JPH0676523B2 - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物

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JPH0676523B2
JPH0676523B2 JP17602287A JP17602287A JPH0676523B2 JP H0676523 B2 JPH0676523 B2 JP H0676523B2 JP 17602287 A JP17602287 A JP 17602287A JP 17602287 A JP17602287 A JP 17602287A JP H0676523 B2 JPH0676523 B2 JP H0676523B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプライマーを使用しなくともクロロプレン系二
液混合タイプの接着剤との密着性がすぐれたプロピレン
系重合体組成物に関する。さらにくわしくは、プライマ
ーを使用しなくともクロロプレン系二液混合タイプの接
着剤との密着性がすぐれているばかりでなく、剛性,耐
衝撃性などの機械的特性が良好であるプロピレン系重合
体組成物に関する。
〔従来の技術〕
プロピレン系重合体は周知のごとく、成形性がすぐれて
いるのみならず、機械的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐油
性および耐薬品性のごとき特性が良好であるため、広く
工業的に製造され、自動車、電機器具、電子機具などの
部品および日用品として多方面にわたって利用されてい
る。しかし、分子内に極性基を有さない(いわゆる非極
性)のみならず、ほとんどの有機溶剤に対する溶解性が
極端に低いため、種々の接着剤(接着材)との密着性が
非常に乏しい。これらのことから、種々の点について問
題がある。これらの問題について、一例として自動車の
内装材の一部であるドアライニングについて説明する。
ドアライニングは通常塩ビレザーが使われており、この
塩ビレザーにポリプロピレンフオーム,ポリエチレンフ
オーム,ポリウレタンフオームなどがラミネートされた
物が使用されているが、塩ビレザーは、剛性が低いた
め、そのままでは使用できず、ライニング材としての剛
性を高めるために基材としてアクリロニトリル−ブタジ
エン−スチレン三元共重合樹脂(ABS樹脂)の成形品や
木粉などの充填剤を配合させたポリプロピレン樹脂のボ
ードと接着剤を介在させ、接着させて用いられている。
しかしながら、近年、自動車の軽量化,コストダウン志
向の下で、ABS樹脂や充填剤含有ポリプロピレン樹脂の
かわりに、安価であり、かつ成形加工性が良好なポリプ
ロピレン樹脂(プロピレン系重合体)が使われるように
なってきている。
しかしながら、前記のごとくプロピレン系重合体は分子
内に極性基を有さないために化学的に極めて不活性な高
分子物質であるため、塩ビレザーと接着するにあたり、
あらかじめ成形物(ドアライナー基材)にプロピレン系
重合体と接着可能なプライマーを下塗りするか、あるい
はプラズマ処理,コロナ放電処理,紫外線照射処理など
の前処理を施してから接着剤を塗布し、塩ビレザーを接
着させているのが現実である。そのために生産工程に時
間がかかり、コスト高となっている。
そのほかの自動車内装材、たとえばインストルメントパ
ネル,ピラー,天井材,アームレスト,その他のライニ
ング類を製造するさいにも、プロピレン系重合体を使用
し、塩ビレザーを接着するさいにも以上と同様な問題が
ある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
以上のことから、本発明はこれらの問題点(欠点)がな
く、すなわち煩雑な操作が必要である前処理を必要とせ
ず、接着剤との密着性が良好であるばかりでなく、成形
性もすぐれており、しかもプロピレン系重合体が有する
機械的特性(たとえば、耐衝撃性,剛性)についても同
等であり、さらに成形物の外観もすぐれているプロピレ
ン系重合体組成物を得ることである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明にしたがえば、これらの問題点は、 (A)メルトフローインデックス〔JIS K7210にしたが
い、条件が14で測定、以下「MFR(1)」と云う〕が0.0
1〜100g/10分であるプロピレン系重合体, (B)酢酸ビニルの共重合割合が5.0〜50重量%である
エチレン−酢酸ビニル共重合体 ならびに (C)(1)プロピレン系重合体 100重量部に (2)「分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、
かつヒドロキシル基を含有する有機化合物」(以下「ヒ
ドロキシル系化合物」と云う)0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物 0.01〜10重量部を処理させること
によって得られる変性プロピレン系重合体 あるいはこれらと (D)充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体および変性プロピレン系
重合体の合計量中に占める組成割合は、エチレン−酢酸
ビニル共重合体が5.0〜30重量%であり、変性プロピレ
ン系重合体が5.0〜40重量%であるが、結晶性プロピレ
ン系重合体が少なくとも40重量%であり、かつ全組成物
中の酢酸ビニルに由来する単位は2.5〜10重量%であ
り、しかも前記重合体の合計量100重量部に対する充填
剤の組成割合は多くとも40重量部であるプロピレン系重
合体組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)結晶性プロピレン系重合体 本発明において使用される結晶性プロピレン系重合体は
プロピレンを主成分とする重合体であり、プロピレン単
独重合体ならびにプロピレンとエチレンおよび/または
他のα−オレフィンとのランダムおよびブロック共重合
体が好んで用いられる。ランダムおよびブロック共重合
体中のエチレンおよびα−オレフィンの共重合割合は合
計量として多くとも20重量%であり、15重量%以下が好
ましく、特に10重量%以下が好適である。また、他のα
−オレフィンとしては、炭素数が4〜12個のα−オレフ
ィンが望ましく、とりわけ4〜8個のα−オレフィンが
好適である。好適なα−オレフィンとしては、ブテン−
1、ヘプテン−1、4−メチルペンテン−1およびヘキ
セン−1があげられる。
該プロピレン系重合体のMFR(1)は0.01〜100g/10分で
あり、0.01〜80g/10分のものが好ましく、特に0.1〜70g
/10分のものが好適である。
MFR(1)が0.01g/10分未満のプロピレン系重合体を用
いると、混練性がよくない。一方、100g/10分を越えた
プロピレン系重合体を使用すると、組成物の耐衝撃性が
よくない。
(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体 さらに、本発明において用いられるエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体中の酢酸ビニルの共重合割合は、5.0〜50重
量%であり、特に5.0〜40重量%が好ましい。酢酸ビニ
ルの共重合割合が5.0重量%未満のエチレン−酢酸ビニ
ル共重合体を使用すれば、改質の効果が満足すべきもの
ではないから望ましくない。一方、酢酸ビニルの共重合
割合が50重量%を越えたエチレン−酢酸ビニル共重合体
を使った場合、組成物の物性が低下するのみならず、層
剥離などを生じるため好ましくない。該エチレン−酢酸
ビニル共重合体のメルトフローインデックス〔JIS K721
0にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR(2)」と云
う〕は、一般には0.1〜200g/10分であり、0.1〜150g/10
分が望ましく、とりわけ0.5〜100g/10分が好適である。
MFR(2)が0.01g/10分未満のエチレン−酢酸ビニル共
重合体を用いるならば、混練性がよくない。一方、200g
/10分を超えたエチレン−酢酸ビニル共重合体を使うな
らば、組成物の機械的強度がよくない。
(C)変性プロピレン系重合体 本発明の変性プロピレン系重合体は後記のプロピレン系
重合体にヒドロキシル系化合物および有機過酸化合物を
処理させることによって得られるものであり、その製造
方法については特開昭58−154732号公報明細書に詳細に
記載されている。
(1)プロピレン系重合体 該プロピレン系重合体としてはエチレンとプロピレンと
のブロック共重合体ならびにプロピレンと炭素数が多く
とも12個の他のα−オレフィンとのブロック共重合体
(α−オレフィンの共重合割合は多くとも20重量%)が
あげられる。このプロピレン系重合体のMFR(1)は成
形性、得られる組成物の機械的特性などの点から、通常
0.01〜100g/10分であり、0.01〜50g/10分が好ましく、
特に0.02〜50g/10分のものが好適である。
(2)ヒドロキシル系化合物 また、ヒドロキシル系化合物は少なくとも一個の不飽和
結合(二重結合、三重結合)を有し、かつヒドロキシル
基を含有する化合物である。この代表的なものとして
は、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するア
ルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換
二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸と非
置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコー
ルとのエステルおよび非置換五価以上アルコールとのエ
ステルがあげられる。
(3)有機過酸化物 さらに、有機過酸化物は一般にラジカル重合における開
始剤および重合体の架橋剤として使われているものであ
り、1分間の半減期が100℃以上のものが好ましく、と
りわけ130℃以上のものが好適である。上記の温度が100
℃以下のものでは、その取り扱いが難しいばかりでな
く、使用した効果もあまり認められないから望ましくな
い。
(4)混合割合 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するにあたり、
100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロキシル
系化合物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.05〜10
重量部が好ましく、特に0.1〜7.0重量部が好適である。
100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロキシル
系化合物の混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改
良効果が不十分である。一方、10重量部以上使用したと
しても、使用量に応じた密着性の改良効果が認められ
ず、むしろプロピレン系重合体が有する本来の特性がそ
こなわれるために好ましくない。
また、100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過
酸化物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.05〜7.0
重量部が望ましく、とりわけ0.1〜5.0重量部が好適であ
る。100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過酸
化物の混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改善効
果が低いばかりでなく、混合物の密着強度の耐久性も低
下する。一方、10重量部を超えると、該重合体が有する
本来のすぐれた機械的特性が低下するため、いずれの場
合でも望ましくない。
(5)変性プロピレン系重合体の製造方法 本発明の変性プロピレン系重合体を製造するには、以上
のプロピレン系重合体、ヒドロキシル系化合物および有
機過酸化物を以上の混合割合で処理(加熱)させること
によって製造することができる。このさい、プロピレン
系重合体、ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物を
混合させながら処理してもよいが、あらかじめこれらを
ドライブレンドで混合するか、または比較的低温(ヒド
ロキシル系化合物が反応しない温度)で混練し、得られ
る混合物を後記のごとく加熱させることによって得られ
る。
処理を高い温度で実施すると、プロピレン系重合体が劣
化することがある。しかし、使用されるプロピレン系重
合体とヒドロキシル系化合物とがグラフト重合するため
に用いられる有機過酸化物が分解する温度で実施しなけ
ればならない。以上のことから、使われる有機過酸化物
の種類によって異なるが、この処理は一般には180〜300
℃(好ましくは、200〜280℃)において実施される。
前記ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物の一般式
や代表例ならびに混合方法おおび処理方法などについて
は特開昭58-154732号公報明細書に詳細に記載されてい
る。
本発明のプロピレン系重合体組成物を製造するには以上
の結晶性プロピレン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共
重合体および変性プロピレン系重合体を後記の組成割合
で均一に混合することによって得ることができるけれど
も、これらの重合体にさらに後記の充填剤を配合させて
も組成物を得ることができる。
(D)充填剤 また、本発明において使われる充填剤は一般に合成樹脂
およびゴムの分野において広く使われているものであ
る。これらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸素
および水と反応しない無機化合物であり、混練時および
成形時において分解しないものが好んで用いられる。該
無機充填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛および
ニッケルのごとき金属、これらの金属およびマグネシウ
ム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニウム、モリ
ブデン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの金属の酸化
物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸
塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこれらの混合
物に大別される。該無機充填剤の代表例は特願昭59−85
35号明細書に記載されている。これらの無機充填剤のう
ち、粉末状のものはその径が30ミクロン以下(好適には
10ミクロン以下)のものが好ましい。また繊維状のもの
では、径が1〜500ミクロン(好適には1〜300ミクロ
ン)であり、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のも
のが望ましい。さらに、平板状のものは径が30ミクロン
以下(好適には10ミクロン以下)のものが好ましい。こ
れらの無機充填剤のうち、特に平板状(フレーク状)の
ものおよび粉末状のものが好適である。好適な無機充填
剤としては、タルク、マイカ、シリカ、ガラス繊維、グ
ラファイトなどがあげられる。
また、有機充填剤としては、木粉、有機繊維、わら、も
みがら、ピーナッツのからなどがあげられる。
木粉は通常12メッシュパスのものであり、特に45メッシ
ュパス以下の平均粒径を有するものが好ましい。なお、
この木粉の木の種類は特に限定されるものではない。
また、有機繊維は、羊毛などの動物繊維、綿、ジュー
ト、パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロ
ン、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維な
どの合成繊維である。該有機繊維の長さおよび平均径は
最終的に得られるポリプロピレン組成物の用途、混合条
件などによって異なるから、一概に規定することができ
ないが、一般的には平均径の範囲が3〜500ミクロン、
平均の長さが0.1〜6mmであるものが適当である。
そのほか、わらについては混合性の点から、有機繊維と
同様な平均径および長さを有するように裁断されて使用
される。
また、もみがら、ピーナッツのからは前記の木粉ように
破砕されて用いられる。
(E)組成割合 本発明の組成物において、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン−酢酸ビニル共重合体および変性プロピレン系
重合体の合計量中に占めるエチレン−酢酸ビニル共重合
体の組成割合は5.0〜30重量%であり、5.0〜25重量%が
好ましく、特に10〜25重量%が好適である。エチレン−
酢酸ビニル共重合体の組成割合が5.0重量%未満では、
得られる組成物の接着剤との密着性がよくない。一方、
30重量%を超えるならば、機械的強度(とりわけ剛性)
がよくない。
また、変性プロピレン系重合体の組成割合は5.0〜40重
量%であり、5.0〜35重量%が望ましく、とりわけ5.0〜
30重量%が好適である。変性プロピレン系重合体の組成
割合が5.0重量%未満では、密着性の改良効果が乏し
い。一方、40重量%を超て配合すれば経済上問題とな
る。
さらに、結晶性プロピレン系重合体の組成割合は少なく
とも40重量%であり、45重量%以上が好ましく、特に50
重量%以上が好適である。結晶性プロピレン系重合体の
組成割合が40重量%未満では、得られる組成物の機械的
強度がよくない。
また、充填剤を配合する場合、結晶性プロピレン系重合
体、エチレン−酢酸ビニル共重合体および変性プロピレ
ン系重合体の合計量100重量部に対して多くとも40重量
部であり、0.5〜40重量部が望ましく、とりわけ1.0〜35
重量部が好適である。前記の重合体の合計量100重量部
に対して充填剤を40重量部を超えて配合すると、成形性
が悪いばかりでなく、接着性が低下し、しかも耐衝撃性
がよくない。
また、全組成物中の酢酸ビニルに由来する単位の割合は
2.5〜10重量%である。全組成物の酢酸ビニルに由来す
る単位の割合が2.5重量%未満では、得られる組成物の
密着性がよくない。一方、10重量%を超えると、組成物
の機械的強度(とりわけ、剛性)がよくない。
(F)混合物の製造 本発明の混合物を製造するには、前記結晶性プロピレン
系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体および変性プ
ロピレン系重合体あるいはこれと充填剤を均一に結合す
ればよい。このさい、必要に応じて、オレフィン系重合
体に一般に使われている酸素、光または熱に対する安定
剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤および
顔料のごとき添加剤を添加してもよいことはもちろんの
ことである。
該組成物を得るには、タンブラー、リボンブレンダーお
よびヘンセルミキサーのごとき混合機を使ってドライブ
レンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえば、
バンバリーミキサー)を用いて混練りすることができる
が、前記したごとく連続式混合機を使用して連続的に混
練りすることもできる。また、これらの方法を併用する
(たとえば、ドライブレンドした後、連続的に混練りす
る)ことによってさらに均一に混合することもできる。
(G)成形方法 このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成形
され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に行
なわれている射出成形法、押圧成形法などの成形方法に
よって所望の成形物に製造される。
前記の組成物を製造するさいに溶融混練する場合でも、
成形する場合でも、使われる重合体の融点よりも高い温
度であるが、熱分解しない温度である。これらのことか
ら、一般には180〜300℃(好適には、200〜280℃)で実
施される。
〔作用〕
本発明の組成物において、前記変性プロピレン系重合体
中のグラフトしたヒドロキシル系化合物がプロピレン系
重合体またはその成形物の表面に極性基に富んだ化学的
に活性サイトを与え、かつ接着剤との相溶性が向上した
結果、プライマーを使用しなくても接着性の向上という
効果が得られると考えられる。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、曲げ弾性率はASTM
D790にしたがって測定し、アイゾット衝撃強度はASTM
D256にしたがって測定した。また、室温接着性は射出成
形によって作成した平板試験片(厚さ3mm、140×140m
m、シボ加工品)にクロロプレン系二液混合タイプ溶剤
型接着剤(日立化成ポリマー社製、商品名 ハイポン
XA322−10)をスプレーし、100〜150g/m2になるように
均一に塗布し、80℃の温度にて5分間乾燥した後、あら
かじめ140℃にて3分間加熱した塩化ビニル樹脂(PVC)
のシート(プロピレン系樹脂のフオームプライマーコー
ト品がラミネートしてあるもの)のプロピレン系樹脂の
フオーム面と相互に貼り合わせ、加熱プレス機を使って
(平板試験片側を50℃、PVCシート側を150℃)圧力が1k
g/cm2で30秒間圧着した。ついで、恒温室(温度23℃、
相対湿度65%)中で48時間放置した。得られた試験片を
25mm幅に切断し、試験片の樹脂部よりPVCシートを強制
的に剥離させた後、残りの密着部を引張試験機を用いて
200mm/分の速度でPVCシートに対して逆方向(180度)に
引張り、剥離強度を測定することによって求めた。さら
に、耐熱接着性は前記のようにして圧着によって得られ
た試験片を80℃に調整した恒温室に300時間放置し、80
℃の温度において前記と同様に引張り、剥離強度を測定
することによって求めた。
なお、実施例および比較例において使った結晶性プロピ
レン系重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、変性プ
ロピレン系重合体および充填剤の物性を下記に示す。
〔(A)結晶性プロピレン系重合体〕
結晶性プロピレン系重合体として、MFR(1)が10g/10
分であり、かつエチレンの共重合割が18重量%であるエ
チレン−プロピレンブロック共重合体〔以下「PP
(A)」と云う〕、MFR(1)が45g/10分であり、かつ
エチレンの共重合割合が20重量%であるエチレン−プロ
ピレンブロック共重合体〔以下「PP(B)」と云う〕、
MFR(1)が8.0g/10分であるプロピレン単独重合体〔以
下「PP(C)」と云う〕およびMFR(1)が12g/10分で
あり、かつエチレンの共重合割合が2.0重量%であるエ
チレン−プロピレンランダム共重合体〔以下「PP
(D)」と云う〕を使った。
〔(B)エチレン−酢酸ビニル共重合体〕
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体として、MFR
(2)が30g/10分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合
が33重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体〔以下
「EVA(1)」と云う〕、MFR(2)が21g/10分であり、
かつ酢酸ビニルの共重合割合が20重量%であるエチレン
−酢酸ビニル共重合体〔以下「EVA(2)」と云う〕お
よびMFR(2)が7.2g/10分であり、かつ酢酸ビニルの共
重合割合が4重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合
体〔以下「EVA(3)」と云う〕を用いた。
〔(C)変性プロピレン系重合体〕
さらに、変性プロピレン系重合体として、MFR(1)が
0.05g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が18重量
%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体100重
量部に4.0重量部の2−ヒドロキシエチルアクリレート
および1.0重量部の2,2′−ビス(第三級−ブチルパーオ
キシイソプロピル)ベンゼンをあらかじめヘンシェルミ
キサーを使って5分間ドライブレンドを行なった。得ら
れた混合物をベント付押出機(径40mm、シリンダー温度
160〜200℃)を用いて混練しながらペレットを製造した
もの(以下「変性PP」と云う)を使った。
〔(D)充填剤〕
また、充填剤として、平均粒径が2.0μmであり、かつ
アスペクト比が5.5であるタルク、平均粒径が7.0μmで
あり、かつアスペクト比が30であるマイカおよび木粉
(45メッシュパス)を使用した。
実施例1〜11、比較例1〜9 第1表にそれぞれの配合量および種類が示されている結
晶性プロピレン系重合体(以下「PP」と云う)。エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」と云う)および
充填剤ならびに第1表に配合量が示されている変性PPを
スパーミキサーを使って5分間混合した。得られた各混
合物をベント付二軸押出機(シリンダー温度180〜200
℃、径30mm)を用いて混練させながらペレット(組成
物)を製造した。各ペレットを5オンスの射出成形機を
使用して平板ならびに曲げ弾性率測定用試片およびアイ
ゾット衝撃強度測定用試片を製造した。得られた各試片
のアイゾット衝撃強度(測定温度23℃)および曲げ弾性
率の測定ならびに室温接着性および耐熱接着性の測定を
行なった。それらの結果を第2表に示す。
〔発明の効果〕 本発明のプロピレン系重合体組成物は下記のごとき効果
(特徴)を発揮する。
(1)剛性(曲げ弾性率)および耐衝撃性のごとき機械
的強度がすぐれている。
(2)加工性および成形性が良好である。
(3)成形品の外観がすぐれている。
(4)接着剤との接着性が良好であり、接着面の前処理
(プライマー塗布、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫
外線照射)工程を省略することができるのみならず、接
着トラブルを減少させることが期待され、かつ熱老化後
の接着性がすぐれている。
本発明のプロピレン系重合体組成物は以上のごとき効果
を発揮するために多方面にわたって利用することができ
る。その代表例として、ドアライナー、インストルメン
トパネル、各種ライニングのごとき自動車部品があげら
れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅村 英 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3−2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−209150(JP,A) 特開 昭53−16781(JP,A) 特開 昭54−160449(JP,A) 特開 昭62−209150(JP,A) 特開 昭60−58410(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローインデックスが0.01〜
    100g/10分である結晶性プロピレン系重合体, (B)酢酸ビニルの共重合割合が5.0〜50重量%である
    エチレン−酢酸ビニル共重合体 ならびに (C)(1)プロピレン系重合体 100重量部に (2)分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、か
    つヒドロキシル基を含有する有機化合物 0.01〜10重量
    部 および (3)有機過酸化物 0.01〜10重量部 を処理させることによって得られる変性プロピレン系重
    合体、 あるいはこれらと (D)充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
    エチレン−酢酸ビニル共重合体および変性プロピレン系
    重合体の合計量中に占める組成割合は、エチレン−酢酸
    ビニル共重合体が5.0〜30重量%であり、変性プロピレ
    ン系重合体が5.0〜40重量%であるが、結晶性プロピレ
    ン系重合体が少なくとも40重量%であり、かつ全組成物
    中の酢酸ビニルに由来する単位は2.5〜10重量%であ
    り、しかも前記重合体の合計量100重量部に対する充填
    剤の組成割合は多くとも40重量部であるプロピレン系重
    合体組成物。
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