JPH0691721A - 樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

樹脂組成物の製造方法

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JPH0691721A
JPH0691721A JP4268052A JP26805292A JPH0691721A JP H0691721 A JPH0691721 A JP H0691721A JP 4268052 A JP4268052 A JP 4268052A JP 26805292 A JP26805292 A JP 26805292A JP H0691721 A JPH0691721 A JP H0691721A
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JP
Japan
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opening
acid
extruder
compd
resin composition
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JP4268052A
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English (en)
Inventor
Kenji Yasue
健治 安江
Takashi Ida
孝 井田
Shigeru Hayase
茂 早瀬
Shinichiro Katahira
新一郎 片平
Megumi Ogasa
恵 小笠
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 スクリュー式押出機を用い、溶融混練して樹
脂組成物を製造する方法において、押出方向上流側の第
1番目の開口から(1) ジエン化合物、芳香族ビニル化合
物及びビニルシアン化合物を重合してなる共重合体、及
び(2) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体及
び不飽和エポキシ化合物の群から選ばれた少なくとも1
種の化合物を定量供給し、第2番目の開口から脱気を行
い、第3番目の開口からポリアミドを定量供給する。 【効果】 第2番目の開口から脱気を行うことにより、
未反応の化合物が押出機の系外に排出されるので、未反
応の化合物が溶融状態のポリアミドと高温度下で接触す
る機会が著しく減少し、得られる樹脂組成物は特に衝撃
強度と色調が大きく改良されたものが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリアミド樹脂組成物の
新規な製造方法に関するものであり、さらに詳しくは製
造工程の簡略化及び最適化により、優れた性能、特に衝
撃強度と色調が著しく改良されたポリアミド樹脂組成物
をより少ないエネルギーで安価に製造する方法を提供す
るものである。本発明の方法で製造された樹脂組成物は
その優れた性能を応用して電気、自動車、機械、雑貨そ
の他の分野で有用な成形体として利用されるものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアミドは機械的特性、摺動特性、熱
的特性、耐薬品性に優れた樹脂であり、電気、自動車、
機械、雑貨その他の分野で有用な成形体として広く利用
されている。しかしながら、他のプラスチックに比べ著
しく吸湿性が高く、吸湿による寸法変化、機械的強度の
低下が大きく、特に耐衝撃強度が低いという欠点を有し
ている。
【0003】ポリアミドのこれらの欠点を改良するため
に、特公昭38−23476号公報にはABS樹脂とブ
レンドしたものが開示されている。またポリアミドと化
学的反応あるいは化学的相互作用を行い得る官能基で変
性したABSとポリアミドとのブレンドしたものが熱可
塑性樹脂組成物として開示されている(特開平2−16
144号公報、特開平2−173142号公報、特開平
2−175755号公報)。これらの樹脂組成物は上記
ポリアミドの特性に加えて耐水性及び耐衝撃性が著しく
改良されているので、これらのポリアミド樹脂組成物は
従来のポリアミドではその利用が制限されていた分野、
すなわち各種保護具、電動工具、自動車や自転車部品、
各種機械部品、各種電気部品、スキー靴やプロテクター
などの各種スポーツ用具などにも広く利用されている。
【0004】しかしながら、これらの樹脂組成物はポリ
アミドと、別工程で製造された変性ABSを、押出機を
用いて溶融混練して製造していたため、少なくとも二つ
の工程を要し各原料のペレット化、乾燥、包装などの工
程が繰り返され、原料ロスのみならず、むだなエネルギ
ーや人的資源を費やし、さらに原料にも過度の熱履歴を
強いることになり、場合によっては樹脂組成物構成成分
の劣化を招くなど、得られる樹脂組成物の特性を維持す
る上からも好ましい方法ではなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような事情に鑑
み本発明の課題は、ポリアミド樹脂組成物の新規な製造
方法、すなわち優れた性能、特に衝撃強度と色調が著し
く改良されたポリアミド樹脂組成物をより少ないエネル
ギーで安価に製造する方法を提供することにある。また
本発明の他の課題は電気、自動車、機械、雑貨その他の
幅広い分野で有用な成形体となる樹脂組成物の製造方法
を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ジエン
化合物、芳香族ビニル化合物及び芳香族ビニルシアン化
合物を重合してなる共重合体とポリアミドとからなる樹
脂組成物の衝撃強度の不満足な値及び変色の原因は、共
重合体を変性するために加える不飽和カルボン酸、不飽
和カルボン酸の誘導体あるいは不飽和エポキシ化合物の
未反応化合物が、溶融状態のポリアミドと接触すること
にあるとの知見を得、この知見に基づいて本発明に到達
したものである。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、スクリュー式
押出機を用い、溶融混練して樹脂組成物を製造する方法
において、押出方向上流側の第1番目の開口から(1) ジ
エン化合物、芳香族ビニル化合物及びビニルシアン化合
物を重合してなる共重合体、及び(2) 不飽和カルボン
酸、不飽和カルボン酸の誘導体及び不飽和エポキシ化合
物の群から選ばれた少なくとも1種の化合物を供給し、
第2番目の開口から脱気を行い、第3番目の開口からポ
リアミドを供給することを特徴とする樹脂組成物の製造
方法である。
【0008】本発明においては押出機の押出方向上流側
の第1番目の開口から(1) ジエン化合物、芳香族ビニル
化合物及びビニルシアン化合物を重合してなる共重合
体、(2) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体
及び不飽和エポキシ化合物の群から選ばれた少なくとも
1種の化合物、及び必要に応じて(3) 有機過酸化物を供
給し、同じく第3番目の開口からポリアミドを定量供給
するが、この第1番目と第3番目の開口の間の第2番目
の開口から脱気を行うことにより、未反応の不飽和カル
ボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体及び不飽和エポキシ
化合物は押出機の系外に排出される。したがって、衝撃
強度の不満足な値及び変色の原因となる未反応の化合物
が溶融状態のポリアミドと高温度下で接触する機会は実
質的に著しく減少するので、特に衝撃強度と色調が大き
く改良される。
【0009】本発明において用いられる押出機は押出方
向に少なくとも3つの開口を設けた単軸または多軸のス
クリュー式押出機であれば、特に限定されるものではな
いが、最も一般的で好ましく用いられるのは2軸の押出
機である。2軸の押出機の場合、スクリューの回転方向
は同方向でも異方向でもよく、これらは任意に選ぶこと
ができる。しかし、本発明においては押出機内において
化学的反応あるいは化学的相互作用を行わせるものであ
るから、一定の反応あるいは相互作用のための時間が望
まれる。そのため本発明で用いられる押出機は少なくと
も30秒間の滞留時間を有することが好ましい。滞留期
間が30秒間未満であると未反応の化合物の残留が多く
なったり、押出機内で生成した変性ABSとポリアミド
との化学反応あるいは相互作用が不十分となり、満足な
衝撃強度が得られない場合がある。
【0010】本発明の製造方法においては第1番目及び
第3番目の開口あるいは場合に応じて第4番目以降の開
口から樹脂組成物を構成する成分を供給する。その供給
方法は特に限定されるものではない。例えば、各成分を
それぞれ別個に計量しつつ定量的に供給してもよいし、
必要に応じて構成成分の一部をあらかじめ混合してお
き、これを定量供給してもよい。
【0011】第1番目の開口から供給される共重合体
は、ジエン化合物、芳香族ビニル化合物及びビニルシア
ン化合物を重合して得られるものである。かかる共重合
体を得る方法としては公知の重合方法である乳化重合、
溶液重合、塊状重合、懸濁重合、塊状−溶液重合、塊状
−懸濁重合、乳化−懸濁重合法、ブタジエン系ゴム質重
合体とスチレン系重合体との機械的ブレンドなどが使用
できるが、中でも乳化重合法が好ましい。上記各種重合
法で用いられる重合開始剤、重合溶媒、重合開始助剤、
懸濁剤、乳化剤などは公知のものが全て使用できる。
【0012】共重合体を構成するジエン化合物として
は、1,2−ブタジエン、1,4−ブタジエン、エチリ
デン、ノルボルネン、イソプレン、シクロペンタジエン
などが挙げられ、中でもで1,2−ブタジエン、1,4
−ブタジエンが好ましく、これらは1種または2種以上
で使用される。共重合体を構成する香族族ビニル化合物
としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルキシ
レン、モノクロルスチレン、ジクロルスチレン、モノブ
ロムスチレン、ジブロムスチレン、トリブロムスチレ
ン、p−ターシャリーブチルスチレン、エチルスチレ
ン、ビニルナフタレンなどが挙げられ、中でもスチレ
ン、α−メチルスチレンが好ましく、これらは1種また
は2種以上で使用される。ビニルシアン化合物として
は、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げ
られる。前記共重合体の成分中の芳香族ビニル化合物と
ビニルシアン化合物の使用比率としては、芳香族ビニル
化合物/ビニルシアン化合物=95/5〜50/50重
量%、特に90/10〜55/45重量%にするのが好
ましい。
【0013】さらに本発明の目的を損なわない範囲内で
他のビニル化合物を共重合したものを使用することがで
きる。共重合可能な他のビニル化合物としては、フェニ
ルマレイミドやアクリル酸系アルキルエステルが挙げら
れる。アクリル酸系アルキルエステルとしては、アクリ
ル酸アルキルエステル、メタアクリル酸アルキルエステ
ルなどが挙げられ、これらは1種または2種以上で使用
される。アクリル酸アルキルエステルとしては、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレー
ト、アミルアクリレート、ヘキシルアクリレート、オク
チルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、
シクロヘキシルアクリレート、ドデシルアクリレート、
オクタデシルアクリレート、等のアクリル酸アルキルエ
ステル、及びメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート、ブチルメタクリレート、アミルメタクリレートヘ
キシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタク
リレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタ
クリレート、などのメタクリル酸アルキルエステルなど
が挙げられる。これら共重合可能な他のビニル化合物の
使用量は共重合体のうちに50重量%以下、好ましくは
40重量%以下の範囲で用いることができる。
【0014】さらに、第1の開口から供給される不飽和
カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、不飽和エポキ
シ化合物のうち、不飽和カルボン酸の具体例としては、
アクリル酸、α−エチルアクリル酸、メタアクリル酸、
マレイン酸、フマール酸、ハロゲン化マレイン酸、シト
ラコン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロ
フタル酸、ハロゲン化シトラコン酸、クロトン酸、ハロ
ゲン化クロトン酸、イタコン酸、ハロゲン化イタコン
酸、シス−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン
酸、エンド−ビシクロ−[2,2,1]−5−ヘプテン
−2、3−ジカルボン酸、メチル−エンド−シス−ビシ
クロ−[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカル
ボン酸、エンド−ビシクロ−[2,2,1]−1,2,
2,2,7,7−ヘキサクロロ−2−ヘプテン−5,6
−ジカルボン酸などが挙げられる。不飽和カルボン酸の
誘導体とは不飽和カルボン酸から化学的に誘導される化
合物であって、たとえば不飽和カルボン酸の無水物、エ
ステル、アミド、イミド、金属塩などを含む。中でも最
も好ましく用いられる不飽和カルボン酸、不飽和カルボ
ン酸の誘導体としては、無水マレイン酸、エンド−ビシ
クロ−[2,2,1]−5−ヘプテン−2、3−ジカル
ボン酸無水物などが挙げられる。
【0015】本発明で用いられる不飽和エポキシ化合物
の具体例としては、グリシジルアクリレート、グリシジ
ルメタアクリレート、イタコン酸モノグリシジルエステ
ル、イタコン酸ジグリシジルエステル、ブテントリカル
ボン酸モノグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸
ジグリシジルエステル、ブテントリカルボン酸トリグル
シジルエステル、p−スチレンカルボン酸グリシジルエ
ステル、アリルグリシジルエーテル、2−メチルアリル
グリシジルエーテル、スチレン−p−グリシジルエーテ
ル、p−グリシジルスチレン、3,4−エポキシ−1−
ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、
3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−
3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘ
キセン及びビニルシクロヘキセンモノオキシドなどを挙
げることができる。本発明で最も好ましく用いられる不
飽和エポキシ化合物としては、グリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタアクリレートなどが挙げられる。
【0016】本発明においては、さらに第1の開口から
必要に応じて反応開始剤あるいは架橋剤として有機過酸
化物を供給する。有機過酸化物の具体例としては、ケト
ンオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロ
パーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パー
オキシケタール類などが挙げられる。好ましく用いられ
る有機過酸化物としては、パラクロロベンゾイルパーオ
キサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイ
ド、ターシャリーブチルパーオキサイド、ジターシャリ
ーブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ベ
ンゾイルパーオキサイドなどが挙げられる。
【0017】本発明の製造方法において第2番目あるい
は場合に応じて第4番目以降の開口で行う脱気は実質的
に未反応の不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導
体あるいは不飽和エポキシ化合物及びその他の揮発成分
が押出機の系外に排出されればよく、大気圧中で開放さ
れた状態で脱気してもよいが、好ましくは減圧して脱気
してもよい。減圧にした場合には未反応の不飽和化合物
やその他の揮発成分が効果的に系外に排出されるので好
ましい。
【0018】本発明において第3番目の開口から供給さ
れるポリアミドはアミノ酸、ラクタムあるいはジアミン
とジカルボン酸からなるアミド結合を有する重合体を意
味し、アミノ酸としては、6−アミノカプロン酸、11
−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、パラ
アミノメチル安息香酸などが挙げられる。ラクタムとし
てはε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどが挙
げられる。ジアミンとしてはテトラメチレンジアミン、
ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、
ドデカメチレンジアミン、2,2,4−/2,4,4−
トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメ
チレンジアミン、2,4−ジメチルオクタメチレンジア
ミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミ
ン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1
−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチル
シクロヘキサン、3,8−ビス(アミノメチル)トリシ
クロデカン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタ
ン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロ
パン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、アミノエチ
ルピペラジンなどが挙げられる。ジカルボン酸として
は、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフ
タレンジカルボン酸、2−クロロテレフタル酸、2−メ
チルテレフタル酸、5−メチルイソフタル酸、5−ナト
リウムスルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル
酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ジグリコール酸などが
挙げられる。
【0019】本発明に用いられるポリアミドの好ましい
ものとしては、ポリカプロアミド(ナイロン6)、ポリ
テトラメチレンアジパミド(ナイロン46)、ポリヘキ
サメチレンアジパミド(ナイロン66)、ポリヘキサメ
チレンセバカミド(ナイロン610)、ポリヘキサメチ
レンドデカミド(ナイロン612)、ポリウンデカメチ
レンアジパミド(ナイロン116)、ポリウンデカンア
ミド(ナイロン11)、ポリドデカンアミド(ナイロン
12)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド(ナイロンTMDT)、ポリヘキサメチレンイソフタ
ルアミド(ナイロン6I)、ポリヘキサメチレンテレフ
タル/イソフタルアミド(ナイロン6T/6I)、ポリ
ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド
(ナイロンPACM12)、ポリビス(3−メチル−4
−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ナイロン
ジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミ
ド(ナイロンMXD6)、ポリウンデカメチレンテレフ
タルアミド(ナイロン11T)、ポリウンデカメチレン
ヘキサヒドロテレフタルアミド(ナイロン11T
(H))、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンテ
レ/イソフタレート(ナイロンPACM/TPA/IP
A)及びビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシ
ル)メタン/ヘキサメチレンジアミン/IPA/TPA
共重合体(ナイロンジメチルPACM/HMDA/TP
A/IPA)、さらにこれらの共重合ポリアミド、混合
ポリアミドなどである。中でもとくに好ましくはナイロ
ン6、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン6T/6
I,ナイロンPACM/TPA/IPA、ナイロンジメ
チルPACM/HMDA/TPA/IPA及びこれらの
共重合ポリアミド、混合ポリアミドで挙げられる。
【0020】ここで用いられるポリアミドは通常公知の
方法、たとえば溶融重合法で製造される。本発明で用い
られるポリアミドの相対粘度としては、特に制限はない
が、溶媒としてフェノール/テトラクロルエタン=60
/40(重量比)を用い、温度25℃、濃度1g/dl
の条件で求めた相対粘度で1.5〜5.0であることが
好ましい。相対粘度が1.5未満である場合には樹脂組
成物の機械的性能が低下するので好ましくない。逆にこ
れが5.0を超える場合には樹脂組成物の成形性が急速
に低下するので好ましくない。
【0021】本発明で用いられるポリアミドに含まれる
アミノ基及びカルボキシル基の含有量の範囲としては、
それぞれ10〜120当量/106 gであるものが好ま
しい。アミノ基及びカルボキシル基は溶融混練により樹
脂組成物を製造する際に、樹脂組成物を構成する他の成
分と化学的反応あるいは化学的相互作用することが期待
されるので特定量存在することが好ましい。アミノ基及
びカルボキシル基の含有量がそれぞれ10当量/106
g未満では満足な衝撃強度を有する樹脂組成物が得られ
ないことがあるので好ましくない。逆にこれらが120
当量/106 gを超える場合には溶融混練時にゲル化が
発生する場合があるので好ましくない。アミノ基は試料
をm−クレゾールに溶解し、p−トルエンスルホン酸で
常法により滴定することにより求められる。カルボキシ
ル基は試料をベンジルアルコールに溶解し、水酸化カリ
ウムで常法により滴定することにより求められる。
【0022】本発明において得られる樹脂組成物の構成
成分の配合量としては、目的により適宜選ばれるが、共
重合体の配合量は1〜80重量部に、ポリアミドの配合
量は20〜99重量部とするのが好ましい。共重合体の
配合量が1重量部未満では共重合体の配合効果が発揮さ
れ難く、80重量部を超えるとポリアミドの配合効果が
発揮され難くなる。不飽和カルボン酸、不飽和カルボン
酸の誘導体及び不飽和エポキシ化合物の群から選ばれた
少なくとも1種の化合物の配合量は0.05〜5重量部
とするのが好ましい。配合量が0.05重量部未満の場
合には得られる樹脂組成物の衝撃強度の向上が十分でな
い。また5重量部を超えて配合しても衝撃強度はもはや
それ以上向上せず、逆にゲルが生じたり、色調が不良と
なったりする場合があるので好ましくない。本発明で必
要に応じて用いる有機過酸化物の配合量は3重量部未満
にするのが好ましい。3重量部を超える量を配合する場
合にはゲル化が生じたり、色調が不良となったりするこ
とがあるので好ましくない。
【0023】本発明においては、さらに強化材を用いる
ことができる。強化材は第4番目以降の開口から供給す
ることが好ましい。強化材の具体例としてはガラス繊
維、ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭素繊維、アラミ
ド繊維、炭化ケイソ繊維、チタン酸カリウム繊維、チッ
化ホウ素繊維、硬化フェノール樹脂粒子、グラファイ
ト、その他の有機繊維、セラミック繊維、金属繊維、炭
酸カルシウム、タルク、ワラストナイト、マイカ、無機
ケイ酸塩、シリカゲル、クリストバラス、クレイ、ハイ
ドロタルサイト、ゼオライト、モンモリナイトなどが挙
げられる。これらはあらかじめシラン系処理剤などで表
面処理を施してもよい。その場合には一般的により優れ
た機械的性能を得ることができる。これらの無機質強化
材は目的に応じて任意に選定される。本発明において
は、さらに第4番目以降の開口から脱気すると、衝撃強
度及び色調がより良好なものが得られる。
【0024】本発明の方法で製造される樹脂組成物には
その特性を大きく損なわない限り、必要に応じて他の重
合体をさらに配合してもよい。この場合、その配合量は
30重量%以下であることが望ましく、任意の開口から
供給することができる。かかる他の重合体としては、ポ
リカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、ポリアリレート、ポリスルホ
ン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリフ
ェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、PMM
A、ポリ塩化ビニル、フェノキシ樹脂、液晶ポリマー等
が挙げられる。
【0025】本発明で製造される樹脂組成物にはさら
に、必要に応じて顔料、熱安定剤、酸化防止剤、耐候
剤、離型剤、難燃剤などを添加することが可能である。
これらの配合剤は目的に応じて任意に配合される。この
場合、これらは他の原料とともに任意の開口から供給す
ることができるし、新たに設けた開口から供給すること
もできる。本発明の方法で得られた樹脂組成物は、より
少ないエネルギーで安価に製造され、各種性能、特に衝
撃強度と色調が著しく改良されているので電気、自動
車、機械、雑貨その他の幅広い分野で有用な成形体とな
りうる。
【0026】
【実施例】以下実施例により本発明をさらに具体的に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0027】参考例1 〔ナイロンジメチルPACM/HMDA/TPA/IP
A(PA−1)の製造〕イソフタル酸45モル%、テレ
フタル酸5モル%、ヘキサメチレンジアミン45モル
%、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メ
タン5モル%の割合の原料を10kgを8kgの純水と
ともに反応槽に仕込み、窒素で数回反応槽内の空気をパ
ージした。反応槽の温度を90℃まで上昇させ約3時間
反応させたのち、加圧下(18バール)に槽内を攪拌し
つつ反応温度を徐々に5時間かけて280℃まで上昇さ
せた。次いで放圧し大気圧まで圧力を下げたのち、同じ
温度で3時間重合した。反応終了後ポリマーを反応槽か
ら取り出し、切断してペレットを得た。このポリアミド
は融点を持たず、そのガラス転移温度は150℃であっ
た。このポリアミドをナイロンジメチルPACM/HM
DA/TPA/IPAをPA−1とし以後の実施例に用
いた。また、実施例及び比較例に記した物性測定は次の
方法にしたがって行った。
【0028】(1)曲げ強度及び曲げ弾性率 ASTM D790に基づき、厚み3.2mmの試験片
を用いて測定した。
【0029】(2)アイゾット衝撃強度 ASTM D256に基づき、厚み3.2mmのノッチ
付き試験片を用いて測定した。
【0030】(3)熱変形温度 ASTM D648に基づき、荷重4.6Kg/cm2
で評価した。
【0031】(4)イエローインデクス JIS K7103に基づき、日本電色社製のSZ−Σ
80型測色器を用い、試験片表面のイエローインデクス
を測定した。また実施例及び比較例に用いたサンプルは
以下の通りである。
【0032】(1)ポリアミド樹脂:ユニチカ社製 PA−1:CX-3000 ナイロン6:A1030BRL ナイロン66:A125 ナイロン46:F5000
【0033】(2)共重合体:住友ノーガタック社製 K3125 :ブタジエン系ゴム質を45%、スチレンを39%、
アクリロニトリルを16%含む。 K2540 :ブタジエン系ゴム質を35%、スチレンを46%、
アクリロニトリルを19%含む。 K3272 :ブタジエン系ゴム質を18%、スチレンを57%、
アクリロニトリルを25%含む。 MHB :ブタジエン系ゴム質を12%、スチレンを62%、ア
クリロニトリルを26 %含む。
【0034】実施例1〜10 押出方向に沿って5箇の開口を有する同方向回転の2軸
押出機(池貝鉄鋼社製、PCM45型2軸押出機)を用
いて樹脂組成物を製造した。開口は押出方向上流側から
第1開口、第2開口、第3開口、第4開口、第5開口と
した。樹脂組成物の構成成分を表1〜表3に示した組成
比でそれぞれの開口から供給した。また第2及び第5開
口からの脱気は減圧(100mmHg)して行った。脱
気を行わない場合は(表1〜4では無で標記)これらの
開口を閉鎖した。
【0035】押出機のシリンダー温度は、共重合体の溶
融領域を230℃とし、ポリアミドの溶融領域はPA−
1及びナイロン6を用いた場合が250℃、ナイロン6
6の場合が280℃、ナイロン46の場合が300℃と
した。押出機を用いて製造された樹脂組成物は常法によ
り、そのまま切断しペレットとした。得られた樹脂組成
物のペレットを用い、射出成形機(日本製鋼製、NJ0
0S型成形機)を用いて成形し試験片を得た。得られた
試験片用いて各種性能評価を行った。その結果を表1〜
表3に掲げた。成形機のシリンダー温度はPA−1及び
ナイロン6を用いた樹脂組成物の場合が250℃、ナイ
ロン66の場合が280℃、ナイロン46の場合が30
0℃とした。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】比較例1〜4 比較例1は第1の開口から不飽和化合物を供給しなかっ
たもの、比較例2は全ての構成成分を第1番目の開口か
ら供給したもの、比較例3及び比較例4は第2番目の開
口を用いなかった(開口を閉鎖した)ものであり、他は
実施例と同様にして試験片を作成し,性能評価を行っ
た。その結果を表4に掲げた。
【0040】
【表4】
【0041】実施例においては、第2番目の開口から脱
気を行うことにより、未反応の化合物が押出機の系外に
排出される。そのため、未反応の化合物が溶融状態のポ
リアミドと高温度下で接触する機会は実質的に著しく減
少して、得られる樹脂組成物は特に衝撃強度と色調が大
きく改良されている。一方、第1の開口から不飽和化合
物を供給しなかった比較例1で得られる樹脂組成物は衝
撃強度が低く、全ての構成成分を第1番目の開口から供
給した比較例2で得られる樹脂組成物は色調が著しく悪
いばかりでなく、衝撃強度も極めて低く、第2番目の開
口から脱気を行わないで製造した比較例3及び比較例4
において得られる樹脂組成物は、色調が悪く、しかも衝
撃強度も実施例に比べて低い値であった。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明の製造方法によれ
ば、第1番目の開口から(1) ジエン化合物、芳香族ビニ
ル化合物及びビニルシアン化合物を重合してなる共重合
体、及び(2) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘
導体及び不飽和エポキシ化合物の群から選ばれた少なく
とも1種の化合物を定量供給し、第2番目の開口から脱
気を行うことにより、未反応の化合物が押出機の系外に
排出されるので、未反応の化合物が第3番目の開口から
供給された溶融状態のポリアミドと高温度下で接触する
機会は実質的に著しく減少し、特に衝撃強度と色調が大
きく改良された樹脂組成物がより少ないエネルギーで安
価に製造することができる。また、得られる樹脂組成物
は前記のような優れた特性を有するので、電気、自動
車、機械、雑貨その他の幅広い分野で有用な成形体とし
て利用できる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08F 285/00 MQX 7142−4J B29K 77:00 (72)発明者 片平 新一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 小笠 恵 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリュー式押出機を用い、溶融混練し
    て樹脂組成物を製造する方法において、押出方向上流側
    の第1番目の開口から(1) ジエン化合物、芳香族ビニル
    化合物及びビニルシアン化合物を重合してなる共重合
    体、及び(2) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘
    導体及び不飽和エポキシ化合物の群から選ばれた少なく
    とも1種の化合物を供給し、第2番目の開口から脱気を
    行い、第3番目の開口からポリアミドを供給することを
    特徴とする樹脂組成物の製造方法。
JP4268052A 1992-09-09 1992-09-09 樹脂組成物の製造方法 Pending JPH0691721A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006502888A (ja) * 2002-10-15 2006-01-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 繊維強化熱可塑性ポリマー組成物を含む物品

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JP2006502888A (ja) * 2002-10-15 2006-01-26 ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド 繊維強化熱可塑性ポリマー組成物を含む物品

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