JPH068410A - 印刷システム装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 オペレータの作業量を軽減するとともに、誤
りのない適正かつ迅速な印刷を可能とする信頼性にすぐ
れた印刷システム装置を提供する。 【構成】 電子組版機１で版下２が作成されるとき、少
なくとも印刷用紙の種類および印刷枚数を指定するため
のコードが同版下２の印刷有効欄２ａ外に付加される。
この版下２を基に電子製版機３で刷版４が作成され、そ
の刷版４が全自動印刷機５にセットされる。このとき、
刷版４上のコードが読取器１３で読取られ、それが表示
部３１に表示される。この表示に従い、オペレータが受
注内容と印刷枚数を確認することになる。また、全自動
印刷機５において刷版４の画像が印刷用紙６に印刷され
るが、その印刷枚数が読取器１３の読取内容に応じて制
御される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、はがき印刷などに用
いる印刷システム装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】印刷装置の例として、組版機、製版機、
および印刷機をシステム構成したものがある。

【０００３】このシステムでは、先ず組版機で版下（い
わゆる原稿）が作成され、その版下を基に製版機で刷版
が作成される。そして、印刷機により刷版の画像が印刷
用紙に印刷される。

【０００４】版下に記載される情報の例として、郵便差
出人の住所・氏名、商店の宣伝広告文、住居移転の挨拶
文など、文字情報がある。一方、印刷用紙の種類とし
て、絵やデザイン文字があらかじめ印刷された郵便はが
き、パンフレット、チラシなどがある。

【０００５】すなわち、版下の情報を郵便はがきの絵や
デザイン文字の横または上に印刷することが可能であ
り、年末に依頼が集中する年賀はがきの印刷を大量に処
理することができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、印刷用紙に
は上記したように郵便はがき、パンフレット、チラシな
ど種々のものがあり、その印刷用紙と版下の組合せは受
注伝票に基づくオペレータの人為的な作業に依存してい
る。また、印刷ごとに異なる印刷枚数についても、いち
いちオペレータのセット操作に依存している。

【０００７】このため、オペレータにかかる負担が大き
く、印刷用紙と版下の組合せ、あるいは印刷枚数に誤り
を生じる心配がある。とくに、印刷件数が多かったり、
納期が迫っている場合など、誤りが起こり易い。

【０００８】仮に、誤りが起きた場合には、印刷をやり
直すことになってますます忙しくなり、また印刷用紙が
無駄になる。印刷用紙が郵便はがきのような有価証券で
ある場合、店の損害はかなり大きい。

【０００９】この発明は上記の事情を考慮したもので、
その目的とするところは、オペレータの作業量を軽減す
るとともに、誤りのない適正かつ迅速な印刷を可能とす
る信頼性にすぐれた印刷システム装置を提供することに
ある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この発明の印刷システム
装置は、版下を作成する手段と、少なくとも印刷用紙の
種類および印刷枚数を指定するためのコードを版下の印
刷有効欄外に付加する手段と、版下から刷版を作成する
手段と、刷版上のコードを読取る読取手段と、この読取
手段の読取内容を報知する手段と、刷版の画像を印刷用
紙に印刷する手段と、印刷の枚数を読取手段の読取内容
に応じて制御する手段とを備える。

【００１１】

【作用】作成される版下および刷版の印刷有効欄外に、
少なくとも印刷用紙の種類および印刷枚数を指定するた
めのコードが付加される。このコードが読取器で読取ら
れ、その読取内容がオペレータに報知される。また、同
時に本装置内で読取内容に応じて印刷枚数が制御され
る。

【００１２】

【実施例】以下、この発明の第１実施例について図面を
参照して説明する。

【００１３】図１において、１は電子組版機である。こ
の電子組版機１は、版下（いわゆる原稿）２を作成する
ためのもので、ワードプロセッサやパーソナルコンピュ
ータを搭載している。

【００１４】版下２には、印刷したい情報が記載される
のと同時に、少なくとも印刷用紙の種類および印刷枚数
を指定するためのコードが付加される。この版下２の具
体例を図２に示す。

【００１５】すなわち、郵便はがきの大きさに対応する
印刷有効欄（二点鎖線で囲んだ領域）２ａが版下２のほ
ぼ中央部にあり、そこに印刷したい情報たとえば郵便差
出人の住所・氏名の文字情報２ｂが記載される。さら
に、印刷有効欄２ａの外側の所定箇所にバーコード２ｃ
が付加的に記載される。このバーコード２ｃは、印刷用
紙の種類および印刷枚数を表すとともに、依頼に関する
受注番号および受付け店舗番号などを表す。また、この
バーコード２ｃの近傍に数値データ２ｄが記載される。
この数値データ２ｄは、バーコード２ｃの内容に相当す
るもので、オペレータの確認用である。

【００１６】こうして作成される版下２は、オペレータ
によって電子製版機３にセットされる。この電子製版機
３は、版下２の画像を撮像して刷版（マスターペーパー
とも称す）４を作成するものである。この作成に当たっ
ては、印刷有効欄２ａの文字情報２ｂはもちろん、印刷
有効欄２ａ外のバーコード２ｃおよび数値データ２ｄも
撮像される。

【００１７】こうして作成される刷版４は、オペレータ
によって全自動印刷機５にセットされる。この全自動印
刷機５は、刷版４をセットするためのマスタートレイ１
１を有するとともに、印刷用紙６を送り込むための給紙
台１２を有しており、マスタートレイ１１から刷版４を
取込み、その刷版４の画像を給紙台１２から送り込まれ
る印刷用紙６に印刷するものである。

【００１８】また、全自動印刷機５は、マスタートレイ
１１上の刷版４からバーコード２ｃを光学的に読取る読
取器１３、印刷完了後の刷版４が排出されるマスター排
出トレイ１４、動作を制御するための制御ユニット１５
を有する。さらに、全自動印刷機５は、図３に示すよう
に、エッチローラ２１、マスターシリンダ２２、フォー
ムローラ２３，２３を含む１２個のローラシステム、イ
ンクファウンテン２４、給湿ファウンテン２５、ブラン
ケットシリンダ２６、インプレッションシリンダ２７、
紙受ドーリー台２８を内蔵している。

【００１９】制御ユニット１５は、図４に示す主制御部
３０を主体とし、その主制御部３０に操作部３１、報知
手段であるところの表示部３２、メモリ３３、駆動回路
３４、および読取器１３を接続してなる。

【００２０】主制御部３０は、操作部３１で入力される
運転条件および読取器１３の読取内容に従い、さらにメ
モリ３３に記憶されたプログラム等に従い、表示部３２
の表示および駆動回路３４の動作を制御する。駆動回路
３４は、全自動印刷機５の各部を駆動するものである。
つぎに、上記の構成の作用を説明する。まず、受注伝票
がオペレータに渡り、そのオペレータが電子組版機１を
操作することによって版下２が作成される。

【００２１】受注伝票には受注番号および受付け店舗番
号のほか、印刷したい情報、印刷用紙の種類、印刷枚数
などが記載されている。このうち、印刷したい情報が文
字情報として版下２の印刷有効欄２ａに記載され、印刷
用紙の種類、印刷枚数、受注番号、および受付け店舗番
号などがバーコード２ｃに変換されて版下２の印刷有効
欄２ａ外に付加的に記載される。

【００２２】作成された版下２はオペレータにより電子
製版機３にセットされ、そこで刷版４が作成される。こ
の刷版４は、オペレータによって全自動印刷機５のマス
タートレイ１１にセットされる。このセットは、まとめ
て数十枚分が可能である。

【００２３】マスタートレイ１１に刷版４がセットされ
ると、その刷版４に撮像されているバーコード２ｃが読
取器１３の読取視野に対応する。このとき、バーコード
２ｃが読取器１３で読取られる。この読取内容は、主制
御部３０に送られ、そこでメモリ３３内のバーコード解
読用データに基づき解読される。

【００２４】解読される読取内容（＝印刷用紙の種類、
印刷枚数、受注番号、受付け店舗番号など）は、メモリ
３３に記憶されるとともに、表示部３２において文字表
示される。オペレータは、表示を見ることによって印刷
用紙の種類および印刷枚数を知り、受注内容と確認する
ことができる。

【００２５】たとえば、印刷用紙６として、図５に示す
年賀はがきがセットされる。この年賀はがき６には、挨
拶文のデザイン文字および絵などの画像情報６ａが予め
印刷されている。

【００２６】操作部３１で印刷開始操作がなされると、
図３において、マスタートレイ１１の刷版４が印刷機本
体内に送り込まれる。送り込まれた刷版４は、モルトン
カバーで覆われたエッチローラ２１を通過するときにエ
ッチングされ、マスターシリンダ２２に送られる。この
とき、フォームローラ２３，２３がマスターシリンダ２
２側に動き、同マスターシリンダ２２にインクと水が供
給される。このインクと水の供給はフォームローラ２
３，２３を含む１２個のローラによってなされるもの
で、初めにインクファウンテン２４から各ローラへのイ
ンクの供給がなされ、次に給湿ファウンテン２５から各
ローラへの水の供給がなされる。

【００２７】供給されるインクおよび水のうち、インク
はマスターシリンダ２２上の刷版４の画像部（＝住所・
氏名の文字情報２ｂ）に付着し、水は同刷版４の非画像
部に付着する。この後、マスターシリンダ２２がブラン
ケットシリンダ２６に接触し、同各シリンダの回転につ
れて刷版４の画像部のインクがブランケットシリンダ２
６に転写される。この転写により、画像はブランケット
シリンダ２６上で逆像となって現れる。

【００２８】一方、給紙台１２からサクションフィート
によって年賀はがき６が吸い上げられ、それがブランケ
ットシリンダ２６とインプレッションシリンダ２７との
間に送られる。送られた年賀はがき６はインプレッショ
ンシリンダ２７によってブランケットシリンダ２６に押
し付けられ、同ブランケットシリンダ２６の逆像が年賀
はがき６に転写される。こうして、図６に示すように、
年賀はがき６の画像情報６ａの横に住所・氏名の文字情
報２ｂが印刷される。この印刷完了後の年賀はがき６は
紙受ドーリー台２８に運ばれる。

【００２９】こうして、印刷が１枚完了するごとに主制
御部３０内の枚数カウンタ（図示しない）がカウントア
ップされ、そのカウント値とメモリ３３内の印刷枚数と
が比較される。カウント値がメモリ３３内の印刷枚数に
達すると、マスターシリンダ２２がブランケットシリン
ダ２６から離れ、同ブランケットシリンダ２６へのイン
クの供給が終了する。

【００３０】この後、フォームローラ２３，２３がマス
ターシリンダ２２から離れ、刷版４がマスターシリンダ
２２から剥がれてマスター排出トレイ１４に送り出され
る。そして、ブランケットシリンダ２６がブランケット
ウォッシャ−２９によって清掃され、次の刷版４の取り
込みまでに少しの間だけ乾燥時間が確保される。この乾
燥が終わると、マスタートレイ１１から次の刷版４が取
込まれて同様の印刷が繰返される。

【００３１】このように、少なくとも印刷用紙の種類お
よび印刷枚数を指定するためのバーコード２ｃを版下２
および刷版４に付加し、そのバーコード２ｃを読取器１
３で読取り、その読取内容を表示部３１によってオペレ
ータに報知することにより、オペレータは常に適正な種
類の印刷用紙６を間違いなく迅速に印刷することができ
る。しかも、印刷枚数については読取内容に従って全自
動印刷機５が自動制御するので、オペレータによる印刷
枚数のセット操作が不要であり、オペレータの負担が軽
くなるとともに、印刷枚数の間違いが未然に防止され
る。したがって、たとえ印刷件数が多かったり、納期が
迫っている状況においても、誤りのない適正かつ迅速な
印刷が可能であり、信頼性の向上が図れる。

【００３２】なお、上記実施例では、印刷用紙の種類や
印刷枚数を指定するためのコードとしてバーコードを用
いたが、同様の作用が得られるものであれば他の方式の
コードを用いてもよい。その他、この発明は上記各実施
例に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種
々変形実施可能である。

【００３３】

【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、少
なくとも印刷用紙の種類および印刷枚数を指定するため
のコードを版下および刷版の印刷有効欄外に付加してお
き、そのコードを読取手段で読取り、その読取内容を報
知するとともに、同読取内容に応じて印刷の枚数を制御
する構成としたもので、オペレータの作業量を軽減する
とともに、誤りのない適正かつ迅速な印刷を可能とする
信頼性にすぐれた印刷システム装置を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の第１実施例の構成図。

【図２】同実施例における版下の例を示す図。

【図３】同実施例における全自動印刷機の内部構成図。

【図４】同実施例における制御ユニットの構成図。

【図５】同実施例における印刷用紙の例を示す図。

【図６】同実施例における印刷完了後の印刷用紙の状態
を示す図。

【符号の説明】

１…電子組版機、２…版下、３…電子製版機、４…刷
版、５…全自動印刷機、６…印刷用紙、１３…読取器、
１５…制御ユニット、３０…主制御部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 版下を作成する手段と、少なくとも印刷
   用紙の種類および印刷枚数を指定するためのコードを前
   記版下の印刷有効欄外に付加する手段と、前記版下から
   刷版を作成する手段と、前記刷版上のコードを読取る読
   取手段と、この読取手段の読取内容を報知する手段と、
   前記刷版の画像を印刷用紙に印刷する手段と、印刷の枚
   数を前記読取手段の読取内容に応じて制御する手段とを
   備えたことを特徴とする印刷システム装置。