JPH0678201B2

JPH0678201B2 - ピレスロイド系殺虫組成物用効力増強剤

Info

Publication number: JPH0678201B2
Application number: JP60198053A
Authority: JP
Inventors: 達栄伊藤; 重正青木; 潤一郎目崎; 昭西村
Original assignee: Earth Chemical Co Ltd
Current assignee: Earth Corp
Priority date: 1985-09-06
Filing date: 1985-09-06
Publication date: 1994-10-05
Anticipated expiration: 2009-10-05
Also published as: JPS6256401A

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、ピレスロイド系殺虫組成物用効力増強剤に関
する。

［従来の技術］従来より、ゴキブリなどのほふく害虫に対して各種のシ
ート状の殺虫剤が使用されている。それらの剤型は、殺
虫性有効成分を紙、不織布、高分子樹脂製のシート、フ
ィルムあるいは積層シーなどに単に処理したものが一般
的であるが、マイクロカプセルを利用したものや高分子
樹脂に練りこんでシート状に加工したものもある。

［発明が解決しようとする問題点］しかしながら、それらのシート状殺虫剤は、ゴキブリな
どのほふく害虫に対して、満足できる効果を有していな
いのが実情である。

その原因としては、使用する殺虫性有効成分の毒性や臭
いが強かったり高価なため、充分な殺虫効果をうるのに
必要な量使用することができないことがあげられる。

たとえば、有機リン系殺虫性有効成分では毒性が強く悪
臭もあり、またカーバイト系殺虫性有効成分では毒性が
強く、さらにピレスロイド系殺虫性有効成分では高価な
ため、いずれも充分な殺虫効果をうるために必要なな量
殺虫性有効成分を使用した殺虫剤を製造することができ
ない。すなわち、満足できるような殺虫効果を発現させ
るために殺虫性有効成分を多く使用すると、安全性やコ
ストの面で問題が生じるのである。

本発明は、前記のごとき実状に鑑み、殺虫性有効成分の
使用量が少なくても充分な殺虫性を発現するほふく害虫
殺虫組成物に用いる浸透助剤を開発することを目的とす
るものである。

［問題点を解決するための手段］本発明は、殺虫性有効成分と特定の化合物とを併用する
ことにより、これらを基材に処理したばあいに基材に凹
凸のある表面積の大きい状態で付着しやすくなり、ほふ
く害虫へ接触しやすくなり、ほふく害虫への殺虫性有効
成分の付着率や吸収性が著しく改善され、その結果とし
て殺虫性有効成分の使用量が少ないばあいでも顕著なな
殺虫効果がえられることが見出されたことによりなされ
たものであり、ほふく害虫に対して効力増強作用を有す
る融点または凝固点が30〜100℃である有機アルコー
ル、有機酸、有機エステル、有機ケトン、有機エーテ
ル、アルキルベンゼン、またはラック（ただし、ワック
スは含まない）を有効成分とするピレスロイド系殺虫組
成物用効力増強剤に関する。

［実施例］本発明のピレスロイド系殺虫組成物用効力増強剤とは、
ピレスロイド系殺虫性有効成分と混合したばあいに殺虫
性有効成分のほふく害虫に対する付着率や吸収性が著し
く改善され、その殺虫効果が該化合物と併用しないばあ
いと比較して著しく改善されるために使用される成分で
ある。

前記効力増強剤は、融点または凝固点が30〜100℃、好
ましくは30〜85℃である有機アルコール、有機酸、有機
エステル、有機ケトン、有機エーテル、アルキルベンゼ
ンまたはセラックを主成分とするものであり、ほふく害
虫に対して、後述する実施例に示すように、効力増強作
用を呈するものである。

なお、主成分とするとは、一部不純物などが含まれてい
ても効力増強剤としての効果を示すものは本発明の効力
増強剤に含むという意味である。

前記効力増強剤の具体例としては、以下の化合物があげ
られるが、これらに限定されるものではない。またこれ
らは単独で用いてもよく、２種以上併用してもよい。

前記効力増強剤が浸透性を改善するピレスロイド系殺虫
性有効成分の具体例としては、たとえばピレトリン、ア
レスリン、ペルメトリン、レスメトリン、フラメトリ
ン、テトラメスリン、フェノトリン、スミサイジン、フ
ェノトリン、プロパスリン、エンペンスリンなどがあげ
られるが、これらに限定されるものではない。これらは
単独で用いてもよく、２種以上併用してもよい。

前記殺虫性有効成分と効力増強剤とからほふく害虫殺虫
組成物が調製されるが、これらのほかに一般に使用され
る共力剤、酸化防止剤、殺菌剤、防黴剤、溶剤（結晶軟
化剤）、忌避剤、着香料、着色料などを添加してもよ
い。

前記共力剤としては、たとえばピペロニルブトキサイ
ド、サイネピリン222、サイネピリン500など、酸化防止
剤としては、たとえばBHT、BHA、トコフェロール、γ−
オリザノール、アスコルビン酸など、殺菌剤としては、
たとえばイルガサンDP−300、サリチル酸、PCMXなど、
防黴剤としては、たとえばプリベントールA₃、A₄、BC
A、TBZなど、溶剤としては、たとえば液状のプラスチッ
ク可塑剤、炭化水素、油脂、液状高級アルコールなど、
忌避剤としては、たとえばN,N−ジエチル−ｍ−トルア
ミド、2,3,4,5−ビス（△_２−ブチレン）−テトラヒド
ロフルフラール、ジ−ｎ−プロピルイソシンコメロネー
ト、ジブチルサクシネート、２−ヒドロキシエチルオク
チルサルファイドなどがあげられるが、これらに限定さ
れるものではない。

前記殺虫性有効成分と効力増強剤との使用割合は、それ
らを保持する基材により変化するので適用対象に応じて
適宜決定すればよく、通常基材1m²当り殺虫性有効成分
が0.05〜5g、好ましくは0.05〜3g、効力増強剤が0.05〜
10g、好ましくは0.1〜63使用される。

前記のごとき基材としては、たとえばポリエチレン、ポ
ロプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル、ナイロ
ンなどから製造された合成樹脂シートやフィルムや不織
布、ゴム製のシート、合成紙、動植物製または無機製の
繊維体シート（紙、布、皮革など）、それらの混合シー
トまたは混紡布、上記合成樹脂やゴムと動植物製繊維と
の混紡布または不織布、アルミニウム、銅、ステンレス
などの金属の箔ないしフィルム、上記各種シートの積層
シートなどが例示されうる。また、前記基材のかわり
に、床や戸、家具などを形成する基材や壁、たたみなど
に直接処理してもよい。

前記ほふく害虫殺虫組成物を基材に処理する方法にはと
くに限定はなく、基材に所定量処理しうる方法であれば
いかなる方法も採用しうる。

前記処理方法の具体例としては、たとえば殺虫組成物を
適当な溶媒に溶解せしめたり、界面活性剤を使用して乳
化分散せしめたりしたものを基材に含浸、塗布、滴下、
印刷などの方法により処理すればよい。もちろん基材全
体に殺虫組成物を処理することは必ずしも必要でなく、
基材の一部に印刷などの上記方法により処理してもよ
い。さらに殺虫組成物をエアゾール製剤として、床面、
壁面などにスプレー処理してもよい。

このようにて製造した殺虫組成物処理基材は、該基材が
紙のばあいにはたたみやカーペットなどの下に敷く紙、
壁紙などの内装用の紙、冷蔵庫や家具、押入れなどの下
に敷く紙などとして使用することができ、床や壁などを
構成する基材に処理したばあいにはそのまま床や壁など
として使用することができ、これらの処理基材を使用す
ることによりゴキブリなどのほふく害虫を少量の殺虫性
有効成分でで効果的に殺虫することができる。

つぎに本発明のピレスロイド系殺虫組成物用効力増強剤
を実施例に基づきさらにくわしく説明するが、本発明は
これらに限定されるものではない。

実施例１〜79および比較例１〜７常温で固体の第１表に示す化合物（供試化合物）を用い
たばあいの殺虫増強剤効果をクロゴキブリを用いてつぎ
の方法により調べた。すなわち、、供試化合物4g/m²、
ペルメトリン1g/m²となるようにこれらを含むアセトン
溶液を角型ろ紙（30×38cm）に含浸させた。この紙より
若干大き目のバットに該ろ紙をセットし、クロゴキブリ
が逃亡しないようにし、クロゴキブリの成虫雄雌各５匹
を入れ、10分間ろ紙に接触させた。そののち薬剤に汚染
されていない飼育容器にに移し、エサと水を与え、48時
間後の致死数を観察した。これを10回くりかえした。

えられた結果をつぎの基準により判定し、第１表に示し
た。

（殺虫効果）＋＋＋＋：致死数90％以上＋＋＋：〃 70〜90％未満＋＋：〃 40〜70％未満＋：〃 10〜40％未満 ±：〃１〜10％未満 −：〃１％未満比較として常温で固体の化合物を用いないばあい、常温
で液体の化合物のばあいについて試験した。結果を第１
表に示す。

第１表の結果から、本発明の効力増強剤を用いたほふく
害虫殺虫組成物物を用いたばあいには、常温で液体の化
合物を用いたばあい、常温で固体の化合物を用いないば
あいよりも明らかに優れた殺虫効果を示していることが
わかる。

実施例80〜89および比較例８〜９第２表に示す供試化合物4g/m²、ペルメトリン1g/m²とな
るようにこれらを含むアセトン溶液を円形ろ紙（φ9c
m）に処理し、シャーレ（φ9cm）にセットした。このシ
ャーレに、ジンサンシバンムシ20匹を入れ、10分間接触
させた。そののち薬剤に汚染されていない飼育容器に移
し、エサを与え、48時間後の致死数を観察した。これを
10回くりかえした。

えられた結果を第１表と基準に従い判定し、第２表に示
した。

実施例90〜95および比較例10〜11 第３表に示す供試化合物２部（重量部、以下同様）、ペ
ルメトリン0.5部およびlsopar E（エッソ化学社製）50
部をエアゾール容器に入れ、フロン11、フロン12の1:1
混合物50部を充填し、エアゾール剤の形態の組成物をえ
た。

えられたエアゾール剤をベニヤ板（30×38cm）に、実施
例１と同量になるように処理した。溶剤が揮散したのち
実施例１と同様にして10回、チャバネゴキブリに対する
殺虫試験を行なった。

えられた結果を第１表と基準に従い判定し、第３表に示
した。

実施例96および比較例10 第４表に示す供試化合物4g/m²と第４表に示す殺虫性有
効成分（アレスリン、レスメトリン、テトラメスリン、
フェノトリン）1g/m²となるように、これらを含む混合
物を角型ろ紙（30×38cm）に処理し、実施例１と同様に
して10回、クロゴキブリに対する殺虫試験を行なった。

えられた結果を第１表と同様な基準に従い判定し、第４
表に示した。

実施例97 セチルアルコール2g、ステアリン酸ステアリン1g、ペル
メトリン0.8gおよびイルガサンDP−300（バイエル社
製）0.2gをアセトン130mlに溶解し、これをクラフト紙
（坪量78g/m²、大昭和製紙（株）製）1m²全面に処理
し、殺虫シートを作製した。

実施例98 ミリスチン酸0.5g、ケイ皮酸シンナミル1g、フタル酸ジ
フェニル0.5gおよびレスメリンリf1gをアセトン150mlに
溶解し、これを不織布（ミキロンMPH70、坪ン70g、三木
特殊製紙（株）製）1m²全面に処理し、殺虫シートを作
製した。

実施例99 カルナバロウ0.3g、ミリスチン酸ミリスチル1.5g、ステ
アリルアルコール0.5g、パルミチン酸ステアリル0.7g、
サイフェノトリンF0.7g、ニッコールMYS−25（日光ケミ
カルズ（株）製）0.3g、BHT0.2gおよび水35.8gで乳化分
散物を作り、これをホリラミネート紙（片面PEコート、
紙は両更クラフト紙、坪量50g/m²）の紙の面に処理、乾
燥し、殺虫シートを作製した。

［発明の効果］本発明の効力増強剤を用いると殺虫性有効成分の殺虫効
果が増強せしめられるため、、殺虫性有効成分の使用量
が少なくても充分な殺虫効果がえられる。それゆえ安全
性が高く、臭気も少なく、かつ安くゴキブリなどのほふ
く害虫を殺虫することができる。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献特開昭53−115817（ＪＰ，Ａ) 特開昭49−92235（ＪＰ，Ａ) 特公昭38−17700（ＪＰ，Ｂ１) 特公昭38−18400（ＪＰ，Ｂ１) 特公昭45−4520（ＪＰ，Ｂ１)

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ほふく害虫に対して効力増強作用を有する
融点または凝固点が30〜100℃である有機アルコール、
有機酸、有機エステル、有機ケトン、有機エーテル、ア
ルキルベンゼンまたはセラック（ただし、ワックスは含
まない）を有効成分とするピレスロイド系殺虫組成物用
効力増強剤。