JPH0676503U - ボードアンカー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 比較的脆弱な壁面材を使用し、Ｃ型軽量鉄骨
を介して空間をあけて組設された壁面に対して、被取付
物を強固にしかも長期にわたって安定よく取付けること
ができるボードアンカーを提供する。 【請求項１】 軸芯部に上下に貫通する挿入孔(1)を備
え、外周面の少なくとも上端部分に外ネジ(2)を有し、
外周面の中間部分に大径の鍔部(3)を備え、下端部分に
複数の割溝(4)…を有する筒状部材(5)と、該筒状部材
(5)の上部外周にはめ込まれるリング状のスペーサー(6)
と、前記筒状部材(5)の外ネジ(2)に螺合されるナット部
材(7)と、前記筒状部材(5)の挿入孔(1)に摺動自在に貫
通挿入されその先端露出部に挿入孔(1)より大径の膨大
部(8a)を有するピン部材(8)とからなり、前記スペーサ
ー(6)の高さ(h)は壁面材(9)の厚み(L)から鍔部(3)の厚
みを引いた寸法と略等しく形成され、筒状部材(5)の鍔
部(3)から上端までの長さはスペーサー(6)並びに被取付
物(13)の挿入孔(13a)を貫通してその露出端に前記ナッ
ト部材(7)が螺合できる寸法に形成されている構造。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、建築物の壁面にスピーカーや電話機、時計、額縁あるいは電設工事 や室内装飾工事等の支持材の固定に使用されるボードアンカーに関するもので、 特に石膏ボードやけいかる板、ベニア板、パーチクルボード等の比較的脆弱な壁 面材に適したボードアンカーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、建築物の壁面を施工するに際して、石膏ボードやパーチクルボード、 けいかる板等の壁面材(9)(9)、(10)(10)を図２に示すように２重に重ね合わせて Ｃ型軽量鉄骨材(11)により空間をあけて組設する工法が広く採用されている。こ のような工法は施工時間が短縮できてコストの低減化が図れると共に、断熱、防 音効果の面に於いて非常に有効である。

【考案が解決しようとする課題】

【０００３】 しかし、石膏ボードやパーチクルボード等はその物理的強度が比較的脆弱で あってスピーカーや電話機その他の被取付物を壁面に直接固定する際に問題があ る。すなわち従来では、螺旋状の噛込み突起を有するボードアンカーを壁面にね じ込んで、このボードアンカーのネジ孔に取付ビスやボルトを螺入することによ り被取付物を固定しているので、ボードアンカーの壁面からの引き抜き強度が非 常に弱く、重量物の取付が困難であると共に、取付けが不安定で長期にわたって 強固に保持することができないという問題点があった。

【０００４】 そこで本考案は、上記のような脆弱な壁面材を使用し、Ｃ型軽量鉄骨を介して 空間をあけて組設された壁面に対して、被取付物を強固にしかも長期にわたって 安定よく取付けることができるボードアンカーを簡単な構造で提供することを主 たる目的とするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案では次のような技術的手段を講じた。即ち 本考案に係るボードアンカーにあっては、軸芯部に上下に貫通する挿入孔(1)を 備え、外周面の少なくとも上端部分に外ネジ(2)を有し、外周面の中間部分に大 径の鍔部(3)を備え、下端部分に複数の割溝(4)…を有する筒状部材(5)と、該筒 状部材(5)の上部外周にはめ込まれるリング状のスペーサー(6)と、前記筒状部材 (5)の外ネジ(2)に螺合されるナット部材(7)と、前記筒状部材(5)の挿入孔(1)に 摺動自在に貫通挿入されその先端露出部に挿入孔(1)より大径の膨大部(8a)を有 するピン部材(8)とから構成されている。

【０００６】 更に、前記スペーサー(6)の高さ(h)は壁面材(9)の厚み(L)から鍔部(3)の厚み を引いた寸法と略等しく形成され、筒状部材(5)の鍔部(3)から上端までの長さは スペーサー(6)並びに被取付物(13)の挿入孔(13a)を貫通してその露出端に前記ナ ット部材(7)が螺合できる寸法に形成されている構造としたものである。

【０００７】

【作用】

上記のごとく構成されたボードアンカーにあっては、取付時において、筒状部 材(5)の割溝を形成した先端部分は壁面内部の軽量鉄骨の挿通孔を貫通した部分 で放射状に拡大してＣ型軽量鉄骨(11)に直接係合固定され、これにより埋込み部 材を壁面に確実に保持することができると共に、この取付時において、ナット部 材の締め付けによる被取付物の押し付け力は、スペーサー(6)を介して筒状部材( 5)の鍔部(3)に受け止められてこれに隣接するＣ型軽量鉄骨(11)に直接伝達され るので、脆弱な壁面材(9)、(9)の介在に関係なく被取付物(13)とスペーサー(6)、 筒状部材(5)の鍔部(3)、Ｃ型軽量鉄骨(11)による剛体結合が達成され、これによ り被取付物を強固に壁面に締め付け固定することができるものである。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の詳細を図面に示した実施例に基いて説明する。 図１乃至図５に示すように、本考案に係るボードアンカーは、軸芯部に上下に 貫通する挿入孔(1)を備えた筒状部材(5)と、この筒状部材(5)に摺動自在に貫通 挿入されたピン部材(8)とを含む。前記筒状部材(5)はその外周面の少なくとも上 端部分に外ネジ(2)を備え、外周面の中間部分の稍下方に大径の鍔部(3)を有し、 下端部分に下方に向かって解放された複数の割溝(4)…を備えている。また前記 ピン部材(8)はその下端露出部に挿入孔(1)より大径の膨大部(8a)を備えている。 これにより、ピン部材(8)を引き上げることによって、膨大部(8a)により筒状部 材(5)の割溝(4)を形成した下端部分が放射状に拡大するように形成されている。 尚、この膨大部(8a)が図示するようにその上肩部分が末広がりのテーパー状に形 成することが好ましい。

【０００９】 更に、このボードアンカーは、筒状部材(5)の上部外周にはめ込まれるリング 状のスペーサー(6)と、前記筒状部材(5)の外ネジ(2)に螺合されるナット部材(7) とを備えている。前記スペーサー(6)の高さ(h)は壁面材(9)、(9)の厚み(L)から鍔 部(3)の厚み引いた寸法と略等しく形成されている。また、筒状部材(5)の鍔部(3 )から上端までの長さは、はめ込まれたスペーサー(6)並びに被取付物(13)の挿入 孔(13a)を貫通突出してその露出端にナット部材(7)が螺合できる寸法に形成され ている。また、筒状部材(5)の鍔部(3)より下方部分の長さは、壁面材(9)、(10)の 間に介在ざれたＣ型軽量鉄骨(11)の挿通孔(11a)を貫通してその先端が露出する 寸法に設定されている。実施例では、壁面材(9)、(9)の総厚みが２０mmで、Ｃ型 軽量鉄骨(11)の厚みが0.8〜1.5mmで形成されている。

【００１０】 上記のごとく構成されたボードアンカーは図２並びに図６に示すように、石膏 ボードやパーチクルボード、けいかる板等の壁面材(9)、(9)、(10)、(10)を２重に 重ね合わせてＣ型軽量鉄骨(11)により空間をあけて組設された壁面に使用される 。このＣ型軽量鉄骨(11)は断面コ字形のチャンネル材や角パイプ材に代用される 場合もある。使用に際して、予め壁面材(9)、(9)に筒状部材(5)並びにスペーサー (6)を挿通するための嵌込孔(12)を設けると共に、Ｃ型軽量鉄骨(11)に筒状部材( 5)の下端を貫通させる挿通孔(11a)を形成しておき、この嵌込孔(12)並びに挿通 孔(11a)に図２に示すように筒状部材(5)をスペーサー(6)と共に挿入する。

【００１１】 次いで、図３に示すように、適当な工具を使用して、スペーサー(6)を押し付 けながらピン部材(8)を上方に引き上げて、割溝(4)を形成した筒状部材(5)の下 方部分を放射状に拡大しＣ型軽量鉄骨(11)に係合する。

【００１２】 次いで、図４に示すように、被取付物(13)の挿入孔(13a)を筒状部材(5)に挿通 してその上方からナット部材(7)を筒状部材(5)に螺合して締め付け、最後にピン 部材(8)の不要な突出部分をカッター(15)等で切断除去する。尚ピン部材(8)の長 さを予め所定の長さに設定しておけばカッターによる切断は省略することができ よう。

【００１３】 而して、この取付時において、ナット部材(7)の締め付けによる被取付物(13) の押し付け力は、スペーサー(6)を介して筒状部材(5)の鍔部(3)に受け止められ てこれに隣接するＣ型軽量鉄骨(11)に直接伝達されるので、脆弱な壁面材(9)、(9 )の介在に関係なく被取付物(13)とスペーサー(6)、筒状部材(5)の鍔部(3)並びに Ｃ型軽量鉄骨(11)による剛体結合が達成され、これにより被取付物を強固に締め 付け固定することができるものである。

【００１４】 以上本考案の代表的な実施例について説明したが、本考案は必ずしも上記の実 施例構造のみに限定されるものではない。例えばスペーサー(6)や筒状部材(5)の 長さは取り付けるべき壁面材の厚みに応じて変更しえるものである、その他本考 案ではその構成要件を備え、且つ効果を有する範囲内で適宜変更して実施出来る ものである。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、上記のごとく構成したものであるから、取付時において、筒状部材 の割溝を形成した先端部分は壁面内部の軽量鉄骨の挿通孔を貫通した部分で放射 状に拡大して軽量鉄骨に直接係合固定され、これにより埋込み部材を壁面に確実 に保持することができると共に、この取付時において、ナット部材の締め付けに よる被取付物の押し付け力は、スペーサーを介して筒状部材の鍔部に受け止めら れてこれに隣接するＣ型軽量鉄骨に直接伝達されるので、脆弱な壁面材の介在に 関係なく被取付物とスペーサー、筒状部材の鍔部、Ｃ型軽量鉄骨による剛体結合 が達成され、これにより被取付物を強固に壁面に締め付け固定することができる という顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るボードアンカーを示す断面図。

【図２】上記ボードアンカーの使用過程の第一を示す断
面図。

【図３】上記ボードアンカーの使用過程の第二を示す断
面図。

【図４】上記ボードアンカーの使用過程の第三を示す断
面図。

【図５】上記ボードアンカーの使用例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

(1) 挿入孔 (2) 外ネジ (3) 鍔部 (4) 割溝 (5) 筒状部材 (6) スペーサー (7) ナット部材 (8) ピン部材 (8a) 膨大部 (9) 壁面材 (11) Ｃ型軽量鉄骨 (11a) Ｃ型軽量鉄骨の挿通孔 (13) 被取付物 (13a) 被取付物の挿入孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 鍵田 剛司 大阪市鶴見区鶴見１丁目３番58号 株式会 社ニチフ端子工業内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸芯部に上下に貫通する挿入孔(1)を備
   え、外周面の少なくとも上端部分に外ネジ(2)を有し、
   外周面の中間部分に大径の鍔部(3)を備え、下端部分に
   複数の割溝(4)…を有する筒状部材(5)と、該筒状部材
   (5)の上部外周にはめ込まれるリング状のスペーサー(6)
   と、前記筒状部材(5)の外ネジ(2)に螺合されるナット部
   材(7)と、前記筒状部材(5)の挿入孔(1)に摺動自在に貫
   通挿入されその先端露出部に挿入孔(1)より大径の膨大
   部(8a)を有するピン部材(8)とからなり、前記スペーサ
   ー(6)の高さ(h)は壁面材(9)の厚み(L)から鍔部(3)の厚
   みを引いた寸法と略等しく形成され、筒状部材(5)の鍔
   部(3)から上端までの長さはスペーサー(6)並びに被取付
   物(13)の挿入孔(13a)を貫通してその露出端に前記ナッ
   ト部材(7)が螺合できる寸法に形成されているボードア
   ンカー。