JPH0678263B2 - 4―(パラフルオロベンゾイル)フェノール類の製造方法 - Google Patents

4―(パラフルオロベンゾイル)フェノール類の製造方法

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JPH0678263B2
JPH0678263B2 JP61152639A JP15263986A JPH0678263B2 JP H0678263 B2 JPH0678263 B2 JP H0678263B2 JP 61152639 A JP61152639 A JP 61152639A JP 15263986 A JP15263986 A JP 15263986A JP H0678263 B2 JPH0678263 B2 JP H0678263B2
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正弘 東條
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、耐熱性ポリマー用のモノマー、あるいは農
薬、医薬等の中間体として重要な4−(パラフルオロベ
ンゾイル)フエノール類の製造方法に関する。
(従来の技術および問題点) 4−(パラフルオロベンゾイル)フエノールの製法とし
て、パラフルオロ安息香酸とフエノールとを、大量のポ
リリン酸中で反応させる方法(特公昭50−4653号公
報)、大量の無水フツ化水素中で反応させる方法(特開
昭53−9735号公報)、大量のメタンスルホン酸中で反応
させる方法(特開昭57−154140号公報)、大量のトリフ
ルオロメタンスルホン酸中で反応させる方法(特開昭58
−62132号公報)が提案されているが、これらの方法で
は、パラフルオロ安息香酸が高価なことと、大量の強酸
を使用することと、さらには、脱水反応によつて生成し
た水により、これらの酸が希釈されてしまい、必要な酸
の濃度を保持するためには濃縮しなければならないが、
これらの酸と水との親和性が大きく、その分離が困難で
あることなどの欠点を有している。また、パラフルオロ
安息香酸クロリドとフエノールとのフリーデル・クラフ
ツ反応を行う方法(特開昭53−9735号公報、特開昭58−
15936号公報)も提案されているが、パラフルオロ安息
香酸クロリドはさらに高価なものである。
さらに、フツ化ベンゼンとパラヒドロキシ安息香酸と
を、無水フツ化水素−三フツ化ホウ素中で反応させる方
法(特開昭58−15936号公報)、大量のトリフルオロメ
タンスルホン酸中で反応させる方法(特開昭58−62132
号公報)も提案されているが、パラヒドロキシ安息香酸
が比較的高価な原料であることと、脱水反応によつて生
成してくる水とこれらの強酸との分離が、前述のように
困難なことなどの欠点を有している。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者らは、簡単な化合物であるフツ化ベン
ゼン、一酸化炭素、フエノール類から安価に、4−(パ
ラフルオロベンゾイル)フエノール類を製造する方法に
ついて鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至つ
た。
すなわち、本発明は、フツ化ベンゼン、一酸化炭素およ
びフエノール類から4−(パラフルオロベンゾイル)フ
エノール類を製造するに当り、 (a)臭素および/または分子状酸素と臭化水素とから
なるブロム化剤とフツ化ベンゼンとを反応させて、パラ
ブロモフルオロベンゼンを得るブロム化工程、 (b)該パラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触
媒および塩基の存在下に、一酸化炭素およびパラ位に置
換基を持たないフエノール類と反応させて、パラフルオ
ロ安息香酸フエニルエステル類を得るエステル化工程、
および (c)該パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸
触媒の存在下、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ
ール類に転位させる転位反応工程よりなることを特徴と
する4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類の製
造方法を提供することにある。
本発明の方法は、次のような反応式で表わされる。
(a) ブロム化工程 および/または (b) エステル化工程 (c) 転位反応工程 (式中、R1,R2,R3,R4は、それぞれ水素または低級アル
キル基、低級アルコキシ基、フツ素原子、ニトロ基、シ
アノ基から選ばれた置換基を表わし、これらは、それぞ
れが同じものであつてもよい。また、Baseとは塩基を表
わす。) 本発明のブロム化工程においては、ブロム化剤として臭
素、または分子状酸素と臭化水素を、それぞれ単独で、
または組み合わせて用いることができる。
臭素を用いるフツ化ベンゼンのブロム化反応は、気相、
液相いずれでもできるが、パラブロモフルオロベンゼン
を高選択率、高収率で得るためには、液相での反応がよ
り好ましい。そして、その液相ブロム化反応を実施する
際には、臭素1モル当り1.1〜10モルのフツ化ベンゼン
を用いることが好ましく、より好ましくは1.3〜5モル
のフツ化ベンゼンが用いられる。フツ化ベンゼンの使用
量が臭素1モル当り1.1モルより少いと、ジブロモフル
オロベンゼンやトリブロモフルオロベンゼンなどの多ブ
ロム化フルオロベンゼンの副生量が増したり、未反応の
臭素が残つたりして、パラブロモフルオロベンゼンの収
率や選択率が低下する。また、10倍モルより多くのフツ
化ベンゼンを用いることは、ブロム化反応自体は問題が
ないが、反応器が大きくなつたり、分離すべき未反応の
フツ化ベンゼンの量が多くなるので、好ましい方法では
ない。
また、パラブロモフルオロベンゼンの選択率を上げ、異
性体であるオルトブロモフルオロベンゼンやメタブロモ
フルオロベンゼン、あるいは多ブロム化フルオロベンゼ
ンの副生量を低くするためには、液相ブロム化反応はで
きるだけ低温で行うことが好ましい。このような意味で
は、反応は100℃以下の温度で行われるのが好ましく、
その範囲は−20〜100℃であり、より好ましくは−10〜8
0℃の範囲である。
この液相ブロム化反応は、無触媒でも実施できるが、触
媒を使用することも、反応温度を低下させてパラブロモ
フルオロベンゼンの選択率を向上させたり、反応速度を
上げたりできるので好ましい方法である。
このような触媒としては、鉄粉、塩化鉄、臭化鉄、水酸
化鉄などの鉄触媒;塩化アルミニウム、臭化アルミニウ
ムなどのアルミニウム触媒;ヨウ素などを用いることが
できる。特に好ましいのは鉄触媒である。
また、液相ブロム化反応においては、フツ化ベンゼン以
外の他の溶媒を用いずに実施することも好ましい方法で
あるが、必要に応じて溶媒を用いることもできる。この
ような溶媒としては、反応に悪影響を及ぼさないもので
あれば、どのようなものも使用できるが、例えば、酢
酸、プロピオン酸などの低級脂肪族カルボン酸類;四塩
化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエタ
ンなどの低級脂肪族ハロゲン化炭化水素類;エーテル、
ジオキサンなどのエーテル類;二硫化炭素などがあげら
れる。
この液相ブロム化反応は、回分式でも流通式でも実施で
きるが、反応系中では、臭素に対してフツ化ベンゼンが
当量より過剰に存在している状態で反応させることが重
要である。
このような臭素をブロム化剤とする液相ブロム化反応に
よつて、パラブロモフルオロベンゼンが臭素に対して80
%以上の収率および選択率で得られ、通常の場合、さら
に高い90%以上あるいは95%以上の収率および選択率が
達成できる。
また、分子状酸素と臭化水素をブロム化剤として使用す
るフツ化ベンゼンのオキシブロム化反応の場合も、気
相、液相のいずれでも実施できるが、生産性の高いこと
や爆発限界のことを考慮すれば、気相での反応がより好
ましい。
この気相オキシブロム化反応は、無触媒でも実施できる
が、パラブロモフルオロベンゼンの収率や選択率をより
向上させたり、反応温度を低下させたり、反応速度を向
上させる目的で、触媒を用いることがより好ましい方法
である。このような触媒としては、銅系触媒や鉄系触
媒、およびこれらを混合した触媒などが好ましく用いら
れるが、特に好ましいのは、銅を含有する固体触媒であ
る。このような銅系触媒としては、銅粉などの銅金属;
塩化銅、臭化銅、ヨウ化銅などのハロゲン化物類;硝酸
銅、硫酸銅、酢酸銅などの塩類;酸化第一銅、酸化第二
銅、硫化銅などの酸化物および硫化物類などの各種銅化
合物が用いられる。
これらの金属状銅または銅化合物は、単独でも用いるこ
ともできるが、例えば、活性炭、グラフアイト、シリ
カ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニア、
チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポリマ
ー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキユラーシー
ブ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担持
されたものであつてもよい。
また、銅を含有する固体触媒として、銅イオンでイオン
交換したゼオライトも好ましく用いられる。このような
銅イオン交換ゼオライトは、ゼオライトを銅イオンを含
む水溶液中に浸漬することによつて、ゼオライト中のナ
トリウムカチオンを所定量の銅カチオンで交換した後、
乾燥したものであつて、容易に得られるものである。銅
イオンの交換量は、イオン交換容量の5%以上であり、
より好ましくは10%以上である。なお、ここでいうイオ
ン交換容量とは、ゼオライトのアニオン部であるAlO4 -
と対をなすカチオン部の総量である。
このようなゼオライトとしては、Y型ゼオライト、モル
デナイト、ZSM−5などが好ましく用いられるが、特に
好ましいのはY型ゼオライトである。
この気相オキシブロム化反応の原料中のフツ化ベンゼン
の臭化水素に対するモル比は1.0〜10の範囲であり、よ
り好ましくは1.2〜8の範囲である、この比が1.0より小
さいと、未反応の臭化水素が残つたり、多ブロム化フル
オロベンゼンの副生量が増加するので好ましくない。ま
た、この比を10以上で実施することは、反応上は悪影響
はないが、パラブロモフルオロベンゼンの空時収率が低
下し、分離すべき未反応のフツ化ベンゼンの量が増える
ので好ましい方法ではない。
また、供給ガス中の分子状酸素の臭化水素に対するモル
比は0.5〜10の範囲であり、より好ましくは0.6〜5の範
囲である。この比が0.5より小さいと、未反応の臭化水
素が残るので好ましくない。また、10より大きくする
と、生成物の空時収率が低下するので好ましくない。
この分子状酸素とは、純酸素または酸素を含むものであ
つて、空気でもよいし、あるいは空気または純酸素に反
応を阻害しない他のガス、例えば、窒素、アルゴン、ヘ
リウム、炭酸ガスなどの不活性ガスを加えて希釈したも
のであつてもよい。
気相オキシブロム化反応の反応温度は、反応系を気相に
保てる温度であれば特に制限はないが、あまり高温にな
ると、パラブロモフルオロベンゼンの選択率や収率が低
下するため、通常は60〜400℃、好ましくは100〜300
℃、さらに好ましくは150〜250℃の範囲である。
気相オキシブロム化反応は、減圧、常圧、加圧のいずれ
かの圧力下でも実施できるが、通常、0.5〜10気圧、好
ましくは0.8〜5気圧の範囲で行われる。
このような気相オキシブロム化反応によつて、パラブロ
モフルオロベンゼンが臭化水素に対して、80%以上の収
率および選択率で得られ、通常の場合、さらに高い90%
以上の収率および選択率が達成できる。
気相オキシブロム化反応において、ブロム源として、臭
化水素のみでなく、臭化水素と臭素の混合物を用いるこ
とも、もちろん可能である。
臭素を用いるブロム化反応の場合、通常、臭化水素が副
生するので、この副生臭化水素をオキシブロム化反応に
使用することも好ましい方法である。この場合、副生臭
化水素を系外に取り出して、別のオキシブロム化反応装
置で反応を行うこともできるし、臭素を使うブロム化の
反応系内に酸化剤である分子状酸素や硝酸などを加える
ことによつて、オキシブロム化反応を併発させながら行
うこともできる。
もちろん、副生する臭化水素あるいはそれを塩の形でブ
ロム化反応の系外に取り出して、公知の方法で臭素とし
て回収することも可能である。
このようなブロム化反応によつて得られたブロム化フル
オロベンゼン混合物は、パラブロモフルオロベンゼンを
主成分とするものであるが、通常は少量のオルトブロモ
フルオロベンゼンを含んでいる場合があり、また、場合
によつては、微量のメタブロモフルオロベンゼンやジブ
ロモフルオロベンゼンを含んでいることもあるが、これ
らの副生物は必要に応じて蒸留および/または晶析等の
操作によつて除去することができる。
本発明のエステル化工程においては、ブロム化工程で得
られたパラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触媒
および塩基の存在下に、一酸化炭素およびフエノール類
と反応させて、パラフルオロ安息香酸フエニルエステル
類を得る。
カルボニル化触媒としては、パラジウム、ロジウム、ル
テニウム、白金、イリジウムなどの白金属元素を含む触
媒、あるいは鉄、コバルト、ニツケルなどの金属元素を
含む触媒が好ましく用いられる。特に好ましいのはパラ
ジウム触媒またはニツケル触媒である。パラジウム触媒
としては、成分としてパラジウム元素を含むものであれ
ば特に制限はなく、パラジウムが金属状態であつてもよ
いし、化合物を形成する成分であつてもよい。また、こ
のパラジウム成分が例えば、活性炭、グラフアイト、シ
リカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ−チタニ
ア、チタニア、ジルコニア、硫酸バリウム、炭酸カルシ
ウム、アスベスト、ベントナイト、ケイソウ土、ポリマ
ー、イオン交換樹脂、ゼオライト、モレキユラーシー
ブ、ケイ酸マグネシウム、マグネシアなどの担体に担持
されたものであつてもよい。
金属状態のパラジウムとしては、パラジウム金属、パラ
ジウム黒、パラジウムイオンを含む化合物を前記のよう
な担体に担持した後、水素やホルムアルデヒド、ヒドラ
ジンなどで還元処理したもの、およびパラジウムを含む
合金あるいは金属間化合物などが用いられる。合金ある
いは金属間化合物としては、例えば、セレン、テルル、
イオウ、アンチモン、ビスマス、銅、銀、金、亜鉛、ス
ズ、バナジウム、鉄、コバルト、ニツケル、水銀、鉛、
タリウム、クロム、モリブデン、タングステンなどを含
むものがあげられる。もちろん、これらの合金あるいは
金属間化合物が、前記のような担体に担持されたもので
あつてもよい。
一方、パラジウムを含む化合物としては、PdCl2,PdBr2,
PdI2,Pd(NO32,PdSO4などの無機塩類;Pd(OCOCH32,
シユウ酸パラジウムなどの有機酸塩類;Pd(CN)2;PdO;P
dS;M2〔PdX4〕,M2〔PdX6〕で示されるパラジウム酸塩類
(Mはアルカリ金属、またはアンモニウムイオンを表わ
し、Xはニトロ基、シアノ基、ハロゲン,NO3,1/2 SO4
を表わす);〔Pd(NH3〕X4、〔Pd(en)〕X2
どのパラジウムのアンミン錯体類(Xは上記と同じ意味
をもち、enはエチレンジアミンを表わす);PdCl2(PhC
N)2,PdCl2(PR32,Pd(CO)(PR33,Pd(PPh34,Pd
Cl(R)(PPh32,Pd(C2H4)(PPh32,Pd(C3H5
などの錯化合物または有機金属化合物類(Rはアルキ
ル、アリールなどの有機基を表わす);Pd(acac)
どのキレート配位子が配位した錯化合物類(acacはアセ
チルアセトンを表わす)などが用いられる。
また、本発明で用いられるニツケル触媒とは、成分とし
てニツケル元素を含むものであれば特に制限はなく、ニ
ツケルが金属状態であつてもよいし、化合物を形成する
成分であつてもよい。さらに、このニツケル成分が前記
のような担体に担持されたものであつてもよい。
一方、ニツケルを含む化合物としては、NiCl2、NiBr2
NiI2などのハロゲン化ニツケル類;NiSO4、Ni(N
O3、NiCO3、Ni(SCN)、Ni(ClO4などの無機
酸のニツケル塩類;Ni(OCOCH3、シユウ酸ニツケル
などの有機酸のニツケル塩類;酸化ニツケル;水酸化ニ
ツケル;硫化ニツケル;リン化ニツケル;M2〔NiX4〕、M
4〔NiX6〕で示されるニツケル酸塩類(Mはアルカリ金
属またはアンモニウムイオンを表わし、Xはニトロ基、
シアノ基、ハロゲン、NO3を表わす);〔Ni(NH3〕X2、〔Ni(Y)〕X2
〔Ni(Y)〕X2、〔Ni(py)〕X2などのニツケルの
アンミン錯体類(Xは上記と同じ意味をもち、Yはエチ
レンジアミン、ジエチレントリアミン、ビピリジン、フ
エナントロリンなどのキレート配位子を表わし、pyはピ
リジンを表わす);Ni(acac)などのキレート配位子
が配位した錯化合物類(acacはアセチルアセトンを表わ
す);Ni(CO)、Ni(CO)(PR3)、Ni(CO)(PR
3、NiX2(PR3、NiX(PR3、Ni(PR3、N
iXPh(PR3、Ni(RNC)、〔NiX(allyl)〕2Ni(C
5H5、Ni(CO)(C5H5、NiX(C5H5)(P
R3)、Ni(COD)、Ni(COD)(PR3)などの錯化合物
類または有機ニツケル化合物類(Rはアルキル、アリー
ルなどの有機基を表わし、CODはシクロオクタジエンを
表わす)などが用いられる。なお、これらの化合物の中
で或る種のものについては、水和物の形で用いてもよ
い。
これらのパラジウム触媒およびニツケル触媒は、1種だ
け用いてもよいし、2種以上を用いることもできる。
さらに、収率や選択率を向上させたり、反応速度を上げ
たり、反応温度を下げたりする目的で、他の化合物を添
加することもできる。このような化合物としては、例え
ば、一般式(I)で示されるようなホスフイン化合物が
あげられる。
PR′1R′2R′ (I) (式中、R′1,R′2,R′は水素、ハロゲン、脂肪族
基、脂環族基、芳香族基、芳香脂肪族基を表わし、これ
らは同じものであつてもよいし、また、リンを含む環を
構成する要素であつてもよい。) もちろん、このようなリンを1分子中に2個以上含むポ
リホスフイン化合物であつてもよい。
このようなホスフイン化合物としては、例えば、n−オ
クチルホスフイン、ジ−n−ブチルホスフイン、ジエチ
ルブチルホスフイン、トリ−n−プロピルホスフイン、
トリ−n−ブチルホスフインなどのアルキルホスフイ
ン、ジアルキルホスフインおよびトリアルキルホスフイ
ン類;シクロヘキシルホスフイン、ジシクロヘキシルホ
スフインなどの脂環族ホスフイン類;ベンジルホスフイ
ン、ジベンジルホスフイン、ジベンジルエチルホスフイ
ン、トリベンジルホスフインなどの芳香脂肪族ホスフイ
ン類;メチルフエニルホスフイン、エチルフエニルホス
フイン、ジメチルフエニルホスフイン、メチルジフエニ
ルホスフイン、メチルベンジルフエニルホスフイン、エ
チルジフエニルホスフイン、ジシクロヘキシルフエニル
ホスフインなどの混合ホスフイン類;フエニルホスフイ
ン、トリルホスフイン、ジフエニルホスフイン、トリフ
エニルホスフイン、トリストリルホスフイン、ジフエニ
ルトリルホスフインなどのアリールホスフイン、ジアリ
ールホスフインおよびトリアリールホスフイン類;ビス
(ジフエニルホスフイノ)メタン、ビス(ジフエニルホ
スフイノ)エタン、オルトフエニレンビス(ジエチルホ
スフイン、2,2′−ビス(ジフエニルホスフイン)−1,
1′−ビナフチルなどのジホスフイン類などが用いられ
る。
このようなホスフイン化合物は、1種類でもよいし、2
種以上混合して用いてもよい。このようなホスフイン化
合物の中で、特にトリアリールホスフインが好ましく用
いられる。トリアリールホスフインの中でも、入手の容
易さなどの理由でトリフエニルホスフインが特に好まし
く用いられる。
また、本発明で用いられる塩基としては、無機性、有機
性のいずれのものであつてもよい。このような塩基とし
ては、例えば、酸化リチウム、過酸化リチウム、酸化ナ
トリウム、過酸化ナトリウム、超酸化ナトリウム、酸化
カリウム、過酸化カリウム、三酸化二カリウム、超酸化
カリウム、酸化ルビジウム、過酸化ルビジウム、三酸化
二ルビジウム、超酸化ルビジウム、オゾン化ルビジウ
ム、酸化セシウム、過酸化セシウム、三酸化二セシウ
ム、超酸化セシウム、オゾン化セシウムなどのアルカリ
金属の酸化物類;酸化ベリリウム、酸化マグネシウム、
酸化カルシウム、過酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、過酸化ストロンチウム、酸化バリウム、過酸化バリ
ウムなどのアルカリ土類金属の酸化物類;水酸化リチウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化ルビジ
ウム、水酸化セシウム、水酸化ベリリウム、水酸化マグ
ネシウム、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、
水酸化バリウムなどのアルカリ金属およびアルカリ土類
金属の水酸化物類;炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸バリウム、
ケイ酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウム、アルミン酸カ
リウム、アルミン酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、ホ
ウ酸バリウム等の強塩基と弱酸の塩類;炭化カルシウ
ム、炭化セシウム等の炭化物類;水酸化アルミニウム、
水酸化カリウム、水酸化インジウム、水酸化タリウム、
酸化タリウム等のアルミニウム族金属の水酸化物および
酸化物類;酸化ランタン、酸化セリウム、水酸化セリウ
ム等の希土類元素の酸化物および水酸化物類;水素化リ
チウム、水素化ナトリウム、ホウ水素化ナトリウム、水
素化カルシウム、水素化リチウムアルミニウム等の水素
化物類;硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、硫化カ
リウム、硫化カルシウム等のアルカリ金属またはアルカ
リ土類金属の硫化物および硫化水素化物類;水酸化テト
ラエチルアンモニウム、水酸化テトラプロピルアンモニ
ウム等の水酸化第四級アンモニウム化合物類;水酸化メ
チルトリフエニルホスホニウム、水酸化テトラメチルホ
スホニウム等の水酸化第四級ホスホニウム化合物類;水
酸化トリエチルスルホニウム、水酸化トリフエニルスル
ホニウム等の水酸化第三級スルホニウム化合物類;酢酸
ナトリウム、安息香酸カリウム、シユウ酸ルビジウム、
プロピオン酸バリウム等の強塩基と弱有機酸との塩類;
ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、カルシ
ウムエチラート等のアルカリ金属およびアルカリ土類金
属のアルコラート類;ナトリウムフエノラート、カリウ
ムフエノラート、マグネシウムフエノラート等のアルカ
リ金属およびアルカリ土類金属のフエノラート類や、用
いる芳香族ヒドロキシ化合物のアルカリ金属塩類または
アルカリ土類金属類;リチウムアミド、ナトリウムアミ
ド、カルシウムアミド、リチウムジメチルアミド等のア
ルカリ金属およびアルカリ土類金属のアミド類;トリメ
チルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルアミ
ン、トリフエニルアミン、ジエチルメチルアミン、N,N
−ジエチルアニリン、N−メチルピペリジン、N,N′−
ジエチルピペラジン、N−メチルモルホリン、トリエチ
レンジアミン、ヘキサメチレンテトラミン、N,N,N,N′
−テトラメチルエチレンジアミン、ジシクロヘキシルエ
チルアミン、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、ピ
リジン、キノリン、フエナンスロリン、インドール、N
−メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,
0〕−ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアゾビシクロ−
〔4,3,0〕−ノネン−5(DBU)等の第三級アミン類や環
状含窒素化合物類(ただし、N−H基をもたないも
の);クラウンエーテル、アザクラウンエーテル、チア
クラウンエーテル、アザクラウンなどのクラウン化合物
類、およびこれらのクラウン化合物とアルカリ金属やア
ルカリ土類金属イオンなどとの錯体類などが用いられ
る。
さらに、これらの塩基性を示すグループが分子内に2個
以上あつてもよいし、例えば、水酸化第四級アンモニウ
ム基を有する陰イオン交換樹脂のようなポリマーの一部
を形成するものであつてもよい。また、これらの塩基性
物質または塩基性を有するグループが固体に担持された
り、化学的に結合されているものであつてもよい。これ
らの塩基は1種でもよいが、2種以上混合して用いても
よい。
本発明で用いられるパラ位に置換基を持たないフエノー
ル類とは、一般式 で示される化合物である(R1,R2,R3,R4は前述のとお
り)。
このようなフエノール類としては、例えば、フエノー
ル、クレゾール、ジメチルフエノール、トリメチルフエ
ノール、テトラメチルフエノール、エチルフエノール、
ジエチルフエノール、トリエチルフエノール、エチルク
レゾール、メトキシフエノール、エトキシフエノール、
ジメトキシフエノール、メトキシクレゾール、フルオロ
フエノール、ジフルオロフエノール、フルオロクレゾー
ル、ニトロフエノール、ジニトロフエノール、ニトロク
レゾール、シアノフエノール、ジシアノフエノール、シ
アノクレゾール、フルオロニトロフエノール、フルオロ
ニトロクレゾール、フルオロシアノフエノール、ニトロ
シアノフエノール、シクロヘキシルフエノール、シクロ
ヘキシルクレゾール、シクロヘキシルフルオロフエノー
ルなどが用いられる(ただし、置換フエノールの場合、
ヒドロキシル基に対してパラ位が置換されたものは除
く)。
このようなフエノール類のなかで、フエノールまたは2,
6−ジメチルフエノールが特に好ましく用いられる。
一酸化炭素は純一酸化炭素でもよいし、窒素、アルゴ
ン、ヘリウム、低級炭化水素などの反応に悪影響を及ぼ
さない他のガスで希釈されたものであつてもよい。一酸
化炭素は分圧で0.1〜300kg/cm2、好ましくは1〜200kg/
cm2の範囲で使用される。
エステル化工程を実施するに当り、カルボニル化触媒
は、その中に含まれる金属原子として、パラブロモフル
オロベンゼンに対して、通常、0.001〜1,000倍モルの量
で使用されるのが好ましい。
塩基は、生成する臭化水素を中和するのに必要な量を使
用するのが好ましいが、もちろん、これよりも少なくて
もよいし、多くてもよい。
また、ホスフイン化合物のような添加剤を用いる場合に
は、カルボニル化触媒中の金属原子に対して、通常、0.
01〜1,000倍モルの量で使用されるのが好ましい。
フエノール類は、パラブロモフルオロベンゼンに対して
少なくとも当量用いることが好ましい。また、過剰量の
フエノール類を用いることによつて溶媒とすることもで
きる。
このようにエステル化反応においては、特別に反応溶媒
を用いなくても実施できるが、必要に応じて反応に悪影
響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。このような
溶媒としては、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ペンタデカンなどの脂肪族炭化水素類;シ
クロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂肪族炭化
水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンな
どの芳香族炭化水素類;アセトニトリル、ベンゾニトリ
ルなどのニトリル類;スルホラン、メチルスルホラン、
ジメチルスルホランなどのスルホン類;テトラヒドロフ
ラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタンなどの
エーテル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケト
ン類;酢酸エチル、安息香酸エチルなどのエステル類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、ヘキサメチルホスホルアミ
ドなどのアミド類などがあげられる。
エステル化反応は、通常50〜350℃、好ましくは100〜30
0℃の範囲で、また、反応圧力は、通常1〜500kg/cm2
好ましくは5〜300kg/cm2の範囲で実施される。
このようなカルボニル化反応を行うことによつて、パラ
ブロモフルオロベンゼンのフツ素原子は置換されずに、
臭素原子のみがアリーロキシカルボニル基によつて置換
されたパラフルオロ安息香酸フエニルエステル類が、90
%以上の高収率および高選択率で得られることがわかつ
た。
また、エステル化工程で副生する臭化水素と塩基との塩
は、エステル化反応混合物を水洗するなどの方法によ
り、パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類から容易
に分離される。そして、この臭化水素と塩基との塩から
は、公知の方法によつて臭化水素と塩基として、または
臭素と塩基として、それぞれ容易に回収することがで
き、これらは、それぞれブロム化工程およびエステル化
工程に循環再使用することができる。
本発明の転位反応工程においては、エテル化工程で得ら
れたパラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸触媒
の存在下、転位反応を行なつて、目的とする4−(パラ
フルオロベンゾイル)フエノール類を得る。
転位反応工程において用いることのできる酸触媒として
は、実質的に水をほとんど含まないものであれば使用す
ることができるが、収率や選択率をできるだけ高くする
ために、ルイス酸および/または強酸性プロトン酸を用
いることが好ましい。
このようなルイス酸としては、ホウ素、アルミニウム、
ガリウム、インジウム、タリウム、スカンジウム、イツ
トリウムなどのIII属の元素のハロゲン化物類;ケイ
素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウムなどの
IV属の元素のハロゲン化物類;アンチモン、ビスマス、
バナジウム、ニオブ、タンタルなどのV属の元素のハロ
ゲン化物類、鉄、銅、亜鉛などの金属のハロゲン化物類
などが用いられる。
また、強酸性プロトン酸としては、無水フツ化水素;ト
リフルオロ酢酸、パーフルオロプロピオン酸などのフル
オロカルボン酸類;メタンスルホン酸、エタンスルホン
酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸類;フルオロ
スルホン酸、クロルスルホン酸、トリフルオロメタンス
ルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、パーフルオロ
エタンスルホン酸などのハロゲン化スルホン酸類、およ
びハロゲン化アルカンスルホン酸類などが用いられる。
また、固体酸である高シリカ含有ゼオライト、強酸性陽
イオン交換樹脂や、固体超強酸と呼ばれる酸類も本発明
の転位反応に用いることができる。
固体超強酸とは、100%硫酸よりも強い酸強度をもつ固
体状の強酸のことであり、このものとしては、例えばSb
F5、TaF5、BF3、CF3SO3H、SbF5−HF、SbF5−FSO3Hまた
はこれらの混合物などをSiO2−Al2O3、SiO2−TiO2、SiO
2−ZrO2、TiO2−ZrO2、Al2O3−B2O3、SiO2−WO3、HF−
ゼオライト、Al2O3、SiO2、グラフアイト、陽イオン交
換樹脂、活性炭、フツ素化グラフアイトなどの担持させ
たもの、フツ素化スルホン酸樹脂などを挙げることがで
きる。ここで、フツ素化スルホン酸樹脂とは、−CF2SO3
H基および/またはCFSO3H基を有する樹脂のことであ
る。
これらの酸は、単独で、あるいは2種以上を混合して用
いることができる。
また、この転位反応は無溶媒で行なつてもよいが、反応
に悪影響を及ぼさない溶媒を用いることもできる。この
ような溶媒としては、二硫化炭素;クロロホルム、塩化
メチレン、四塩化炭素、ジクロルエタン、トリクロロエ
タン、テトラクロロエタンなどのハロゲン化炭化水素
類;クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、ブロムベンゼ
ン、クロルナフタレンなどのハロゲン化芳香族炭化水素
類;ニトロベンゼン、ニトロトルエン、ニトロメタンな
どのニトロ化合物類などが用いられる。
この転位反応は、実質的に無水の条件下で行うことが好
ましい。反応系中に水が存在すると、パラフルオロ安息
香酸フエニルエステル類の加水分解が起り、目的とする
4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類の収率が
低下するからである。したがつて、酸触媒中の水分はも
ちろんのこと、溶媒を用いる場合は、溶媒中の水分率を
できるだけ低くしておくことが好ましい。
また、この転位反応を行う温度および反応時間は、用い
る触媒や溶媒の種類などの他の反応条件によつて異なる
が、通常−30〜250℃、好ましくは−20〜200℃の温度範
囲で、数分〜数十時間の範囲である。
このような転位反応を行うことによつて、パラフルオロ
安息香酸フエニルエステル類から高収率、高選択率で4
−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類が得られ
る。
(発明の効果) 本発明の方法により、フツ化ベンゼン、一酸化炭素およ
びフエノール類から高収率、高選択率で4−(パラフル
オロベンゾイル)フエノール類が製造できることが明ら
かとなつた。
(実施例) 以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明
は、これらの実施例に限定されるものではない。
実施例1 撹拌装置、温度計、液中まで延びた窒素導入口、冷却管
およびガス出口、液中まで導入口が延びている滴下ロー
トを備えた4つ口フラスコを用いて液相ブロム化反応を
実施した。フラスコ内にフツ化ベンゼン40g、鉄粉0.2g
を入れ、乾燥窒素を少しずつ流しながら、系を5〜10℃
に冷却した。撹拌下に、滴下ロートから臭素25gを徐々
に滴下した。臭化水素ガスの発生量がほぼ一定となるよ
うに臭素を加え、10〜15℃で反応させた。約30分を要し
た。次いで、40℃で約30分反応を続けた結果、臭素は完
全に消費された。
液相から未反応のフツ化ベンゼンを留去することによつ
て、ブロム化フルオロベンゼン混合物27.3gが得られ
た。ブロム化フルオロベンゼン混合物中の組成は、パラ
ブロモフルオロベンゼン98.5%、オルトブロモフルオロ
ベンゼン1.0%、メタフルオロブロモベンゼン0.5%であ
つた。このブロム化フルオロベンゼン混合物から晶析操
作によつて分離されたパラブロモフルオロベンゼンを用
いて、次のエステル化工程を行なつた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、フエノール11.3g、
トリ−n−ブチルアミン22.2g、塩化パラジウム40mg、
トリフエニルホスフイン0.4gをオートクレーブに入れ、
オートクレーブの内部を一酸化炭素で置換した後、一酸
化炭素を30kg/cm2に圧入した。撹拌下に200℃で2時間
反応させた後、冷却し、反応液を分析した結果、パラブ
ロモフルオロベンゼンの反応率は99%で、パラフルオロ
安息香酸フエニルエステルが収率98%、選択率99%で得
られた。
エステル化反応混合物を減圧蒸留することによつて得ら
れたパラフルオロ安息香酸フエニルエステルを用いて、
次の転位反応工程を行なつた。
パラフルオロ安息香酸フエニル10.8g、トリフルオロメ
タンスルホン酸22gをフラスコに入れ、撹拌下45〜50℃
で2時間反応させた。その後、大部分のトリフルオロメ
タンスルホン酸を減圧下に留去した後、反応混合物を冷
水に入れた。生成した白色結晶を別して減圧下に乾燥
して分析した結果、4−(パラフルオロベンゾイル)フ
エノールが収率96%、選択率96%で得られたことがわか
つた。
未反応のフツ化ベンゼンおよびパラブロモフルオロベン
ゼンは、それぞれ回収されてブロム化工程およびエステ
ル化工程に循環再使用できるので、本実施例は、反応し
たフツ化ベンゼンを基準として4−(パラフルオロベン
ゾイル)フエノールが収率93.6%、選択率93.6%で得ら
れたことを示している。
実施例2 Y型ゼオライトのナトリウムイオンの約65%を2価の銅
イオンで交換して調製した銅−Y型ゼオライトを触媒と
して充填した内径1.5cmのガラス製の反応管の上部か
ら、臭化水素ガス、分子状酸素、フツ化ベンゼン、およ
び希釈剤としての窒素を導入することでフツ化ベンゼン
の気相オキシブロム化反応を行なつた。
供給原料組成は、モル比でフツ化ベンゼン/HBr/O2/N2
2/1/1/3で、フツ化ベンゼン基準のWHSVは10hr-1、常圧
下、190〜200℃の温度で反応を行い、定常状態になつた
後、反応生成物を分析した結果、臭化水素の反応率は10
0%で、フツ化ベンゼンの反応率は49%であり、ブロム
化フルオロベンゼン混合物中の組成は、モル%でパラブ
ロモフルオロベンゼン93.1%、オルトブロモフルオロベ
ンゼン2.7%、メタブロモフルオロベンゼン3.0%、ジブ
ロモフルオロベンゼン1.2%であつた。
このブロム化フルオロベンゼン混合物から蒸留および晶
析によつて得られたパラブロモフルオロベンゼンを用い
て、次のエステル化反応を行つた。
パラブロモフルオロベンゼン17.5g、2,6−ジメチルフエ
ノール14.6g、トリ−n−ブチルアミン22.2g、パラジウ
ム黒25mg、トリフエニルホスフイン0.4gを用い、実施例
1のエステル化工程と同様な方法で230℃で2時間反応
させた結果、パラフルオロブロムベンゼンの反応率は9
8.2%で、パラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフエニル
エステルが収率97.0%、選択率98.8%で得られた。
このパラフルオロ安息香酸2,6−ジメチルフエニルエス
テル19.5g、メタンスルホン酸76gをフラスコに入れ、撹
拌下に150℃で1.5時間反応させた後、減圧下に大部分の
メタンスルホン酸を留去した。次いで、反応混合物を冷
水に入れ、生成してくる白色結晶を別し、減圧下に乾
燥した。この白色結晶は、4−(パラフルオロベンゾイ
ル)−2,6−ジメチルフエノールであり、その収率は97
%で、選択率は99%であつた。
未反応のフツ化ベンゼンおよびパラブロモフルオロベン
ゼンは、それぞれに回収されてブロム化工程およびエス
テル化工程に循環再使用できるので、本実施例は、反応
したフツ化ベンゼンを基準として4−(パラフルオロベ
ンゾイル)−2,6−ジメチルフエノールが収率89.2%、
選択率91.1%で得られたことを示している。
実施例3 ブロム化工程を第1図に示すような連続反応装置を用い
て、臭素による液相ブロム化反応と、その時に副生して
くる臭化水素による気相オキシブロム化反応を連続的に
実施した。
液相ブロム化反応装置第1槽(1)は5〜10℃、第2層
(2)は20〜25℃、第3槽(3)は40〜45℃に保たれて
おり、平均滞留時間は、それぞれ40分となるように、フ
ツ化ベンゼンと臭素をモル比3対1の割合で第1槽
(1)に導入した。触媒はFeBr3がフツ化ベンゼンに対
して0.1モル%となるように添加されていた。
第3槽(3)からオーバフローで流出してくる液相反応
混合物は、蒸留装置(4)に導き、塔頂よりフツ化ベン
ゼンを、塔中段よりモノブロモフルオロベンゼンを回収
し、塔底より多ブロム化フルオロベンゼンと触媒を分離
した。
塔頂より回収されたフツ化ベンゼンの一部と、液相ブロ
ム化反応で生成した臭化水素ガスは、気相オキシブロム
化反応器(5)の上部から酸素および窒素と共に導入さ
れている。そのモル比は、フツ化ベンゼン/HBr/O2/N2
1.2/1/0.8/3となるように調整されており、反応混合物
は蒸留装置(6)に導き、分離されている。気相オキシ
ブロム化反応装置には、実施例1で用いたのと同じCu2+
イオン交換Yゼオライトが充填されており、反応温度19
0〜200℃、WHSV 7 hr-1で反応が行われた。
液相ブロム化反応で得られたブロム化フルオロベンゼン
中のモノブロモフルオロベンゼンの選択率は99%であ
り、モノブロモフルオロベンゼン中のパラ体は97%、オ
ルト体2%、メタ体1%であつた。また、気相オキシブ
ロム化反応で得られたブロム化フルオロベンゼン中のモ
ノブロモフルオロベンゼンの選択率は97%であり、モノ
ブロモフルオロベンゼン中のパラ体は94%、オルト体2
%、メタ体4%であつた。
このブロム化フルオロベンゼン混合物から、蒸留および
晶析によつて得られたパラブロモフルオロベンゼンを用
いて、次のエステル化工程を行つた。
パラフルオロブロムベンゼン17.5g、フエノール11.3g、
トリ−n−ブチルアミン22.2g、ニツケルアセチルアセ
トナートNi(acac)21.2g、トリフエニルホスフイン2.6
gをオートクレーブに入れ、オートクレーブの内部を一
酸化炭素で置換した後、一酸化炭素を50kg/cm2に圧入し
た。撹拌下に210〜230℃で2時間反応させた後、冷却
し、反応液を分析した結果、パラフルオロブロムベンゼ
ンの反応率は95%で、パラフルオロ安息香酸フエニルエ
ステルが収率88.4%、選択率93%で得られた。
エステル化反応混合物を減圧蒸留することによつて得ら
れたパラフルオロ安息香酸フエニルエステルを用いて、
次の転位反応工程を行つた。
パラフルオロ安息香酸フエニルエステル15g、液状無水
フツ化水素150gを還流冷却器付ポリエチレン製フラスコ
に入れ、撹拌下0〜10℃で6時間反応させた。反応後、
系を20〜40℃に上げ、無水フツ化水素を蒸留によつて回
収した。得られた残渣を少量の希アルカリ水および蒸留
水で洗浄した後、減圧下に乾燥した。生成物を分析した
結果、パラフルオロ安息香酸フエニルエステルの反応率
は67%で、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール
が収率66.3%、選択率99%で生成していた。異性体であ
る2−(パラフルオロベンゾイル)フエノールは1%し
か検出されなかつた。
未反応のフツ化ベンゼン、パラブロモフルオロベンゼン
およびパラフルオロ安息香酸フエニルエステルは、それ
ぞれ回収されて、ブロム化工程、エステル化工程および
転位反応工程に循環再使用できるので、本実施例は、反
応したフッ化ベンゼンを基準として、4−(パラフルオ
ロベンゾイル)フエノールが収率87.2%、選択率87.2%
で得られたことを示している。
また、無水フツ化水素の回収率は98%であつた。
実施例4 実施例1のブロム化反応工程と同様な方法により、臭素
とフツ化ベンゼンとの液相ブロム化反応によつて得られ
たパラブロモフルオロベンゼンを用いて、次のエステル
化工程を行つた。
パラフルオロブロムベンゼン17.5g、2,6−ジメチルフエ
ノール14.6g、ピリジン10g、酢酸パラジウム60mg、トリ
ス(4−メチルフエニル)ホスフイン0.3gをオートクレ
ーブに入れ、実施例1と同様な方法により反応を行つた
結果、パラフルオロ安息香酸−2,6−ジメチルフエニル
エステルが収率96%選択率98%で得られた。
次いで、このパラフルオロ安息香酸−2,6−ジメチルフ
エニルエステル12.2g、無水塩化アルミニウム7.3g、乾
燥オルトジクロルベンゼン70mlをフラスコに入れ、150
℃で撹拌下に4時間反応させた。反応後、オルトジクロ
ルベンゼンを減圧下で留去、残渣に塩酸水溶液を入れ撹
拌した。次いで、酢酸エチルで抽出を行い、抽出液から
酢酸エチルを留去することによつて、4−(パラフルオ
ロベンゾイル)−2,6−ジメチルフエノールを収率94%
で得た。反応したフツ化ベンゼン基準の収率は90.7%で
あつた。
実施例5 実施例3の方法で得られたパラブロモフルオロベンゼン
を用いて、次のエステル化工程を行つた。パラブロモフ
ルオロベンゼン17.5g、フエノール11.3g、トリエチルア
ミン12.2g、カーボンにパラジウム5w%を担持した5%P
d/C1.06g、トリフエニルホスフイン0.67gをオートクレ
ーブに入れ、オートクレーブの内部を一酸化炭素で置換
した後、一酸化炭素を50kg/cm2圧入した。撹拌下に170
℃で2時間反応させた後、冷却し、反応混合物にベンゼ
ンを加え、Pd/Cとトリエチルアミンの臭化水素塩を別
し、液成分を分析した結果、パラフルオロ安息香酸フエ
ニルが収率99%、選択率99%で生成していた。
このエステル化反応混合物を含む液からベンゼンを留
去した後、減圧蒸留を行うことによつてパラフルオロ安
息香酸フエニルエステル20.6gを得た。
このパラフルオロ安息香酸フエニルエステル17.3g、メ
タンスルホン酸50g、トリフルオロメタンスルホン酸1g
をフラスコに入れ、撹拌下100℃で30分間反応させた
後、メタンスルホン酸およびトリフルオロメタンスルホ
ン酸の大部分を減圧下に留去した。次いで、反応混合物
を冷水に入れ、生成してくる白色結晶を別し、減圧下
に乾燥した。4−(パラフルオロベンゾイル)フエノー
ルが収率96%、選択率96%で得られた。反応したフツ化
ベンゼン基準の収率は90%であつた。
本発明の好ましい実施態様は次のとおりである。
(1)ブロム化工程を臭素による液相ブロム化反応で実
施する特許請求の範囲記載の方法。
(2)ブロム化工程を分子状酸素と臭化水素を用いる気
相オキシブロム化反応で実施する特許請求の範囲記載の
方法。
(3)ブロム化工程を、臭素による液相ブロム化反応
と、分子状酸素と臭化水素を用いる気相オキシブロム化
反応を併用することで実施する特許請求の範囲記載の方
法。
(4)フエノール類がフエノールまたは2,6−ジメチル
フエノールである特許請求の範囲記載の方法。
(5)カルボニル化触媒がパラジウム触媒またはニツケ
ル触媒である特許請求の範囲記載の方法。
(6)酸触媒がルイス酸および/または強酸性プロトン
酸である特許請求の範囲記載の方法。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明のブロム化工程の連続流通反応装置の
一例を示す模式図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フツ化ベンゼン、一酸化炭素およびフエノ
    ール類から4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール
    類を製造するに当り、 (a)臭素および/または分子状酸素と臭化水素とから
    なるブロム化剤とフツ化ベンゼンとを反応させて、パラ
    ブロモフルオロベンゼンを得るブロム化工程、 (b)該パラブロモフルオロベンゼンをカルボニル化触
    媒および塩基の存在下に、一酸化炭素およびパラ位に置
    換基を持たないフエノール類と反応させて、パラフルオ
    ロ安息香酸フエニルエステル類を得るエステル化工程、
    および (c)該パラフルオロ安息香酸フエニルエステル類を酸
    触媒の存在下、4−(パラフルオロベンゾイル)フエノ
    ール類に転位させる転位反応工程よりなることを特徴と
    する4−(パラフルオロベンゾイル)フエノール類の製
    造方法。
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