JPH0675359A - 露光用マスク及びその製造方法 - Google Patents

露光用マスク及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0675359A
JPH0675359A JP10341693A JP10341693A JPH0675359A JP H0675359 A JPH0675359 A JP H0675359A JP 10341693 A JP10341693 A JP 10341693A JP 10341693 A JP10341693 A JP 10341693A JP H0675359 A JPH0675359 A JP H0675359A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
oxide film
semitransparent
thickness
mask
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10341693A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3247485B2 (ja
Inventor
Takashi Kamo
隆 加茂
Kenji Kawano
健二 川野
Hiroaki Hazama
博顕 間
Takayuki Iwamatsu
孝行 岩松
Shinichi Ito
信一 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP10341693A priority Critical patent/JP3247485B2/ja
Publication of JPH0675359A publication Critical patent/JPH0675359A/ja
Priority to US08/583,857 priority patent/US5629115A/en
Priority to US08/729,592 priority patent/US5907393A/en
Priority to US08/730,017 priority patent/US5728494A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3247485B2 publication Critical patent/JP3247485B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 半透明膜の膜質の経時変化を防ぐことによ
り、ハーフトーン型位相シフトマスクの理想的な位相差
及び振幅透過率を実現し得る露光用マスクの製造方法を
提供すること。 【構成】 透過部と半透明膜パターンの位相差が180
°となるハーフトーン型位相シフトマスクの製造方法に
おいて、透明基板101上に半透明膜としてのアモルフ
ァスSi膜102を形成したのち、酸素原子を含む雰囲
気での酸化によりSi膜102上に酸化膜103を形成
し、次いで酸化膜103上にレジストパターン104a
を形成し、次いでレジストパターン104aをマスクに
酸化膜103及びSi膜102をエッチングし、酸化膜
103及びSi膜102の積層構造からなる位相シフト
層106を形成することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体リソグラフィー
工程で用いられる露光用マスク及びその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の進歩と共に、半導体
装置ひいては半導体素子の高速化,高集積化が進められ
ている。それに伴い、パターンの微細化の必要性は益々
高くなり、パターン寸法も微細化,高精度化が要求され
るようになっている。この要求を満たす目的で、露光光
源に遠紫外線等、短波長の光が用いられるようになって
きた。
【0003】しかし、次世代の露光光源に用いられよう
としているKrFエキシマレーザの248nmの発振線
を用いたプロセスは、レジスト材料として化学増幅型レ
ジストが開発されつつあるものの研究段階にあり、現時
点での実用化は未だ困難である。このように露光光源の
波長を変えた場合、材料開発から必要となるため実用化
にいたるまでかなりの期間を要することになる。
【0004】そこで最近、露光光源を変えずに露光用マ
スクを工夫する、位相シフト法が提案されている。この
位相シフト法は、光透過部に部分的に位相シフタと呼ば
れる位相反転層を設け、隣接するパターンからの光の回
析の影響を除去し、パターン精度の向上を図るものであ
る。この位相シフト法にも幾つかの種類があり、隣接す
る2つの光透過部の位相差を交互に180度違えるレベ
ンソン型位相シフトマスクが特に知られている。
【0005】しかし、レベンソン型位相シフトマスクを
用いた方法では、ライン&スペースといった繰り返しの
パターンに対しては解像力の向上効果が大きいものの、
パターンが3つ以上隣接する場合に効果を発揮すること
が難しい。即ち、2つのパターンの光の位相差を180
度とした場合、もう1つのパターンは先の2つのパター
ンの内の一方と同位相となり、その結果、位相差180
度のパターン同士は解像するが位相差0度のパターン同
志では非解像となるという問題点がある。この問題を解
決するためには、デバイス設計を根本から見直す必要が
あり、直ちに実用化するのにかなりの困難を要する。
【0006】一方、このようなデバイス設計の変更を必
要としない位相シフトマスクとして、ハーフトーン型位
相シフトマスクが知られている。このマスクは、遮光膜
の代わりに半透明膜を用い、半透明部と透明部とを通過
する光の位相差を180度とし、また透過率を調整する
ことで、パターン解像度の低下の原因となる光の干渉を
軽減することができる。
【0007】このようなハーフトーン型位相シフトマス
クとして、特開平4-136854号公報に示されるような多層
膜を使い、位相と透過率を調整するものが考えられてい
る。しかしながら、多層膜を用いた場合は、転写工程が
2度にわたり、また下層に欠陥が生じた場合に修正が困
難であるという問題点があった。単層の半透明膜で透過
率と位相差の両者を同時に制御するには、半透明膜とし
て用いるものの組成は限られたものになる。半透明膜中
の分子の結合状態が不安定な場合は特に、膜表面の自然
酸化といった時間経過に伴う膜質の変化が生じ、所望と
する位相差並びに透過率からずれるという弊害が生じて
いた。
【0008】例えば、g線を露光光源に用いたマスクで
はアモルファスSiなどが用いられる。この場合、透明
部の透過光と半透明部の透過光の位相差が180度とな
るように半透明膜の膜厚を形成しても、膜表面の自然酸
化等の経時変化により次第に理想的な位相差及び振幅透
過率からずれてしまい、半透明膜として不適切な膜質に
なるという問題があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
のハーフトーン型位相シフトマスクでは、半透明膜表面
に自然酸化膜が成長することにより、理想的な位相差及
び振幅透過率の値からずれてしまうという問題点があっ
た。
【0010】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、半透明膜の膜質の経時
変化を防ぐことにより、ハーフトーン型位相シフトマス
クの理想的な位相差及び振幅透過率を実現し得る露光用
マスク及びその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、次のような構成を採用している。即ち、本
発明(請求項1)は、ハーフトーン型位相シフトマスク
を構成する露光用マスクにおいて、透明基板からなる透
過部と、この透明基板上の所定位置に形成された半透明
膜パターンと、この半透明膜パターンの上部にのみ或い
はこの半透明膜パターンを覆うように形成された所望の
厚さの酸化膜とを備え、透過部と半透明膜パターン及び
酸化膜とを透過する光の位相差が180±10度となる
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明(請求項2)は、上記構成の
露光用マスクの製造方法において、透明基板上に半透明
膜を形成したのち、この半透明膜上に所望の厚さの酸化
膜を形成し、次いでこの酸化膜上に感光性樹脂パターン
を形成し、次いでこの感光性樹脂パターンをマスクに酸
化膜及び半透明膜を選択エッチングして、酸化膜及び半
透明膜の積層構造からなる位相シフト層を形成し、次い
で感光性樹脂パターンを除去するようにした方法であ
る。
【0013】また、本発明(請求項3)は、上記構成の
露光用マスクの製造方法において、透明基板上に半透明
膜を形成したのち、この半透明膜上に感光性樹脂パター
ンを形成し、次いでこの感光性樹脂パターンをマスクに
半透明膜をエッチングし、次いでこの感光性樹脂パター
ンを除去し、次いで半透明膜を覆うように所望の厚さの
酸化膜を形成し、この酸化膜及び半透明膜の積層構造か
らなる位相シフト層を形成するようにした方法である。
【0014】ここで、本発明の望ましい実施態様として
は、次のものがあげられる。 (1) 酸化膜を形成する工程として、半透明膜を酸素原子
を含む雰囲気中で酸化すること。 (2) 酸化膜を形成する工程として、半透明膜が形成され
た透明基板を酸化性溶液中に浸し、半透明膜の表面を酸
化すること。 (3) 酸化性溶液として、発煙硝酸、又は硫酸と過酸化水
素水の混合液を用いること。 (4) 酸化膜の厚さは、半透明膜の自然酸化による膜厚の
増加が起こらなくなる厚さであること。 (5) 半透明膜を形成する工程として、酸化によって生じ
る酸化膜の膜厚及びそれに伴う半透明膜の膜厚変化を考
慮し、半透明膜の元素組成比を変化させることで屈折率
及び消減係数を同時に制御し、基板に対する振幅透過率
及び位相差を位相シフト効果を最大限に発揮することの
できる条件で形成すること。
【0015】
【作用】本発明では、Si等からなる半透明膜を形成し
て、このSi膜を酸化することにより、所望の厚さの酸
化膜を形成する。ある一定の厚さ以上の酸化膜は、その
下層のSi膜の自然酸化等により生じる膜厚増加を防ぐ
ことができ、初めに設定した半透明膜の理想的な位相,
透過率等の光学定数を維持することができる。従って、
半透明膜の膜質の経時変化を防ぐことができ、ハーフト
ーン型位相シフトマスクの理想的な位相差及び振幅透過
率を実現することが可能となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。 (実施例1)図1は、本発明の第1の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。
【0017】まず、図1(a)に示すように、透明基板
101上にスパッタリング法により厚さ61nmのSi
膜102を形成する。続いて、流量100sccm,圧力
0.1Torrで酸素アッシングを2分間行うことにより、
Si膜102上に厚さ4nmの酸化膜103を形成す
る。なお、Si膜102表面に自然酸化膜が形成されて
いる場合、上記処理によりこの自然酸化膜上にさらに酸
化膜を形成し、酸化膜全体の厚さを4nmにする。
【0018】次いで、図1(b)に示すように、酸化膜
103上に電子線用レジスト104を0.5μm程度の
厚さに堆積した後、レジスト104上に導電性膜105
を0.2μm程度の厚さに形成する。
【0019】次いで、導電性膜105上から照射量3μ
C/cm2 で、電子線により描画を行い、さらに現像を
行って、図1(c)に示すようにレジストパターン10
4aを形成する。ここで、導電性膜105を形成するの
は、レジスト104が絶縁性であるとき電子線のチャー
ジアップを防ぐためである。
【0020】次いで、図1(d)に示すように、レジス
トパターン104aをマスクとしてCF4 とO2 との混
合ガスによるケミカルドライエッチング(CDE)によ
り、レジストパターン104aから露出する酸化膜10
3及びSi膜102のエッチングを行う。この際、酸化
膜103のエッチング時には、Si膜102のエッチン
グ時に比べてO2 のCF4 に対する流量比を増加させる
2段階エッチングを行う。
【0021】最後に、レジストパターン104aを除去
し、図1(e)に示すように酸化膜103及びSi膜1
02よりなる半透明膜パターン(位相シフト層)106
を得る。このようにして、所望の半透明膜からなるハー
フトーン型位相シフトマスクを得ることができる。
【0022】かくして形成されたマスクにおいて、露光
光にg線を用いた場合、半透明膜としての酸化膜103
及びSi膜102を透過した光と透明基板101を透過
した光との位相差は180度であり、振幅透過率は透明
基板に対し17.4%であった。
【0023】なお、本実施例ではSi膜102の形成を
スパッタリングにより行ったが、CVD法や蒸着法等を
用いてもよい。また、酸化膜103及びSi膜102の
膜厚を本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適当な厚
さにしてもよい。また、酸化膜を酸素原子を含む雰囲気
中で形成、或いは液相成長法により形成してもよい。さ
らに、酸化膜,Si膜の加工をRIE又はウェットエッ
チングにより行ってもよい。
【0024】本実施例では、Si膜を形成した後、酸素
アッシングによりこのSi膜を酸化してSiO2 膜を形
成している。このように、Si膜の表面に強制的に一定
の膜厚の酸化膜を形成すると、大気中に放置しても自然
酸化膜は生成しない。図2は半透明膜の酸化膜厚の経時
変化を示す図である。
【0025】これらの結果より、酸素アッシングをスパ
ッタ後に加えることによって酸化膜厚の経時変化は大幅
に抑えられることが分かる。酸素アッシングを行った場
合、初期膜厚の4nmから殆ど膜厚の変化はないが、ス
パッタしたままの場合は、やはり4nmまで、徐々に酸
化膜の膜厚が増加している。Siの膜質によってこの酸
化膜の上限の厚さは異なるが、ある一定の厚さの酸化膜
をSi膜上に形成しておけば、その後の自然酸化或いは
露光による酸化反応等による膜厚の変化は生じないこと
が分かる。また、このとき形成される酸化膜は、g線に
対し位相差1.6°、i線に対し位相差1.8°、Kr
Fに対し位相差2.9°となるが、この値は位相差に対
する許容量である10°以内であり、実用上差支えな
い。
【0026】本発明ではこの一定の厚さの酸化膜をSi
膜の表面に形成し、このSi膜と酸化膜との積層膜がハ
ーフトーン型位相シフトマスクの理想的な振幅透過率及
び位相差を持つようにする。
【0027】上述の工程により形成したマスクにおいて
は、自然酸化等の膜質の経時変化は認められず、理想的
な位相差及び振幅透過率を保つことができた。本マスク
を用いて、ウェーハへの転写実験を行った結果、寸法精
度良く良好な形状のパターンが得られた。 (実施例2)図3は、本発明の第2の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図でをある。
【0028】まず、図3(a)に示すように、透明基板
201上にスパッタリング法により膜厚59nmのSi
膜202を形成する。続いて、図3(b)に示すよう
に、電子線用レジスト204を0.5μmの厚さに堆積
した後、さらにレジスト204上に導電性膜205を
0.2μm程度の厚さに形成する。
【0029】次いで、この導電性膜205上より照射量
3μC/cm2 で電子線による描画を行い、さらに現像
を行って図3(c)に示すようなレジストパターン20
4aを形成する。
【0030】次いで、図3(d)に示すように、レジス
トパターン204aをマスクとしてCF4 とO2 との混
合ガスによるケミカルドライエッチング(CDE)によ
り、レジストパターン204aから露出するSi膜20
2をエッチングにより除去する。次いで、レジストパタ
ーン204aを除去し、Si膜パターン202aを得
る。
【0031】最後に、図3(e)に示すように、酸素ア
ッシングによりSi膜パターン202a上に厚さ4nm
の酸化膜203を形成する。この際に側壁に形成された
酸化膜203によって解像力が低下することが懸念され
るが、この酸化膜203の幅は露光波長436nmと比
較し、4nmと非常に薄いので問題はない。なお、Si
膜202表面に自然酸化膜が形成されている場合、上記
処理によりこの自然酸化膜上にさらに酸化膜を形成し、
酸化膜全体の厚さを4nmにする。
【0032】かくして形成されたマスクにおいて、露光
光にg線を用いた場合、半透明膜としての酸化膜203
及びSi膜202を透過した光と透明基板101を透過
した光との位相差は180度であり、振幅透過率は透明
基板に対し17.4%であった。
【0033】なお、本実施例ではSi膜202の形成を
スパッタリングにより行ったが、CVD法や蒸着法等を
用いてもよい。また、酸化膜203及びSi膜202の
膜厚を本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適当な厚
さにしてもよい。また、酸化膜を酸素原子を含む雰囲気
中で形成、或いは液相成長法により形成してもよい。さ
らに、酸化膜,Si膜の加工をRIE又はウェットエッ
チングにより行ってもよい。
【0034】上述の工程により形成したマスクにおいて
は、自然酸化等の膜質の経時変化は認められず、理想的
な位相差及び振幅透過率を保つことができた。本マスク
を用いて、ウェーハへの転写実験を行った結果、寸法精
度良く良好な形状のパターンが得られた。 (実施例3)次に、本発明の第3の実施例について説明
する。この実施例は、酸化膜を形成する工程として、半
透明膜を形成した基板を酸化性溶液中に浸し半透明膜の
表面を酸化するようにした方法である。
【0035】酸化性の溶液として、硫酸と過酸化水素水
の混合液を用いた場合の反応式は下記に示すようにな
る。 過酸化水素水は、酸化作用が非常に強いため洗浄効果が
高い。半透明位相シフト膜を単層膜として作製する場
合、アモルファスSi,SiNx ,SiOy ,CrOz
,GeOu ,TiOv ,AlOw (u,v,w,x,
y,zは任意の組成比)、或いはこれらの混合物が良く
用いられる。これらの膜は、大気中で容易に酸化される
が、溶液中で酸化することで、半透明膜上に存在する表
面酸化膜が酸化処理後には増加することなく、時間経過
による半透明膜の物性の変化を防ぐことができる。ま
た、酸化によって生じる酸化膜の膜厚及びそれに伴う半
透明膜の膜厚変化を考慮し、半透明膜の屈折率及び消衰
係数を同時に制御することで、基板に対する振幅透過率
及び位相差を位相シフト効果を最大限に発揮することの
できる条件に制御することができる。
【0036】図4は、本発明の第3の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。露光光源に
KrFレーザを用いた場合、ハーフトーンマスクの半透
明膜にはSiNx を使用することができる。
【0037】まず、図4(a)に示すように、透明基板
301上にスパッタ法により膜厚が96nmのSiNx
膜(半透明膜)302を形成する。この膜厚は後の酸化
を行った後、透明基板301に対する位相差,透過率が
所望の値となるように調整されている。このとき、半透
明膜302の振幅透過率は17.6%であった。
【0038】次いで、図4(b)に示すように、過酸化
水素水と硫酸の混合比が1:3となる酸化性溶液305
中に基板を30分間浸し(酸化処理)、表面酸化膜30
3を形成する。この酸化に要する時間は、例えば図5の
ようなデータを求めて算出することができる。図5では
過酸化水素水と硫酸の混合比が1:3となる溶液中に基
板を30分間浸した後の半透明膜の振幅透過率の経時変
化を示す。図5に示すように、過酸化水素水と硫酸の混
合比が1:3となる溶液中に基板を30分間浸した(酸
化処理)後の透過率及び位相差は、時間経過により変化
しないことが分かる。このとき、表面酸化膜303は
4.5nm形成され、振幅透過率は20.2%であっ
た。
【0039】この基板を十分に水洗し乾燥した後に、図
4(c)に示すように、表面酸化膜303上にEBレジ
スト304を塗布し、さらにEB描画時に生じるチャー
ジアップを防止するために導電性膜を306をEBレジ
スト304上に形成する。そして、図4(d)に示すよ
うに、EB描画により所望のレジストパターン304a
を形成する。
【0040】次いで、図4(e)に示すように、レジス
トパターン304aをマスクに、エッチングによりSi
Nx 膜302のパターニングを行う。エッチングにはC
DE(Chemical Dry Etching)や、RIE(反応性イオ
ンエッチング)等を用いればよい。このエッチングによ
りSiNx 膜パターン302aを形成した後、レジスト
304aを除去する。
【0041】なお、ここでは半透明膜302にSiNx
膜を用いたが、SiNx 膜に限らず他の半透明膜、例え
ばアモルファスSi、SiOy 、CrOz 、GeOu 、
TiOv ,AlOw (u,v,w,x,y,zは任意の
組成比)を用いても同様の効果が得られる。また、半透
明膜の膜厚を本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適
当な厚さにしてもよい。また、酸化性溶液は過酸化水素
水と硫酸の混合比が1:3である溶液に限らず他の酸化
作用の強いもの、例えば発煙硝酸を用いてもよい。ま
た、導電性膜を半透明膜上に形成する代わりに、基板に
予め帯電防止の役割をする膜が形成されているものを用
いてもよい。
【0042】このように本実施例によれば、半透明膜が
形成された基板を酸化性溶液に浸すことにより、半透明
膜表面に酸化膜を形成することができ、半透明膜の膜質
の経時変化を防止することができ、これによりハーフト
ーン型位相シフトマスクの理想的な位相差及び振幅透過
率を実現することが可能となる。また、安定した物性を
持つ半透明膜を得るためにの工程を酸化性溶液中に基板
を浸すことにより行うため、マスクの洗浄の効果を同時
に持たせることができる。 (実施例4)図6は、本発明の第4の実施例に係わる露
光用マスクの製造工程を示す断面図である。露光光源に
KrFレーザを用いた場合、ハーフトーンマスクの半透
明膜にはSiNx を使用することができる。
【0043】まず、図6(a)に示すように、透明基板
401上にスパッタ法により膜厚が96nmのSiNx
膜(半透明膜)402を形成する。このとき、半透明膜
402の振幅透過率は17.6%であった。この膜厚は
後の酸化を行った後、透明基板401に対する位相差,
透過率が所望の値となるように調整されている。
【0044】次いで、図6(b)に示すように、SiN
x 膜402上にEBレジスト403を塗布し、さらにE
B描画時に生じるチャージアップを防止するために導電
性の膜404をEBレジスト403上に形成する。そし
て、図6(c)に示すように、EB描画により所望のレ
ジストパターン403aを形成する。
【0045】次いで、図6(d)に示すように、レジス
トパターン403aをマスクとしてエッチングによりS
iNx 膜402のパターニングを行う。エッチングに
は、CDE(Chemical Dry Etching)やRIE(反応性
イオンエッチング)等を用いればよい。
【0046】エッチングによりSiNx パターン402
aを形成したのち、図6(e)に示すように、過酸化水
素水と硫酸の混合比が1:3となる溶液405中に基板
を40分間浸すことでレジスト403を除去し、さらに
図6(f)に示すように、所望の表面酸化膜406を形
成する。このとき、半透明膜402の表面酸化膜406
は4.5nmで、振幅透過率は20.2%であった。レ
ジスト403の除去を酸化性溶液中で行ったため、これ
以降の透過率及び位相差の経時変化は見られず、安定し
た膜質の半透明膜を得ることができる。
【0047】なお、ここでは半透明膜402にSiNx
膜を用いたが、SiNx 膜に限らず他の半透明膜、例え
ばアモルファスSi,SiOy ,CrOz ,GeOu ,
TiOv ,AlOw (u,v,w,x,y,zは任意の
組成比)を用いても同様の効果が得られる。また、半透
明膜の膜厚を本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適
当な厚さにしてもよい。また、酸化性溶液は過酸化水素
水と硫酸の混合比が1:3である溶液に限らず他の酸化
作用の強いもの、例えば発煙硝酸を用いてもよい。ま
た、導電性膜を半透明膜上に形成する代わりに、基板に
予め帯電防止の役割をする膜が形成されているものを用
いてもよい。
【0048】このような実施例においても、半透明膜が
形成された基板を酸化性溶液に浸すことにより、半透明
膜表面に酸化膜を形成することができ、第3の実施例と
同様の効果が得られる。また、半透明膜のパターン形成
後のレジスト除去を酸化性溶液中に浸すことで行うこと
により、新たに安定した物性を持つ半透明膜を得る工程
が必要なく、マスク作成の上でのコストの削減が可能と
なる。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、半
透明膜の上に酸化膜を形成することにより、良好な膜質
の半透明膜パターンを備えたハーフトーン型位相シフト
マスクを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わる露光用マスクの
製造工程を示す断面図。
【図2】第1の実施例における半透明膜の酸化膜厚の経
時変化を示す特性図。
【図3】本発明の第3の実施例に係わる露光用マスクの
製造工程を示す断面図。
【図4】本発明の第4の実施例に係わる露光用マスクの
製造工程を示す断面図。
【図5】第4の実施例における半透明膜の透過率の経時
変化を示す特性図。
【図6】本発明の第5の実施例に係わる露光用マスクの
製造工程を示す断面図。
【符号の説明】
101,201,301,401…透明基板 102,202…アモルファスSi膜(半透明膜) 103,203,303,406…酸化膜 104,204,304,403…レジスト 105,205,306,404…導電性膜 106…半透明膜パターン(位相シフト層) 302,402…SiNX 膜(半透明膜) 305,405…酸化性溶液
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩松 孝行 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 (72)発明者 伊藤 信一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明基板からなる透過部と、この透明基板
    上の所定位置に形成された半透明膜パターンと、少なく
    ともこの半透明膜パターンの上部に形成された所望の厚
    さの酸化膜とを備え、 前記酸化膜の厚さは、前記半透明膜上で前記酸化膜形成
    後の反応により膜厚の増加が起こらなくなる厚さであ
    り、前記透過部と前記半透明膜パターン及び酸化膜とを
    透過する光の位相差が180±10度となることを特徴
    とする露光用マスク。
  2. 【請求項2】透明基板上に半透明膜を形成する工程と、
    前記半透明膜上に所望の厚さの酸化膜を形成する工程
    と、前記酸化膜上に感光性樹脂パターンを形成する工程
    と、前記感光性樹脂パターンをマスクに前記酸化膜及び
    半透明膜をエッチングし、該酸化膜及び半透明膜からな
    る位相シフト層を形成する工程と、前記感光性樹脂パタ
    ーンを除去する工程とを含み、 前記酸化膜の厚さを、前記半透明膜上で該酸化膜形成後
    の反応により膜厚の増加が起こらなくなる厚さに形成す
    ることを特徴とする露光用マスクの製造方法。
  3. 【請求項3】透明基板上に半透明膜を形成する工程と、
    前記半透明膜上に感光性樹脂パターンを形成する工程
    と、前記感光性樹脂パターンをマスクに前記半透明膜を
    エッチングする工程と、前記感光性樹脂パターンを除去
    する工程と、前記半透明膜を覆うように所望の厚さの酸
    化膜を形成し、該酸化膜及び半透明膜からなる位相シフ
    ト層を形成する工程とを含み、 前記酸化膜の厚さを、前記半透明膜上で該酸化膜形成後
    の反応により膜厚の増加が起こらなくなる厚さに形成す
    ることを特徴とする露光用マスクの製造方法。
  4. 【請求項4】前記酸化膜を形成する工程として、前記半
    透明膜を酸素原子を含む雰囲気中で酸化することを特徴
    とする請求項2又は3に記載の露光用マスクの製造方
    法。
  5. 【請求項5】前記酸化膜を形成する工程として、前記半
    透明膜が形成された透明基板を酸化性溶液中に浸し、半
    透明膜の表面を酸化することを特徴とする請求項2又は
    3に記載の露光用マスクの製造方法。
JP10341693A 1992-07-08 1993-04-30 露光用マスク及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3247485B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10341693A JP3247485B2 (ja) 1992-07-08 1993-04-30 露光用マスク及びその製造方法
US08/583,857 US5629115A (en) 1993-04-30 1996-01-11 Exposure mask and method and apparatus for manufacturing the same
US08/729,592 US5907393A (en) 1993-04-30 1996-10-11 Exposure mask and method and apparatus for manufacturing the same
US08/730,017 US5728494A (en) 1993-04-30 1996-10-11 Exposure mask and method and apparatus for manufacturing the same

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4-180226 1992-07-08
JP18022692 1992-07-08
JP10341693A JP3247485B2 (ja) 1992-07-08 1993-04-30 露光用マスク及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0675359A true JPH0675359A (ja) 1994-03-18
JP3247485B2 JP3247485B2 (ja) 2002-01-15

Family

ID=26444051

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10341693A Expired - Fee Related JP3247485B2 (ja) 1992-07-08 1993-04-30 露光用マスク及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3247485B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11258772A (ja) * 1998-03-16 1999-09-24 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2002251000A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Semiconductor Leading Edge Technologies Inc 位相シフトマスクの製造方法、位相シフトマスク、位相シフトマスクブランクス及び半導体装置の製造方法
JP2002258460A (ja) * 2000-12-26 2002-09-11 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びマスク
KR100733163B1 (ko) * 2006-05-08 2007-06-28 대우조선해양 주식회사 선체 외판 도장 작업시스템 및 도장 작업방법
CN106019810A (zh) * 2015-03-31 2016-10-12 信越化学工业株式会社 半色调相移掩模坯和半色调相移掩模
JP2017058703A (ja) * 2015-03-27 2017-03-23 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
JP2020166114A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11258772A (ja) * 1998-03-16 1999-09-24 Toppan Printing Co Ltd ハーフトーン型位相シフトマスク用ブランクス及びハーフトーン型位相シフトマスク
JP2002258460A (ja) * 2000-12-26 2002-09-11 Hoya Corp ハーフトーン型位相シフトマスクブランク及びマスク
JP2002251000A (ja) * 2001-02-26 2002-09-06 Semiconductor Leading Edge Technologies Inc 位相シフトマスクの製造方法、位相シフトマスク、位相シフトマスクブランクス及び半導体装置の製造方法
KR100733163B1 (ko) * 2006-05-08 2007-06-28 대우조선해양 주식회사 선체 외판 도장 작업시스템 및 도장 작업방법
JP2017058703A (ja) * 2015-03-27 2017-03-23 Hoya株式会社 マスクブランク、位相シフトマスク及び位相シフトマスクの製造方法、並びに半導体装置の製造方法
CN106019810A (zh) * 2015-03-31 2016-10-12 信越化学工业株式会社 半色调相移掩模坯和半色调相移掩模
JP2020166114A (ja) * 2019-03-29 2020-10-08 Hoya株式会社 フォトマスクブランク、フォトマスクの製造方法、及び表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3247485B2 (ja) 2002-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9436079B2 (en) Phase shift mask blank, method of manufacturing the same, and phase shift mask
KR101900548B1 (ko) 하프톤 위상 시프트형 포토마스크 블랭크의 제조 방법
EP0924567A1 (en) Phase shift mask and phase shift mask blank
JP3036085B2 (ja) 光学マスクとその欠陥修正方法
KR20170088299A (ko) 하프톤 위상 시프트형 포토마스크 블랭크 및 그의 제조 방법
KR20160117320A (ko) 하프톤 위상 시프트형 포토마스크 블랭크의 제조 방법
KR100720334B1 (ko) 하프톤형 위상반전 블랭크 마스크 및 그 제조방법
EP1288717B1 (en) Method of manufacture of a phase shift mask blank and of a phase shift mask
JPH06332152A (ja) 位相シフトマスク及び位相シフトマスクブランク
JP2016194626A (ja) ハーフトーン位相シフト型フォトマスクブランクの製造方法
JPH0876353A (ja) 位相シフトマスクの製造方法
JP3696320B2 (ja) 位相シフトマスク、位相シフトマスクブランクス及びそれらの製造方法
JP3247485B2 (ja) 露光用マスク及びその製造方法
JPH0683034A (ja) 露光用マスク、露光マスク用基板及びその製造方法
JP3913319B2 (ja) ハーフトーン位相シフトマスクの製造方法
JP3312702B2 (ja) 位相シフトフォトマスク及び位相シフトフォトマスク用ブランクス
JPH08123010A (ja) 位相シフトマスクおよびそれに用いるマスクブランク
JP4076989B2 (ja) 位相シフトマスクブランクス及び位相シフトマスク
JP3041802B2 (ja) フォトマスクブランク及びフォトマスク
JPH1020471A (ja) 露光マスクの製造方法
JP3351892B2 (ja) ハーフトーン位相シフトフォトマスク及びハーフトーン位相シフトフォトマスク用ブランクス
KR20000006152A (ko) 반도체장치의제조방법
JP4654487B2 (ja) 位相シフトマスクの製造方法
JP2611734B2 (ja) 位相シフトマスク
JPS6332553A (ja) フオトマスクブランクとフオトマスク

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071102

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081102

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091102

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101102

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111102

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121102

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees