JPH0679996A - 彫刻器の振動ペンの軸受構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ペン３を気体軸受５で保持することより交換
寿命の長い振動ペンの軸受構造を提供とする。 【構成】 ペンカバー４は側面に圧力ポート４Ａをも
ち、ホルダー１の端部に取り付けらる。気体軸受５はペ
ンカバー４内に取り付けられ、中心にペン２が入る穴５
Ａをもち、円周を均等に分割した角度で放射状に穴５Ａ
に貫通するオリフィス５Ｂを形成する。高圧空気１２を
圧力ポート４Ａに供給し、ペン２を気体軸受５で保持す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ペン先が高速で往復
運動するペン軸を金属などのワークの表面に一定の圧力
で接触するようにした彫刻器の振動ペンの軸受構造につ
いてのものである。

【０００２】

【従来の技術】次に、従来技術による振動ペンの構成を
図３により説明する。図３の１はホルダ、２はピスト
ン、３はペン、６はスリーブ、７はばね、８はペンカバ
ーである。図３では、ホルダ１内にピストン２が内蔵さ
れ、ピストン２にはピストンロッド２Ａの連結穴２Ｂが
あけられる。ホルダ１の端部にはペンカバー８が取り付
けられ、ペンカバー８の中心にはペン３が入る穴８Ａが
あけられる。ペン３の頭部３Ａとペンカバー８の間にば
ね７が保持される。ペン３の頭部３Ａとホルダ１の間に
はスリーブ６が入る。図３は、ホルダ内に圧縮空気１１
を送り、ピストン２を押し下げていく状態を示してい
る。

【０００３】図４は、圧縮空気１１の力で、ピストン２
が押し下げられ、ピストン２が下方に移動してきた状態
を示している。図４の状態になると、圧縮空気１１は連
結穴２Ｂから放出穴１Ａを通って、外部に放出される。
ピストン２への圧縮空気１１の力が弱まると、ピストン
２は同軸上に構成されたペン３に保持されたばね７の反
発力で上昇し、図３の状態に戻る。ピストン２の上下運
動に連動して、ペン３は上下運動を繰り返す。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】図３では、ペンカバー
８とペン３との間に潤滑油を塗布し、ペン３の摩耗を抑
え、ペン３の頭部３Ａとホルダ１の間にスリーブ６を設
け、ペン３を上下方向に案内している。しかし、ペン３
は高速で振動するため、図３の構造では摩耗でスリーブ
６の内径とペンカバー８の穴８Ａが大きくなり、ペン３
による文字品質が短期間で低下するという問題がある。
このため、スリーブ６とペンカバー８は短期間に交換す
る必要があった。この考案は、ペンを気体軸受で保持す
ることより交換寿命の長い振動ペンの軸受構造の提供を
目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、ホルダ１の端部に取り付けられ、側面に圧力ポート
４Ａをもつペンカバー４と、ペンカバー４内に取り付け
られ、中心にペン３が入る穴５Ａをもち、円周を均等に
分割した角度で放射状に穴５Ａに貫通するオリフィス５
Ｂが形成される気体軸受５とを備え、圧力ポート４Ａに
高圧空気１２を供給する。

【０００６】

【作用】次に、この発明による振動ペンの構成を図１に
より説明する。図１の４はペンカバー、５は気体軸受で
あり、その他は図３と同じものである。すなわち図１は
図３のペンカバーに気体軸受５を追加したものである。
図１では、ペンカバー４はホルダ１の端部に取り付けら
れ、側面に圧力ポート４Ａをもつ。気体軸受５はペンカ
バー４内に取り付けられ、中心にペン３が入る穴５Ａを
もつ。

【０００７】図２は図１のＡＡ断面図であり、図２で
は、気体軸受５の上端部に円周を４分割した角度で放射
状に穴５Ａに貫通するオリフィス５Ｂが４つ形成されて
いる。また、気体軸受５の下端部にも図２と同じ配置の
オリフィス５Ｂが形成される。図２では、圧力ポート４
Ａに高圧空気１２を供給すると、高圧空気１２はオリフ
ィス５Ｂを流れて、ペン３の周囲に高圧の空気膜を形成
する。オリフィス５Ｂより流れ出た高圧空気１２は潤滑
気体であり、静圧ラジアル気体軸受の構造となり、ペン
３の軸心を自動調芯する。したがって、スリーブ６とペ
ンカバー４の穴が摩耗しても、気体軸受５でペン３を保
持するので、交換する必要がない。

【０００８】

【発明の効果】この発明は、側面に圧力ポートをもつペ
ンカバーをホルダの端部に取り付け、中心にペンが入る
穴をもち、円周を均等に分割した角度で放射状に穴に貫
通するオリフィスが形成される気体軸受をペンカバー内
に取り付け、圧力ポートに高圧空気を供給しているの
で、ペンとペンカバーの摩耗が防げ、ペンの潤滑が不要
となり、ペンカバーとペンの寿命が長くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による振動ペンの構成図である。

【図２】図１のＡＡ断面図である。

【図３】従来技術による振動ペンの構成図である。

【図４】図３の状態変化図である。

【符号の説明】

１ ホルダ ２ ピストン ３ ペン ４ ペンカバー ４Ａ 圧力ポート ５ 気体軸受 ５Ａ 穴 ５Ｂ オリフィス １２ 高圧空気

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ホルダ(1) 内にピストン(2) を内蔵し、
   ピストン(2) を駆動することにより、ピストン(2) と連
   動するペン(3) をワークの表面で往復運動させて打刻す
   る振動ペンにおいて、 ホルダ(1) の端部に取り付けられ、側面に圧力ポート(4
   A)をもつペンカバー(4) と、 ペンカバー(4) 内に取り付けられ、中心にペン(3) が入
   る穴(5A)をもち、円周を均等に分割した角度で放射状に
   穴(5A)に貫通するオリフィス(5B)が形成される気体軸受
   (5)とを備え、圧力ポート(4A)に高圧空気(12)を供給す
   ることを特徴とする彫刻器の振動ペンの軸受構造。