JPH0682743A - 強誘電性液晶組成物 - Google Patents

強誘電性液晶組成物

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JPH0682743A
JPH0682743A JP4262861A JP26286192A JPH0682743A JP H0682743 A JPH0682743 A JP H0682743A JP 4262861 A JP4262861 A JP 4262861A JP 26286192 A JP26286192 A JP 26286192A JP H0682743 A JPH0682743 A JP H0682743A
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liquid crystal
crystal molecule
molecule
chiral
length
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JP4262861A
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Akio Yasuda
章夫 安田
Keiichi Nito
敬一 仁藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】液晶分子設計パラメータαと、液晶分子の見か
けのコーン角θとの積:αθを12.5≦αθ≦16とし、ま
た、液晶分子設計パラメータαと、カイラル液晶分子を
構成するリジッド部に対するフレキシブル部の長さの比
との積:δ=α・(フレキシブル部の長さ/リジッド部
の長さ)をδ≦0.5 とした強誘電性液晶組成物。 【効果】従来不可能であった高速応答性と高コントラス
トとを同時に満足させ、またこれらの性能をそれぞれ実
現できるFLC材料の分子設計指針を提供することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強誘電性液晶組成物に
関し、特に強誘電性液晶表示素子に好適な組成物に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】各種の液晶表示素子に使用される液晶材
料として、近年、カイラルスメクチックC相(SmC*
相)のスイッチング効果を利用した強誘電性液晶(FL
C:ferroelectric liquid crystal) が注目されてい
る。
【0003】こうしたFLCディスプレイは、(1) 高速
応答性(従来のネマチック液晶表示に比較して1000倍も
高速応答)、(2)視野角依存性が少ないこと、(3) 画像
にメモリ性がある等、すぐれたものである。
【0004】種々の強誘電性を示す液晶分子がこれまで
合成されてきたが、その材料の設計指針はFLCの応答
速度τが、 τ=η/Ps・E (但し、ηは材料の粘性、Psは自発分極、Eは電界) と規定されるので、応答速度を上げるには、自発分極Ps
を大きくすることと、粘性を小さくすることが考えられ
た。そのことが、τを小さくすることにつながると考え
られるからである。
【0005】しかしながら、応答速度に関しては実際、
上記の式に従う系が多いものの、Psを大きくすることに
よって、液晶表示パネル内に反電界を生じたり、セル中
の不純物イオンの吸着等による分子配向の乱れが生じる
といった問題が惹起されることになる。このため、期待
どおりには高速化できなかったり、充分なコントラスト
が得られなかったりし、従って、近年においては自発分
極をいたずらに大きくすることには疑問視する向きが多
い。
【0006】一方、低粘度化に関しては、次のように検
討が進められている。即ち、カイラル分子を単独で用い
ずに、温度範囲をより拡大すること等のために講じてい
る方法として、自発分極を持つカイラル分子をドーパン
トとして用いて、ベース材料としての自発分極を持たな
いノンカイラル分子と混合してなる組成物系を用いるの
が一般的である。ここで、粘性や温度範囲の拡大のコン
トロールのために、濃度的にはベース材料の方が高いの
で、ベース分子で低粘度化のコントロールをしているの
が一般的である(ドーパント法)。
【0007】しかし、FLCの電界応答のダイナミクス
を支配するのは、自発分極を有するカイラル分子であ
り、カイラル分子としてどのような分子を用いるかとい
うことが、FLCディスプレイの特性を決定してしまう
重要因子であることは疑いがない。従って、粘性のコン
トロールを強調するあまり、ベース分子を主体とした組
成については、FLCの重要な特性自体に悪影響を与え
かねない。
【0008】従来は応答速度に関しては、上記の式を材
料選択の指針としてきたが、疑問視されてきたばかりで
なく、表示のコントラストに関してもそのガイドライン
をもたなかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
不可能であった高速応答性と高コントラストとを同時に
満足させ、またこれらの性能をそれぞれ実現できるFL
C材料の分子設計指針を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、FLC材料
について種々検討を加えた結果、従来はコントラストと
応答速度を両方一度に満足させるようなパラメータは存
在しなかったが、その選択の指導原理となる新たなパラ
メータを導入し、これにより、高コントラスト、高速応
答性のFLC材料の選択が可能になることを見出し、本
発明を完成するに至ったのである。
【0011】即ち、本発明は、液晶分子設計パラメータ
αと、液晶分子の見かけのコーン角θとの積:αθが、 12.5≦αθ≦16(好ましくは13≦αθ≦15) (但し、 α=(電界によるスイッチング前後での液晶分子のアル
キル鎖部の赤外ピーク強度比)/(電界によるスイッチ
ング前後での液晶分子のコア部の赤外ピーク強度比)、 θは、電界によるスイッチング時に液晶分子が仮想的な
円錐面上を回るとき、その円錐面を有するコーンのなす
見かけの頂角である。) である強誘電性液晶組成物に係るものである。
【0012】また、本発明は、上記した液晶分子設計パ
ラメータαと、カイラル液晶分子を構成するリジッド部
(rigid 部)に対するフレキシブル部(flexible部)の
長さの比との積:δ=α・(フレキシブル部の長さ/リ
ジッド部の長さ)が、 δ≦0.5 (好ましくはδ≦0.4) である強誘電性液晶組成物も提供するものである。
【0013】本発明による強誘電性液晶組成物は、カイ
ラルスメクチック強誘電性液晶分子を含有し、この強誘
電性液晶分子が、芳香族基間が直接結合されている芳香
族化合物(例えば、後述のビフェニル系)と、芳香族基
間がエステル結合で連結されている芳香族化合物(例え
ば、後述のエステル系)との少なくとも一方からなって
いることが望ましい。
【0014】次に、本発明による強誘電性液晶組成物
(以下、FLC組成物と称する。)の材料選択の指針と
なる分子設計パラメータαについて説明する。
【0015】図3に示すように、FLCの分子は、電界
(通常は図面左右方向に作用する)に応答して、仮想的
なコーンの円錐面上を矢印方向に可逆的に回る如き分子
の動きをすると考えられている。また、一般的に液晶分
子は、コア部分とアルキル鎖の部分から構成されてい
る。ここで、電界応答に対する液晶分子のコア部とアル
キル鎖部は、液晶分子の種類により異なっていることが
予想される。また、電界応答によるFLC分子の上記し
た動きは、カイラル分子の分子内自発分極によるものと
考えられる。
【0016】π電子系を持つコア部とアルキル鎖部の挙
動の違いを明かにする手法として、偏光赤外分光法が極
めて有効である。即ち、まず、赤外用の偏光子を配向処
理方向に対して45度傾けて配置する。偏光赤外分光法に
おいては、分子の長軸方向に平行な分子振動モードは、
偏光子に平行に近いほど強度が強く観測され、逆に、分
子の長軸方向に垂直な分子振動モードは、偏光子に平行
なほど強度が弱く観測される。
【0017】ここで、電界によるスイッチング前後の偏
光赤外スペクトルを測定することにより、液晶分子のコ
ア部とアルキル鎖部の動きをそれぞれ独立に評価するこ
とができる。ここで、コア部の分子振動の変化比率とア
ルキル鎖部の分子振動の変化比率の比をとることによ
り、系により規格化されたコア部に対するアルキル鎖の
動きを規定することが可能となる。
【0018】即ち、 α=(電界によるスイッチング前後での液晶分子のアル
キル鎖部の赤外ピーク強度比又は赤外強度変化率)/
(電界によるスイッチング前後での液晶分子のコア部の
赤外ピーク強度比又は赤外強度変化率)、と定義する。
【0019】また、FLCの分子は、図3に示したよう
に、仮想的な円錐のコーンの上を回ってスイッチングす
ると考えられている。そして、FLC分子は層構造を形
成し、この層は基板(ガラス等)に対してある一定の傾
きをもち、分子は基板上の配向膜により規定される一定
のプレチルト角とよばれる傾きをもつ。したがって、コ
ーン角(コーンの頂角)を基板に対して垂直に入射した
光で測定した結果は、斜めから見ていることになるか
ら、実際のコーン角よりも大きく観測されることにな
る。本発明では、この観測したコーン角(以下、見かけ
のコーン角)をθとする。
【0020】本発明によれば、上記に定義したαとθと
の間に、 12.5≦αθ≦16(好ましくは13≦αθ≦15) なる関係を満足させることによって、本発明の目的であ
る高速応答性と高コントラストの両性能を同時に実現で
きるのである。こうした新規な条件は、後述の実施例で
述べる如く、本発明者による種々の実験と考察の結果と
して見出されたのである。
【0021】本発明のFLC組成物に使用可能な液晶分
子を説明すると、まずカイラル分子種としては図4に例
示したものが挙げられる。これらのカイラル分子は、カ
イラルスメクチックFLC分子として、コア部を構成す
るπ電子系の芳香族原子団の一方側(図4では右方側)
に2個の不斉炭素原子を有し、かつ、カルボニル基の如
き分子内自発分極を生じる極性基を有している。また、
上記芳香族原子団の他方側には種々のアルコキシ基が結
合されている。
【0022】このFLC分子は、芳香族基間が直接結合
されている芳香族化合物(C8LPS 、C10LPS、C10F、C12L
PS等のビフェニル系)、又は、芳香族基間がエステル結
合で連結されている芳香族化合物(FPB、FFBB、FNB 等の
エステル系)からなる。本発明では、それらの両芳香族
化合物の一種又は二種(即ち、少なくとも一方)を使用
又は併用することができる。その他、公知のカイラル分
子を種々使用してよい。
【0023】使用可能なFLC分子において、特に、コ
ア核にフッ素原子を導入し、スメクチックA、スメクチ
ックC相以外の高次スメクチック相の出現を抑制し、か
つダイポール(ここではカルボニル基)の位置を考慮し
て自発分極を大きくすることができる。
【0024】他方、本発明のFLC組成物において、上
記のFLC分子と混合されるノンカイラルな液晶分子と
しては、図5に例示するフェニルピリミジン系化合物が
使用可能である。これ以外にも、フェニルピリジン系、
フェニルベンゾエート系等も使用可能である。
【0025】このノンカイラル分子は不斉炭素原子を有
してはいないが、カイラル分子と混合されることによ
り、目的とする高速応答性等に優れた強誘電性液晶組成
物を提供できるのである。そして、フェニル基及びピリ
ミジン基からなるコア部と、この両側に結合されたアル
キル鎖部とを有している。
【0026】本発明において、上記のカイラル分子とノ
ンカイラル分子との混合割合としては、カイラル分子の
割合を1〜50重量%の範囲とすることが好ましく、2〜
30重量%の範囲とすることがより好ましい。カイラル分
子の割合が1重量%未満であると、自発分極が小さくな
って応答速度が遅くなり、また逆に50重量%を超える
と、動作温度範囲が狭くなるおそれがある。
【0027】また、本発明者は、上記した如きカイラル
分子構造について詳細に検討を加えた結果、以下に述べ
ることもつき止めた。
【0028】カイラル分子は分子構造の特徴として、一
般的に、フェニル基等を有する剛直なコア部(リジッド
部)とフレキシブルなアルキル鎖で構成されるアルキル
鎖部(フレキシブル部)とからなる。そして、これらの
コア部とアルキル鎖部(特に、それらの長さ)がFLC
組成物の特性を左右することが判明した。
【0029】図15には、図4で既に例示したカイラル分
子種について、それぞれのコア部とアルキル鎖部の長さ
を表示している。ここで、コア部とアルキル鎖部は、次
のように定義される。
【0030】コア部(リジッド部):芳香族原子団を主
体とし、その一方側にあるフッ素化された不斉炭素か
ら、その他方側にある酸素原子又はこの酸素原子に結合
されたメチレンカーボンまでの部分(ビフェニル系の場
合)或いはエステル結合部の炭素原子までの部分(エス
テル系の場合)であり、図15中にlで示す長さを有して
いる。
【0031】アルキル鎖部(フレキシブル部):脂肪族
基を主体とし、上記コア部に結合した原子団又は基(但
し、ビフェニル系ではアルキル基、エステル系では、エ
ステル結合部の炭素原子からアルキル基末端までの部
分)であり、図15中にmで示す長さを有している。
【0032】電界に強い相互作用で応答するのは、カイ
ラル分子の持つ自発分極であり、カイラル分子の動きに
追従して、ホスト分子であるノンカイラルな分子が応答
していると考えられる。
【0033】そこで、カイラル分子がホスト分子を追従
させる力は分子間の相互作用であり、その相互作用の強
弱は最もシンプルには分子軌道における重なり積分の大
きさに比例すると考えられる。その重なり積分は分子同
士の立体的な重なりが大きい程大きくなる。従って、カ
イラル分子のホスト分子との重なりが大きいか小さいか
により、強誘電性液晶の電界応答性に大きな影響を及ぼ
すことは明らかである。
【0034】そこで、カイラル分子の剛直な部分(リジ
ッド部)の長さはホスト分子の剛直な部分を規定するで
あろうし、カイラル分子のフレキシブルな部分(フレキ
シブル部)はホスト分子のフレキシブルな部分の動きを
規定すると考えられる。
【0035】本発明者は、そうした観点に立って検討し
たところ、上述した液晶分子設計パラメータαと、カイ
ラル液晶分子を構成するリジッド部に対するフレキシブ
ル部の長さの比との積:δ=α・(フレキシブル部の長
さm/リジッド部の長さl)が、 δ≦0.5 (好ましくはδ≦0.4) であるときに、FLC材料のコントラストと応答速度を
同時に向上させ、最適化できることを見出したのであ
る。ここで、フレキシブル部の長さは、リジッド部の両
側のフレキシブル部のうち、長い方の値又は不斉炭素の
ない方の値を指す。
【0036】
【実施例】以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説
明する。
【0037】実施例1 (1) 液晶材料系 図4に示す各カイラル分子種と図5に示すベース材料で
ある2種のフェニルピリミジン分子との混合系を用い
た。即ち、各カイラル分子を5重量%添加し、2種のフ
ェニルピリミジンを47.5重量%ずつ加えた系を用いた。
【0038】この系の相系列は、図6に示したが、Iso
(液相)、N* (カイラルネマチック)、SmA(スメクチ
ックA)、 SmC* (カイラルスメクチック)、K(結
晶)に至る系において、特に SmC* 相の温度域が広くな
っている。
【0039】(2) 配向膜 公知の斜方蒸着装置(EBX−14D)を用いて SiO配向
膜を形成した。即ち、SiO斜方蒸着膜を液晶配向膜と
し、ブックシェルフ構造を形成するために蒸着角度は基
板の法線に対して85度とし、膜厚 600Åとなるように水
晶膜厚モニタを用いてコントロールした。
【0040】このときの蒸着速度は5Å/秒とした。ま
た、パネル用の基板としては、赤外光を透過することが
必要なため、弗化カルシウムの1mm厚のITO電極付の
板を使用した(セルギャップは2μm)。ブックシェル
フ構造は、図7に示したX線回折(RU−300 X線回折
装置使用)によって測定した(チルト角は25.8°)。
【0041】(3) αの決定 赤外スペクトルは日本電子製JIR−6500FT−IR分
光器(時間分解機能付き)を用いた。また、この例にお
いて、駆動(スイッチング)は1KHz 、±15Vの矩形波
を印加し、40℃で応答速度の測定も含めて行った。
【0042】この例で用いた系においては、カイラル分
子の添加量は5重量%なので、観測された赤外スペクト
ルは主としてノンカイラルなフェニルピリミジンからの
分子振動モードである。ここで、コア部の分子振動モー
ドとして1432cm-1のバンド、アルキル鎖部の分子振動モ
ードとして2925cm-1のモードを選択し、それぞれピーク
高強度の大きい方をピーク高強度の小さい方で割って比
をとり、αを求めた。
【0043】測定は実際には、ピーク高強度の変化が飽
和するところを見なければならないので、μ秒オーダで
の時間分解FT−IR分光法を行った。また、IR分光
器の偏光子は、液晶配向処理方向に対して45度傾けて配
置した。
【0044】図8には、C8LPS からなるカイラル分子系
について、10μ秒のゲート幅、30μ秒ごとに測定した時
間分解FT−IRスペクトルの結果を示す。1432cm-1
コア部のバンドと2925cm-1のアルキル鎖のバンドとは、
予想通り逆向きの強度変化の挙動をしている。
【0045】この2つのバンドだけの強度変化をプロッ
トしたのが、図9である。ここで、変化が飽和した 300
μ秒後とt=0の時のピーク高強度をとり、αを求める
と、α≒0.32である。即ち、 α={0.3476(t=300 μs)/0.2946(t=0)}/
{0.4334(t=0)/0.1188(t=300 μs)}≒0.32
【0046】(4) 特性評価 また、カイラル分子を種々変化させ、その電気光学効果
による透過率の変化が電圧を印加開始したt=0のとき
(0%)から90%の透過率にまで変化するまでの時間を
応答速度(又は応答時間、立上り時間)とした。コント
ラストは、電圧がプラス15Vのときとマイナス15Vの時
の透過率の比であり、また、コーン角θは電圧がプラス
15Vのときとマイナス15Vの時の見かけの角度である
(偏光子を回転し、消光位を測定した)。これらの結果
を下記の表−1にまとめた。
【0047】
【0048】図10にはα−応答時間、図11にはα−コー
ン角θ、図12にはコーン角θ−応答時間のそれぞれの相
関関係を示した。
【0049】これによれば、カイラル分子種がエステル
系(FPB、FNB 、FFBB)とビフェニル系(C8LPS、C10LPS、
C12LPS、C10F)とで、各特性が類似の変化をすることが
分かる。具体的には、ビフェニル系の方が応答速度が早
い傾向があり(図10、図12)、またαの変化に対して各
系ともコーン角の変化がリニアになっている(図11)。
【0050】ここで、コア部に対するアルキル鎖の動き
を表すパラメータαと見かけのコーン角θとの積に対
し、表示素子にとって基本的な特性であるコントラスト
と応答速度をプロットしたのが図1と図2である。
【0051】図1及び図2によれば、αθが本発明の範
囲である12.5≦αθ≦16のときに、コントラスト及び応
答速度ともに向上し、特に13≦αθ≦15では一層結果が
良くなることが分かる。即ち、αθが12.5未満である
か、又は16を超えると、コントラスト、応答速度ともに
著しく悪くなる。
【0052】図1においては、αθが14×π/180 (ラ
ジアン)≒14付近で最大のコントラストを示しており、
それより大きくずれると、コントラストは低くなる。従
って、12.5≦αθ≦16が実用上重要な高コントラスト領
域といえる。また、図2においては、αθが16以下で応
答速度も 350μsec 以下となり、また、14付近で最高速
を示す。
【0053】以上のように、コントラストにおいても応
答速度においても、本発明による特定範囲のパラメータ
αθは良好な性能を示しており、その高い有効性が明ら
かである。
【0054】実施例2 (1) 液晶材料系 図15に示すカイラル分子種と、図16に示すベース材料で
ある2種のフェニルピリミジン分子との混合系を用い
た。カイラル分子を5重量%添加し、2種のフェニルピ
リミジンを47.5重量%ずつ加えた系を用いた。この系の
相系列は、図6に示した。
【0055】使用したカイラル分子のリジッド部(コア
部)とフレキシブル部(アルキル鎖部)の長さは、アラ
イアントFX/2800/SLM/lのミニスーパコンピュ
ータを用い、 MOPAC上での、MNDO法で最適化した分
子構造により、決定した。各々のカイラル分子のリジッ
ド部及びフレキシブル部の長さを図15に併記した。
【0056】
【0057】(4) 特性評価 応答速度、コントラストの測定は実施例1で述べたと同
様に行った。ここで、α×(カイラル分子のフレキシブ
ル部の長さ/リジッド部の長さ)、即ちδ=α×(m/
l)に対する各特性を下記の表−2にまとめた。
【0058】
【0059】そして、上記に得られたδに対する各特性
をプロットし、図13及び図14に示す。これによれば、図
13においては、δが小さくなるとコントラストが増大す
る傾向が見られ、δが1以下でコントラストが20以上に
なることがわかる。しかしながら、図14においては、応
答時間はδが 0.6付近で最大値となる(最も遅い)。
【0060】応答速度が 200μ秒以下になるのはδが
0.5以下か、若しくは1以上ということになる。しか
し、コントラストの方からの要請で、δが1以上という
領域は適用されないため、δが 0.5以下(特に 0.4以
下)という本発明の領域のみが、高コントラスト、高速
応答性の両立を実現することができる。
【0061】図17には、上記のαとカイラル分子の長さ
m、lとの相関関係を示した。αは、α≧0.45の領域で
は、フレキシブル部の長さmの増大に伴って大きくな
り、リジッド部の長さlの増大に伴って小さくなる。従
って、αはmとlの長さによってコントロールでき、特
にフレキシブル部の長さmは重要である。
【0062】ビフェニル系では、フレキシブル部の長さ
mが短いと(αが小さくなると)、コントラスト、応答
速度ともに向上し、δ≦0.5 の領域で効果が大となる。
しかし、エステル系では、フレキシブル部の長さの影響
は不明瞭であり、αが大きくなると応答速度が早くな
り、コーン角が小さくなることからみて、フレキシブル
部の長さが大きくなるとコーン角を小さくし、高速応答
性は短いリジッド部によるものと考えられる。
【0063】以上、本発明を例示したが、上述の実施例
は本発明の技術的思想に基づいて更に変形が可能であ
る。
【0064】例えば、上述のαθは更に13.5≦αθ≦15
としたり、また上述のδも更に小さくしてもよい。ま
た、そのために、上述した以外のカイラル分子、ノンカ
イラル分子の種類や配合比も様々に変更してよい。
【0065】また、上述したカライル分子として、ビフ
ェニル系とエステル系とは別々に使用するのがよいが、
これらを併用しても差支えない。
【0066】なお、本発明によるFLC組成物は、高速
応答性、高密度表示が可能な高速光学シャッターや表示
情報量の多いディスプレイ装置に好適である。更に、例
えば強誘電性液晶素子を利用した空間光変調器等のよう
なオプトエレクトロニクスデバイスや画像処理用デバイ
スにも有望である。
【0067】
【発明の作用効果】本発明は上述した如く、液晶分子設
計パラメータαと、液晶分子の見かけのコーン角θとの
積:αθを12.5≦αθ≦16とし、また、液晶分子設計パ
ラメータαと、カイラル液晶分子を構成するリジッド部
に対するフレキシブル部の長さの比との積:δ=α・
(フレキシブル部の長さ/リジッド部の長さ)をδ≦0.
5 としたので、従来不可能であった高速応答性と高コン
トラストとを同時に満足させ、またこれらの性能をそれ
ぞれ実現できるFLC材料の分子設計指針を提供するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】強誘電性液晶(FLC)組成物の液晶分子設計
パラメータαと液晶分子の見かけのコーン角θとの積:
αθに対するコントラストの変化を示すグラフである。
【図2】同αθに対する立上り時間(応答速度)の変化
を示すグラフである。
【図3】FLCの分子の動きを説明するための説明図で
ある。
【図4】カイラルな液晶分子を例示した各構造式であ
る。
【図5】ノンカイラルなベース材料を例示した各構造式
である。
【図6】FLC組成物の相系列と相転移温度を示す系列
図である。
【図7】FLC組成物のX線回折スペクトル図である。
【図8】FLC組成物のスイッチング前後での時間分解
FT−IR分光スペクトル図である。
【図9】同スイッチング前後でのスペクトルのピーク強
度変化を示すグラフである。
【図10】上記αに対する立上り時間(応答速度)の変化
を示すグラフである。
【図11】同αに対する上記コーン角θの変化を示すグラ
フである。
【図12】同コーン角θに対する立上り時間(応答速度)
の変化を示すグラフである。
【図13】同αとカイラル液晶分子の(フレキシブル部の
長さ/リジッド部の長さ)との積:δに対するコントラ
ストの変化を示すグラフである。
【図14】同δに対する立上り時間(応答速度)の変化を
示すグラフである。
【図15】カイラルな液晶分子をその各部の長さと共に示
す各構造式である。
【図16】ノンカイラルなベース材料をその各部の長さと
共に示す各構造式である。
【図17】上記αとカイラルな液晶分子の各部の長さとの
関係を示すグラフである。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶分子設計パラメータαと、液晶分子
    の見かけのコーン角θとの積:αθが、 12.5≦αθ≦16 (但し、 α=(電界によるスイッチング前後での液晶分子のアル
    キル鎖部の赤外ピーク強度比)/(電界によるスイッチ
    ング前後での液晶分子のコア部の赤外ピーク強度比)、 θは、電界によるスイッチング時に液晶分子が仮想的な
    円錐面上を回るとき、その円錐面を有するコーンのなす
    見かけの頂角である。) である強誘電性液晶組成物。
  2. 【請求項2】 13≦αθ≦15である、請求項1に記載し
    た強誘電性液晶組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載した液晶分子設計パラメ
    ータαと、カイラル液晶分子を構成するリジッド部に対
    するフレキシブル部の長さの比との積:δ=α・(フレ
    キシブル部の長さ/リジッド部の長さ)が、 δ≦0.5 である強誘電性液晶組成物。
  4. 【請求項4】 δ≦0.4 である、請求項3に記載した強
    誘電性液晶組成物。
  5. 【請求項5】 カイラルスメクチック強誘電性液晶分子
    を含有し、この強誘電性液晶分子が、芳香族基間が直接
    結合されている芳香族化合物と、芳香族基間がエステル
    結合で連結されている芳香族化合物との少なくとも一方
    からなっている、請求項1〜4のいずれかに記載した強
    誘電性液晶組成物。
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