事したエンタ
ルピ幅との比(Δi+Δisc)/(Δicomp)となる。
ここで、同じように冷媒を過冷却させたとしてもダクト
2内の空気を例えば30℃まで上昇させるようにした一
般的なヒートポンプの場合{cop≧2〜3(図5に破
線で示す)}と比較すると、本発明の場合、設定温度
(例えば10℃)までダクト2内の空気を上昇するだけ
でよい為、ヒートポンプ5の成績係数がcop≧6〜7
と高効率となる。この結果、電気ヒータ等で水槽11内
の水を加熱して車室内を暖房させる場合と比較して同じ
暖房能力をより省エネルギーで実現できる。よって、冷
媒圧縮機15の省動力化を図ることができるので、バッ
テリの消耗を抑えることができるため、電気自動車の走
行距離を延ばすことができる。
【0025】また、ステップS16の判断結果がNoの
場合には、冷房スイッチ43がオンされているか否かを
判断する(ステップS23)。このステップS23の判
断結果がNoの場合には、ステップS12の制御を行
う。また、ステップS23の判断結果がYesの場合に
は、ブロワモータ10をオンし(ステップS24)、電
磁弁14をオンし(ステップS25)、圧縮機モータ2
3をオンし、電磁弁18、二方切替弁20、電動ファン
26をオフしてヒートポンプ5を冷房運転する(ステッ
プS26)。そして、二方切替弁29、ポンプモータ3
2、電動ファン33をオンし、電気ヒータ35をオフし
て温水式暖房装置6を放熱運転する(ステップS2
7)。その後にリターンする。
【0026】なお、冷房運転時のヒートポンプ5内の冷
媒の流れは、冷媒圧縮機15→冷媒凝縮器16→膨張弁
17→室内熱交換器19→二方切替弁20→迂回路25
→冷媒圧縮機15となる。また、放熱運転時の温水式暖
房装置6内の温水の流れは、循環ポンプ27→吸熱器2
8→二方切替弁29→室外熱交換器31→循環ポンプ2
7となる。これによって、吸熱器28に吸熱された熱
は、室外熱交換器31で室外に放出される。そして、暖
房運転時と同様に、水槽11内の水が加熱されて蓄熱槽
12内で発熱反応が生起する。また、ブロワ3により車
室内に向かって流れる空気は、冷媒蒸発器として働く室
内熱交換器19で冷却され、さらに温水が供給されない
ため単に通路として働き、熱交換しない放熱器30を通
過した後に、吹出口9より車室内に吹き出される。この
ため、車室内が冷房される。
【0027】〔変形例〕本実施例では、水と化学反応す
ると発熱する蓄熱物質として硫化ナトリウム(固定)を
用いたが、水酸化リチウム(LiOH:固体)、塩化リ
チウム(LiCl2 :固体)、硫酸化マグネシウム(M
gSO4 :固体)等の蓄熱物質を用いても良い。本実施
例では、ヒートポンプ5によって水槽11内の水の加熱
と車室内の冷暖房を行わせたが、ヒートポンプ5によっ
て水槽11内の水の加熱のみを行わせても良い。本実施
例では、ヒートポンプ5の冷房運転時にも冷媒凝縮器1
6により水槽11内の水を加熱したが、冷媒凝縮器16
と並列に室外空気と冷媒とを熱交換させる冷媒凝縮器を
設けることによって、ヒートポンプ5の冷房運転時には
水槽11内の水を加熱しないようにしても良い。本実施
例では、ダクト2内に室内熱交換器19、放熱器30を
配したが、同一ダクト内に19、30の順番に配する必
要はなく、30を新たなダクト(図示しない)により室
外又は室内より空気導入してもよい。
【0028】
【発明の効果】本発明は、ヒートポンプにより水槽内の
水を蒸発させて水と蓄熱物質との化学反応を促進させる
ことができるので、外気温が低温時の際にも水と蓄熱物
質の化学反応によって生ずる反応熱を利用して車室内を
暖房することができる。また、水が蒸発する温度まで水
槽内の水を蒸発させれば良いので、冷媒圧縮機の省動力
化が図れ高効率なヒートポンプとなるため、車載電源の
容量を大きく消耗することなく車室内を暖房することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いた電気自動車用蓄熱式空気調和装
置を示した概略図である。
【図2】図1図示装置を示したブロック図である。
【図3】図2図示の制御装置の制御プログラムの一例を
示したフローチャートである。
【図4】図2図示の制御装置の制御プログラムの一例を
示したフローチャートである。
【図5】図1図示装置の運転状態を示したモリエル線図
である。
【符号の説明】
1 電気自動車用蓄熱式空気調和装置 2 ダクト 4 化学反応蓄熱手段 5 ヒートポンプ 6 温水式暖房装置(室内暖房手段) 7 制御装置 11 水槽 12 蓄熱槽 15 冷媒圧縮機 16 冷媒凝縮器 28 吸熱器(第1熱交換器) 30 放熱器(第2熱交換器)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 健一 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)空気を車室内に導くダクトと、 (b)内部に水を溜める水槽、およびこの水槽に蒸気導
    通管を介して連通し、内部に蓄熱物質を溜める蓄熱槽を
    有する化学反応蓄熱手段と、 (c)前記蓄熱槽内に設けられ、水と蓄熱物質の化学反
    応により生じる反応熱を熱媒体に吸熱させる第1熱交換
    器、および前記ダクト内に設けられ、前記第1熱交換器
    において熱媒体に吸熱した反応熱を放熱して空気を加熱
    する第2熱交換器を有する室内暖房手段と、 (d)冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機、および前記
    水槽内に設けられ、前記冷媒圧縮機より吐出された冷媒
    と前記水槽内の水とを熱交換させて水を加熱する冷媒凝
    縮器を有するヒートポンプと、を備えた電気自動車用蓄
    熱式空気調和装置。
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