JPH0685348B2 - スラブの誘導加熱方法 - Google Patents

スラブの誘導加熱方法

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JPH0685348B2
JPH0685348B2 JP14808089A JP14808089A JPH0685348B2 JP H0685348 B2 JPH0685348 B2 JP H0685348B2 JP 14808089 A JP14808089 A JP 14808089A JP 14808089 A JP14808089 A JP 14808089A JP H0685348 B2 JPH0685348 B2 JP H0685348B2
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光政 塚田
秀夫 坂本
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、圧延素材であるスラブ、特にチタン製のスラ
ブを所定温度に均一加熱するための誘導加熱方法に関す
る。
〔従来の技術〕 圧延工程における要求温度にまでスラブを誘導加熱する
ための従来の誘導加熱方法は、例えば、「Iron and Ste
el Engineer;September 1979」の第50頁〜第55頁に示さ
れている。
第6図はこの誘導加熱方法の実施状態を示す模式的斜視
図である。図中1は、加熱されるべきスラブであり、該
スラブ1は、これの外形と略相似をなす矩形の加熱コイ
ル2内に、両者の各辺が所定の間隙を隔てて互いに平行
をなすように同心的に配される。加熱コイル2の両端は
加熱電源3に接続してあり、前述の如くスラブ1を配し
た後、加熱電源3から発せられる電流を加熱コイル2に
通電せしめることにより、電磁誘導作用によりスラブ1
の表面近傍に誘導電流が発生し、これの通流に伴う発熱
によりスラブ1が加熱される。前記加熱電源3として
は、商用の交流電源が一般的に利用されており、この場
合加熱コイル2には、商用周波数(50Hz又は60Hz)を有
する電流が通電される。
〔発明が解決しようとする課題〕
さて、このようにスラブ1を誘導加熱するに際しては、
後工程となる圧延後における板厚精度の向上を図るべ
く、前記スラブ1が断面全体に亘って均一に加熱される
ことが切望され、特にチタン等の難加工性材料のスラブ
1においては、加熱状態の均一性が重要な課題となって
いる。一方、加熱状態の良否は、加熱コイル2への通電
に伴う誘導電流がスラブ1の表面からどの程度の深さ範
囲に生じるかが重要な要素となっており、これが浅い場
合、スラブ1の表面近傍は十分に加熱される反面、厚さ
方向中央部には十分な伝熱がなされないために、中央付
近に不十分な加熱部分が生じ、スラブ1の厚さ方向に大
きい温度勾配が生じるという難点があり、逆に誘導電流
の発生深さが深い場合、スラブ1の厚さ方向には比較的
均一な温度分布が得られる反面、角部における誘導電流
の通流が阻害される結果、各角部の近傍に局所的な加熱
不良部が発生するという難点がある。
前記誘導電流の発生深さδ(mm)は、公知の次式にて与
えられる。
但し、ρは加熱すべきスラブ1の材料に固有の物性値で
ある比抵抗(μΩ‐cm)、μは同じく非透磁率であり、
fは加熱電源3の周波数(Hz)である。例えば、チタン
製のスラブ1を、商用周波数である60Hzの加熱電源3に
接続された加熱コイル2内に配して誘導加熱した場合、
常温〜950℃におけるチタン材の比抵抗ρが140μΩ‐cm
であり、また非透磁率μが1であることから、(1)式
から誘導電流の発生深さδは76.8mmとなる。この発生深
さは、一般的に製造されるチタン製のスラブ1の厚さ15
0mm〜250mmに対して過大であり、加熱電源3に商用電源
を使用する従来の誘導加熱方法においては、スラブ1の
角部に加熱不良部が発生し、均一な加熱状態が得られ
ず、このスラブ1を後工程において圧延する際に、所望
の板厚精度を得ることが困難となる不都合があった。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、角部
における加熱不良の発生を防止し、内部に至るまで可及
的に均一な温度分布を得ることを可能とするスラブの誘
導加熱方法を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明に係るスラブの誘導加熱方法は、加熱すべきスラ
ブを、その内部に同心的に配してなる矩形の加熱コイル
に、スラブの厚さtw(mm)及び比抵抗ρ(μmΩ‐cm)
を含む式、 にて限定される範囲内の周波数f(Hz)を有する電流を
通電させて誘導加熱を行うものである。
〔作用〕
本発明においては、加熱コイルに前記範囲内の周波数f
を有する電流を通電させることにより、この加熱コイル
内に配されたスラブにおける誘導電流の発生深さを適正
化し、表面から内部に至るまでの温度分布の均一性と、
角部における加熱不良部の発生防止とを共に実現する。
〔実施例〕
以下本発明をその実施例を示す図面に基づいて詳述す
る。第1図は本発明に係るスラブの誘導加熱方法(以下
本発明方法という)の実施状態を示す模式的斜視図であ
る。
本発明方法の実施においては、従来の方法と同様、加熱
すべきスラブ1の軸断面と略相似をなすように巻回され
た矩形の加熱コイル2と、これへの通電電源となる加熱
電源3とを備えてなる装置が用いられるが、本発明方法
においては従来と異なり、加熱コイルの両端は前記加熱
電源3に直接的に接続されず、サイリスタインバータ等
を用いてなる周波数変換部4を介して接続されており、
該周波数変換部4により変換された周波数を有する電流
が加熱コイル2に通電されることを特徴とする。本発明
方法は、図示の如く、加熱コイル2の内部にスラブ1を
同心的に配し、該スラブ1の幅方向及び厚さ方向の各辺
と、加熱コイル2の長手方向及びこれと直交する方向の
各辺とが、所定の間隙を隔てて略平行をなして対向する
ようになした後、加熱コイル2に所定の大きさの電流を
所定時間に亘って通電することにより実施れされる。こ
の通電によりスラブ1の内部には、電磁誘導作用により
誘導電流が発生し、この誘導電流の通電に伴う発熱によ
りスラブ1が加熱されるが、前述した如く加熱コイル2
に通電される電流は、加熱電源3における商用周波数
(50Hz又は60Hz)ではなく、スラブ1における誘導電流
の発生深さδを適正化すべく周波数変換部4に設定され
た周波数を有しており、このことによりスラブ1には、
内部に至るまでの厚さ方向に均一な温度分布と、角部近
傍における加熱不良部の発生防止とが実現される。
前記(1)式に示す如く、スラブ1における誘導電流の
発生深さδは、比抵抗ρ、非透磁率μ及び加熱コイル2
の通電電流の周波数fとによって定まり、これらの各値
の内、ρ及びμはスラブ1に固有の物性値であることか
ら、誘導電流の発生深さδと加熱コイル2への通電電流
の周波数との間には一義的な対応関係が成立する。一
方、誘導電流の発生深さδは、前述した如く、スラブ1
内における温度分布の発生状態に密接に関係する。以上
のことに着眼して本発明者は、一般的な厚さ寸法(150m
m〜250mm)を有するスラブ1において加熱コイル2への
通電電流に種々に異なる周波数fを与えて加熱実験を行
い、この結果から、スラブ1の厚さtw(mm)、即ち、第
1図に示す如くスラブ1の軸断面における短い方の辺の
長さと、スラブ1の材料に固有の物性値である比抵抗ρ
(μΩ‐cm)とを含む次式に示す範囲内の周波数f(H
z)において誘導電流の発生深さが適正となり、望まし
い加熱状態が実現されることを知見した。
第2図〜第4図に前記実験結果の一部を示す。これらは
いずれも、厚さ200mm、幅1000mm、長さ8000mmのチタン
製のスラブ1を、常温状態から略800℃にまで昇温せし
めるべく約60分間加熱した後、スラブ1の一つの角部E
から幅方向に300mmの範囲において、表面から厚さ方向
の中心に至るまでの部分の温度分布を測定した結果を示
しており、第2図は加熱コイル2への通電電流の周波数
fが60Hzである場合を、また第3図はfが130Hzである
場合を、更に第4図はfが200Hzである場合を夫々示し
ている。
まず第2図においては、測温結果が800℃を下回る加熱
不良部が前記角部Eの近傍にて生じていることが明らか
である反面、他の部分には、表面から厚さ方向中央に至
るまで比較的均一な温度分布が得られている。これは、
周波数fが過小であるためである。逆に第4図において
は、角部E近傍にて820℃〜840℃程度の測温結果が得ら
れており加熱不良部が生じない反面、他の部分には、表
面近傍の温度が高く厚さ方向中央に向けて低下する大き
い温度勾配が生じている。これは周波数fが過大である
ためである。
これらに対し第3図においては、角部E近傍には、前記
第4図に近い温度分布が得られており、加熱不良部の発
生が観察されない上、他の部分は、前記第2図に近く、
比較的均一な温度分布が生じており、このことから、13
0Hzなる周波数は、適正周波数であると言える。
第5図は、前記3種の周波数を含む種々の周波数fを有
する電流を加熱コイル2に通電せしめた場合において、
第2図〜第4図中に〜及び〜なる符号を付して
各測温点での測温結果を示すグラフである。なお〜
はいずれも、前記角部Eから幅方向に300mmの位置にて
厚さ方向の並ぶ測温点であり、は厚さ方向中心部に、
または表面層近傍に夫々設定され、〜の各測温点
は、〜間を略4等分する点として夫々設定されてい
る。また、〜はいずれも、角部Eから45゜の傾きを
有して厚さ方向中央に向けて延びる直線上に並ぶ測温点
であり、は前記角部Eから厚さ方向及び幅方向に各50
mmの位置に、または前記角部Eの極く近傍に夫々設定
されており、更に、はととの略中央に、または
ととの略中央に夫々設定されている。
この第5図から、前記周波数fが低下するに伴い、か
らの測温点における測温値が急激に低下する傾向を示
し、角部Eの近傍に加熱不良部が生じることが明らかで
あると共に、前記周波数fが増大するに伴い、前記〜
間の温度差が増大する傾向を示し、厚さ方向に大きい
温度勾配が生じることが明らかである。前記(2)式に
示す周波数fの制限式は、角部E近傍の温度低下が少な
く、スラブ1の厚さ方向に過大な温度勾配が生じないと
いう条件を満たすべく設定されたものである。(2)式
の比抵抗ρに、常温から950℃までの温度範囲における
チタン材の比抵抗値140μΩ‐cmと、スラブ1の厚さtw
=200mmとを夫々代入した場合、適正周波数範囲は、 93.5(Hz)≦f≦171.0(Hz) …(3) となり、これを第5図中に示す。加熱コイル2の通電電
流の周波数fが60Hzである場合、及び通電電流の周波数
fが200Hzである場合はいずれも、(3)式にて示され
る適正範囲内に含まれておらず、前者の場合、第2図に
示す如く角部E近傍にて低温部が生じ、後者の場合、第
4図に示す如く厚さ方向に大きい温度勾配が生じ、表面
近傍の温度が過度に高くなることは前述した如くであ
る。これに対し、通電電流の周波数fが130Hzである場
合は、これが(3)式にて示される適正範囲内の周波数
であることから、前記第3図に示す如く、スラブ1の内
部に略均一な温度分布が得られている。
なお以上の説明においては、チタン製のスラブ1につい
て述べたが、適正周波数を限定する(2)式は、他の材
料製のスラブ1においても適用可能であり、本発明方法
は、スラブ1のサイズを代表する厚さ寸法twと、スラブ
1の材質に応じて決定される比抵抗ρとを用いて(2)
式にて決定される適正周波数fを周波数変換部4に設定
することにより容易に実施できる。
〔発明の効果〕
以上詳述した如く本発明方法においては、加熱すべきス
ラブの厚さ及び該スラブの比抵抗とを含む(2)式にて
限定される範囲内の周波数を有する電流を加熱コイルに
通電させるから、前記スラブにおける誘導電流の発生深
さが適正化され、スラブの表面から厚さ方向中心部に至
るまで可及的に均一な温度分布が得られると共に、角部
における加熱不良部の発生がなく、後工程たる圧延に際
し高い板厚精度の実現が可能となる等、本発明は優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法の実施状態を示す模式的斜視図、第
2図、第3図及び第4図は、加熱コイルに通電される電
流の周波数が夫々、60Hz、130Hz及び200Hzである各場合
のスラブ内部の温度分布を示す図、第5図は加熱コイル
に通電される電流の周波数を変化させた場合におけるス
ラブ内部の種々の測温点での測温値の変化態様を示すグ
ラフ、第6図は従来のスラブの誘導加熱方法の実施状態
を示す模式的斜視図である。 1…スラブ、2…加熱コイル、3…加熱電源、4……周
波数変換部 なお、図中、同一符号は同一、又は相当部分を示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】加熱すべきスラブをこれの断面形状と略相
    似をなす矩形の加熱コイル内に同心的に配し、該コイル
    への通電に伴う電磁誘導作用により前記スラブを誘導加
    熱する方法において、 前記加熱コイルに通電される電流の周波数f(Hz)を、
    前記スラブの厚さtw(mm)及び比抵抗ρ(μΩ‐cm)を
    含む下記式にて定まる範囲内にて選定することを特徴と
    するスラブの誘導加熱方法。
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