JPH0680899A - 改質β−キナクリドン顔料の水性湿式製造法 - Google Patents

改質β−キナクリドン顔料の水性湿式製造法

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JPH0680899A
JPH0680899A JP4144687A JP14468792A JPH0680899A JP H0680899 A JPH0680899 A JP H0680899A JP 4144687 A JP4144687 A JP 4144687A JP 14468792 A JP14468792 A JP 14468792A JP H0680899 A JPH0680899 A JP H0680899A
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pigment
alcohol
crude
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James B Ganci
ビー.ガンシィ ジェームス
Shivakumar B Hendi
ビー.ヘンディ シバクマー
Walter C Zukowski
シー.ツコウスキー ウォルター
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Ciba Geigy AG
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 特定範囲のC.I.E.値を有するマゼンタ
色のβ結晶相キナクリドン改質物の製造方法を提供す
る。 【構成】 マストーンのC.I.E.値がL=33乃至
36、A=34乃至40、B=8乃至15であるマゼン
タ色のβ結晶相キナクリドンの製造方法において、粗製
のβ相キナクリドンを、粗製キナクリドンの600乃至
1400重量%の量の水ならびに有効的相変換および粒
子成長促進量のアルコール、塩基および相間移動触媒の
存在下において摩砕し、そして摩砕されたスラリーを高
められた温度において加熱し、そしてマゼンタ色のβ結
晶相キナクリドンを単離する各工程を包含する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、大量の水、水性塩基および少量
のアルコールと相間移動触媒の存在下において、粗製の
β相キナクリドン顔料を好ましい結晶相型に変換する方
法に関する。付加的には、高められた温度における処理
が、所望の色領域への変換を促進する。
【0002】5,12−ジヒドロキノ〔2,3−b〕ア
クリジン−7,14,−オンとも呼称されている下記式
のキナクリドンには、3種の多形変態型が存在している
ことが知られている。
【化1】 α−型(米国特許第2844484号明細書)とγ−型
(米国特許第2844581号および2969366号
明細書)とは青赤色の顔料であるが、他方β−型(米国
特許第2844485号明細書)はバイオレット色の顔
料である。
【0003】上記のものとは明確に区別される第2の、
βI 型と名づけられβ−キナクリドン・ポリタイプが確
認され、そして米国特許第4857646号明細書に記
載されている。この新β型は既知のβ型と比較してX線
回折図が相違しており、またバイオレットからマゼンタ
への顕著な色の移動がみられる。この新型のキナクリド
ンは、各種の新規な着色スタイルの可能性を、特に自動
車用仕上げ塗料および産業用仕上げ塗料について提供す
るものである。さらに、この顔料は、優れた被覆力、色
純度、耐光性および耐候性、高温および溶剤に対する耐
性、ならびに軟化剤安定性を示す。
【0004】本新規顔料を製造する方法およびその顔料
を比較的低比表面積の形で製造する方法が、いくつか確
認されている。すなわち、本新規顔料は、粗顔料の制御
された粒子サイズの縮小/熟成によって、あるいはまた
粗顔料を過度に摩砕し次に顔料粒子を所望サイズおよび
表面積まで成長させることによって製造することができ
る。粒子サイズ縮小および結晶化による粒子成長は、単
一工程において実施できることが見いだされている。
【0005】すでに開示されている実用的方法を下記の
ごとく要約することができる。 (1) 好ましくは小粒子サイズであるα−キナクリドン
を、アルコールおよび塩基の存在下において摩砕する。 (2) 粗製の、すなわち大粒子サイズのβIIキナクリドン
(表面積3乃至8m2/g)を、アルコール、塩基および
適当な摩砕材の存在下において摩砕する。 (3) 2番目に記載した方法を、粗β−キナクリドンの予
備摩砕の工程と、それに続くアルコール−塩基中におけ
る熟成または粒子成長工程との2段階で実施する。 (4) (a) アルコールと塩基との存在下において摩砕する
か、または(b) 塩基性化したアルコール中において還流
することによって粒子サイズ縮小処理されたβ−キナク
リドンを粒子熟成する。
【0006】このβポリタイプの研究をさらに進めた結
果、この新型がマゼンタのクラスの中でより大きな色の
領域幅を示しうることが判明した。すなわち、米国特許
第4857646号明細書に開示されている改質β型顔
料は、ハイソリッド型エナメル塗料系に配合された場合
に、マストーン(masstone) がL,A,Bの色空間単位
のC.I.E.色度座標で表して、L(lightness :明
度)=35.2単位、A(chroma:彩度)=38.0単
位、B(hue :色相)=10.9単位の値を示した。今
回、ある範囲内のL,A,B座標値を有する生成物が新
規な方法によって製造できることが見いだされた。
【0007】したがって、本発明は、市販のハイソリッ
ド型塗料のごとき塗料に配合された時に、C.I.E.
座標に基づく特定範囲の値を有し、最適の顔料諸特性と
共に高い彩度または鮮明度および不透明度を示す上記改
質β型キナクリドンの新規な水性製造法に関する。本水
性製造法は、安全と環境問題とが実質的に減少されるこ
と、ならびに製造コストが低減されることなどの付帯的
利益をも提供する。
【0008】この改質顔料は、粗製β型キナクリドンか
ら出発して下記の複数の方法によって製造することがで
きる。方法I 下記AまたBのいずれかの乾式粒子サイズ縮小
と湿式粒子成長とによる方法: (A)粗製のβ型キナクリドンを、常用手段により、適
当な摩砕材を使用して予備摩砕し、次に大量の水と少量
の塩基、相間移動触媒および1つの分離相を形成するこ
とができ、かつ粒子成長を促進させることができるアル
コールを使用して水性湿式摩砕し、そして所望の変換に
影響を及ぼす熱的成長工程(thermal development ste
p) を実施し、そして、所望の場合には、次に摩擦剥落
した摩砕材を除去するために稀酸抽出する。 (B)粗製のβ型キナクリドンを予備摩砕し、次に水性
塩基、相間移動触媒および1つの分離相を形成すること
ができるアルコールを含有している大量の水の中で攪拌
および還流し、そして、必要な場合には、そのあと酸抽
出する。方法II 適当な摩砕材と上記した成分を使用し
た水性摩砕と、それに続く熱的成長工程によって湿式粒
子サイズ縮小と粒子成長とを同時的に実施する。
【0009】予備摩砕とは、完全な液体の不存在下また
は、相指向性溶剤(phase directing solvent)または界
面活性剤のごとき液体が存在する場合には、その液体の
量は顔料が粉末の性質を保持するような少量であるとい
う条件下において行なわれる摩砕を意味する。粗製のβ
型キナクリドンを予備摩砕する最初の工程は、何も添加
しないで、あるいは、水和の水を含むかまたは含まない
無機塩たとえばNaCl,CaCl2 ,Na2SO4または Al2(SO4)3
の10乃至30重量%の存在下において実施することが
できる。好ましい摩砕混合物は、粗製β型キナクリドン
75乃至85重量%と無水 Na2SO4 15乃至25重量%
とを含有する。塩の主な役割りは、生じる摩砕粉末の爆
発の危険を抑えることである。予備摩砕は、公知の摩砕
装置たとえばボールミルやアトライターミルなどを使用
して実施することができる。摩砕材としては、金属球や
陶磁玉のごとき各種の材料を使用することができる。好
ましいのは、セラミックビードまたはステンレス鋼球、
釘または弾丸である。予備摩砕は、5.9°の1/2 高に
おけるバンド幅を2Θ倍視射角バンド(double glancin
g angle band) にすることによって制御することができ
る。このバンド幅が大きくなればなるほど、予備摩砕さ
れた顔料粉末の粒子サイズは小さくなる。すなわち、予
備摩砕された粉末の十分な活性化をもたらす粒子サイズ
の縮小は、1/2 高におけるバンド幅を0.23乃至0.
26°の2Θ角から最低0.3°の2Θ角まで増大させ
る。予備摩砕された顔料塩混合物は摩砕材から分離し、
そして摩砕中に擦り落ちた金属を除去する。
【0010】水性摩砕の一般的技術は既知であり、そし
て、たとえば、米国特許第4439240号、同第45
41872号、同第4298398号各明細書に記載さ
れている。水性摩砕の場合には、顔料/水性塩基および
助剤に対して付加的条件が課せられる。すなわち、所望
される塊粉砕と再結晶化とが摩砕材を介して起こりうる
ようにミルベースが十分に流動性でなければならないと
いうことである。本発明はマストーンのC.I.E.値
がL=33乃至36、A=34乃至40、B=8乃至1
5であるマゼンタ色のβ結晶相キナクリドンの製造方法
に関し、この粗製のβ相キナクリドンを粗製のキナクリ
ドンの600乃至1400重量%の量の水ならびに有効
的相変換および粒子成長促進量のアルコール、塩基およ
び相間移動触媒の存在下において摩砕し、そして摩砕さ
れたスラリーを高められた温度において加熱し、そして
マゼンタ色のβ結晶相キナクリドンを単離することを特
徴とする。本方法の変法として、粗製のβ相キナクリド
ンを乾式摩砕する工程を、水と他の添加剤との存在下に
おいて摩砕する工程に先行させることができる。
【0011】方法(IA)の二段階製造法は、粗製のβ
相キナクリドンを高度に密集された亜顔料サイズにまで
粒子サイズを縮小するように予備摩砕し、次に水性湿式
摩砕工程において粒子熟成すなわち粒子サイズの成長を
行なうものである。最終目的生成物を得るためには、最
後に熱的な成長工程が必要である。前記したように、予
備摩砕は各種の摩砕材を使用して実施することができ
る。たとえば、鋼鉄球、釘、鋼鉄弾丸、セラミック玉を
使用して、20乃至40℃の温度範囲において24乃至
72時間行なわれる。鋼鉄の摩砕材を使用して予備摩砕
を行った場合には、アルコールを蒸留除去し、そして得
られた水性顔料スラリーを稀酸で抽出し、摩砕の間に摩
砕材から摩擦剥落した金属分を除去するのが好ましい。
この酸抽出を回避したい場合、あるいはこのような酸抽
出により通常ひき起こされるマストーンとチントにおけ
る色のやや青への移動および淡色化を避けたい場合に
は、セラミック製の摩砕材を使用することが推奨され
る。
【0012】方法(II)によると、粗製キナクリドンか
ら直接一段階によって類似生成物を製造することができ
る。この方法においては、上記した成分の存在下におい
て、適当な摩砕材を使用して粗製キナクリドンが水性摩
砕されて粒子サイズの縮小と結晶熟成とが行なわれる。
このダイナミック粒子サイズ縮小/熟成系は型変換を惹
起し、そして平衡粒子サイズに到達させる。続いて熱的
成長を行なうと本発明の生成物が生成される。摩砕工程
において2つの作用がなされるので、また、得られた顔
料の彩色品質を最高にするために、約10:1の比較的
高い液体:顔料重量比を保持するのが好ましい。この方
法の場合における摩砕は、一般に20乃至40℃の温度
範囲において24乃至72時間実施される。
【0013】いま1つの、幾分変更された方法〔方法
(IIB)〕においては、同じく予備摩砕された出発顔料
を、予備摩砕されたキナクリドンの重量を基準にして5
00乃至800重量%の水ならびに有効的相変換および
粒子成長促進量のアルコール、塩基および相間移動触媒
の存在下において攪拌しながら単に還流し、70乃至9
7℃の温度において1乃至8時間加熱して所望のマゼン
タ色のβ結晶相キナクリドンを生成する。
【0014】この水性湿式摩砕操作および還流操作は、
大量の水と少量の塩基、第二の結晶相を形成させうるア
ルコールおよび相間移動触媒の存在下において実施さ
れ、適切な粒子変化と成長とがもたらされる。適当なア
ルコールの例は、C4 −C8 −アルカノールとシクロア
ルカノール(好ましくはC5 −C7 −環式化合物)であ
る。たとえばペンタノール、ヘキサノールおよびシクロ
ヘキサノールである。アルコールは、塩基の存在下にお
いて安定でなければならない。ペンタノール、特にn−
ペンタノールが本発明の目的のために好ましい。適当な
無機および有機塩基の例は、アルカリ金属水酸化物たと
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、ならびに第四級アンモニウム水酸化物たとえばベン
ジルトリメチルアンモニウム水酸化物などである。水酸
化ナトリウムと水酸化カリウムとが好ましい。特に有用
な相間移動触媒は、第四アンモニウム塩たとえばベンジ
ルトリブチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウム
クロライドなどであり、ベンジルトリブチルアンモニウ
ムクロライドが好ましい。
【0015】水性湿式摩砕においては、各成分の濃度は
最適の顔料特性が得られるように選択される。すなわ
ち、粗製キナクリドン顔料出発物質の100部に対し
て、水の量は600乃至1400部の範囲、好ましくは
700乃至1000部の範囲;アルコールは6乃至15
部、好ましくは8乃至12部の範囲;塩基は50乃至1
20部、好ましくは60乃至80部の範囲;そして相間
移動触媒は2乃至6部、好ましくは2乃至4部の範囲で
選択される。なお、部はすべて重量部である。熱的成長
工程は、水性湿式摩砕に続いて、所望の色領域への変換
を促進するために実施される。この工程は、摩砕された
顔料スラリーを2乃至8時間、50乃至100℃の温
度、好ましくは70乃至97℃の温度において処理する
ことを含む。
【0016】攪拌/還流法IBにおいては、各成分の濃
度範囲は、予備摩砕されたβ−キナクリドンの100部
に対して、水は500乃至800部、好ましくは550
乃至700部の範囲;アルコールは12乃至25部、好
ましくは14乃至18部の範囲;塩基は15乃至40
部、好ましくは21乃至25部の範囲;そして相間移動
触媒は2.5乃至5.0部、好ましくは3乃至4.5部
の範囲である。熟成は約70乃至97℃の温度において
1乃至8時間行われる。
【0017】顔料は、蒸留によってアルコールを除去し
た後に最もよく単離される。したがってアルコールは回
収され、そして濾過によって顔料はスラリーから単離さ
れる。単離後、塩基がなくなるまで顔料を水で洗う。
【0018】得られた顔料はマゼンタ色を有する。この
顔料は別の方法で製造されたβ型キナクリドンに比較し
て顕著な色の移動を示す。特に、現在市場で入手される
β型キナクリドンと比較すると、本β型改質キナクリド
ンは望ましい特性、すなわちマストーン不透明性、明度
および黄色性(yellowness) を示す。
【0019】本発明の方法は、米国特許第485764
6号明細書に開示されている生成物よりもより大きい粒
子サイズとより明度の高いマストーン色とで本改質品を
製造することを可能にする。より青色を帯びた生成物
も、後記実施例に示されている技術を使用して“過少成
長”(underdevelopment) させることによっておよび/
または市販のバイオレットキナクリドンを配合すること
によって得ることができる。
【0020】本発明による新β型改質品は、D65光源
と特定部品を有する10度観測器を使用して測定された
C.I.E.のL,A,B色度空間の値で明確に示され
る。すなわち、顔料マストーンをパネルに塗料スプレー
塗布したものを公知のマストーン測定(後記参照)する
と下記の値が得られる。色測定はハンター分光光度計、
Hunter Lab Colorquest Spectrophotometer (Hunter A
ssociates LaboratoryInc.ヴァージニア州レストン市2
2090,製品)を用いて行なった。 色 度 座 標 広い範囲 好ましい範囲 最も好ましい範囲 明度(L) 33−36 34−36 35−36 彩度(A) 34−40 36−38 37−38 色相(B) 8−15 9−12 10−11 このマストーン色度空間値は添付図1の図表に表されて
いる。“+A”の符号はX軸の赤が強くなる方向を意味
し、そして“+B”はy軸の黄色が強くなる方向を意味
している。他方、x軸の“−A”は緑の強くなる方向
を、そしてy軸の“−B”は青が強くなる方向を意味し
ている。L値は座標のz軸によって表されるものであ
り、したがって図には表示されていない。四角形CS
は、本発明の方法によって製造された改質β型キナクリ
ドンの座標範囲を示している。点CS’は、米国特許第
4857646号明細書に記載されているβ型キナクリ
ドンの座標、L=35.2、A=38、B=10.9の
点を表している。本発明の方法によって得られる顔料の
広い空間座標領域は、本顔料の広い色の変化可能性を反
映するものである。
【0021】上記のマストーン数値は公知の技術によっ
て得ることもできるが、上記測定に使用された一般的方
法を以下に簡単に説明する。顔料対結合剤比は0.15
で、顔料組成物は下記成分を使用して調製された: 顔料 37.5g, キナクリドン系凝集防止剤(2−フタルイミドメチル 1.2g, キナクリドン) 重合体分散剤(Disperbyk (商標)、 Byk Chemie 社製品) 2.5g, アクリル樹脂溶液 85.4g, キシレン 38.3g。 上記成分を500ml容のガラスジャーに4mm直径のダイ
アゴナル鋼鉄棒980gと一緒に装填し、そして64時
間ロール回転させる(顔料負荷25%、非揮発分61.
2%,顔料対結合剤比0.69)。最終的マストーンパ
ネルは下記の調合物から形成された: 上記ミルベース 41.3部, アクリル樹脂溶液 33.7部, メラミン架橋樹脂 28.9部, 膜強化溶液(固形分38.3%;紫外線吸収剤 酸化防止剤、触媒含有) 21.2部。 この混合物を“Solvesso100(商標)”(複数の脂肪
族炭化水素の混合物)溶剤で稀釈し、28秒のスプレー
粘度(FORDカップ#4)に調整する。次に、下塗り
したアルミ板にこれをスプレー塗布し、10分間環境空
気にさらした後、130℃の温度で30分間焼付ける。
【0022】他の多くの顔料と同様に、本発明による顔
料も公知方法によって各種の自動車用仕上げ塗料系なら
びにその他の仕上げ塗料系内での顔料性能を向上させる
ために表面処理するのが有利である。たとえば、凝集を
低減または回避し、そして顔料の分散安定性を向上させ
るために役立つ添加物を本顔料と一緒に有利に使用する
ことができる。このように処理すると、本顔料はそれ自
体においては勿論、特にベタ赤色塗装のための配合剤と
して各種の系に配合された場合に、優秀な性能を示す。
とりわけ、水性系を含めて、アクリル系、アルキド系、
ポリエステル系などの自動車用仕上げ塗料系において優
れた性能を発揮する。凝集防止添加剤としては、たとえ
ば、2−フタルイミドメチルキナクリドン、キナクリド
ンスルホン酸および/またはその金属塩、N−(ジアル
キルアミノアルキル)キナクリドン−スルホンアミドま
たはその他の類似の誘導体が役立つ。また、いくつかの
系においては、重合体分散剤を添加することによって本
発明による顔料の性能を一層向上させることができる。
【0023】おそらくは他の成分に加えて、物質混合物
の1つの成分として、本顔を含有しうる被着色系の例を
挙げれば以下のものである:ペースト、フラッシュペー
スト、調合物、印刷色材、水性塗料、バインダーカラ
ー、各種のラッカーおよびワニス、たとえば物理的乾燥
および酸化乾燥ラッカーおよびワニス、酸、アミンまた
は過酸化物硬化ワニスまたはポリウレタンワニスなど。
さらにまた、顔料は合成、半合成または天然高分子物質
中にも存在しうる。たとえば、熱可塑性樹脂、たとえば
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエ
ステル、フェノールプラスチック、アミノプラスチッ
ク、ゴムなどに配合することができる。さらにまた、顔
料は天然、再生または合成繊維材料中に配合することも
できる。たとえば、ガラス、シリケート、アスベスト、
木材セルロース、アセチルセルロース、ポリアクリロニ
トリル、ポリエステル、ポリウレタンまたはポリ塩化ビ
ニル等の繊維材料またはこれらの混合物に配合存在させ
ることもできる。さらに、たとえば、フイラー、有機ま
たは無機顔料のごとき粉末中に配合して使用することも
できる。本新規顔料を使用すると、堅牢性の優れた鮮明
な赤色を呈する印刷物、ペイントおよびワニス塗料、塗
被物、あるいはシート、糸、板体、ファイバー、ブロッ
ク、顆粒、棒などの成形品が得られる。
【0024】本発明による隠蔽力のすぐれたマゼンタ顔
料を活性着色成分として含有する混合物は、固体、弾性
体、ペースト、粘性体、流動体またはチキソトロピーコ
ンシステンシーでありうる。水性ペーストは、たとえば
湿潤剤または分散剤を加えて本顔料を水中に攪拌混合す
ることによって、あるいはまた、水の存在下および場合
によっては有機溶剤または油の存在下において本顔料を
分散剤に攪拌混合または混練することによって調製する
ことができる。このようなペーストは、たとえばフラッ
シュペースト、印刷色料、水性塗料、プラスチック分散
物および紡糸液の製造のために使用しうる。本顔料は、
また水、有機溶剤、不乾性油、乾性油、ラッカー、ワニ
ス、プラスチック、ゴム等の中へ、攪拌、ロールがけ、
混練あるいはミリングによって配合することもできる。
さらにまた、本顔料を有機または無機物質バッチ、顆
粒、繊維、粉末および他の顔料と乾式混合することによ
って物質混合物をつくることもできる。
【0025】本発明による顔料は、優れた隠蔽力、高い
色純度、良好な全般的堅牢性、たとえば耐光堅牢性、耐
候性、溶剤およびマイグレーションに対する安定性を有
しているが、さらにこれらに加えて、優秀な高温耐熱性
によっても特徴づけられる。たとえば、本発明による顔
料はその耐熱特性の故に、加工中の温度の作用により色
が鈍化することなく、高密度および低密度ポリエチレン
またはポリプロピレン中に配合され加工されうる。
【0026】本発明のキーポイントは、β型キナクリド
ンの変形型の製造であるが、しかし本発明はこの方法に
よって得られる生成物、すなわち、場合によっては、本
新規β型キナクリドンと少量、すなわち、約50重量%
より多くない従来型のキナクリドンとの混合物よりなる
生成物も発明の対象に包含するものであることに留意さ
れたい。このような混合物は幾分程度は劣るが、しかし
明瞭に本新β型キナクリドンの諸特性ならびに顔料とし
ての特性を示すものである。
【0027】以下、本発明を実施例によってさらに説明
する。実施例中の部は、特に別途記載のない限り、すべ
て重量部である。また、すべてのΔ値は米国特許第48
57646号明細書記載の方法によって製造されたアル
コール湿式摩砕による生成物に関して得られた色度値と
の比較に基くものである。
【0028】実施例1A 1−SDGアトライタ〔Attritor(商標)〕ミル(オハ
イオ州、アクロン市のUNION Process, Inc.社製造)
に、粗製β型キナクリドンの468gと無水硫酸ナトリ
ウムの82.5gとを装填する。ミルにL形アームを装
着し、そして直径0.6cmのセラミック摩砕材(64.
2% SiO2 /26.7% MgO/5.8% Al2O3/1.2
% K2O/1.1% Fe2O3 ,7.5MOH硬度、60乃至
65ロックウエル45N硬度,3.0kg/cm衝撃強度、
8500kg/cm2 圧縮強度)3.78リットルを装填す
る。このミルを500rpm .で回転させる。摩砕が終了
したら、ミルの底の弁を開いてこのパッチを回収する。
この間、なお15分間回転を続ける。
【0029】実施例1B水性摩砕 240ml容のジャーに下記のものを装填する: 0.3cm鋼鉄弾丸 600g、 水 95ml、 n−ペンタノール 1.6ml、 トリブチルアンモニウムクロライド(BTBAC)の50%水溶液 0.6g、 NaOH の50%水溶液 16g。 上記実施例1Aで得られた予備摩砕されたβ型キナクリ
ドンの200gを添加する。ジャーを密閉し、そしてロ
ールミルにのせて80フィート/分の線速度で28時間
回転させる。このあと、ジャーをミルから取り出し、そ
して50乃至55℃に温度設定した実験室用炉に入れて
6日間そのまま保持する。このあと、さらに200mlの
水を加えてジャーの内容物を弾丸から分離し、そして攪
拌器と加熱ジャケットとを具備した1リットル容のフラ
スコに移す。この内容物を90℃に2時間半加熱し、こ
の間にペンタノールを放逐する。この後、スラリーを濾
過し、洗浄し、そして乾燥(90℃)する。
【0030】彩色特性 本実施例ならびに後記の実施例で得られた顔料の色彩学
的特性を、米国標準試験法、ASTM−D−387−6
0に従って調製された調合物を使用して測定した。より
詳細に記載すると、顔料の着色特性を実験装置、 Hoove
r Mullerを使用して、リトグラフワニス中に顔料を配合
した調合物を用いて測定した。この装置は1/2 馬力、1
10−22V,60サイクルのモータ1基と2枚のガラ
ス板とを備えている。50回転を標準回転数として、こ
の装置は25回転、50回転、75回転または100回
転後に停止するようセットすることができる。3つの分
銅を使用して2枚のガラス板の間に150ポンドの圧力
が印加される。いずれの場合にも、下側ガラス板の上で
ヘラを使用して乾燥顔料0.6部とリトグラフワニス乾
燥剤1.2部とを混合する。上側ガラス板を下側ガラス
板に対してロックしてモータを駆動する。モータは50
回転後に停止するようセットしておく。50回転後、両
ガラス板を離し、インク組成物の形の顔料を取り上げ、
そして再び下側ガラス板の上に展開して上記の操作を繰
り返す。この操作を6回繰り返す。このようにして調製
された顔料がマストーンインク(masstone ink) と呼ば
れているインク調合物である。このマストーンインクを
同じ方法で調製された対照と比較する。試料の色濃度を
評価するために、マストーンインクの所定計算量(0.
18g)と酸化亜鉛ペースト分散物の所定計算量(10
g)とを正確に秤量し、そして研摩ガラス板の上でヘラ
を使って混合する。これによって得られた配合物がチン
ト(tint) と呼ばれるものである。このチントを同じ方
法で調製された適当な対照と比較する。本実施例の乾燥
顔料とアルコール摩砕された顔料(米国特許第4857
646号明細書記載の方法により製造)との、リトグラ
フワニスに配合した顔料調合物による、比較評価はマス
トーンの色において実質的に同等(C.I.E.ΔE<
1.0)であることが示された。
【0031】実施例2 215リットル容量のボールミルに0.3cm鋼球364
kgを入れ、そして下記の物質を装填した: 水 73kg、 水酸化ナトリウムの50%水溶液 13.1kg、 n−ペンタノール 1.2kg、 BTBACの50%水溶液 454g、 β型キナクリドン粗製顔料 9.1kg。 ミルを密封して35℃で全48時間回転させた。途中2
4時間目と36時間目とにおいて中間試料を採取した。
各試料の一部(1000g)を、さらに稀釈することな
く、2リットル容量フラスコに装填し、攪拌しながら8
0℃に加熱した。この際にペンタノールはこの装置へ還
流させた(冷却器)。4時間半後にフラスコを開き、そ
してさらに1時間半90℃に加熱してペンタノールを蒸
発させた。得られた顔料を濾過単離し、洗浄し、乾燥し
た。それらの顔料のマストーンのC.I.E.色度値を
アルコール摩砕対照と比較して(ワニス乾燥剤混合調合
物による)下記の数値を得た。 マストーン 水性摩砕サイクル(時間) ΔL ΔA ΔB ΔE 24 0.6 1.0 1.5 1.9 36 0.9 1.8 2.0 2.8 48 1.0 1.6 1.9 2.7 明度と彩度とが増加していることは、本発明による方法
が所望のマゼンタ顔料を与える潜在力と範囲とを有して
いることを示すものである。
【0032】実施例3 2リットル容のフラスコに実施例2の摩砕物1000g
を装填する。これを90℃まで加熱し、90℃に7時間
保持し、そして一晩放冷する。600mlの水を加え、そ
してこのスラリーを再度90℃まで加熱(開放系)して
ペンタノールを蒸発除去した(1時間半)。スラリーを
70℃に冷却し、濾過し、洗浄して乾燥した。得られた
生成物をアルコール摩砕した対照と比較評価した。自動
車用ハイソリッド型エナメル塗料系に配合した場合にお
いて下記の色度値を得た。 マストーン チ ン ト ΔL ΔA ΔB ΔE ΔL ΔA ΔB ΔE 1.4 2.0 3.8 4.5 0.6 1.2 3.1 3.3 アルコール摩砕生成物よりもより黄色味の強い素晴らし
いβ型キナクリドン顔料生成物を得た。
【0033】実施例4 実施例2の水性摩砕物の試料を、還流冷却器を具備した
容量に移し、80℃に加熱し、そしてこの温度に4時間
保持した。次に、試料1000gを1時間半加熱(開放
容器)してペンタノールを除去した。その後、濾過し、
洗浄し、乾燥した(実施例4A)。加熱試料の第2のバ
ッチを容器に移し、酸抽出のために、pHを1.5に調整
し、そして90℃において2時間ペンタノールを放逐し
た。このあと、スラリーを濾過し、洗浄し、乾燥した
(実施例4B)。練摩して、これら生成物のC.I.
E.色度値を、アルコール摩砕生成物と比較測定した結
果を下記に示す。 マストーン チント 試料 ΔL ΔA ΔB ΔE ΔL ΔA ΔB ΔE 実施例4A 0.4 1.4 2.5 2.8 -0.9 -0.4 0.4 1.0 実施例4B 0 0.4 2.4 2.4 -0.1 0.8 0.8 1.1
【0034】実施例5 実施例2と同様に水性摩砕を実施した。ただし今回は、
粗製β型キナクリドン9.1kgの代りに実施例1Aのミ
ル粉末11.4kgを使用し、摩砕サイクルを48時間か
ら16時間に変更し、また摩砕剤として0.3cm鋼球の
364kgの代りに1.6乃至2.5mm直径 ZrO2 SEP
R245kgを使用した。ミルスラリーを還流容器に移
し、そして90℃に加熱し、そしてこの温度に4時間保
持した。このあと、容器を大気に開放し、さらに1時間
半ペンタノールを放出させた。次いで顔料を単離し、洗
浄し、乾燥した。上記により鉄汚染のない(0.03%
Fe )顔料を得た。この顔料を練摩物としてアルコール
摩砕対照と比較測定した結果、下記のマストーン色度値
(C.I.E)を得た。 ΔL=0.3 ΔA=0.5 ΔB=0.9 Δ
E=1.1
【0035】実施例6(参考例) 還流冷却器を具備した1リットル容量フラスコに下記の
ものを装填した。 水 520g、 NaOHの50%水溶液 100g、 BTBACの50%水溶液 6.0g、 Triton X-100(Rohm & Haas 社) 2.0g。 50℃に加熱した後、アトライターミルで摩砕したβ型
キナクリドンのミル粉末67gを添加した。温度を95
℃に上げ、この温度に6時間保持した。スラリーを冷却
し、濾過し、洗浄水の電導度まで洗い、85℃において
乾燥した。この生成物をアルコール摩砕生成物対照と色
度に関して比較評価した。下記の結果を得た。 本実施例による生成物は対照に比較しても、また本発明
の方法によって製造された生成物に比較しても明度が低
く(暗い)、青味を帯びており、そして濃度も低かっ
た。本実施例は、本発明の方法とは相違して、相変換お
よび粒子サイズ成長促進量のアルコールを摩砕の際に使
用しない場合の例を参考的に示すものである。
【0036】実施例7 攪拌器、温度計および還流冷却器を具備した2リットル
容の四首丸底フラスコに下記のものを装填する。 水 375ml、 水酸化ナトリウムの50%水溶液 24g、 ベンジルブチルアンモニウムクロライドの50%水溶液 4.5g n−ペンタノール 12ml。 この混合物に、実施例1Aのミル粉末75gを添加す
る。この混合物全体をおだやかに攪拌しながら還流温度
(97℃)までゆっくりと加熱し、そして還流を4時間
続ける。フラスコの内容物を約80℃に冷却する。この
時点においてフラスコにさらに Dean-Stark 型水分離器
と蒸気導入管とを装着する。ペンタノールが蒸留をはじ
めるような速度で蒸気を通じる。 Dean-Stark 水分離器
を介して留出物を捕集し、水性相からn−ペンタノール
を分離してこれを回収する。回収されたペンタノールは
再使用することができる。すべてのペンタノールが回収
されたら蒸気蒸留は完了する。次に、得られた顔料スラ
リーを濾過し、濾液がpH7.5乃至8.0になるまで洗
浄する。顔料濾過ケーキを、湿分が1%以下となるま
で、80℃において乾燥する。しかして、新β型キナク
リドン59.8gを得る。この顔料の練摩物によるアル
コール摩砕生成物対照とのマストーン色度比較評価の結
果を下記に示す。
【0037】実施例8A 215リットル容量ボールミルにCyl-Pebs(直径1.6
cm,長さ1.9cmの細断鉄棒)455kgと100cmの釘
45kgとを装填した。このあと、粗製のβ型キナクリド
ンの11kgと硫酸ナトリウム(無水)3.6kgとを添加
し、このミルを40rpm .の速度で12時間回転させ
た。このあと、ミルを開いて内容物をスクリーンに通し
て排出した。
【0038】実施例8B 攪拌器、温度計および還流冷却器を具備した2リットル
容の四首丸底フラスコに下記のものを装填した。 水 375ml、 水酸化ナトリウムの50%水溶液 24g、 ベンジルブチルアンモニウムクロライドの50%水溶液 4.5g n−ペンタノール 12ml、 実施例8Aからのミル粉末 75g。 全混合物をおだやかに攪拌しながら還流温度(97℃)
までゆっくりと加熱し、そして還流を4時間続けた。フ
ラスコの内容物を70℃に冷却し、そして稀硫酸でpHを
1.4乃至1.5に調整した。蒸気を通じて温度を90
±2℃まで上げ、この温度に1時間保持する。この間
に、全部のペンタノールが留出された。次に、得られた
スラリーを濾過し、熱水でpH7.0まで洗浄し、そして
湿分が1%以下となるまで80℃で乾燥して、新規な改
質β型キナクリドンの59gを得た。この顔料の練摩物
によるアルコール摩砕生成物対照とのマストーン色度比
較評価の結果は下記のとおりであった。
【0039】実施例9 n−ペンタノールの代りにシクロヘキサノールの12ml
を使用して実施例7と同様に操作を実施した。下記のマ
ストーン色度比較評価値を示す顔料を得た。
【0040】実施例10 実施例7と同様に操作を実施した。ただし、今回は下記
量の成分を使用した。 ミル粉末 50g、 水 380ml、 50% NaOH 30.8g、 BTBAC 4g、 n−ペンタノール 10ml。 還流時間は4時間を8時間に変更した。下記のマストー
ン色度比較評価値を示す顔料を得た。
【0041】実施例11 実施例7と同様に操作を実施した。ただし、今回は下記
量の成分を使用した。 ミル粉末 50g、 水 380ml、 50% NaOH 37g、 BTBAC 4.5g、 ペンタノール 8ml。 還流時間は4時間を3時間に変更した。下記のマストー
ン色度比較評価値を示す顔料を得た。
【0042】実施例12 実施例7と同様に操作を実施した。ただし、今回は下記
量の成分を使用した。 ミル粉末 75g、 水 633ml、 50% NaOH 28g、 BTBAC 4.5g、 n−ペンタノール 12ml。 還流時間は4時間を2時間に変更した。下記のマストー
ン色度比較評価値を示す顔料が得られた。
【0043】以上から明らかなように、本発明は特定の
範囲の三次元色度座標値を有する所望のβ型キナクリド
ン顔料を製造するための新規な製造法を提供する。な
お、特許請求の範囲の記載によって定まる本発明の範囲
から逸脱することなく比率、手順、材料などについて各
種の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】新β型キナクリドン顔料のマストーンの空間色
度座標図表である。
【符号の説明】
CS(四角形) 本発明の方法によって製造される新β
型キナクリドンの座標値の範囲を示す。 CS’(点) 米国特許第4857646号明細書に
開示された新β型キナクリドンの座標(L=35.2、
A=38、B=10.9)を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シバクマー ビー.ヘンディ アメリカ合衆国,19702 デラウエア,ニ ューアーク,チャンブリィ コート 3 (72)発明者 ウォルター シー.ツコウスキー アメリカ合衆国,19808 デラウエア,ウ ィルミントン,グリーンウッド ドライヴ 406

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マストーンのC.I.E.値がL=33
    乃至36、A=34乃至40、B=8乃至15であるマ
    ゼンタ色のβ結晶相キナクリドンの製造方法において、
    粗製のβ相キナクリドンを、粗製キナクリドンの600
    乃至1400重量%の量の水ならびに有効的相変換およ
    び粒子成長促進量のアルコール、塩基および相間移動触
    媒の存在下において摩砕し、そして摩砕されたスラリー
    を高められた温度において加熱し、そしてマゼンタ色の
    β結晶相キナクリドンを単離する各工程を包含すること
    を特徴とする方法。
  2. 【請求項2】 アルコールがC4 −C8 −アルカノール
    またはC5 −C7 −シクロアルカノールである請求項1
    記載の方法。
  3. 【請求項3】 アルコールがペンタノール、ヘキサノー
    ルまたはシクロヘキサノールである請求項2記載の方
    法。
  4. 【請求項4】 塩基がアルカリ金属水酸化物または第四
    級アンモニウム水酸化物である請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 塩基が水酸化ナトリウムまたは水酸化カ
    リウムである請求項4記載の方法。
  6. 【請求項6】 相間移動触媒が第四アンモニウム塩であ
    る請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 粗製キナクリドンの重量を基準にして、
    アルコールが6乃至15重量%の濃度、塩基が50乃至
    120重量%の濃度、触媒が2乃至6重量%の量で存在
    する請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 単離前において、摩砕されたスラリーを
    70乃至97℃の温度において2乃至8時間加熱する請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 粗製β結晶相キナクリドンの乾式摩砕工
    程を、水と他の添加剤との存在下において湿式摩砕する
    工程に先行して行なう請求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 マストーンのC.I.E.値がL=3
    3乃至36、A=34乃至40、B=8乃至15である
    マゼンタ色のβ結晶相キナクリドンの製造方法におい
    て、粗製のβ相キナクリドンを乾式予備摩砕し、予備摩
    砕されたキナクリドンを予備摩砕されたキナクリドンの
    重量の500乃至800重量%の量の水ならびに有効的
    相変換および粒子成長促進量のアルコール、塩基および
    相間移動触媒の存在下において攪拌しながら還流させ、
    70乃至97℃の温度に1乃至8時間加熱し、そしてマ
    ゼンタ色のβ結晶相キナクリドンを単離する各工程を包
    含する方法。
  11. 【請求項11】 予備摩砕されたキナクリドンの重量を
    基準にして、アルコールが12乃至25重量%の濃度、
    塩基が15乃至40重量%の濃度、触媒が2.5乃至5
    重量%の量で存在する請求項10記載の方法。
  12. 【請求項12】 キナクリドンがマストーンのC.I.
    E.値がL=35乃至36、A=36乃至38好ましく
    はA=37乃至38、B=9乃至12好ましくはB=1
    0乃至11の値を有している請求項1または請求項10
    記載の方法。
  13. 【請求項13】 製造されたβ結晶相キナクリドンの粒
    子が約0.1μm を上まわる平均粒子サイズを有してい
    る請求項1または請求項10記載の方法。
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