JPH0687174U - 湿地用の履帯用パッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 踏面が山形に形成された湿地用履板の踏面側
に着脱容易に、かつ走行時に脱落することなく強固に、
さらにガタが生じることなく取付けることができる湿地
用の履帯用パッドを提供することを目的とする。 【構成】 踏面が山形に形成さた湿地用履板１の長さ方
向の中間部より一方の踏面及び端面に嵌合する一方の基
台６ａと、他方の踏面及び端面に嵌合する他方の基台６
ｂとからなり、この各基台６ａ，６ｂの一端部に湿地用
履板１の裏側端部に係合するフック部材８を設け、他端
部に両基台６ａ，６ｂを結合するフランジ９を設け、こ
の各基台６ａ，６ｂの表側に弾性部材７を固着し、さら
に基台６ａ，６ｂの裏側に湿地用履板１に有するリンク
ボルト締結用の締結座４に嵌合する弾性突起１４を突設
した構成となっている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、無限軌道車両に用いられる履帯で、特に踏面形状が山形に形成され た湿地用履板を連結して構成した湿地用履帯の各履板に走行路面保護用として着 脱可能に取付ける湿地用の履帯用パッドに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

湿地用履帯を用いた、いわゆる湿地用ブルトーザや湿地用ショベルドーザは、 一般に造成地等土のむき出し地において諸作業するものであって舗装路面を走行 することがないため、この湿地用履帯には走行路面を保護する手段は構じていな かった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、近年上記造成地が市街地に近接することが多くなり、湿地用ブ ルトーザや湿地用ショベルドーザは市街地近辺の舗装路面を走行する機会が多く なり、舗装路面を破損してしまうという問題が多発しているのが現状である。 上記舗装路面の走行距離が短い場合には路面に鉄板等の保護板を敷けばよいが 、長い距離を走行する場合、保護板の置き換えに多大の労力を要すると共に、走 行速度も遅くなって時間がかかるという問題もある。

【０００４】 本考案は上記のことにかんがみなされたもので、踏面が山形に形成された湿地 用履板の踏面側に着脱容易に、かつ走行時に脱落することなく強固に、さらにガ タが生じることなく取付けることができる湿地用の履帯用パッドを提供すること を目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案に係る湿地用の履帯用パッドは、踏面が山 形に形成された湿地用履板１の長さ方向の中間部より一方の踏面及び端面に嵌合 する一方の基台６ａと、他方の踏面及び端面に嵌合する他方の基台６ｂとからな り、この各基台６ａ，６ｂの一端部に湿地用履板１の裏側端部に係合するフック 部材８を設け、他端部に両基台６ａ，６ｂを結合するフランジ９を設け、この各 基台６ａ，６ｂの表側に弾性部材７を固着し、さらに基台６ａ，６ｂの裏側に、 湿地用履板１に有するリンクボルト締結用の締結座４に嵌合する弾性突起１４を 突設した構成になっている。 また、踏面が山形に形成された湿地用履板１の踏面に嵌合する基台１５と、湿 地用履板１の踏面の長手方向の端部と端面部に嵌合すると共に、湿地用履板１の 裏側端部に係合するフック部材８を有する両端部材１６ａ，１６ｂとからなり、 基台１５の両端と各端部材１６ａ，１６ｂの端部にそれぞれ結合用のフランジ１ ８を設け、上記基台１５の表面に弾性部材１７を固着し、さらに基台１５の裏側 に湿地用履板１に有するリンクボルト締結用の締結座４に嵌合する弾性突起１４ を突設した構成となっている。 さらに、表側踏面用の弾性部材２０を固着する基台２１を、山形に形成された 湿地用履板１の踏面側に嵌合する形状に形成し、この基台１の一端部に湿地用履 板１の裏側端部に係合する固定フック部材２２を一体成形し、また他端部に、湿 地用履板１の端部に沿ってこれの裏側へ突出する係合舌片２３を設け、この係合 舌片２３に湿地用履板１の裏側端部に係合する着脱フック部材２４を着脱可能に 結合し、さらに基台２１の裏側に湿地用履板１に有するリンクボルト締結用の締 結座４に嵌合する突起２６を設けた構成となっている。 そしてさらに、踏面用の弾性部材２７の断面形状を、山形に形成された湿地用 履板１の踏面側に嵌合すると共に、断面形状の複数個所に棒状の補強材２８ａ， ２８ｂ，２８ｃを配置して成形し、上記補強材２８ａ，２８ｂ，２８ｃの一端部 に、湿地用履板１の裏側一端部に係合する固定フック部材２９を固着し、他端部 に、湿地用履板１の裏側他端部に係合する着脱フック部材３０を着脱可能に固着 し、さらに上記弾性部材２７の裏側に湿地用履板１に有するリンクボルト締結用 の締結座４に嵌合する突起３２を設けた構成となっている。

【０００６】

【作 用】 上記構成の湿地用の履帯用パッドは踏面が山形に形成された湿地用履板の踏面 側にガタが生じることなく強固に取付けられる。

【０００７】

【実 施 例】

本考案の実施例を図面に基づいて説明する。 図中１は踏面側が山形に形成された湿地用履板であり、裏側中央部には一対の 履帯リンク２，２がリンクボルト３にて固着されており、この各湿地用履板１の 履帯リンク２，２を相互に連結することにより湿地用履帯が構成されるようにな っている。この湿地用履板１の踏面には上記履帯リンク２を取付けるためのリン クボルト３の締結座４が穴状に形成してある。

【０００８】 ５は上記構成の湿地用履板１の踏面側に着脱可能に取付ける湿地用の履帯用パ ッドであり、この湿地用の履帯用パッド５は、内側形状を上記湿地用履板１の踏 面及び端面に沿う形状に形成され、かつ長手方向に２分割された左右の基台６ａ ，６ｂと、この基台６ａ，６ｂの表面に焼付け固着する合成ゴム等の弾性部材７ ，７とからなっている。

【０００９】 上記基台６ａ，６ｂの端面側端部には湿地用履板１の裏側端部に係合するフッ ク部材８が固着してあり、また対向端部にはフランジ９が固着してある。この各 フランジ９，９にはそれぞれ対向するボルト孔１０が複数個設けてあり、これを 貫通するボルト１１及びこれに螺合するナット１２にて両フランジ９，９が結合 されるようになっている。

【００１０】 弾性部材７，７は基台６ａ，６ｂの表面形状に沿う山形状になっている。また 上記基台６ａ，６ｂには湿地用履板１のリンクボルト用の締結座４に対応する位 置に抜き穴１３が設けてあり、この抜き穴１３を通って締結座４に嵌合する弾性 突起１４が弾性部材７，７と一体状にして裏側に突設されている。

【００１１】 上記構成において、湿地用の履帯用パッド５は、両基台６ａ，６ｂをそれぞれ のフック部材８を湿地用履板１の裏側端部に引掛けて、これの踏面側に嵌合し、 両基台６ａ，６ｂの各フランジ９，９をボルト１１、ナット１２にて結合するこ とにより湿地用履板１に取付けられる。このとき、各基台６ａ，６ｂの裏側に突 出した弾性突起１４が湿地用履板１の各ボルトの締結座４に嵌合するため、湿地 用履帯パッド５は履板１側にガタが生じることなく取付けられる。

【００１２】 図６、図７は本考案の第２の実施例を示すもので、この第２の実施例のものは 、長手方向に３分割されていて、基台１５と、フック部材８を有する両方の端部 材１６ａ，１６ｂとからなっており、基台１５にだけ踏面用の弾性部材１７が固 着されている。なおこの基台１５の裏側には先の実施例と同様に締結座４に嵌合 する弾性突起１４が突設してある。 上記基台１５両端及び端部材１６ａ，１６ｂにはそれぞれフランジ１８が突設 してあり、両端部材１６ａ，１６ｂのフック部材８を湿地用履板１の裏側端部に 引掛けてから、この各端部材１６ａ，１６ｂ及び基台１５の各フランジ１８をボ ルト結合することにより湿地用履板１に取付けられる。

【００１３】 なお、上記両実施例において、各基台６ａ，６ｂ，１５及び端部材の裏面にも これの全面にわたり、あるいは複数個所に部分的に弾性部材を薄く固着してもよ い。また各基台６ａ，６ｂ，１５及び端部材１６ａ，１６ｂは板金構成あるいは 鋳物構成のいずれでもよい。

【００１４】 図８から図１１は本考案の第３の実施例を示すもので、この第３の実施例は、 踏面用の弾性部材２０を固着する基台２１は、これの断面形状が上記湿地用履板 １の山形になっている踏面側にスッポリ嵌合する形状になっている。そしてその 長手方向一端に、湿地用履板１の裏側端部に係合する固定フック部材２２が一体 成形により形成してある。また長手方向他端部には湿地用履板１の端部より裏側 へ突出する係合舌片２３が設けてある。そしてこの係合舌片２３のねじ孔２３ａ に、湿地用履板１の裏側端部に係合する着脱フック部材２４がボルト２５ａにて 着脱自在に結合されるようになっている。２５ｂはワッシャである。２６は湿地 用履板１のリンクボルト締結用の締結座４に嵌合する突起であり、これは基台１ と一体状に形成されている。 上記基台１及び着脱フック部材２４は鋳物あるいは板金加工にて構成する。ま た基台１の複数個所に肉抜き用の抜き穴２１ａが設けてあり、この抜き穴２１ａ を通じて踏面用の弾性部材２０が裏側に入りこむようにしてもよい。

【００１５】 この実施例では、基台２１を、これの一端部に設けた固定フック部材２２を湿 地用履板１の一端部裏側に係合しながらこの湿地用履板１の踏面側に嵌合し、つ いで、これの他端部に着脱フック部材２４をボルト２５ａにて結合することによ り、この着脱フック部材２４と上記固定フック部材２２とによってこの履帯用パ ッドが履板１に結合される。

【００１６】 図１２から図１４は本考案の第４の実施例を示すもので、湿地用履板１の踏面 側に嵌合する形状に踏面用の弾性部材２７が成形されていて、この弾性部材２７ に、３本の補強材２８ａ，２８ｂ，２８ｃが全長にわたって配置されている。そ してこの３本の補強材２８ａ，２８ｂ，２８ｃの一端に固定フック部材２９が固 着されており、他端に着脱フック部材３０が係合され、ナット３１にて結合され るようになっている。 この実施例においても、弾性部材２７の裏側には湿地用履板１のボルト用の締 結座４に嵌合する突起３２を設ける。

【００１７】

【考案の効果】

本考案によれば、踏面が山形に形成された湿地用履板１の踏面側に、履帯用パ ッド５を着脱容易に、かつ走行時に脱落することなく強固に、さらにガタが生じ ることなしに取付けることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】湿地用履板を示す斜視図である。

【図２】本考案の第１の実施例を示す一部破断正面図で
ある。

【図３】本考案の第１の実施例を示す平面図である。

【図４】図３のＡ−Ａ線に沿う断面図矢視図である。

【図５】本考案の第１の実施例を示す分解斜視図であ
る。

【図６】本考案の第２の実施例を示す正面図である。

【図７】本考案の第２の実施例を示す側面図である。

【図８】本考案の第３の実施例を示す縦断正面図であ
る。

【図９】本考案の第３の実施例における基台を示す分解
斜視図である。

【図１０】図８のＢ−Ｂ線に沿う断面矢視図である。

【図１１】図８のＣ−Ｃ線に沿う断面矢視図である。

【図１２】本考案の第４実施例を示す一部破断正面図で
ある。

【図１３】本考案の第４の実施例を示す側面図である。

【図１４】図１２のＤ−Ｄ線に沿う断面矢視図である。

【符号の説明】

１…湿地用履板、２…履帯リンク、３…リンクボルト、
４…締結座、５…履帯用パッド、６ａ，６ｂ，１５，２
１…基台、７，１７，２０，２７…弾性部材、８…フッ
ク部材、９，１８…フランジ、１０…ボルト孔、１１，
２５ａ…ボルト、１２，３１…ナット、１３，２１ａ…
抜き穴、１４…弾性突起、１６ａ，１６ｂ…端部材。２
２，２９…固定フック部材、２３…係合舌片、２４，３
０…着脱フック部材、２６，３２…突起、２８ａ，２８
ｂ，２８ｃ…補強部材。

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 踏面が山形に形成された湿地用履板１の
   長さ方向の中間部より一方の踏面及び端面に嵌合する一
   方の基台６ａと、他方の踏面及び端面に嵌合する他方の
   基台６ｂとからなり、この各基台６ａ，６ｂの一端部に
   湿地用履板１の裏側端部に係合するフック部材８を設
   け、他端部に両基台６ａ，６ｂを結合するフランジ９を
   設け、この各基台６ａ，６ｂの表側に弾性部材７を固着
   し、さらに基台６ａ，６ｂの裏側に、湿地用履板１に有
   するリンクボルト締結用の締結座４に嵌合する弾性突起
   １４を突設したことを特徴とする湿地用の履帯用パッ
   ド。
2. 【請求項２】 踏面が山形に形成された湿地用履板１の
   踏面に嵌合する基台１５と、湿地用履板１の踏面の長手
   方向の端部と端面部に嵌合すると共に、湿地用履板１の
   裏側端部に係合するフック部材８を有する両端部材１６
   ａ，１６ｂとからなり、基台１５の両端と各端部材１６
   ａ，１６ｂの端部にそれぞれ結合用のフランジ１８を設
   け、上記基台１５の表面に弾性部材１７を固着し、さら
   に基台１５の裏側に湿地用履板１に有するリンクボルト
   締結用の締結座４に嵌合する弾性突起１４を突設したこ
   とを特徴とする湿地用の履帯用パッド。
3. 【請求項３】 表側に踏面用の弾性部材２０を固着する
   基台２１を、山形に形成された湿地用履板１の踏面側に
   嵌合する形状に形成し、この基台１の一端部に湿地用履
   板１の裏側端部に係合する固定フック部材２２を一体成
   形し、また他端部に、湿地用履板１の端部に沿ってこれ
   の裏側へ突出する係合舌片２３を設け、この係合舌片２
   ３に湿地用履板１の裏側端部に係合する着脱フック部材
   ２４を着脱可能に結合し、さらに基台２１の裏側に湿地
   用履板１に有するリンクボルト締結用の締結座４に嵌合
   する突起２６を設けたことを特徴とする湿地用の履帯用
   パッド。
4. 【請求項４】 踏面用の弾性部材２７の断面形状を、山
   形に形成された湿地用履板１の踏面側に嵌合する形状に
   すると共に、断面形状の複数個所に棒状の補強材２８
   ａ，２８ｂ，２８ｃを配置して成形し、上記補強材２８
   ａ，２８ｂ，２８ｃの一端部に、湿地用履板１の裏側一
   端部に係合する固定フック部材２９を固着し、他端部
   に、湿地用履板１の裏側他端部に係合する着脱フック部
   材３０を着脱可能に固着し、さらに上記弾性部材２７の
   裏側に湿地用履板１に有するリンクボルト締結用の締結
   座４に嵌合する突起３２を設けたことを特徴とする湿地
   用の履帯用パッド。