JPH068449A - インクジェットヘッド - Google Patents

インクジェットヘッド

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JPH068449A
JPH068449A JP16934092A JP16934092A JPH068449A JP H068449 A JPH068449 A JP H068449A JP 16934092 A JP16934092 A JP 16934092A JP 16934092 A JP16934092 A JP 16934092A JP H068449 A JPH068449 A JP H068449A
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ink
nozzles
nozzle
ink jet
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JP16934092A
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Shinichi Kamisuke
真一 紙透
Mitsuaki Atobe
光朗 跡部
Shuji Koeda
周史 小枝
Shinichi Yotsuya
真一 四谷
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Seiko Epson Corp
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 マイクロマシニング技術により、Si基板の
両面にインク吐出用ノズルを、Si基板端面において千
鳥状になるように配置、加工する。 【効果】 ノズル密度の高いインクジェットヘッドを提
供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マイクロマシニング技
術を応用して作製した小型高密度のインクジェット記録
装置の主要部であるインクジェットヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、記録時の騒
音がきわめて小さく、又、高速印字が可能であり、安価
な普通紙にも印字が可能であるなど多くの利点を有して
いるが、中でも記録に必要な時にのみインク滴を吐出す
る、いわゆるインク・オン・デマンド方式が、記録に必
要なインク滴の回収を必要としないため、現在主流とな
ってきている。
【0003】このインク・オン・デマンド方式のインク
ジェットヘッドには、特公平2−51734号公報に示
されるように、駆動手段が圧電素子であるものや、特公
昭61−59911号公報に示されるように、インクを
加熱し気泡を発生させることによる圧力でインクを吐出
する方式がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
従来のインクジェットヘッドでは以下に述べるような課
題があった。
【0005】前者の圧電素子を用いる方式においては、
圧力室に圧力を生じさせるためのそれぞれの振動板に圧
電素子のチップを貼り付ける工程が煩雑で、特に、最近
のインクジェット記録装置による印字には、高速・高印
字品質が求められてきており、これを達成するためのマ
ルチノズル化・ノズルの高密度化において、圧電素子を
微細に加工し各々の振動板に接着することはきわめて煩
雑である。又、高密度化においては、圧電素子を幅数1
0〜100数十ミクロンで加工する必要が生じてきてい
るが、従来の機械加工における寸法・形状精度では、印
字品質のバラツキが大きくなってしまうという課題があ
った。
【0006】又、後者のインクを加熱する方式において
は、駆動手段が薄膜の抵抗加熱体により形成されるた
め、上記のような課題は存在しなかったが、駆動手段の
急速な加熱・冷却の繰り返しや、気泡消滅時の衝撃によ
り抵抗加熱体がダメージを受けることにより、インクジ
ェットヘッドの寿命が短いという課題があった。
【0007】これらの課題を解決するものとして本出願
人は、駆動手段として圧力室に圧力を生じさせる振動板
を、静電気力で変形させる方式のインクジェット記録装
置について特許出願(特願平3−234537号)を行
っているが、この方式は小型高密度・高印字品質及び長
寿命であるという利点を有している。
【0008】本発明の目的は、静電気力を用いる方式の
インクジェットヘッドにおいて、さらに高密度のインク
ジェットヘッドを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インク滴を吐出するための複数のノズルと、
該ノズルのそれぞれに連通する圧力室と、該圧力室の少
なくとも一方の壁を構成する振動板と、該圧力室にイン
クを供給する共通のインク室と、該振動板に変形を生じ
させる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動板を
静電気力により変形させる電極からなるインクジェット
ヘッドにおいて、(100)面方位のSi単結晶基板を
構成部材とし、該Si単結晶基板の一方の面と他方の面
のそれぞれに複数個の前記ノズルが等間隔に形成されて
いることを特徴とし、又、前記一方の面及び他方の面に
形成されたノズルが、前記Si単結晶基板の所定位置を
切断して生じる端面において、千鳥状に配置され、さら
には、前記一方の面に形成された前記ノズルと他方の面
に形成された前記ノズルとでは、前記端面の長手方向に
おいて、ノズル間隔を単位長として互いに1/2ずつず
れて配置されていることを特徴とする。
【0010】Si単結晶は、アルカリ液を用いてエッチ
ングする際、その結晶面方位によりエッチング速度が大
きく異なるいわゆる異方性エッチングが可能であり、こ
のことを利用して様々な立体形状を精度良く加工するこ
とができる。さらに、これまでIC製造技術において培
われてきた、フォトリソグラフィ・薄膜形成・エッチン
グ等の各技術を利用しての加工を組み合わせることによ
る微小なデバイスを形成する、いわゆる“マイクロマシ
ニング技術”が現在注目を浴びているが、本発明はマイ
クロマシニング技術によりSi単結晶に高精度な立体形
状加工を施し、高性能なインクジェットヘッドを提供す
るものである。
【0011】(100)面方位のSi単結晶基板では、
アルカリエッチングにおいて最もエッチングレートが小
さい(111)面は、該基板表面に対し約55度の角度
をもって交わっており、すなわち、55度の傾斜面に囲
まれた空間形状を高精度に形成できる。この空間形状を
圧力室(キャビティ)として応用することにより、圧力
室体積のバラツキが小さい、従って吐出インク体積が一
定であるような高印字品質のインクジェットヘッドが提
供できる。
【0012】前記振動板の変形・復元により、インクを
吐出する本方式のインクジェットヘッドでは、図8に示
す振動板6の幅をW1 、キャビティ5の深さをDとする
と、キャビティ5の上端の幅W2 は、
【0013】
【数1】
【0014】であり、Si単結晶基板の一方の面に複数
個のノズルを形成する場合、そのノズルピッチは数1よ
り小さくすることはできないが、図9に示すように、S
i単結晶基板の両面にキャビティを形成する本発明の構
成によれば、ノズルピッチを小さくすることができる。
本発明の優れている点は、Si単結晶基板の一方の面に
形成されたキャビティと、該キャビティに最も接近して
他方の面に形成されるキャビティとの間を形成する壁1
7は、両面とも(111)面18からなるため、エッチ
ングによるキャビティ形成プロセスにおいては、エッチ
ングにより壁が貫通されることがなく、又、設計寸法通
りの形状が形成できるところにある。
【0015】
【作用】本発明のインクジェットヘッドの動作原理は、
前記電極又は前記振動板にパルス電圧を付加し、正又は
負の電荷を前記電極又は前記振動板に与えることによ
り、前記振動板を静電的吸引又は反発により変形させ、
前記圧力室内のインクをノズルより吐出させるものであ
る。
【0016】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例に基づき詳細
に説明する。
【0017】図1は、本発明の第1の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図であ
り、一部断面を示してある。図1に示すように、本実施
例のインクジェットヘッドは、ノズル4a・4b、キャ
ビティ5a・5b、振動板6a・6b等がアルカリ異方
性エッチングにより形成されたSi基板1と電極11a
・11b、ギャップ部を形成するための溝12a・12
b等がそれぞれ形成されたガラス基板2a・2bとを積
層・接合してなる構造を有する。
【0018】Si基板1は、結晶面方位が(100)で
ある単結晶Si基板であって、該Si基板1の表側の面
(図1では上側の面)には、複数のノズル4aと、各々
のノズル4aに連通し底部の壁が振動板6aであるよう
なキャビティ5aと、各々のキャビティ5aにおいてノ
ズル4aと反対側の端部に形成されるインク供給路8a
と、各々のインク供給路8aにインクを供給するための
共通のインク室7とが形成され、該Si基板1の裏側の
面(図1では下側の面)には、同様にノズル4b、振動
板6b、キャビティ5b、インク供給路8b、及びイン
ク室7が形成されているが、本実施例では、インク室7
はSi基板1の両面からエッチング加工し、貫通して形
成されているため、Si基板1の表側及び裏側で共通し
て用いられる。
【0019】ガラス基板2a及び2bには、Si基板1
上に形成された振動板6a及び6bに対向して配置され
る電極11a及び11bと、前記振動板6a及び6bと
前記電極11a及び11bとの対向間隔(ギャップ)を
保持するための溝12a及び12bが形成されており、
それぞれが前記キャビティ5a及び5bがインクを加圧
するための圧力室となるように、各々前記Si基板1の
裏側及び表側に接合される。
【0020】図1に示したSi基板1の製造工程を図2
に示す。
【0021】まず、(100)面方位のSiウェハの両
面を鏡面研磨し、厚み200ミクロンのSi基板1を形
成し(図2(a))、該Si基板1にO2 及び水蒸気雰
囲気中で摂氏1100度、4時間の熱酸化処理を施し、
該Si基板1の両面に厚さ1ミクロンのSiO2 膜15
a及び15bを形成する(図2(b))。前記SiO2
膜15a及び15bは、耐エッチング材として使用する
ものである。
【0022】次いで、前記SiO2 膜15a上に、ノズ
ル4a・キャビティ5a・インク室7等の形状に相当す
るフォトレジストパターン16a(図示しない)を形成
し、又、前記SiO2 膜15b上には、同様にノズル4
b・キャビティ5b・インク室7等の形状に相当するフ
ォトレジストパターン16b(図示しない)を形成し、
フッ酸系エッチング液にて前記SiO2 膜15a及び1
5bの露出部分をエッチング除去し、フォトレジストパ
ターン16a及び16bを除去する(図2(c))。前
記フォトレジストパターン16a及び16bとは、両面
アライナにより互いの位置をミクロンオーダーでアライ
ンメントし形成される。又、フォトレジストパターン1
6a及び16bの元となるフォトマスクパターンの各部
設計寸法値は以下の通りに決定された。
【0023】本構成のインクジェットヘッドに要求され
るインク吐出特性から、各構成部位の設計寸法値が決定
される。本実施例では、振動板6a及び6bの幅W1
500ミクロン、厚みtを30ミクロンとした。
【0024】(100)Si基板において、(111)
面は基板表面である(100)面に対して結晶構造上、
約55度の角度をもって交わっているため、上記のよう
に(100)Si基板中に形成される構造の寸法が決定
されると、Si基板の厚みに対し耐エッチング材のマス
クパターンは一義的に決定される。図3に示すように、
キャビティ5aの上端の幅W2 を740ミクロンとし、
Si基板1に170ミクロンのエッチングを施すと、幅
1 が500ミクロン、厚みtが30ミクロンであるよ
うな振動板6aが得られる。
【0025】実際のエッチングでは、(111)面はわ
ずかずつエッチング(アンダーカット)され、図3にお
ける寸法W2 は、マスクパターン幅W3 より若干大きく
なる。従って、フォトマスクパターン16aの幅W2
は、(111)面18のアンダーカット寸法分だけ小さ
く補正する必要があり、本実施例では730ミクロンと
した。又、近接するキャビティとの間隔(又はピッチ)
は、Si基板1の裏面側に形成されるキャビティ5bの
位置により制約を受ける。すなわち、本実施例における
インクジェットヘッドでは、前記したように前記キャビ
ティ5aと該キャビティ5aと近接して形成されるキャ
ビティ5bとの間は、2面が(111)面18からなる
壁部17により隔てられるが、該壁部17の厚みはクロ
ストークすなわち隣接するキャビティへの吐出特性上の
影響を考慮すると、ある程度以上の厚みを有することが
必要であり、本実施例においては、壁部17の厚みt´
の値を40ミクロンとした。厚みt´の値よりSi基板
1の表面及び裏面に複数個ずつ形成されるキャビティ5
a及び5bの寸法と間隔が決定される。すなわち、ピッ
チ間隔としては、1296ミクロンであり、この値はS
i基板上の一方の面での値であるから、両面では2倍の
ノズル密度、すなわち648ミクロンとなる。
【0026】図2の(c)工程の段階にあるSi基板1
に、アルカリ液によるエッチングを施す。エッチング液
としては、イソプロピルアルコールを含む水酸化カリウ
ム水溶液を用いて、所定量である170ミクロンのエッ
チングを施した(図2(d))。このとき、キャビティ
5a及び5bと同時にノズル4a及び4b、インク供給
路8a及び8b、インク室7等も形成されるが、ノズル
やインク供給路に相当する耐エッチングマスクパターン
は、幅が狭いために、エッチングにより発現する2つの
(111)面がキャビティ5a及び5bに比して浅いと
ころで交わり、それ以上のエッチングはほとんど進行し
なくなる。又、インク室7については、Si基板1の両
側の面において、同一の耐エッチングマスクパターンと
したために、Si基板1の板厚の1/2である100ミ
クロンのエッチングを両側の面から施した時点で貫通穴
が生じ、両側の面において共通のインク室となる。
【0027】次に、Si基板1の両側の面に残留してい
る耐エッチングマスク材であるSiO2 膜15a及び1
5bをフッ酸系エッチング液により完全に除去し(図2
(e))、Si基板1が完成する。
【0028】次に、ガラス基板2a及び2bの製造工程
について記す。
【0029】Si基板1に形成した振動板6a及び6b
に対応する箇所に、振動板6a及び6bと同一の幅(7
30ミクロン)、同一のピッチでギャップを形成するた
めの溝12a及び12bをフッ酸系エッチング液を用い
たエッチングにより形成する。溝深さとしては、ギャッ
プ長の設計寸法値が0.50ミクロンであり、この値に
電極11a及び11bの材料厚みである0.10ミクロ
ンを加えた0.60ミクロンとなるようエッチング工程
において調節を行う。電極材料としては、Au(金)/
Cr(クロム)の2層膜をスパッタリング法でガラス基
板2a及び2bの全面に形成し、次いで、エッチングに
より不要部分を除去する。本実施例では、Crの厚みを
0.05ミクロン、Auの厚みを0.95ミクロンと
し、連続したスパッタリングにより2層膜を形成した。
【0030】又、ガラス基板2bには、Si基板1上の
インク室7に相当する箇所に、インク供給用の穴13を
明ける。
【0031】次に、図4に示すように、Si基板1とガ
ラス基板2a及び2bとの接合を行う。接合は陽極接合
法による。Si基板1とガラス基板2a及び2bとの位
置合わせを行った後、各部材を突き合わせて、ホットプ
レート20上で突き合わせた部材全体を上電極21及び
下電極22間に狭持し、摂氏310度に加熱し、Si基
板を正側、ガラス基板2a及び2bを負側として800
Vの直流電圧を10分間印加することにより、ガラス−
Si−ガラスの接合体が得られる。
【0032】最後に、得られた接合体をダイシングによ
り切断し、インクジェットヘッドを得る。
【0033】以上記したように、Si基板の片側のみに
ノズル等を形成する場合に比べて、高密度であるインク
ジェットヘッドが得られた。実際の印字においては、各
々の振動板6a及び6bに対応する発振回路14a及び
14b(図示しない)により各々の振動板を振動させ、
各々の圧力室内のインクを加圧し、各々のノズル4a及
び4bからインク滴を吐出させる。
【0034】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例
に基づき詳細に説明する。
【0035】図5に本発明の第2の実施例におけるイン
クジェットヘッドの断面図を示す。本実施例は、本発明
の第1の実施例において示したインクジェットヘッドを
2つ積層したような構造を有しており、従って、ノズル
密度としてはさらに2倍となる。図5に示したSi基板
1a及び1bは、共に本発明の第1の実施例の場合と同
一の製造方法により製造されるので、製造工程の説明は
省略する。又、ガラス基板2c及び2eも、本発明の第
1の実施例におけるガラス基板2a及び2bと同一の方
法によって製造される。ただし、ガラス基板2eにもイ
ンク供給用の穴13(図示しない)が明けられる。
【0036】本実施例のインクジェットヘッドのSi基
板端面の長手方向(図5のx方向)において、4本のノ
ズル列(4c、4d、4e、4f)を均等に分散配置す
るために、ノズル4cとノズル4eではSi基板の同一
面上に隣接して形成されるノズル間距離を1として、1
/4だけずれるようにSi基板1aと1bを積層・組立
する関係上、ガラス基板2d上に形成される電極11d
と11eの位置は、1/4だけずれている。ガラス基板
2dの厚みとしてはあらゆる値をとり得るが、ノズル4
dからなるノズル列と、ノズル4eからなるノズル列の
間隔は適当な値でなければならない。本実施例では、S
i基板1a及び1bと同一の厚みである200ミクロン
とした。
【0037】Si基板1a及び1b、ガラス基板2c及
び2d及び2eの各部材間の位置合わせを行った後、本
発明の第1の実施例と同様に、陽極接合法によりSi−
ガラス間の接合を行い、各部材を一体化した。ここで得
られたインクジェットヘッドは、同一Si面上ではノズ
ル間隔(ピッチ)は1296ミクロンであるが、4つの
ノズル列を1/4ピッチずつずれた形で積層してあるた
め、ピッチは324ミクロン相当となる。
【0038】最後に、得られた接合体をダイシングによ
り切断し、インクジェットヘッドを得る。以上記したよ
うに、両側の面にノズル等を形成したSi基板を2枚積
層することにより、さらに高密度のインクジェットヘッ
ドが得られた。
【0039】又、上記の構成に対し、さらにSi基板と
ガラスとを積層し、ノズル列の数を6、8、・・・・と
増加させた構造の形成により、さらなる高密度化が容易
に達成できる。
【0040】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
に基づき詳細に説明する。
【0041】図6は、本発明の第3の実施例におけるイ
ンクジェットヘッドの構造を分解して示す斜視図であ
り、一部断面を示してある。
【0042】図6に示すように、本実施例のインクジェ
ットヘッドは、ノズル4i・4h、圧力室5i・5h、
振動板6i・6h等がアルカリ異方性エッチングにより
形成されたSi基板1cと、電極11i・11h(図示
しない)、ギャップ部を形成するためのSiO2 スペー
サ23i・23h等が形成されたSi基板24・30と
を積層・接合してなる構造を有する。図6に示したSi
基板1cは、本発明の第1の実施例の場合と同一の製造
方法により製造されるので、製造工程の説明は省略す
る。
【0043】Si基板24の製造工程を図7に示す。S
i基板24と30とは、基本的に同一の工程で製造され
るので、Si基板30の製造工程については省略する。
【0044】まず、(100)面方位のn型Si基板2
4の表側の面(図7では上側)を鏡面研磨し、該Si基
板24にO2 及び水蒸気雰囲気中で摂氏1100度にて
所定時間の熱酸化処理を施し、該Si基板24の両面に
SiO2 膜25a及び25bを形成する(図7
(a))。
【0045】次いで、前記SiO2 膜25a上に、電極
11iの形状に相当するフォトレジストパターン26a
(図示しない)を形成し、フッ酸系エッチング液にて前
記SiO2 膜25aの露出部分をエッチング除去し、フ
ォトレジストパターン26aを除去する(図7
(b))。
【0046】次に、Si基板24の露出部分27へのB
(ホウ素)ドープを行う。処理方法は、以下の通りであ
る。前記Si基板24を石英管中に石英ホルダにて固定
し、N2 をキャリアとしてBBr3 をバブリングした蒸
気をO2 と共に該石英管中に導入する。摂氏1100度
にて所定時間処理を行った後、前記Si基板24をフッ
酸系エッチング液にてライトエッチングし、次いで、O
2 中でドライブインを行い、前記露出したSi部27を
p型層28とした(図7(c))。前記p型層は、図6
における電極11iとして機能するものである。前記の
図7(c)工程においては、前記Si基板24の両面の
SiO2 膜25a及び25bの膜厚が増加するが、本実
施例では、該SiO2 膜25aを図6における振動板6
iと電極11iとの間隔を正確に規定するためのスペー
サ23iとして用いるために、p型層28(電極11
i)の形状に相当するフォトレジストパターン29(図
示しない)を形成し、フッ酸系エッチング液にてSiO
2 膜25aの露出部分をエッチング除去し(図7
(d))、図6に示したSi基板24が形成される。
【0047】本実施例のインクジェットヘッドにおいて
は、本発明の第1の実施例の場合と同様に、振動板6i
と電極11iの間隔の寸法は、該インクジェットヘッド
のインク吐出特性上から0.50ミクロンと決定されて
おり、図7(c)工程においては、前記SiO2 膜25
aの厚みが0.50ミクロンとなるようプロセスが行わ
れた。
【0048】上記の工程により形成された図6における
Si基板24及び同一の工程で製造されたSi基板30
とSi基板1cとは、Si−Si直接接合法により接合
される。接合工程は以下の通りである。
【0049】まず、Si基板1c、24、30を硫酸と
過酸化水素水の混合液(摂氏100度)にて洗浄し、乾
燥後、前記Si基板1c及び24と30の対応するパタ
ーン同士の位置合わせを行った後、3枚の基板を重ね合
わせる。一体化したSi基板1c、24、30をN2
囲気中で摂氏1100度、1時間の熱処理を行い、強固
な接合状態を得る。
【0050】最後に、得られた接合体をダイシングによ
り切断し、インクジェットヘッドを得る。
【0051】以上記したように、本実施例でも本発明の
第1の実施例の場合と同様、高密度であるインクジェッ
トヘッドが得られた。
【0052】又、本発明の第2の実施例の場合と同様
に、本実施例における両側の面にノズル等を形成したS
i基板と、両側の面の所定位置に電極が形成されたSi
基板とを交互に積層することにより、さらに高密度なイ
ンクジェットヘッドを容易に製造することができる。
【0053】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は以下のよう
な効果を有する。
【0054】Si単結晶基板の両側の面に、ノズル・キ
ャビティ等を等間隔で、又、一方の面に形成されるノズ
ルと他方の面に形成されるノズルは、前記Si単結晶基
板の端面において千鳥状の位置関係に配置されることに
より、高密度のインクジェットヘッドが得られるという
効果を有する。又、上記の両側の面にノズル・キャビテ
ィが形成されたSi基板を複数枚、各々のノズルが互い
に最適な配置となるよう、積層・組立することにより、
さらに高密度なインクジェットヘッドが得られるという
効果も有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を分解して示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの製造工程図である。
【図3】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの各部寸法の関係を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの接合方法を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を示す断面図である。
【図6】本発明の第3の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を示す断面図である。
【図7】本発明の第3の実施例におけるインクジェット
ヘッドの製造工程図である。
【図8】本発明の第1及び第2及び第3の実施例におけ
るインクジェットヘッドの振動板とキャビティの寸法関
係を示す図である。
【図9】本発明の第1及び第2及び第3の実施例におけ
るインクジェットヘッドのキャビティの位置関係を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 Si基板 2a,2b ガラス基板 4a,4b ノズル 5a,5b キャビティ 6a,6b 振動板 7 インク室 8a,8b インク供給路 11a,11b 電極 12a,12b 溝 13 穴 14a,14b 発振回路 15a,15b SiO2 膜 16a,16b フォトレジストパターン 17 壁 18 (111)面
フロントページの続き (72)発明者 四谷 真一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号セイコー エプソン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク滴を吐出するための複数のノズル
    と、該ノズルのそれぞれに連通する圧力室と、該圧力室
    の少なくとも一方の壁を構成する振動板と、該圧力室に
    インクを供給する共通のインク室と、該振動板に変形を
    生じさせる駆動手段とを備え、前記駆動手段が前記振動
    板を静電気力により変形させる電極からなるインクジェ
    ットヘッドにおいて、(100)面方位のSi単結晶基
    板を構成部材とし、該Si単結晶基板の一方の面と他方
    の面のそれぞれに複数個の前記ノズルが等間隔に形成さ
    れていることを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 前記一方の面及び他方の面に形成された
    前記ノズルが、前記Si単結晶基板の所定位置を切断し
    て生じる端面において、千鳥状に配置されていることを
    特徴とする請求項1記載のインクジェットヘッド。
  3. 【請求項3】 前記端面の長手方向に仮想した座標軸に
    おいて、前記他方の面に形成されるノズルの座標値と、
    該ノズルに最も近接して前記一方の面に形成されるノズ
    ルの座標値との差が、ノズル間隔を単位長として、0.
    5であることを特徴とする請求項2記載のインクジェッ
    トヘッド。
JP16934092A 1992-06-26 1992-06-26 インクジェットヘッド Pending JPH068449A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1211075A1 (en) 2000-11-30 2002-06-05 Canon Kabushiki Kaisha Ink jet head, manufacturing method thereof, and ink jet printing apparatus
US6568794B2 (en) 2000-08-30 2003-05-27 Ricoh Company, Ltd. Ink-jet head, method of producing the same, and ink-jet printing system including the same
US7413294B2 (en) 2003-02-28 2008-08-19 Ricoh Printing Systems, Ltd. Inkjet head with high density nozzle packing

Cited By (4)

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