JPH0687373U - 電子部品のキャリアテープのリール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 紙粉が発生しない電子部品のキャリアテープ
のためのプラスチックリールを提供する。 【構成】 中空筒部１２とその一端のフランジ状側板１
３とを有して真空成形された二つのプラスチックリール
半体１１，１１からなり、前記一方の中空筒部が、該中
空筒部に対向する他方の中空筒部内側に挿入重合されて
該重合部１８で二つのプラスチックリール半体が接合さ
れている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は電子部品のキャリアテープのリールに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、回路基板などに配される電子部品は、たとえば帯状のキャリアテー プに形成された凹部に収納され該凹部開口をカバーフィルムによって被覆し、ヒ ートシールあるいは接着剤などによって封止されて包装される。 一般に、この電子部品を収納したキャリアテープは、リールなどに巻き付けら れて保管および輸送されたり、あるいは、必要個数が随時引き出されて取り付け 作業などに供される。

【０００３】 ところで、このようなリールは、紙芯に円盤状に打抜き加工された紙製フラン ジ部を取り付けてなるものが多く、巻き取ったり引き出したりする際に紙粉が発 生することがある。電子部品のような精密な物品にあっては、かかる紙粉の付着 が部品に悪影響を与えるおそれもある。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

この考案は、このような問題点に鑑み提案されたものであって、紙粉が発生し ない電子部品のキャリアテープのためのプラスチックリールを提供しようとする ものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなわち、この考案は、中空筒部とその一端のフランジ状側板とを有して真空 成形された二つのプラスチックリール半体からなり、前記一方の中空筒部が、該 中空筒部に対向する他方の中空筒部内側に挿入重合されて該重合部で二つのプラ スチックリール半体が接合されたことを特徴とする電子部品のキャリアテープの リールに係る。

【０００６】

【実施例】

以下添付の図面に従ってこの考案を詳細に説明する。 図１はこの考案の電子部品のキャリアテープのリールの一例を示す断面図、図 ２は図１に示された電子部品のキャリアテープのリールを構成するプラスチック リール半体の一例を示す斜視図、図３はその拡大断面図である。

【０００７】 図１および図３に示されるように、この考案の電子部品のキャリアテープのリ ール１０は、二つのプラスチックリール半体１１，１１よりなる。 各プラスチックリール半体１１，１１は中空筒部１２と該中空筒部１２の一端 に一体に形成されたフランジ状側板１３とからなり、帯電防止剤などの公知の添 加剤が配合されたポリスチロールなどのシート材を所定のリール半体形状に真空 成形することにより得られる。

【０００８】 このリール１０は、図３に示されるように、一方のリール半体１１ａの中空筒 部１２ａを対向する他方のプラスチックリール半体１１ｂの中空筒部１２ｂの内 側に挿入重合し、その重合部１８に接着剤などが塗布されたり、あるいは熱接着 により接合される。 中空筒部１２はキャリアシートの巻き付け部を構成しており、内側にリール回 転用の軸２０などが挿通される中空部１４が形成されている。また、この中空筒 部１２は、後述するフランジ状側板１３とは反対側の端部から折り返し基部１６ を経て前記中空部１４方向に折り返された内筒１５を有している。 この内筒１５は、前記中空筒部１２を補強しかつ対向する他方の中空筒部１２ との合着を確実ならしめる、あるいは後記するように、リール用回転軸２０の装 着を容易かつ確実にするもので、少なくとも内側に挿入重合される側の中空筒部 １２ａ側に形成することが好ましい。

【０００９】 この実施例では、図示されるように、前記リール１０において内側に挿入重合 される側の中空筒部１２ａの内筒１５ａが、折り返し基部１６側の内径Ｄ１より 先端１７側の内径Ｄ２を小さく形成したテーパ形状に構成されている。それによ って、前記内筒１５ａにバネ状の弾性が付与され、リール１０を前記リール用回 転軸に挿通した際に前記軸に確実に装着される。また、前記内筒１５ａに設けら れた溝部１９は、リール用回転軸に形成された突部などと係合して前記リール１ ０の空回りを防止するとともに、その弾性変形によって前記回転軸との係合を確 実にしてリールのがたつきなどをなくすものである。

【００１０】 フランジ状側板１３は前記中空筒部１２において、折り返し基部１６の形成さ れていない側の端部から一体に延設されていて、その表面に補強のための適宜形 状のリブ２１が設けられている。また、キャリアシートの巻付け量を確認するた めの窓部を適当な位置に設けてもよい。

【００１１】

【考案の効果】

以上図示し説明したように、この考案のリールによれば、紙粉が発生しないの で電子部品などの精密な物品が包装されたキャリアテープのリールに好適に用い ることができる。 また、この考案のリールは真空成形によって容易に製造することができる上、 得られたリールは軽くて保管や持ち運びにも大変便利である。 さらに、内側に挿入重合される中空筒部の内径が折り返し基部より内筒先端側 で小になっているものにあっては、リールの回転軸に確実に装着することができ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の電子部品のキャリアテープのリール
の一例を示す断面図である。

【図２】図１に示された電子部品のキャリアテープのリ
ールを構成するプラスチックリール半体の一例を示す斜
視図である。

【図３】その拡大断面図である。

【符号の説明】

１０ リール １１ プラスチックリール半体 １２ 中空筒部 １３ フランジ状側板 １５ 内筒 １６ 折り返し基部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 中空筒部とその一端のフランジ状側板と
   を有して真空成形された二つのプラスチックリール半体
   からなり、前記一方の中空筒部が、該中空筒部に対向す
   る他方の中空筒部内側に挿入重合されて該重合部で二つ
   のプラスチックリール半体が接合されたことを特徴とす
   る電子部品のキャリアテープのリール。
2. 【請求項２】 請求項１において、内側に挿入重合され
   る中空筒部が、自己のフランジ状側板とは反対側端部か
   ら中空筒部内側に折り返し形成された内筒を有し、該内
   筒内径が折り返し基部より内筒先端側で小になっている
   ことを特徴とする電子部品のキャリアテープのリール。