JPH0675302A

JPH0675302A - 明室用反射型スクリーン

Info

Publication number: JPH0675302A
Application number: JP25061592A
Authority: JP
Inventors: Akira Yoshikawa; 晶吉川; Yukiteru Shibuya; 幸照渋谷
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1992-08-26
Filing date: 1992-08-26
Publication date: 1994-03-18

Abstract

(57)【要約】【目的】窓からの外来光や室内の照明に影響されるこ
となく、明るい室内においてもプロジェクタから投影さ
れた映像を高コントラストで観賞することが可能な明室
用反射型スクリーンを提供する。【構成】黒色基材層１、アルミニウム顔料を含む反射
層２、および光拡散層３を順次積層してなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ＯＨＰ（オーバーヘッ
ドプロジェクタ）や液晶プロジェクタなどの投影画像を
見る場合に使用される反射型スクリーンに係り、さらに
詳しくは明るい室内においても高コントラストな投影画
像が見られる明室用反射型スクリーンに関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】現在、ＯＨＰが普及し、学校や会社など
で広く使用されているが、このＯＨＰで画像を投影する
場合には通常白い表面を有する反射型スクリーンが用い
られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
反射型スクリーンは、室内の照明や窓からの外来光があ
ると、スクリーンに投影された映像のコントラスト比が
低下して見えにくくなるため、部屋を暗くしてつまりプ
ロジェクタ以外の光を遮断した状態で使用していた。そ
のため、ＯＨＰ使用中に観察者が手元でメモ等を取りた
くてもそれが困難であるため皆が不便を感じていた。特
に、ＯＨＰよりも光源の明るさが劣る液晶プロジェクタ
では尚更である。

【０００４】なお、画像の明るさをより向上させるべ
く、従来反射層の材料として白色塩ビやその上にパール
顔料を塗布したものがあるが、スクリーンゲインが低い
ため、これも部屋を暗くしないと使用することができな
かった。また、アルミニウム箔やアルミニウム板を反射
層として用いたものもあるが、鏡面反射成分が多く画面
がぎらつき、コントラストも不十分で、明るい室内で使
用することはできなかった。

【０００５】本発明はこのような従来の課題に鑑みてな
されたものであり、外来光や室内の照明に影響されるこ
となく、明るい室内においてもプロジェクタから投影さ
れた映像を高コントラストで観賞することが可能な明室
用反射型スクリーンを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するべ
く、本発明の明室用反射型スクリーンは、黒色基材層、
アルミニウム顔料を含む反射層、および光拡散層を順次
積層して形成されている。

【０００７】上記光拡散層としてはヘイズ値が50以下の
プラスチックフィルムを用いることができる。

【０００８】上記アルミニウム顔料には鱗片状のアルミ
ニウム顔料を用いることができる。

【０００９】上記反射層はアルミニウム顔料を含む層と
含まない層を交互に積層して形成することができる。

【００１０】また、上記反射層はアルミニウム顔料を含
むインキで表面を印刷した透明フィルムを複数枚積層し
て形成することができる。

【００１１】以下、本発明の構成を更に詳述する。

【００１２】図１は本発明の明室用反射型スクリーンの
一実施例の構成を示す断面図で、黒色基材層１の上に反
射層２および光拡散層３を順次積層した構成となってい
る。

【００１３】黒色基材層１はたとえばカーボンブラック
を含有する塩化ビニルシートなどを用いることができ
る。基材層を黒色としたのは外来光の吸収と映像のコン
トラスト向上のためである。

【００１４】反射層２はビニル系、アクリル系などの樹
脂中にアルミニウム顔料を含有してなるもので、アルミ
ニウム顔料を含む樹脂塗料を通常の塗装方法あるいはグ
ラビア、シルクスクリーンなどの印刷手法を用いて黒色
基材層１に塗設される。本発明ではアルミニウム顔料は
特に鱗片状のものを使用するのが好ましい。鱗片状のア
ルミニウム顔料は、例えばアルミニウム箔を粉砕するこ
とによって容易に得られる。また、表面をアルミニウム
蒸着したポリエステルフィルムを粉砕して得られる鱗片
状の顔料も本発明のアルミニウム顔料として使用するこ
とができる。

【００１５】鱗片状のアルミニウム顔料４は塗膜が乾燥
すると層内で基材面に平行に並ぶように方向性をもって
分布し、正面方向から見てほぼ重なり合うように分布す
る（図２参照）。また、本発明では、鱗片状のアルミニ
ウム顔料４はある程度の間隔をもって分布することが望
ましく、ある程度の厚みをもった層の中に分布すること
が望ましい。アルミニウム顔料の含有量は、反射層２を
構成する樹脂５〜30重量部に対し 0.5〜５重量部程度が
望ましい。また、反射層２の厚みは20μｍ以上であるこ
とが望ましい。

【００１６】また、反射層２は、アルミニウム顔料を含
む単一層構成でなくてもかまわない。たとえば、アルミ
ニウム顔料を含む層と含まない層を交互に積層して形成
された構成であってもよい。また、アルミニウム顔料を
含むインキで表面を印刷した透明フィルムを複数枚積層
して形成された構成をとることもできる。

【００１７】光拡散層３は表面をエンボス加工やマット
コーティングしたフィルムであって、延伸ポリプロピレ
ン（ＯＰＰ）、塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレー
ト（ＰＥＴ）、トリアセチルセルロース（ＴＡＣ）等の
透明熱可塑性樹脂が使用される。この光拡散層３は表面
保護層としての役目も果しており、反射層２上に接着剤
を介して積層される。また、入射光に対する散乱光の割
合を示すヘイズ値が50以下のものが望ましい。

【００１８】

【作用】かかる構成にあって、図２に示すように、スク
リーンへの入射角が比較的小さな入射光ａの場合には反
射層２内においてその反射光はほとんど鏡面反射に従
う。したがってプロジェクタからの光は入射角が小さい
ためほとんど全部が反射されることになる。因みに 100
インチサイズのスクリーンに画面投影する場合、スクリ
ーンからレンズ全面への距離は 4.6ｍ程度であるが、こ
の場合レンズの正面では、入射角は０°であり、スクリ
ーンの端での入射角は約15°である。

【００１９】一方窓からの外来光や室内の照明装置から
の光はスクリーンに対しては一般に入射角が大きな入射
光ｂであるから、正面方向から見てほぼ重なり合った鱗
片状のアルミニウム顔料４の横斜め方向から入射するこ
とになるため、顔料間で反射し黒色の基材層１面で吸収
される割合が多くなる。

【００２０】その結果、プロジェクタからの反射光は、
明るい室内においても外来光や室内の照明光に何ら影響
を受けることなく、明るい高コントラストな投影画像が
得られる。また、スクリーンの中心部と周辺部との明る
さの差が少なく、投影画像が見やすくなる。

【００２１】

【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。

【００２２】実施例１アルミニウム顔料を含む層として、平均粒径15ミクロン
の鱗片状アルミニウム顔料を25重量部、ビニル系樹脂 1
00重量部からなるインキをシルクスクリーン印刷方式を
用いて20ミクロンの厚さの層をガラスクロス入りの塩化
ビニルシートの上に塗布形成した。塩化ビニルシートは
カーボンブラックを含有した黒色のものを用いた。

【００２３】さらに表面に光拡散層兼表面保護層とし
て、 100ミクロンの透明塩化ビニルシートを接着剤で積
層し、反射型スクリーンを作成した。透明塩化ビニルシ
ートの表面は光の拡散のため梨地のエンボス加工を施し
ヘイズ値35のものを用いた。

【００２４】このスクリーンを用いて液晶プロジェクタ
ＨＶ−１００（シャープ（株）製）により投影測定した
ところ、スクリーンゲインＳＧ値が 4.8、コントラスト
比 3.5の明るいスクリーンが得られた。このときの室内
の明るさは 100 luxであり通常のスクリーンでは十分な
映像が得られない環境であったが、本実施例のスクリー
ンにおいては、映像をみても十分観賞に足るものであっ
た。

【００２５】なお、上記スクリーンゲインＳＧ値および
コントラスト比はそれぞれ、

【００２６】

【数１】で定義されるが、本実施例では輝度計及び照度計を用い
て測定し、上式によりこれらの値を求めた。

【００２７】実施例２アルミニウム顔料を含む層として、平均粒径15ミクロン
の鱗片状アルミニウム顔料10重量部、アクリル系樹脂 1
00重量部からなるインキと顔料を含まない透明インキの
２種類のインキを用意し、これらのインキをグラビア多
色印刷を用いて、まず５ミクロンの厚さのアルミニウム
顔料含有層をガラスクロス入りの塩化ビニルシートの上
に塗布形成し、その上に５ミクロンの透明層を重ねて形
成し、交互にアルミニウム顔料を含む層３層と透明層２
層の計５層を形成した。塩化ビニルシートは黒色のもの
を用いた。

【００２８】さらに表面に光拡散層兼表面保護層とし
て、 100ミクロンの透明塩化ビニルシートを接着剤で積
層し、反射型スクリーンを作成した。透明塩化ビニルシ
ートの表面は梨地のエンボス加工を施しヘイズ値35のも
のを用いた。

【００２９】このスクリーンを用いて実施例１と同様液
晶プロジェクタにより投影測定したところ、ＳＧ値が
4.8、コントラスト比 3.5の明るいスクリーンが得られ
た。このときの室内の明るさは 100 luxであったが、映
像をみても十分観賞に足るものであった。

【００３０】実施例３アルミニウム顔料を含むインキとして平均粒径25ミクロ
ンの鱗片状アルミニウム顔料10重量部、アクリル系樹脂
100重量部で混合したものを用意し、このインキをグラ
ビア印刷を用いて、25ミクロン厚の透明ＰＥＴフィルム
の表面に印刷したものを３枚作成した。次に、この３枚
のフィルムをガラスクロス入りの塩化ビニルシートに積
層し反射層を形成した。塩化ビニルシートは黒色のもの
を用いた。

【００３１】さらに表面に光拡散層兼表面保護層とし
て、 100ミクロンの透明塩化ビニルシートを接着剤で積
層し、反射型スクリーンを作成した。透明塩化ビニルシ
ートの表面は梨地のエンボス加工を施しヘイズ値35のも
のを用いた。

【００３２】このスクリーンを用いて実施例１と同様液
晶プロジェクタにより投影測定したところ、ＳＧ値が
4.5、コントラスト比 3.0の明るいスクリーンが得られ
た。このときの室内の明るさは 100 luxであったが、映
像をみても十分観賞に足るものであった。

【００３３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の反
射型スクリーンは、黒色基材層、アルミニウム顔料を含
む反射層、および光拡散層を順次積層して形成したこと
により、プロジェクタからくる光を反射し、外来光や室
内の照明光を効果的に吸収するため、明るい室内におい
てもプロジェクタから投影された映像を高コントラスト
で観賞することが出来るという優れた効果を奏する。

【００３４】また、本発明の反射型スクリーンは、反射
輝度が高く、しかもスクリーンの中心部と周辺部との明
るさの差が少ないので、明るく見やすい映像が得られ
る。さらに、黒色基材を用いているため、スクリーンの
外観が若干しずんだ色になりコントラストの良い映像が
得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の明室用反射型スクリーンの一実施例の
構成を示す断面図である。

【図２】スクリーンに入射した光の反射の様子を示す説
明図である。

【符号の説明】

１黒色基材層２反射層３光拡散層４鱗片状アルミニウム顔料

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】黒色基材層、アルミニウム顔料を含む反
射層、および光拡散層を順次積層して形成されたことを
特徴とする明室用反射型スクリーン。
【請求項２】前記光拡散層としてヘイズ値が50以下の
プラスチックフィルムを用いた請求項１記載の明室用反
射型スクリーン。
【請求項３】前記アルミニウム顔料が鱗片状のアルミ
ニウム顔料である請求項１記載の明室用反射型スクリー
ン。
【請求項４】前記反射層がアルミニウム顔料を含む層
と含まない層を交互に積層して形成されている請求項１
記載の明室用反射型スクリーン。
【請求項５】前記反射層がアルミニウム顔料を含むイ
ンキで表面を印刷した透明フィルムを複数枚積層して形
成されている請求項１記載の明室用反射型スクリーン。