JPH0676084U - プラスチック容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】プラスチック容器の蓋の着脱時に、蓋の回転ス
トロークや抵抗感を出来るだけ少なくし、また、蓋を容
器本体に装着する時のクリック感を向上をする。 【構成】円筒状の蓋と円筒状の口部をもつ容器本体とよ
りなるプラスチック容器において、蓋の側壁内面に、複
数の円筒状の突起を、垂直方向の任意の位置の水平面上
に設け、容器本体の口部の側壁外面には、容器閉蓋時
に、前記の蓋の突起と相対応する位置に、蓋の突起と係
合し合う円筒状の係合突起を設け、且つその容器側の係
合突起の斜め下方に、蓋の突起を係合突起と共に係合固
定する円筒状の固定突起を、係合固定した蓋の突起の中
心点より固定突起の中心点が下方になるように設ける。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、医薬品などの錠剤に使用するプラスチック容器に関するものであり 、詳しくは、蓋と容器本体とが、従来の螺合により着脱する方式とは異なり、突 起同士の係合により着脱するプラスチック容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、錠剤などに使用するプラスチック容器の蓋の着脱は、螺合によるものが 多く、例えばポリエチレンの蓋の側壁内側に雌ネジを形成し、ポリエチレンテレ フタレートの容器本体の口部の側壁外側に雄ネジを形成し、蓋の着脱は、容器本 体の雄ネジに、蓋の雌ネジを螺合させて行うのが一般的であった。しかし、この 雄ネジと雌ネジとの螺合による蓋の着脱は、蓋の回転ストロークが長く蓋を螺合 状態が終結するまで回動させる必要があった。しかも、この螺合の終結位置は、 不明確なものであった。このため、蓋の回転ストロークが出来るだけ短く、合わ せて蓋の最終位置を固定する考案が数多くなされており、例えば、実開昭６０− １２３３５１号公報のように、蓋と容器本体が部分的に螺合し嵌合係止する「容 器の栓体構造」などが開示されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前述した蓋の回転ストロークが短く、合わせて蓋の最終位置を 固定しようとする考案には、容器本体への蓋の着脱時の摩擦抵抗感が大きくなり 、使用時に使いにくいものがあった。本考案は、蓋の開閉時の回転ストロークを 小さくし、しかも容器本体への蓋の装着時の摩擦抵抗感が少なくてクリック感（ カチッと装着される感じ）が良好であり、また、蓋のオーバーランがなく、閉蓋 状態を完全に維持し密封性の良好なプラスチック容器を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、円筒状の蓋と円筒状の口部をもつ容器本体とよりなるプラスチック 容器において、図１に示すように、蓋（１００）の側壁（１１０）内面に、複数 の円筒状の突起（１２０）を、垂直方向の任意の位置の水平面上に設け、容器本 体（２００）の口部の側壁（２１０）外面には、容器閉蓋時に、前記の蓋の突起 と相対応する位置に、蓋の突起と係合し合う円筒状の係合突起（２２０）を設け 、且つその容器側の係合突起の斜め下方に、蓋の突起を係合突起と共に係合固定 する円筒状の固定突起（２３０）を、図２（ｃ）に示したように、係合固定した 蓋の突起（１２０）の中心点（ｃ）より固定突起（２３０）の中心点（ｂ）が下 方になるように設けたプラスチック容器である。

【０００５】 上述の蓋の側壁内面に設ける突起及び容器本体の口部の側壁外面に設ける係合 突起は、数が多い程閉蓋時の蓋の回転ストロークが小さくて済むが、容器本体に 設ける嵌合突起及び固定突起が、容器本体を作製する時に、ブロー型の割り型の 作動に対してアンダーカットにならないように設けるものである。

【０００６】 また、容器本体の口部の側壁外面に、蓋の突起と相対応する垂直方向の位置の 円周上に、複数の円筒状の突起を設けるとは、容器本体に蓋を被せて右回りに回 転したときに、図２（ａ）に示したように、蓋の側壁内面に設けられた突起（１ ２０）が、容器本体の側壁外面に設けられた係合突起（２２０）の右側下方の周 面（Ｌ）と線接触するように設けることである。

【０００７】 蓋は、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンを用いて、インジ ェクション成形法により成形するものであり、容器本体は、ポリエチレンテレフ タレート、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いて、ダイレクトブロー成形 法や延伸ブロー成形法により成形するものである。また、必要に応じて、蓋の天 板の内側に発泡ポリエチレンシートなどのパッキングを装着しても良い。

【０００８】 また、閉蓋時の蓋の固定を必要に応じてさらに良好にするために、蓋を容器本 体に装着した時の蓋の突起と接する容器本体の側壁に、図３に示したように、凹 部（２４０）を形成しても良い。

【０００９】

【作用】

容器本体に蓋を被せて右回りに回転すると、図２（ａ）に示したように、まず 蓋の側壁内面に設けられた突起（１２０）が、容器本体の側壁外面に設けられた 係合突起（２２０）の右側下方の周面（Ｌ）と線接触する。さらに、蓋を右回転 すると、図２（ｂ）の状態を経て、図２（ｃ）に示したように、蓋の突起（１２ ０）は、容器本体の係合突起（２２０）と固定突起（２３０）とによって係合固 定される。この時に、係合固定した蓋の突起の中心点より固定突起の中心点が下 方になるように設けられ、また、蓋の突起と容器本体の固定突起と係合突起と接 する接線ｅとｄとの間隔は、蓋の突起の半径より小さいため、蓋の突起が容器本 体の係合突起と固定突起とによって係合固定される。このように、容器本体に蓋 を装着するための回転ストロークは、蓋の突起が容器本体の係合突起を乗り越え るだけとなり、従来の螺合による容器に比べ非常に小さくなる。また、蓋の突起 は、固定突起を越えてオーバーランすることはなく、蓋の天板の内面が容器本体 の口部側壁の上面に材質の弾性力によって加圧状態に接しているため、容器の密 封状態が良好となる。さらに、蓋を容器本体から外す時には、蓋を左回りに回転 して、図２（ｄ）に示したように、蓋の突起（１２０）を容器本体の係合突起（ ２２０）を乗り越えれば良く、蓋の脱着時の回転ストロークが小さい。

【００１０】 そして、容器本体の係合突起と蓋に突起とは、線接触であり摩擦抵抗が少なく 、しかも蓋の突起が容器本体の係合突起を乗り越えた直後、材質の弾性力によっ て、左側上方に移動し容器本体の固定突起にカチッと当たって停止するため、蓋 の装着時のクリップ感が良好に感じられるものである。

【００１１】

【実施例】

まず、側壁内面の垂直方向の所定位置の円周上に、六個の円筒状の突起を設け た円筒状の本実施例に係わる蓋を、ポリエチレンを用いてインジェクション成形 法で作製し、これとは別個に、側壁外面の垂直方向の所定位置の円周上に、蓋の 突起に対応する六組の係合突起と固定突起とを設けた本実施例に係わる容器本体 を、ポリエチレンテレフタレートを用いて延伸ブロー成形法で作製した。

【００１２】 作製した本実施例に係わる蓋を容器本体に被せて、右回りに回転すると、すぐ に蓋の突起が容器本体の係合突起に当たり、さらに抵抗感を持ちながら右回りに 僅かに回転すると、蓋の突起が容器本体の係合突起を乗り越え、カチッと容器本 体の固定突起に当たって停止した。この時のクリップ感は良好であった。さらに 蓋を右回りに回転させようとしたが、回転しなかった。これは、オーバーランし ないことを示している。試験的に内容物として水を充填して閉蓋し、倒立状態で 通常の運送試験を実施してみたが、密封性は良好で漏れの発生はなかった。また 容器本体に装着した蓋を、左回りに回転すると抵抗感を持ちながら蓋の突起が容 器本体の係合突起を乗り越え、開封した。

【００１３】

【考案の効果】

本考案のプラスチック容器は、医薬品などの錠剤に使用する容器であり、蓋の 開閉時の回転ストロークが小さく、容器本体への蓋の装着時の摩擦抵抗感が少な くクリック感が良好で、しかも、蓋のオーバーランがなく、完全に閉蓋状態が保 持されるため、密封性が良好である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】本考案に係わる蓋の突起と容器本体の係合突起
及び固定突起との係合状態を示す説明図であり、（ａ）
は、蓋の突起が、容器本体の係合突起に係合しようとす
るところ、（ｂ）は、蓋の突起が、容器本体の係合突起
を乗り越えようとしているところ、（ｃ）は、蓋の突起
が、容器本体の係合突起と固定突起とによって係合固定
した状態を示す。

【図３】蓋を容器本体に装着した時の蓋の突起と接する
容器本体の側壁に、凹部を形成した本考案の一実施例の
斜視図である。

【符号の説明】

１００……蓋 １１０……側壁 １２０……突起 １３０……天面 ２００……容器本体 ２１０……側壁 ２１１……上面 ２２０……係合突起 ２３０……固定突起 ２４０……凹部 ａ，ｂ，ｃ……中心点 ｄ，ｅ……接線 ｓ……周面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】円筒状の蓋と円筒状の口部をもつ容器本体
   とよりなるプラスチック容器において、蓋の側壁内面
   に、複数の円筒状の突起を、垂直方向の任意の位置の水
   平面上に設け、容器本体の口部の側壁外面には、容器閉
   蓋時に、前記の蓋の突起と相対応する位置に、蓋の突起
   と係合し合う円筒状の係合突起を設け、且つその容器側
   の係合突起の斜め下方に、蓋の突起を係合突起と共に係
   合固定する円筒状の固定突起を、係合固定した蓋の突起
   の中心点より固定突起の中心点が下方になるように設け
   たことを特徴とするプラスチック容器。