JPH0683427B2 - ディスクスキャン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はビデオディスク等の情報記録媒体に対してピッ
クアップを通常の再生速度より速くその半径方向に移送
して、所望の記録情報をスキャンする所謂ビジュアルス
キャン動作をする装置に関する。

〔従来の技術〕

例えばビデオディスクの再生は第４図に示す如き構成に
よりなされている。同図において、１はディスクであり
モータ２により回転されている。３はピックアップであ
りレーザ光等をディスク１に照射して記録情報を再生す
る。ピックアップ３より得られた再生RF信号は復調回路
４により復調され、ビデオ信号となってテレビジョン受
像機５に供給されるようになっている。

通常の再生動作の場合、ピックアップ３はトラッキング
サーボループがクローズとなっているので比較的遅い速
度でディスク半径方向に移送され、良好なビデオ信号が
得られる。しかしながら所望の画面をデレビジョン受像
機を見ながらサーチする場合合等のビジュアルスキャン
動作時においては、ピックアップ３は比較的速い速度で
ディスク半径方向に移送される。この時ピックアップ３
のトラッキングサーボループはある区間クローズとさ
れ、またある区間オープンとされ、この動作が繰り返さ
れる。トラッキングサーボループがクローズの場合、ピ
ックアップ３はディスク１のトラックを追従することが
できるので良好なビデオ信号が得られる。しかしながら
トラッキングサーボループがオープンの場合、ピックア
ップ３はトラックを横切る（飛び越す）ことになるので
ビデオ信号はノイズを含んだ不良なものとなる。第５図
はこれらのことを模式的に表している。区間ＡとＩは再
生モード、区間Ｂ乃至Ｈはスキャンモードである。区間
Ｃ（E,G）は例えばピックアップ３のトラッキングミラ
ー（図示せず）が回動限界まで回動したとき、それをも
とに戻すために生じる区間であって通常数百トラックに
相当するが、時間的には極めて短い。

〔発明が解決しようとする問題点〕

ところで斯かるスキャン動作時においては、CAVディス
クの場合は問題ないが、CLVディスクの場合は再生信号
から抽出される垂直及び水平同期信号の位相がずれるこ
とになる。これはCAVディスクにおいては角速度が一定
になるように情報が記録されているので、各同期信号が
ディスク上において半径線上に揃うのに対して、CLVデ
ィスクにおいては線速度が一定になるように情報が記録
されているので、各同期信号がディスク上において半径
線上に揃わないことに起因している。CLVディスクの場
合、理論的には区間ＢとＤ（ＤとF,FとＨ）の前後にお
いて位相が±πの範囲でランダムに変化することにな
る。このことは第６図に示す如く、CAVディスクの場合
所定の周期毎に連続的に到来する垂直同期信号が、CLV
ディスクの場合所定の周期毎に到来せず、区間ＢとＤの
前後おいて不連続となることを意味する（区間C,,E,Gは
その時間が短いので第６図においては殆ど無視してあ
る）。従ってCLVディスクをスキャン動作すると垂直偏
向走査が乱れて画面が垂直方向に流れてしまい、非常に
見苦しいものとなり、従来装置においてはCLVディスク
をスキャン動作させることが実質的にはできなかった。

〔問題点を解決するための手段〕

上記課題を解決するため本発明は、入力信号から再生垂
直同期信号を抜き取る同期信号抜取手段と、外部からの
スキャン命令パルスに基づいて、非スキャン動作時には
前記再生垂直同期信号に位相同期したパルスを生成して
出力し、スキャン動作時にはスキャン動作開始直前に抜
取った前記再生垂直同期信号に位相同期したパルスを生
成し維持しつつ出力するパルス発生手段と、前記パルス
発生手段の出力を入力とするPLL回路を含み、前記パル
スに位相同期した疑似垂直同期信号を生成し出力する疑
似同期信号生成手段と、前記疑似垂直同期信号を前記再
生垂直同期信号が抜取られた入力信号に付加して出力す
る付加手段と、前記スキャン命令パルスのパルス幅を伸
張して出力するパルスストレッチ手段と、前記パルスス
トレッチ手段の出力に基づいて前記入力信号または前記
付加手段の出力信号のいずれか一方を選択的に出力する
選択手段と、を備えて構成する。

〔作用〕

本発明によれば、同期信号抜取手段は、再生垂直同期信
号を抜き取った入力信号を付加手段に出力する。パルス
発生手段は、外部からのスキャン命令パルスに基づい
て、非スキャン動作時には再生垂直同期信号に位相同期
したパルスを生成して出力し、スキャン動作時にはスキ
ャン動作開始直前に抜取った前記再生垂直同期信号に位
相同期したパルスを生成し維持しつつ疑似同期信号生成
手段に出力する。疑似同期信号生成手段は、PLL回路を
用いてパルス発生手段からのパルスに位相同期した疑似
垂直同期信号を生成し付加手段に出力する。付加手段
は、疑似垂直同期信号を再生垂直同期信号が抜取られた
入力信号に付加して出力する。一方、パルスストレッチ
手段は、スキャン命令パルスのパルス幅を伸張して選択
手段に出力する。これにより選択手段は、パルスストレ
ッチ手段の出力に基づいて入力信号または付加手段の出
力信号のいずれか一方を選択的に出力する。

したがって、ディスクスキャン装置はスキャン動作中、
位相が安定している疑似同期信号が付加された疑似入力
信号に基づいて画像表示を行うため、スキャン動作時に
画像が流れることなく、安定した画像を表示することが
できる。さらに、スキャン動作から通常動作に移行する
際には、疑似同期信号の位相が再生同期信号の位相に十
分に一致してから切換えるので、同期信号切換時に画面
が乱れることがない。

〔実施例〕

次に、第１図乃至第３図を参照して本発明の実施例を説
明する。

本実施例は、第４図における復調回路４とテレビジョン
受像機５の間に第１図に示すごときアダプタ10を挿入す
ることにより実現している。

第１図において、11は復調されたビデオ信号が入力され
る入力端子であり、スイッチ12の接点Ｙと、入力信号か
ら垂直同期信号を抜き取る垂直同期信号抜取回路13と、
入力信号の垂直同期信号の位相を検知する位相検知手段
14の垂直同期信号分離回路15と、に各々接続されてい
る。垂直同期信号抜取回路13を経て垂直同期信号が抜取
られたビデオ信号は、垂直同期信号付加回路16により疑
似同期信号が付加され、疑似入力信号としてスイッチ12
の接点Ｘに出力されるようになっている。端子32には基
準信号として例えば水平同期信号の周波数ｆ_Ｈの２倍の
周波数の信号が供給されており、この信号が分周回路33
で1/525に分周される。従って分周回路33は垂直同期信
号と同一の周波数の信号をPLL回路17に出力する。PLL回
路17は分周回路33からの信号に対応した位相の信号を出
力する。18は疑似同期信号発生手段としてのモノマルチ
バイブレータであり、通常再生時の入力ビデオ信号の垂
直同期信号に対応した3H（Ｈは水平同期信号の周期）の
疑似垂直同期信号を垂直同期信号付加回路16に供給す
る。

19は端子であり、図示せぬマイクロコンピュータ等から
CLVディスクをスキャンするときハイレベルの信号が、
また、スキャンしないときローレベルの信号が各々供給
される。スイッチ31は端子19からハイレベルの信号が出
力されているときオープンされ、ローレベルのときクロ
ーズとされる。垂直同期信号分離回路15からの信号は分
周回路33のリセット端子に供給されるようになってい
る。

20は端子19からのパルス信号の立ち下がりエッジだけを
遅延させるパルスストレッチ回路である。21はスイッチ
12からのビデオ信号または疑似入力信号をテレビジョン
受像機５に供給する出力端子である。スイッチ12はパル
スストレッチ回路20からハイレベルの信号が到来してい
るとき接点Ｘ側に、ローレベルのとき接点Ｙ側に各々切
換えられる。

しかして第２図を参照してその動作を説明するに、非ス
キャン時において分周回路33は、垂直同期信号分離回路
15により入力ビデオ信号から再生された垂直同期信号が
検出出力されたときPLL回路17にパルスを出力するとと
もにリセットされ、そのとき分周を再スタートし、端子
32からのパルス525分周するか、リセットされたらまた
パルスを出力するという動作を繰り返している。従って
分周回路33の出力パルス及びPLL回路17の位相は正常再
生時の垂直同期信号の位相と同期している。

端子19の信号がハイレベルとなってCLVディスクのスキ
ャン動作が指示されると、ピックアップ３がディスク半
径方向に移送され、間欠的にトラッキングサーボループ
をクローズすることにより、トラッキングキローズ期間
に得られるビデオ信号が出力される。このときスイッチ
12は接点Ｘ側に接続され、スイッチ31はオープンとな
る。

スイッチ31がオープンとなることにより、分周回路33は
端子32からの信号を分周して出力するだけとなり、以後
は垂直同期信号によってリセットされなくなる。具体的
には、水平同期信号の２倍の周波数（＝2f_Ｈ）の基準ク
ロックを525カウントする毎にPLL回路17にキャリーパル
スを供給する。このキャリーパルスはスキャン動作開始
直前の再生同期信号の位相を保持したものとなるので、
モノマルチバイブレータ18の出力である疑似垂直同期信
号はスキャン動作開始直前の再生同期信号の位相を保持
している。

その結果、スキャン動作開始前の正常再生時の垂直同期
信号の位相がそのままスキャン動作中維持されることと
なる（第２図の区間Ａ乃至Ｈ）ので、スキャン動作中に
得られる再生画像が垂直方向に流れたり、乱れたりする
ことはない。

そしてスキャン動作が中止されるとスイッチ31が再びク
ローズされ、分周回路33はその時点から再び垂直同期信
号に同期するように動作する（第２図の区間Ｉ）。

以上の動作中におけるテレビジョン受像機５の画面は第
３図に示す如くとなる。すなわち区間Ａに対して区間B,
Fにおいては再生垂直同期信号自体に位相差がないので
通常の画像を見ることができ、区間D,Hにおいては位相
差があるので画面の途中に垂直ブランキング期間が現れ
ることになる。この垂直ブランキング期間の現れる位置
は各区間D,Hにおいて変化しない。これはこの実施例に
おいてはスキャン動作中の垂直偏向走査が結局固定発振
器からの信号によって行われることに起因する。従っ
て、スキャンモード中のトラッキングサーボがオンして
いる期間中に表示される各々の画像が上下に流れること
がないので、非常に見易い表示となる。

一方、スキャン動作終了後、疑似同期信号はPLL回路17
のフライホイール効果によって徐々に再生同期信号に位
相同期するようになる。またパルスストレッチ回路20
は、PLL回路17の位相が入力信号の垂直同期信号の位相
と一致するのに要する時間を考慮して、スキャン動作終
了後もしばらくの間スイッチ12を接点Ｘ側に接続したま
まとするので（第２図（ｄ））、スイッチ12の接点がＹ
側に切り換えられるときは、接点Ｙと接点Ｘとから出力
される垂直同期信号の位相は一致していることになるか
ら、スイッチ12が切り換えられたとき画面が乱れること
がなく、極めて自然な感覚でテレビジョン受像機５の画
面上に映像を表示することができる。

〔効果〕

以上の如く本発明においては、同期信号が抜き取られた
入力信号に疑似同期信号を付加するので、スキャン動作
時にこの疑似同期信号を用いればCLVディスクにおいて
もスキャン動作が可能となるとともに、スキャン動作時
に画面が流れることがない。さらに、スキャン動作から
通常動作に移行する際には、疑似同期信号の位相が再生
同期信号の位相に十分に一致してから切換えるので、同
期信号切換時に画面が乱れることがない。

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例のブロック図、第２図はそのタイミング
チャート、第３図はその画面の変化の様子を表す図、第
４図は従来のビデオディスクのブロック図、第５図はそ
の動作の説明図、第６図はその垂直同期信号の変化の様
子を表す図である。 １……ディスク ２……モータ ３……ピックアップ ４……復調回路 ５……テレビジョン受像機 10……アダプタ 11……入力端子 12、31……スイッチ 13……垂直同期信号抜取回路 14……位相検知手段 15……垂直同期信号分離回路 16……付加回路 17……PLL回路 18……モノマルチバイブレータ 19、21、32……端子 20……パルスストレッチ回路

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】入力信号から再生垂直同期信号を抜き取る
   同期信号抜取手段と、 外部からのスキャン命令パルスに基づいて、非スキャン
   動作時には前記再生垂直同期信号に位相同期したパルス
   を生成して出力し、スキャン動作時にはスキャン動作開
   始直前に抜取った前記再生垂直同期信号に位相同期した
   パルスを生成し維持しつつ出力するパルス発生手段と、 前記パルス発生手段の出力を入力とするPLL回路を含
   み、前記パルスに位相同期した疑似垂直同期信号を生成
   し出力する疑似同期信号生成手段と、 前記疑似垂直同期信号を前記再生垂直同期信号が抜取ら
   れた入力信号に付加して出力する付加手段と、 前記スキャン命令パルスのパルス幅を伸張して出力する
   パルスストレッチ手段と、 前記パルスストレッチ手段の出力に基づいて、少なくと
   も前記スキャン動作開始時から前記スキャン命令パルス
   の伸張されたパルス幅に相当する時間が経過するまでの
   期間は前記付加手段の出力信号を選択的に出力し、他の
   期間においては前記入力信号を選択的に出力する選択手
   段と、を備えたことを特徴とするディスクスキャン装
   置。
2. 【請求項２】前記パルス発生手段は、一定周波数の基準
   信号を発生し出力する固定発振器と、前記基準信号を分
   周する分周カウンタと、を有しており、前記分周カウン
   タは、前記非スキャン動作時には前記再生垂直同期信号
   によりリセットされることを特徴とする特許請求の範囲
   第１項記載のディスクスキャン装置。