JPH0627230B2 - プロピレン系重合体組成物 - Google Patents

プロピレン系重合体組成物

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JPH0627230B2
JPH0627230B2 JP11087088A JP11087088A JPH0627230B2 JP H0627230 B2 JPH0627230 B2 JP H0627230B2 JP 11087088 A JP11087088 A JP 11087088A JP 11087088 A JP11087088 A JP 11087088A JP H0627230 B2 JPH0627230 B2 JP H0627230B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はプライマーを使用しなくてもクロロプレン系二
液混合タイプの接着剤や塩素化ポリプロピレンタイプの
接着剤との密着性がすぐれたプロピレン系重合体組成物
に関する。さらにくわしくは、プライマーを使用しなく
ともクロロプレン系二液混合タイプの接着剤や塩素化ポ
リプロピレンタイプの接着剤との密着性がすぐれている
ばかりでなく、剛性、耐衝撃性などの機械的特性が良好
であるプロピレン系重合体組成物に関する。
〔従来の技術〕
プロピレン系重合体は周知のごとく、成形性がすぐれて
いるのみならず、機械的特性、耐熱性、耐溶剤性、耐油
性および耐薬品性のごとき特性が良好であるため、広く
工業的に製造され、自動車、電機器具、電子機具などの
部品および日用品として多方面にわたって利用されてい
る。しかし、分子内に極性基を有さない(いわゆる非極
性)のみならず、ほとんどの有機溶剤に対する溶解性が
極端に低いため、種々の接着剤(接着材)との密着性が
非常に乏しい。これらのことから、種々の点について問
題がある。これらの問題について、一例として自動車の
内装材の一部であるドアライニングについて説明する。
ドアライニングは通常塩ビレザーが使われており、この
塩ビレザーにポリプロピレンフォーム、ポリエチレンフ
ォーム、ポリウレタンフォームなどがラミネートされた
物(以下「塩ビレザー」と云う)が使用されているが、
塩ビレザーは、剛性が低いため、そのままでは使用でき
ず、ライニング材としての剛性を高めるために基材とし
てアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン三元共重合
樹脂(ABS樹脂)の成形品や木粉などの充填剤を配合
させたポリプロピレン樹脂のボードと接着剤を介在さ
せ、接着させて用いられている。
しかしながら、近年、自動車の軽量化、コストダウン志
向の下で、ABS樹脂や充填剤含有ポリプロピレン樹脂
のかわりに、安価であり、かつ成形加工性が良好なポリ
プロピレン樹脂(プロピレン系重合体)が使われるよう
になってきている。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、前記のごとくプロピレン系重合体は分子内に
極性基を有さないために化学的に極めて不活性な高分子
物質であるため、塩ビレザーと接着するにあたり、あら
かじめ成形物(ドアライナー基材)にプロピレン系重合
体と接着可能なプライマーを下塗りするか、あるいはプ
ラズマ処理、コロナ放電処理、紫外線照射処理などの前
処理を施してから接着剤を塗布し、塩ビレザーを接着さ
せているのが現実である。そのために生産工程に時間が
かかり、コスト高となっている。
そのほかの自動車内装材、たとえばインストルメントパ
ネル、ピラー、天井材、アームレスト、その他のライニ
ング類を製造するさいにも、プロピレン系重合体を使用
し、塩ビレザーを接着するさいにも以上と同様な問題が
ある。
以上のことから、本発明の目的は煩雑な操作が必要であ
る前処理を必要とせず、接着剤との密着性が良好である
ばかりでなく、成形性もすぐれており、しかもプロピレ
ン系重合体が有する機械的特性(たとえば、耐衝撃性、
剛性)についても同等であり、さらに成形物の外観もす
ぐれているプロピレン系重合体組成物を得ることであ
る。
〔課題を解決するための手段および作用〕
本発明にしたがえば、前記課題は、 (A)メルトフローインデックス(JIS K7210にしたがい、
条件が14で測定、以下「MFR(1)」と云う)が0.01〜1
00g/10分である結晶プロピレン系重合体、 (B)ビニルエステルおよび/または不飽和カルボン酸エ
ステルの共重合割合がそれらの合計量として5.0〜50重
量%であるエチレンとビニルエステルおよび/または不
飽和カルボン酸エステルとの共重合体(以下「エチレン
系共重合体」と云う)、 (C)(1)プロピレン系重合体100重量部に (2)「分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、か
つヒドロキシル基を含有する有機化合物」(以下「ヒド
ロキシル系化合物」と云う)0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜10重量部を処理させることによ
って得られる変性プロピレン系重合体(以下「変性プロ
ピレン系重合体」と云う) (D)プロピレンの含有量が15〜40重量%であり、かつメ
ルトフローインデックスが0.01〜10g/10分であり、差
動走査熱量計で測定した融解ピークが80℃以上であり、
X線で測定した結晶化度が3%以上であり、しかもゲル
パーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量
分布の指標である重量平均分子量/数平均分子量が4以
上であるエチレン−プロピレン系共重合体 あるいはこれらと (E)充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン系共重合体、変性プロピレン系重合体ならびに
エチレン−プロピレン系共重合体からなる高分子物質の
合計量中に占める組成割合は、変性プロピレン系重合体
(1)が5.0〜40重量%であり、エチレン系共重合体が5.0
〜30重量%であり、かつエチレン−プロピレン系共重合
体が3.0〜20重量%であり、しかもこれらの高分子物質
中のビニルエステルに由来するモノマー単位および不飽
和カルボン酸エステルに由来するモノマー単位は合計量
として2.5〜10重量%であり、これらの高分子物質の合
計量100重量部に対する充填剤の組成割合は多くとも40
重量部であるプロピレン系重合体組成物、 によって解決することができる。以下、本発明を具体的
に説明する。
(A)結晶性プロピレン系重合体 本発明において使用される結晶性プロピレン系重合体は
プロピレンを主成分とする重合体であり、プロピレン単
独重合体ならびにプロピレンとエチレンおよび/または
他のα−オレフィンとのランダムおよびブロック共重合
体が好んで用いられる。ランダムおよびブロック共重合
体中のエチレンおよびα−オレフィンの共重合割合は合
計量として多くとも20重量%であり、15重量%以下が好
ましく、特に10重量%以下が好適である。また、他のα
−オレフィンとしては、炭素数が4〜12個のα−オレフ
ィンが望ましく、とりわけ4〜8個のα−オレフィンが
好適である。好適なα−オレフィンとしては、ブテン−
1、ヘプテン−1、4−メチルペンテン−1およびヘキ
セン−1があげられる。
該プロピレン系重合体のMFR(1)は0.01〜100g/10分
であり、0.01〜80g/10分のものが好ましく、特に0.1
〜70g/10分のものが好適である。
MFR(1)が0.01g/10分未満のプロピレン系重合体を
用いると、混練性がよくない。一方、100g/10分を超
えたプロピレン系重合体を使用すると、組成物の耐衝撃
性がよくない。
(B)エチレン系共重合体 また、本発明において用いられるエチレン系共重合体は
エチレンと後記のビニルエステルおよび/または不飽和
カルボン酸エステルとの共重合体(これらを主成分とす
る第三コモノマーとの多元共重合体も含む)である。該
エチレン系共重合体中のビニルエステルおよび/または
不飽和カルボン酸エステルの共重合割合は合計量として
5.0〜50重量%であり、5.0〜45重量%が好ましく、特に
5.0〜40重量%が好適である。エチレン系共重合体中の
ビニルエステルおよび/または不飽和カルボン酸エステ
ルの共重合割合が合計量として5.0重量%未満のエチレ
ン系共重合体を使用すれば、改質の効果が満足すべきも
のではないから望ましくない。一方、ビニルエステルお
よび/または不飽和カルボン酸エステルの共重合割合が
合計量として50重量%を超えたエチレン系重合体を使っ
た場合、組成物の物性が低下するのみならず、得られる
成形物が層剥離などを生じるために好ましくない。該エ
チレン系共重合体のメルトフローインデックス(JIS K72
10にしたがい、条件が4で測定、以下「MFR(2)」と
云う)は、一般には0.1〜300g/10分であり、0.1〜200
g/10分が望ましく、とりわけ0.5〜150g/10分が好適
である。MFR(2)が0.01g/10分未満のエチレン系共
重合体を用いるならば、混練性がよくない。一方、200
g/10分を超えたエチレン系共重合体を使うならば、組
成物の機械的強度がよくない。
ビニルエステルとしては、炭素数が多くとも20個(好適
には、4〜16個)のものが好ましい。好適なビニルエス
テルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ビニ
ルブチレート、ビニルピパレートなどがあげられ、特に
酢酸ビニルが最適である。
また、不飽和カルボン酸エステルの炭素数は通常4〜40
個であり、4〜30個のものが望ましく、とりわけ4〜20
個のものが好適である。不飽和カルボン酸エステルの代
表例としては、メチル(メタ)アクリレートおよびエチ
ル(メタ)アクリレートならびにアルコキシアルキルア
クリレートがあげられる。該アルコキシアルキルアクリ
レートのアルコキシ基の炭素数が1〜8個(好適には、
1〜4個)であり、かつアルキル基の炭素数が1〜8個
(好適には、1〜4個)のものが好ましい。好適なアル
コキシアルキルアクリレートの代表例としては、メトキ
シエチルアクリレート、エトキシメチルアクリレートお
よびブトキシエチルアクリレートがあげられる。
(C)変性プロピレン系重合体(1) さらに、本発明において使用される変性プロピレン系重
合体(1)は後記のプロピレン系重合体にヒドロキシル系
化合物および有機過酸化物を処理させることによって得
られるものであり、その製造方法については特開昭58-1
54732号公報明細書に詳細に記載されている。
(1)プロピレン系重合体 該プロピレン系重合体としては、プロピレン単独重合
体、エチレンとプロピレンとのブロック共重合体ならび
にプロピレンと炭素数が多くとも12個の他のα−オレフ
ィンとのブロック共重合体(α−オレフィンの共重合割
合は多くとも20重量%)があげられる。このプロピレン
系重合体のMFR(1)は成形性、得られる組成物の機械
的特性などの点から、通常0.01〜100g/10分であり、
0.01〜50g/10分が好ましく、特に0.02〜50g/10分の
ものが好適である。
(2)ヒドロキシル系化合物 また、ヒドロキシル系化合物は少なくとも一個の不飽和
結合(二重結合、三重結合)を有し、かつヒドロキシル
基を含有する化合物である。この代表的なものとして
は、二重結合を有するアルコール、三重結合を有するア
ルコール、一価または二価の不飽和カルボン酸と非置換
二価アルコールとのエステル、該不飽和カルボン酸と非
置換三価アルコールとのエステル、非置換四価アルコー
ルとのエステルおよび非置換五価以上アルコールとのエ
ステルがあげられる。
(3)有機過酸化物 さらに、有機過酸化物は一般にラジカル重合における開
始剤および重合体の架橋剤として使われているものであ
り、1分間の半減期が100℃以上のものが好ましく、と
りわけ130℃以上のものが好適である。上記の温度が100
℃以下のものでは、その取り扱いが難しいばかりでな
く、使用した効果もあまり認められないから望ましくな
い。
(4)混合割合 本発明の変性プロピレン系重合体(1)を製造するにあた
り、100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロキ
シル系化合物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.02
〜10重量部が好ましく、特に0.02〜7.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対するヒドロ
キシル系化合物の混合割合が0.01重量部未満では、密着
性の改良効果が不十分である。一方、10重量部を超えて
使用したとしても、使用量に応じた密着性の改良効果が
認められず、むしろプロピレン系重合体が有する本来の
特性がそこなわれるために好ましくない。
また、100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過
酸化物の混合割合は0.01〜10重量部であり、0.01〜7.0
重量部が望ましく、とりわけ0.02〜5.0重量部が好適で
ある。100重量部のプロピレン系重合体に対する有機過
酸化物の混合割合が0.01重量部以下では、密着性の改善
効果が低いばかりでなく、混合物の密着強度の耐久性も
低下する。一方、10重量部を超えると、該重合体が有す
る未来のすぐれた機械的特性が低下するため、いずれの
場合でも望ましくない。
(5)変性プロピレン系重合体(1)の製造方法 本発明の変性プロピレン系重合体(1)を製造するには、
以上のプロピレン系重合体、ヒドロキシル系化合物およ
び有機過酸化物を以上の混合割合で処理(加熱)させる
ことによって製造することができる。このさい、プロピ
レン系重合体、ヒドロキシル系化合物および有機過酸化
物を混合させながら処理してもよいが、あらかじめこれ
らをドライブレンドで混合するか、または比較的低温
(ヒドロキシル系化合物が反応しない温度)で混練し、
得られる混合物を後記のごとく加熱させることによって
得られる。
処理を高い温度で実施すると、プロピレン系重合体が劣
化することがある。しかし、使用されるプロピレン系重
合体とヒドロキシル系化合物とがグラフト重合するため
に用いられる有機過酸化物が分解する温度で実施しなけ
ればならない。以上のことから、使われる有機過酸化物
の種類によって異なるが、この処理は一般には180〜300
℃(好ましくは、200〜280℃)において実施される。
前記ヒドロキシル系化合物および有機過酸化物の一般式
や代表例ならびに混合方法および処理方法などについて
特開昭58-154732号公報明細書に詳細に記載されてい
る。
(D)エチレン−プロピレン系共重合体 また、本発明において使われるエチレン−プロピレン系
共重合体のプロピレンの含有量は15〜40重量%であり、
18〜40重量%が好ましく、特に20〜38重量%が好適であ
る。プロピレンの含有量が15重量%未満であるエチレン
−プロピレン系共重合体を用いると、得られる組成物の
耐衝撃性の改良効果が乏しい。一方、40重量%を超えた
エチレン−プロピレン系共重合体を使用すると、得られ
る組成物の耐衝撃性の改良効果はよいが、その他の機械
的特性(たとえば、剛性)がよくない。
また、該エチレン−プロピレン系共重合体のMFR(1)
は0.01〜10g/10分であり、0.02〜10g/分が望まし
く、とりわけ0.05〜8.0g/10分が好適である。MFR
(1)が0.01g/10分未満のエチレン−プロピレン系共重
合体を使うならば、得られる組成物の加工性がよくな
い。一方、10g/10分を超えたエチレン−プロピレン系
共重合体を用いると、得られる組成物の耐衝撃性の改良
効果がよくない。
該エチレン−プロピレン系共重合体のムーニー粘度(ML
1+4,100℃)は通常10〜150であり、10〜130が好まし
く、特に10〜120が好適であるムーニー粘度が10未満の
エチレン−プロピレン系共重合体を使用すれば、成形性
は向上するが、衝撃性の改良効果が低いばかりでなく、
成形物のゲートカット時などに層剥離が発生する場合も
あり、トラブルの原因となることがある。一方、150を
超えたエチレン−プロピレン系共重合体を使うならば、
混練時の分散が困難になるのみならず、たとえ均一な組
成物が得られたとしても、成形物の表面にフローマー
ク、ウエルドラインなどの目立ちが激しくなり、外観の
良好な成形物が得られない。
なお、該エチレン−プロピレン系共重合体は、通常差動
走査熱量計(Differential Scanning Calorimeter,DSC)
で測定した融解ピークが80℃以上であり、80〜125℃が
好ましく、特に85〜125℃が好適である。前記融解ピー
クが80℃未満では得られる組成物の剛性および引張強度
がよくない。
また、該エチレン−プロピレン系共重合体はX線で測定
した結晶化度が3%以上であり、3〜30%が望ましく、
とりわけ3〜25%が好適である。この結晶化度が3%未
満のエチレン−プロピレン系共重合体を使用すると、剛
性および引張強度がよくない。一方、30%を超えたもの
を用いると、耐衝撃性がよくない。
さらに、該エチレン−プロピレン系共重合体はゲルパー
ミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した
分子量分布の指標である重量平均分子量(▲w▼)/
数平均分子量(▲n▼)は4以上であり、4〜8が好
ましい。▲w▼/▲n▼が4未満のエチレン−プロ
ピレン系共重合体を使用するならば、得られる組成物の
加工性がよくない。
本発明のプロピレン系重合体組成物を製造するには以上
の結晶性プロピレン系重合体、エチレン系共重合体、変
性プロピレン系重合体(1)およびエチレン−プロピレン
系共重合体を後記の組成割合で均一に混合することによ
って得ることができるけれども、これらの重合体にさら
に後記の充填剤を配合させることによって組成物の剛性
をさらに向上することができる。
(E)充填剤 本発明において用いられる充填剤は一般に合成樹脂およ
びゴムの分野において広く使われているものである。こ
れらの充填剤のうち、無機充填剤としては、酸素および
水と反応しない無機化合物であり、混練時および成形時
において分解しないものが好んで用いられる。該無機充
填剤としては、アルミニウム、銅、鉄、鉛、ニッケル、
マグネシウム、カルシウム、バリウム、亜鉛、ジルコニ
ウム、モリブデン、ケイ素、アンチモン、チタンなどの
金属の酸化物、その水和物(水酸化物)、硫酸塩、炭酸
塩、ケイ酸塩のごとき化合物、これらの複塩ならびにこ
れらの混合物に大別される。該無機充填剤の代表例は特
願昭59-8535号明細書に記載されている。これらの無機
充填剤のうち、粉末状のものはその径が30μm以下(好
適には10μm以下)のものが好ましい。また繊維状のも
のでは、径が1〜500μm(好適には1〜300μm)であ
り、長さが0.1〜6mm(好適には0.1〜5mm)のものが望
ましい。さらに、平板状のものは径が30μm以下(好適
には10μm以下)のものが好ましい。これらの無機充填
剤のうち、特に平板状(フレーク状)のものおよび粉末
状のものが好適である。好適な無機充填剤としては、タ
ルク、マイカ、シリカ、ガラス繊維、グラファイトなど
があげられる。
また、有機充填剤としては、木粉、有機繊維、わら、も
みがら、ピーナッツのからなどがあげられる。
木粉は通常12メッシュパスのものであり、特に45メッシ
ュパス以下の平均粒径を有するものが好ましい。なお、
この木粉の木の種類は特に限定されるものではない。
また有機繊維は、羊毛などの動物繊維、綿、ジュート、
パルプなどの植物繊維や一般に使われているビニロン繊
維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維な
どの合成繊維である。該有機繊維の長さおよび平均径は
最終的に得られるポリプロピレン組成物の用途、混合条
件などによって異なるから、一概に規定することができ
ないが、一般的には平均径の範囲が3〜500μm、平均
の長さが0.1〜6mmであるものが適当である。
そのほか、わらについては混合性の点から、有機繊維と
同様な平均径および長さを有するように裁断されて使用
される。
また、もみがら、ピーナッツのからは前記の木粉のよう
に破砕されて用いられる。
本発明の組成物を製造するために充填剤(とりわけ、無
機充填剤)を配合する場合、後記の変性プロピレン系重
合体(2)をさらに配合させることによって組成物の剛性
を一層向上させることができる。
(F)変性プロピレン系重合体(2) この変性プロピレン系重合体はプロピレン系重合体に
「α,β−不飽和カルボン酸および/またはその無水
物」(以下「カルボン酸系化合物」と云う)ならびに有
機過酸化物を処理させることによって得ることができ
る。
該変性プロピレン系重合体(2)を製造するために使用さ
れるプロピレン系重合体および有機過酸化物は前記の変
性プロピレン系重合体(1)を製造するために使ったもの
と同種のものを用いることができる。
(1)カルボン酸系化合物 本発明の変性プロピレン系重合体(2)を製造するために
使用されるカルボン酸系化合物はα,β−不飽和カルボ
ン酸およびその無水物である。該不飽和カルボン酸系化
合物の炭素数は通常多くとも30個であり、とりわけ25個
以下のものが望ましい。該不飽和カルボン酸系化合物は
一塩基性不飽和カルボン酸および二塩基性不飽和カルボ
ン酸ならびにその無水物に大別される。一塩基性不飽和
カルボン酸の代表例としては、アクリル酸およびメタク
リル酸があげられる。また、二塩基性不飽和カルボン酸
の代表例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸および3,6−エンドメチレン−1,2,3,6
−テトラヒドロ−シス−フタル酸があげられる。また、
無水物は該二塩基性不飽和カルボン酸の無水物であり、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水シトラコン酸
および3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ−
シス−フタル酸の無水物があげられる。
(2)使用割合 該変性オレフィン系重合体(2)を製造するにあたり、100
重量部のプロピレン系重合体に対するカルボン酸系化合
物の使用割合は0.01〜10重量部であり、0.02〜10重量部
が好ましく、特に0.02〜7.0重量部が好適である。100重
量部のプロピレン系重合体に対するカルボン酸系化合物
の使用割合が0.01重量部未満では、剛性の改良効果が不
充分である。一方、10重量部を超えて使用したとして
も、使用量に応じて剛性の改良効果が認められない。
また、有機過酸化物の混合割合は前記の変性プロピレン
系重合体(1)と同じ理由で0.01〜10重量部であり、0.01
〜7.0重量部が望ましく、とりわけ0.02〜5.0重量部が好
適である。
(3)変性プロピレン系重合体(2)の製造方法 本発明の変性プロピレン系重合体(2)は、前記の変性プ
ロピレン系重合体(1)と同様にプロピレン系重合体、カ
ルボン酸系化合物および有機過酸化物を以上の混合割合
で処理(加熱)させることによって製造することができ
る。なお、加熱温度は前記の変性プロピレン系重合体
(1)の場合と同様である。
なお、充填剤を添加するさいに該変性プロピレン系重合
体(2)を配合する場合、充填剤100重量部に対して該変性
プロピレン系重合体の割合は通常多くとも100重量部で
あり、10〜100重量部が好ましく、さらに10〜80重量部
が望ましく15〜75重量%が好適である。100重量部の充
填剤に対して100重量部を超えて充填剤を配合したとし
ても、使用量に応じて剛性の改良効果が認められない。
本発明のプロピレン系重合体組成物を製造するには、以
上の結晶性プロピレン系重合体、エチレン系共重合体、
変性プロピレン系重合体(1)およびエチレン−プロピレ
ン系共重合体あるいはこれらと充填剤を後記の組成割合
で均一に混合させることによって得ることができるけれ
ども、これらにさらに後記のエチレン系重合体を配合さ
せてもよい。
(G)エチレン系重合体 本発明において使用されるエチレン系重合体の密度は0.
900g/cm3以上であり、0.900〜0.975g/cm3のものが
好ましく、特に0.910〜0.970g/cm3のものが好適であ
る。
該エチレン系重合体としては、エチレン単独重合体、エ
チレンとα−オレフィンとのランダムまたはブロック共
重合体があげられる。α−オレフィンとしては一般には
炭素数が3〜12個(好適には、3〜8個)のものが好ま
しい。該α−オレフィンの代表例としては、プロピレ
ン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1および4
−メチルペンテン−1があげられる。このα−オレフィ
ンの共重合割合は、一般には多くとも20重量%であり、
とりわけ10重量%以下のものが望ましい。
該エチレン系重合体のMFR(2)は少なくとも0.1g/10
分であり、0.1〜50g/10分のものが望ましく、とりわ
け0.5〜50g/10分のものが好適である。MFR(2)が0.
1g/10分未満のものを用いるならば、分散性が悪く、
均一の組成物を得ることが難しく、かりに均一な組成物
が得られたとしても、接着性の改良がわずかであり、形
成物の外観がよくない。
(H)組成割合 本発明の組成物において、結晶性プロピレン系重合体、
エチレン系共重合体、変性プロピレン系重合体(1)およ
びエチレン−プロピレン系共重合体からなる高分子物質
(さらにエチレン系重合体を配合する場合では、このエ
チレン系重合体も含めて、以下同様)の合計量中に占め
る変性プロピレン系重合体(1)の組成割合は5.0〜40重量
%であり、5.0〜35重量%が望ましく、とりわけ5.0〜30
重量%が好適である。変性プロピレン系重合体(1)の組
成割合が5.0重量%未満では、密着性の改良効果が乏し
い。一方、40重量%を超えて配合すれば経済上問題とな
る。
また、これらの高分子物質の合計量中に占めるエチレン
系共重合体の組成割合は5.0〜30重量%であり、5.0〜25
重量%が好ましく、特に6.0〜25重量%が好適である。
エチレン系共重合体の組成割合が5.0重量%未満では、
得られる組成物の接着剤との密着性がよくない。一方、
30重量%を超えるならば、機械的強度(とりわけ剛性)
がよくない。
さらに、これらの高分子物質の合計量中に占めるエチレ
ン−プロピレン系共重合体の組成割合は3.0〜20重量%
であり、3.0〜15重量%が望ましく、とりわけ5.0〜15重
量%が好適である。エチレン−プロピレン系共重合体の
組成割合が3.0重量%未満では、得られる組成物の耐衝
撃性がよくない。一方、20重量%を超えるならば、組成
物の耐衝撃性は良好であるが、その他の機械的特性(た
とえば、剛性)がよくない。
また、エチレン系重合体を配合する場合、高分子物質の
合計量中に占める組成割合は多くとも20重量%であり、
とりわけ18重量%以下が望ましい。高分子物質の合計量
中に占めるエチレン系重合体の組成割合が20重量%を超
えるならば、得られる組成物の接着性が低下する。
以上のことから、全高分子物質の合計量中に占める結晶
性プロピレン系重合体の組成割合は少なくとも40重量%
であり、45重量%以上が好ましく、特に50重量%以上が
好適である。結晶性プロピレン系重合体の組成割合が40
重量%未満では、得られる組成物の機械的強度がよくな
い。
これらの高分子物質中のビニルエステルに由来するモノ
マー単位および不飽和カルボン酸エステルに由来するモ
ノマー単位は合計量として2.5〜10重量%である。高分
子物質中の酢酸ビニルに由来する単位の割合が2.5重量
%未満では、得られる組成物の密着性がよくない。一
方、10重量%を超えると、組成物の機械的強度(とりわ
け、剛性)がよくない。
また、前記高分子物質の合計量100重量部に対する充填
剤の組成割合は0.1〜40重量部であり、0.5〜40重量部が
望ましく、とりわけ1.0〜35重量部が好適である。高分
子物質の合計量100重量部に対して充填剤の組成割合が
0.1重量部未満では、得られる組成物の剛性が低い。一
方、40重量部を超えて配合すると、成形性が悪いばかり
でなく、接着性が低下し、しかも耐衝撃性がよくない。
(J)組成物の製造 本発明の組成物を製造するには、前記結晶性プロピレン
系重合体、エチレン系共重合体、変性プロピレン系重合
体(1)およびエチレン−プロピレン系共重合体あるいは
これらの高分子物質と充填剤と変性プロピレン系重合体
(2)および/またはエチレン系重合体を均一に配合すれ
ばよい。このさい、必要に応じて、オレフィン系重合体
に一般に使われている酸素、光または熱に対する安定
剤、難燃化剤、加工性改良剤、滑剤、帯電防止剤および
顔料のごとき添加剤を添加してもよいことはもちろんの
ことである。
該組成物を得るには、タンブラー、リボンブレンダーお
よびヘンシェルミキサーのごとき混合機を使ってドライ
ブレンドしてもよく、またバッチ式混練り機(たとえ
ば、バンバリーミキサー)または連続式混練り機(たと
えば、押出機)を用いて混練りすることができるが、前
記したごとく連続式混合機を使用して連続的に混練りす
ることもできる。また、これらの方法を併用する(たと
えば、ドライブレンドした後、連続的に混練りする)こ
とによってさらに均一に混合することもできる。
(K)成形方法 このようにして得られる組成物は通常ペレット状に成形
され、それぞれの熱可塑性樹脂の分野において一般に行
なわれている射出成形法、押出成形法などの成形方法に
よって所望の成形物に製造される。
前記の組成物を製造するさいに溶融混練する場合でも、
成形する場合でも、使われる重合体の融点よりも高い温
度であるが、熱分解しない温度である。これらのことか
ら、一般には180〜280℃(好適には、200〜260℃)で実
施される。
〔作用〕
本発明の組成物において、組成物中に均一に分散した前
記エチレン系共重合体は、接着剤の溶媒により膨潤する
ため、接着剤成分がエチレン系共重合体中に拡散し、相
溶効果を発揮すると考えられる。また、前記変性プロピ
レン系重合体(1)中のグラフトしたヒドロキシル系化合
物がプロピレン系重合体またはその成形物の表面に極性
基に富んだ化学的に活性サイトを与え、かつ接着剤との
相溶性が向上した結果、プライマーを使用しなくても接
着性の向上という効果が得られると考えられる。さら
に、変性プロピレン系重合体(2)が組成物中に均一に分
散して充填剤と主成分である結晶性プロピレン系重合体
との界面の相溶性を向上する作用として働く結果、組成
物の剛性を向上さすという効果が得られると考えられ
る。
〔実施例および比較例〕
以下、実施例によって本発明をさらにくわしく説明す
る。
なお、実施例および比較例において、曲げ弾性率はASTM
D790にしたがって測定し、アイゾット衝撃強度はASTM
D256にしたがって測定した。また、室温接着性は射出成
形によって作成した平板試験片(厚さ 3mm、140×140m
m、シボ加工品)にクロロプレン系二液混合タイプ溶剤
型接着剤(日立化成ポリマー社製、商品名ハイボンXA
322-10)をスプレーし、100〜150g/mになるように
均一に塗布し、80℃の温度にて5分間乾燥した後、あら
かじめ140℃にて3分間加熱した塩化ビニル樹脂(PV
C)のソート(プロピレン系樹脂のフォームプライマー
コート品がラミネートしてあるもの)のプロピレン系樹
脂のフォーム面と相互に貼り合わせ、加熱プレス機を使
って(平板試験片側を50℃、PVCシート側を150℃)
圧力が1kg/cm2で30秒間圧着した。ついで、恒温室(温
度23℃、相対湿度65%)中で48時間放置した。得られた
試験片を25mm幅に切断し、試験片の樹脂部よりPVCシ
ートを強制的に剥離させた後、残りの密着部を引張試験
機を用いて200mm/分の速度でPVCシートに対して逆
方向(180度)に引張り、剥離強度を測定することによっ
て求めた。さらに、耐熱接着性は前記のようにして圧着
によって得られた試験片を80℃に調整した恒温室に300
時間放置し、80℃の温度において前記と同様に引張り、
剥離強度を測定することによって求めた。
なお、実施例および比較例において使った結晶性プロピ
レン系重合体、エチレン系共重合体、変性プロピレン系
重合体(1)、変性プロピレン系重合体(2)、充填剤、エチ
レン系重合体およびエチレン−プロピレン系共重合体の
物性および製造方法を下記に示す。
〔(A)結晶性プロピレン系重合体〕
結晶性プロピレン系重合体として、MFR(1)が10g/1
0分であり、かつエチレンの共重合割合が15重量%であ
るエチレン−プロピレンブロック共重合体(以下「PP
(A)」と云う)、MFR(1)が8.0g/10分であるプロピ
レン単独重合体(以下「PP(B)」と云う)およびMF
R(1)が12g/10分であり、かつエチレンの共重合割合
が2.0重量%であるエチレン−プロピレンランダム共重
合体(以下「PP(C)」と云う)を使った。
〔(B)エチレン系共重合体〕
また、エチレン系共重合体として、MFR(2)が30g/1
0分であり、かつ酢酸ビニルの共重合割合が33重量%で
あるエチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA
(a)」と云う)、MFR(2)が21g/10分であり、かつ酢
酸ビニルの共重合割合が20重量%であるエチレン−酢酸
ビニル共重合体(以下「EVA(b)」と云う)およびM
FR(2)が7.2g/10分であり、かつ酢酸ビニルの共重合
割合が4重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体
(以下「EVA(c)」と云う)、MFR(2)が45g/10分
であり、かつメチルメタクリレートの共重合割合が35重
量%であるエチレン−メタクリレート共重合体(以下
「EMMA」と云う)およびMFR(2)が20g/10分で
あり、かつエチルアクリレートの共重合割合が20重量%
であるエチレン−エチルアクリレート共重合体(以下
「EEA」と云う)を用いた。
〔(C)変性プロピレン系重合体(1)〕 さらに、変性プロピレン系重合体(1)として、MFR(1)
が0.05g/10分であり、かつエチレンの共重合割合が18
重量%であるエチレン−プロピレンブロック共重合体10
0重量部に4.0重量部の2−ヒドロキシエチルアクリレー
トおよび1.0重量部の2,2′−ビス(第3級−ブチルパー
オキシイソプロピル)ベンゼンをあらかじめヘンシェル
ミキサーを使って5分間ドライブレンドを行なった。得
られた混合物をベント付押出機(径40mm、シリンダー温
度 160〜200℃)を用いて混練しながらペレットを製造
したもの(以下「変性PP(I)」と云う)を使用し
た。
〔(D)エチレン−プロピレン系共重合体〕
また、エチレン−プロピレン系共重合体として、プロピ
レンの共重合割合が22重量%であり、ムーニー粘度(M
1+4,100℃)が95であり、かつMFR(1)が0.06g
/10分であるエチレン−プロピレン共重合体(融点 11
5℃,結晶化度20%,▲w▼/▲n▼4.8,以下「ゴ
ム(1)」と云う)、プロピレンの共重合割合が37重量%
であり、ムーニー粘度(ML1+4,100℃)が41であ
り、かつMFR(1)が1.0g/10分であるエチレン−プロ
ピレン共重合体(融点 105℃,結晶化度7.5%,▲w
▼/▲n▼4.8,以下「ゴム(2)」と云う)およびプロ
ピレンの共重合割合が24重量%であり、ムーニー粘土
(ML1+4,100℃)が12であり、かつMFR(1)が4.
5g/10分であるエチレン−プロピレン共重合体(融点
110℃,結晶化度 21%,▲w▼/▲n▼5.8,以
下「ゴム(3)」と云う)を用いた。
〔(E)エチレン系重合体〕
さらに、MRF(2)が1.0g/10分であり、かつ密度が0.
950g/cm3である高密度ポリエチレン(以下「PE
(1)」と云う)、MFR(2)が7.1g/10分であり、かつ
密度が0.920g/cm3であるエチレンとブテン−1との直
鎖状共重合体(ブテン−1の共重合割合8.2重量%、以
下「PE(2)と云う)およびMRF(2)が3.0g/10分で
あり、かつ密度が0.920g/cm3である高圧法低密度ポリ
エチレン(以下「PE(3)と云う)を使った。
〔(F)変性プロピレン系重合体(2)〕 また、変性プロピレン系重合体(2)として、MFR(1)が
0.6g/10分のプロピレン単独重合体100重量部に0.70重
量部の無水マレイン酸および0.4重量部のベンゾイルパ
ーオキサイドをあらかじめヘンシェルミキサーを用いて
5分間ドライブレンドを行なった。得られた混合物を押
出機(径 40mm、シリンダー温度 180〜230℃)を使用
して混練しながらペレットを製造したもの(以下「変性
PP(II)と云う)を使用した。
〔(E)充填剤〕
さらに、充填剤として、平均粒径が2.0μmであり、か
つアスペクト比が5.5であるタルク、平均粒径が7.0μm
であり、かつアスペクト比が30であるマイカ、木粉(45
メッシュパス)およびジュート(平均半径 20μm、平
均繊維長 3mm)を使った。
実施例1〜12、比較例1〜10 第1表にそれぞれの配合量および種類が示されている結
晶性プロピレン系重合体(以下「PP」と云う)、エチ
レン系共重合体(以下「エチレン系共重合体」と云
う)、エチレン系重合体(以下「PE」と云う)、エチ
レン−プロピレン系共重合体(以下「ゴム」と云う)お
よび充填剤ならびに第1表に配合量が示されている変性
プロピレン系重合体(1)(変性PP(I))および変性プロ
ピレン系重合体(2)(変性PP(II))をスーパーミキサ
ーを使って5分間混合した。得られた各混合物をベント
付二軸押出機(シリンダー温度180〜200℃、径 30mm)
を用いて混練させながらペレット(組成物)を製造し
た。各ペレットを5オンスの射出成形機を使用して平板
ならびに曲げ弾性率測定用試片およびアイゾット衝撃強
度測定用試片を製造した。得られた各試片のアイゾット
衝撃強度(測定温度23℃)および曲げ弾性率の測定なら
びに室温接着性および耐熱接着性の測定を行なった。そ
れらの結果を第2表に示す。
第2表の“室温接着性”および“耐熱接着性”の欄にお
いて、「材質破壊」とは、プロピレン系樹脂のフォーム
が破壊したことを意味する。
〔発明の効果〕 本発明のプロピレン系重合体組成物は下記のごとき効果
(特徴)を発揮する。
(1)剛性(曲げ弾性率)および耐衝撃性のごとき機械的
強度がすぐれている。
(2)加工性および成形性が良好である。
(3)成形品の外観がすぐれている。
(4)接着剤との接着性が良好であり、接着面の前処理
(プライマー塗布、プラズマ処理、コロナ放電処理、紫
外線照射)工程を省略することができるのみならず、接
着トラブルを減少させることが期待され、かつ熱老化後
の接着性がすぐれている。
本発明のプロピレン系重合体組成物は以上のごとき効果
を発揮するために多方面にわたって利用することができ
る。その代表例として、ドアライナー、インストルメン
トパネル、各種ライニングのごとき自動車部品があげら
れる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51/06 LLE 7142−4J (72)発明者 梅村 英 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3―2 昭和 電工株式会社川崎樹脂研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−75551(JP,A) 特開 昭64−48842(JP,A) 特開 昭64−29446(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)メルトフローインデックスが0.01〜100
    g/10分である結晶プロピレン系重合体、 (B)ビニルエステルおよび/または不飽和カルボン酸エ
    ステルの共重合割合がそれらの合計量として5.0〜50重
    量%であるエチレンとビニルエステルおよび/または不
    飽和カルボン酸エステルとの共重合体、 (C)(1)プロピレン系重合体100重量部に (2)分子中に少なくとも一個の不飽和結合を有し、かつ
    ヒドロキシル基を含有する有機化合物0.01〜10重量部 および (3)有機過酸化物0.01〜10重量部 を処理させることによって得られる変性プロピレン系重
    合体、 ならびに (D)プロピレンの含有量が15〜40重量%であり、かつメ
    ルトフローインデックスが0.01〜10g/10分であり、差
    動走査熱量計で測定した融解ピークが80℃以上であり、
    X線で測定した結晶化度が3%以上であり、しかもゲル
    パーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量
    分布の指標である重量平均分子量/数平均分子量が4以
    上であるエチレン−プロピレン系共重合体 あるいはこれらと (E)充填剤 とからなる組成物であり、結晶性プロピレン系重合体、
    エチレンとビニルエステルおよび/または不飽和カルボ
    ン酸エステルとの共重合体、変性プロピレン系重合体な
    らびにエチレン−プロピレン系共重合体からなる高分子
    物質の合計量中に占める組成割合は、変性プロピレン系
    重合体が5.0〜40重量%であり、エチレンとビニルエス
    テルおよび/または不飽和カルボン酸エステルとの共重
    合体が5.0〜30重量%であり、かつエチレン−プロピレ
    ン系共重合体が3.0〜20重量%であり、しかもこれらの
    高分子物質中のビニルエステルに由来するモノマー単位
    および不飽和カルボン酸エステルに由来するモノマー単
    位は合計量として2.5〜10重量%であり、これらの高分
    子物質の合計量100重量部に対する充填剤の組成割合は
    多くとも40重量部であるプロピレン系重合体組成物。
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