JPH0688177A - 銅合金管の製造方法 - Google Patents

銅合金管の製造方法

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JPH0688177A
JPH0688177A JP24163892A JP24163892A JPH0688177A JP H0688177 A JPH0688177 A JP H0688177A JP 24163892 A JP24163892 A JP 24163892A JP 24163892 A JP24163892 A JP 24163892A JP H0688177 A JPH0688177 A JP H0688177A
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JP
Japan
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copper alloy
welding
heat treatment
pipe
producing
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Application number
JP24163892A
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English (en)
Inventor
Ryoichi Ozaki
良一 尾崎
Shigeru Kiyouhara
繁 京原
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱交換器用伝熱管及び建築用配管材として好
適の銅合金管の製造方法において、生産性が高い銅合金
管の製造方法を提供する。 【構成】 先ず、0.01乃至0.25重量%のFe及び 0.1重
量%以下のP(又は、0.01乃至0.25重量%のFeのみ)
を含有する銅合金板材を熱処理してFe及びP(又は、
Fe)を固溶させる。これにより、板材の電気伝導性及
び熱伝導性が低下し、溶接性が向上する。次に、前記板
材を所定の管形状に加工し、その継目部を例えば抵抗溶
接する。次いで、時効熱処理を施し、Fe及びP(又
は、Fe)を析出させる。これにより、銅合金管の電気
伝導性及び熱伝導性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空調用冷凍機等に使用
される熱交換器用伝熱管及び給湯・給水用配管等の建築
用配管として使用される銅合金管の製造方法において、
特に銅合金板材を管形状に加工しその継目部を溶接する
ことにより製造される銅合金管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調用冷凍機等に使用される熱交
換器用伝熱管及び給湯・給水用配管等の建築用配管に
は、熱伝導性、加工性及びろう付性が良好であることか
ら、主に、りん脱酸銅又は無酸素銅の継目無管が用いら
れている。しかし、継目無管は製造コストが高いため、
近年、これらの用途に、りん脱酸銅又は無酸素銅からな
る板材を管形状に加工しその継目部を溶接して製造され
た溶接管が使用されるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
りん脱酸銅又は無酸素銅からなる溶接管には生産性が低
いという問題点がある。以下にその理由を説明する。
【0004】一般的に、金属を溶接する場合には溶融溶
接法又は圧接法が使用される。溶融溶接法としてはアー
ク溶接及びガス溶接等があり、圧接法としては高周波溶
接及び抵抗溶接等がある。通常、銅又は銅合金の溶接に
は、圧接法が使用される。
【0005】圧接法は、電気エネルギーを熱エネルギー
(ジュール熱)に変換して溶接する方法であり、電気伝
導性及び熱伝導性が小さい材料ほど溶接しやすいことは
よく知られている。りん脱酸銅及び無酸素銅は、上述の
如く、電気伝導性及び熱伝導性が高いため、伝熱管等の
材料として優れているという利点がある反面、溶接が難
しいという難点がある。
【0006】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、溶接管としての生産性が高く、熱交換器用
伝熱管及び建築用配管として好適の銅合金管を製造する
ことができる銅合金管の製造方法を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る銅合金管の
製造方法は、0.01乃至0.25重量%のFe及び 0.1重量%
以下のP(又は、0.01乃至0.25重量%のFeのみ)を含
有し残部がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板材
を熱処理してFe及びPを固溶させる熱処理工程と、こ
の銅合金板材を所定の管形状に加工しその継目部を溶接
する溶接工程とを有することを特徴とする。
【0008】なお、前記溶接工程の後に、時効熱処理を
施してFe及びP(又は、Fe)を析出させる時効熱処
理工程を設けてもよい。また、前記熱処理工程と前記溶
接工程との間に、前記銅合金板材の表面に溝を設ける溝
付け工程を設けてもよい。
【0009】
【作用】本願発明者等は、継目溶接時の溶接が容易であ
って、製品とした場合に熱伝導性及び電気伝導性が高い
銅合金溶接管を得るべく、種々実験研究を行なった。そ
の結果、以下のことが判明した。即ち、所定量のFe及
びP(又は、Feのみ)を含有する銅合金を熱処理する
と、Fe及びPが固溶して銅合金材の電気伝導性及び熱
伝導性が低下し、溶接性が良好になる。また、この銅合
金材は、時効熱処理を施すと、Fe及びPがFe2 Pと
して析出し、電気伝導性及び熱伝導性がりん脱酸銅と同
程度まで向上する。本発明は、このような実験結果に基
づいてなされたものである。
【0010】次に、各成分の添加理由及びその組成限定
理由について説明する。
【0011】Fe(鉄) Feを添加し、熱処理を施すことにより、Feが銅中に
固溶して銅合金材の電気伝導性及び熱伝導性が低下し、
銅合金材の溶接性が向上する。しかし、Fe含有量が0.
01重量%未満の場合は、電気伝導性及び熱伝導性を低下
させる効果を十分に得ることができない。一方、Fe含
有量が0.25重量%を超えると、溶接部の強度が低下して
しまう。この溶接部の強度低下は、酸化物の阻害による
ものと考えられる。従って、Fe含有量は0.01乃至0.25
重量%とする。なお、Fe含有量のより好ましい範囲は
0.05乃至0.15重量%である。
【0012】P(りん) Pも、Feと同様に、銅中に固溶して銅合金材の電気伝
導性及び熱伝導性を低下させる効果がある。また、Pを
共添することにより、銅合金材を大気溶解で容易に製造
することが可能になる。更に、時効熱処理により、Fe
2 Pが析出して固溶P濃度が減少するため、耐応力腐食
割れ性が向上するという効果もある。従って、Feと共
にPを添加することが好ましい。但し、P含有量が 0.1
重量%を超えると、耐応力腐食割れ性が低下する。この
ため、Pを含有する場合は、P含有量を 0.1重量%以下
とする。なお、実操業等を考慮すると、P含有量は 0.0
05乃至0.05重量%とすることがより好ましい。
【0013】本発明においては、先ず、上述の範囲でF
e及びP(又は、Feのみ)が添加された銅合金板を熱
処理する。これにより、Fe及びPが固溶して、銅合金
板の電気伝導性及び熱伝導性が低下し、溶接性が向上す
る。次いで、この銅合金板を所定の管形状に加工しその
継目部を溶接して銅合金管を得る。
【0014】本発明においては、このようにして銅合金
板の電気伝導性及び熱伝導性を低下させた後、前記銅合
金板材を管形状に加工しその継目部を溶接するため、溶
接が容易であり、銅合金管の生産性が向上する。
【0015】また、例えば銅合金管を熱交換器用伝熱管
として使用する場合は、溶接後の管に時効熱処理を施す
ことにより、Fe及びP(又は、Fe)が析出し、銅合
金管の電気伝導性及び熱伝導性が向上する。これによ
り、熱交換器用伝熱管として好適の銅合金管を得ること
ができる。
【0016】この場合に、熱処理工程と溶接工程との間
に、板材の表面に溝を設ける溝付け工程を設けることが
好ましい。これにより、管の表面積が増大し、伝熱管の
熱伝導性を著しく向上させることができる。
【0017】
【実施例】次に、本発明方法により実際に銅合金管を製
造し、その性能を調べた結果について、本願の特許請求
の範囲から外れる比較例と比較して説明する。
【0018】先ず、下記表1に示す組成の銅合金を溶製
し、厚さが50mmの板材を鋳造した。次に、各板材を 850
℃の温度で熱間圧延して、厚さが10mmの板材とし、更に
冷間圧延して厚さが1mmの銅合金板材を得た。なお、F
e及びPを固溶状態に保持するために、熱間圧延終了後
直ちに圧延材を水冷する。また、溝付け加工を施すため
に溝付け工程の直前に熱処理を行う場合は、 600乃至90
0 ℃の温度で10秒間乃至5分間程度の短時間の熱処理を
行い、その後直ちに水冷することにより、Fe及びPを
固溶状態に保持する。
【0019】次に、各板材から、幅が25mm、長さが 100
mmの2枚の試験材を切り出し、この2枚の試験材を長手
方向に突き合わせ、その継目部を抵抗溶接により溶接し
た。
【0020】その後、450 乃至550 ℃の温度で30分間乃
至5時間程度の条件で時効熱処理を施した。
【0021】実施例及び比較例の各試験材の溶接時及び
時効処理後の電気伝導度を調べた。また、溶接後、長手
方向の引張試験により、各試験材の溶接部の引張強度も
調べた。更に、熱処理後の試験材の伸びについても調べ
た。これらの結果を下記表2にまとめて示す。但し、伸
びは、熱処理によって各試験材の結晶粒度を20乃至30μ
mに調整した後、JIS 13号B 試験片を作成し、引張試験
により調べた。なお、溶接部の引張強度が高いほど、溶
接欠陥が少なく、溶接スピードを向上できる。また、引
張試験による破断箇所は、全て溶接部の近傍であった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】この表2から明らかなように、実施例1乃
至8は、いずれも溶接部の引張強度が22kgf/mm2 以上と
高く、良好な溶接性を有し、熱処理後の素材の伸びも40
%以上と良好である。一方、比較例1,2,4,5は、
いずれも溶接部の引張強度が低く、溶接性が劣る。ま
た、溶接部の引張強度が比較的高い比較例3は、良好な
溶接性を有するものの、熱処理後の伸びが38%と小さい
と共に、P含有量が多いため耐応力腐食割れ性が低く、
熱交換器用伝熱管又は建築用配管としての実用性に乏し
い。
【0025】なお、銅合金管を熱交換器用伝熱管として
使用する場合は、その表面積が大きいほど熱伝導性が向
上する。従って、熱交換器用伝熱管として使用する銅合
金管を製造する場合は、管形状に加工する前に、板材の
表面に溝を設ける溝付け工程を設けることが好ましい。
これにより、表面積が大きく、熱伝導性が優れた銅合金
管を得ることができる。
【0026】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、所
定量のFe及びP(又は、Feのみ)を含有する銅合金
板材を熱処理してFe及びP(又は、Fe)を固溶さ
せ、電気伝導性及び熱伝導性を低下させてから管形状に
加工しその継目部を溶接するから、溶接が容易であっ
て、銅合金管の生産性が高い。また、溶接後に時効処理
を施すことにより電気伝導性及び熱伝導性を向上させる
ことができるため、熱交換器用伝熱管及び建築用配管材
として好適の銅合金管を得ることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0.01乃至0.25重量%のFeを含有し残部
    がCu及び不可避的不純物からなる銅合金板材を熱処理
    してFeを固溶させる熱処理工程と、この銅合金板材を
    所定の管形状に加工しその継目部を溶接する溶接工程と
    を有することを特徴とする銅合金管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記溶接工程の後に、時効熱処理を施し
    てFeを析出させる時効熱処理工程を有することを特徴
    とする請求項1に記載の銅合金管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熱処理工程と前記溶接工程との間
    に、前記銅合金板材の表面に溝を設ける溝付け工程を有
    することを特徴とする請求項2に記載の銅合金管の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 0.01乃至0.25重量%のFe及び 0.1重量
    %以下のPを含有し残部がCu及び不可避的不純物から
    なる銅合金板材を熱処理してFe及びPを固溶させる熱
    処理工程と、この銅合金板材を所定の管形状に加工しそ
    の継目部を溶接する溶接工程とを有することを特徴とす
    る銅合金管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶接工程の後に、時効熱処理を施し
    てFe及びPを析出させる時効熱処理工程を有すること
    を特徴とする請求項4に記載の銅合金管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記熱処理工程と前記溶接工程との間
    に、前記銅合金板材の表面に溝を設ける溝付け工程を有
    することを特徴とする請求項5に記載の銅合金管の製造
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7180176B2 (en) * 2001-08-23 2007-02-20 Dowa Mining Co., Ltd. Radiation plate and power semiconductor module IC package
JP2009530581A (ja) * 2006-03-23 2009-08-27 ヴィーラント ウェルケ アクチーエン ゲゼルシャフト 熱交換器管の使用方法
JP2016003373A (ja) * 2014-06-18 2016-01-12 株式会社Uacj 銅合金管
US11808532B2 (en) 2013-03-19 2023-11-07 NJT Copper Tube Corporation Highly corrosion-resistant copper tube

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