JPH0677515B2 - 食品の保存料および食品の保存方法 - Google Patents

食品の保存料および食品の保存方法

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JPH0677515B2
JPH0677515B2 JP63227509A JP22750988A JPH0677515B2 JP H0677515 B2 JPH0677515 B2 JP H0677515B2 JP 63227509 A JP63227509 A JP 63227509A JP 22750988 A JP22750988 A JP 22750988A JP H0677515 B2 JPH0677515 B2 JP H0677515B2
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food
protamine
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foods
antibacterial activity
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JP63227509A
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正美 篠原
俊昭 中瀬
亨 明石
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Riken Vitamin Co Ltd
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Riken Vitamin Co Ltd
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  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は魚介類の精巣から抽出精製されたプロタミンと
特定の炭素塩類を併用した食品保存料及びそれを用いる
食品の保存方法に関するものである。
〔従来の技術〕
近年流通機構の発達により、かつては店頭売りされてい
た豆腐,こんにゃく,ところ天をはじめ山菜,竹の子な
どの水煮したものなど調理加工済みの食品を水あるいは
水溶液と共にプラスチックの容器あるいは袋に入れ、簡
易包装された状態で販売される様になった。
これらの食品の多量の水を含む為非常に腐敗し廉く、通
常低温で流通され又ある場合には日配の様な手段をとる
ことにより食品の変敗を防ぐことも行なわれている。こ
の様な食品の保存性を高める方法として有機酸の添加に
より水溶液のpHを下げる方法、砂糖あるいは食塩を多量
に加えて水分活性を下げる方法などは食品そのものの風
味をそこなう為採用できない。
又現在使用が許可されている合成保存料はその対象とな
る食品が限定されており、又消費者も合成保存料を添加
した食品に対しあまり良いイメージを持っていない。こ
のため、天然物を中心とした食品保存料の開発が強く望
まれている。
天然物の中には弱いながらもある種の抗菌作用のある物
質は多く報告されており、あるものは既に商品として市
販されている。しかしそれらはいずれも原料由来の味,
臭い,色などを有しており、必ずしも満足できるもので
はない。
〔発明が解決しようとする課題〕
最近鮭の白子から抽出・精製されたプロタミンの抗菌活
性が注目されるようになった。プロタミンの抗菌活性に
関しては細菌、とりわけグラム陽性桿菌に対し抗菌力を
有すること、その抗菌力はpHがアルカリ側の方が効果の
発現性が高いこと、及び媒体中の成分、特に蛋白質によ
り影響されることなどが既によく知られている。ところ
が実際の食品のほとんどは弱酸性であり、又蛋白質が存
在する為、プロタミン単独では有効でなく、その為各種
のアミノ酸,有機酸,アルコール,食品用乳化剤その他
と組み合せにより保存料としての効果を高めようとする
試みがなされている。
そこで発明者等はその保存状態から判断して非常な腐敗
し易いにもかかわらず、これまで特別に有効な方法がと
れらない食品、一例をあげればパック豆腐の如きもの、
の保存方法について検討した結果、魚介類の***核中に
含まれるプロタミンが有効ではないかという現象を握ん
だ。
しかし実験室において微生物汚染に細心の注意を払って
行った実験ではプロタミンを顕著な抗菌力を示すが、実
際の食品製造の場をかりて行った実験ではほとんど抗菌
力が認められない。プロタミンの抽出・精製の原料とな
る白子は大部分が廃棄処分されており未利用の資源とし
てこれの高度利用が強く望まれている。
プロタミンは他の天然物系の抗菌剤とは異なり、比較的
無味,無臭に近くこの天からは非常に有望であるが、実
際の食品系は弱酸性のものがほとんどである上、多かれ
少なかれ蛋白質を含んでおり、従ってプロタミンの抗菌
力を発現させる為にはこの2点について有効な解決策を
考えねばならない。
〔課題を解決するための手段〕
食品の保存料としてプロタミンを使用するにはまず蛋白
質の共存しないような状態、あるいは共存しても蛋白質
が既に加熱あるいは他の調理方法により変性しておりプ
ロタミンと作用しないと考えられる状態が好ましい。
本発明者等はこの件に関しては実際の食品系では前者の
ような例は特別なもの以外は無いと考え、後者の使い方
を鋭意検討の結果、ホットパック豆腐,こんにゃく,と
ころ天をはじめ山菜類,竹の子などの水煮にみられるよ
うな流通・販売の形態として水あるいは水溶液中に調理
済みの食品を封入してある食品に着目した。
更にもう一つの問題点であるプロタミンが酸性域では抗
菌力が低下することについても、プロタミンと同時にナ
トリウムあるいはカリウム塩を適当量加えることにより
その系をアルカリ性にすることで解決できる。
プロタミンがアルカリ性で抗菌力が強まることはすでに
知られているが、通常の食品では食品の製造時に添加す
ると、その食品そのものの物性に悪影響を及ぼす為、実
際には行なわれることは考えられなかった。
本発明になる方法では食品の外側をつつむ水にプロタミ
ンとアルカリ性化合物を同時に溶解し、食品そのものに
影響が出ない程度に弱アルカリ性程度に保つことにより
プロタミンの抗菌力も十分発現できる。
更に本発明者等がアルカリ性の系でプロタミンを存在さ
せると抗菌力が増すこと以外に、実験を重ねる中で特定
のアルカリ性化合物の存在下でプロタミンの抗菌力が飛
躍的に増すことを見出した。
本発明でいうプロタミンとは、さけ,ます,にしん,さ
ば,たら,いか,ほたて貝などの白子から得られ、通常
そのままでは水に難溶性のため、塩酸塩あるいは硫酸塩
の形で使用してもよい。又その製法に関しては通常行な
われている方法でよい。
本発明でいう炭酸塩とは「炭酸カリウム」「炭酸ナトリ
ウム」「炭酸水素ナトリウム」を示すが、これらに限定
するものでなく水に溶解時アルカリ性を呈するならばど
れでも良い。炭酸塩の添加量はプロタミン1重量に対し
0.01〜3000部、好ましくは0.05〜600部程度が良い。
保存料製剤としての水に対する添加量は、プロタミンと
して0.005〜15部の濃度となるのが好ましいが、食品に
及ぼす風味やその他の影響を与える場合この濃度に限定
するものでない。
本発明でいう水溶液と共に充てんされた形態の食品と
は、豆腐,竹の子水煮,山菜水煮,こんにゃく,ところ
天など、容器の中に水を共存させて流通販売される食品
をいうがこれらの食品だけに限定するものでない。
〔実施例〕
以下実施例にて詳細を説明する。
実施例1 実施に絹ごし豆腐を製造している工場において次の実験
を行った。
A.通常の工程で製造され、水道水を加えてホットパック
包装された豆腐 B.水道水の代りにプロタミン塩酸塩0.3%の水道水溶液
を加えた後ホットパック包装された豆腐。
C.水道水の代りにリン酸三ナトリウムを溶解してpH8.0
に調節した弱アルカリ性水道水溶液を加えたもの。
D.水道水の代りに炭酸水素ナトリウムを溶解してpH8.0
に調節した弱アルカリ性水道水溶液を加えたもの。
E.プロタミン0.3水道水溶液にリン酸三ナトリウム結晶
を微量添加・溶解しpH8.0に調節した溶液を水道水の代
りに加えたホットパック豆腐。
F.プロタミン0.3水道水溶液に炭酸水素ナトリウム結晶
を微量添加・溶解しpH8.0に調節した溶液を水道水の代
りに加えたホットパック豆腐。
以上の条件で作製した豆腐各8丁を冷蔵庫(10℃)に保
存し、経日的にとりだし食品衛生法に準じて一般生菌数
を計測した。結果を第1図に示す。
実施例2 約2.5〜3kgのたけのこの先端を斜めに切り落し、たけの
こが充分かぶる量の水でゆでる。この際水の1割程度の
米ぬかを加える。ゆで終ったらそのまま放冷する。次に
皮をむき、十分に水洗いした後約100gの重さに切り分け
以下の実験に用いた。
A.水道水200mlと切断したたけのこ1個(約100g)をポ
リプロピレン製の袋に入れ、上部の空気抜きをした後ゴ
ム輪で口を閉じ沸騰水中で1時間加熱した。
B.水道水の代りにプロタミン塩酸塩0.2%水道水溶液を
加え同様に処理した。
C.水道水の代りに水酸化ナトリウム水道水溶液(pH8.
5)を加え、同様に処理したもの。
D.水道水の代りに炭酸カリウムと炭酸ナトリウムと炭酸
水素ナトリウムの割合が11:2である中華麺用のかん水を
溶解した水道水溶液(pH8.5)を加え同様に処理したも
の。
E.プロタミン0.2%水溶液に水酸化ナトリウムを微量添
加・溶解しpH8.5に調節した水道水溶液を水道水の代り
に加え同様に処理したもの。
F.プロタミン0.2%水溶液に上記Dで用いたかん水を微
量加えpH8.5に調節した溶液を水道水の代りに加え、同
様に処理したもの。
以上の条件で各8個づつの竹の子水煮をつくり、25℃の
恒温器に保存し、経日的にとりだし味,色,臭いの有無
及び竹の子の形くずれ等について官能的に評価した。表
1にその結果を示す。
〔発明の効果〕 以上の様にそのもの単品では複雑な食品の系で十分な抗
菌力を発現し得ないプロタミンを、「炭酸ナトリウム」
「炭酸カリウム」及び「炭酸水素ナトリウム」の1種以
上と組み合せることで特異的な抗菌性の増強を確認し
た。このことは従来廃棄されていた資源の有効利用とな
るばかりでなく、従来有効な保存方法がとられていなか
った食品の保存期間の延長も可能となり生産者・消費者
いずれにも利益をもたらすものである。
特に豆腐,竹の子水煮,こんにゃく,ところ天,山菜水
煮などの食品では保存料水溶液中に浸漬した状態で流
通,販売することでシェルフライフの延長が可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明品と比較品の一般生菌数と保存期間との
関係を示した図表である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸カリウム,炭酸ナトリウム及び炭酸水
    素ナトリウム等の各種炭酸塩のうちの1種以上とプロタ
    ミンを併用することを特徴とする食品の保存料。
  2. 【請求項2】成型後請求項1記載の保存料を含む水溶液
    と共に充てん包装された形態で流通販売されることを特
    徴とする食品の保存方法。
JP63227509A 1988-09-13 1988-09-13 食品の保存料および食品の保存方法 Expired - Lifetime JPH0677515B2 (ja)

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