JPH0674915B2 - 換気空調設備 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の目的〕 （産業上の利用分野） この発明は、換気空調設備に係り、特に外気を温度調節
する熱交換器の健全性を確保するに好適な換気空調設備
に関する。

（従来の技術） 第２図は原子力発電プラントの建屋に適用された従来の
換気空調設備を示す系統図である。

給気ファン１を運転すると、外気が外気ルーバ３を経て
給気ケーシング５内へ流入する。給気ケーシング５内へ
流入した外気は、給気フィルタ７によって塵埃が除か
れ、熱交換器としての冷温水コイル９によって温度調整
される。冷温水コイル９は、冬期の暖房運転時には温水
が、下記の冷房運転時には冷水がそれぞれ作動流体とし
て通水し得るよう設けられる。図では、温水が通水され
る場合を示す。

冷温水コイル９で温度調整された外気、例えば暖房運転
時に暖められた外気は給気ファン１を通り、ダクト11を
経て各部屋へ送風される。暖房運転時、ダクト内を流れ
る空気（外気は）、その温度が外気温度計13により測定
され、その温度が一定温度を保つように温度調整弁19に
より調整される。この温度調整弁19は、外気温度計13に
接続された温度コントローラ15および電気・圧力変換器
17により作動され、作動流体供給系である温水供給系21
から冷温水コイル９へ導かれる温水の流量を制御するも
のである。

（発明が解決しようとする問題点） ところが、暖房運転時、外気が予想以上低い場合、また
は外気温度計13、温度コントローラ15、空気・圧力変換
器17もしくは温度調整弁19の故障もしくは温水供給系21
の不調等によって温水供給量が著しく減少した場合に
は、温水が冷温水コイル９内で凍結し、冷温水コイル９
が破損するおそれがある。

この発明は、上記事実を考慮してなされたものであり、
暖房運転時に、熱交換器内を流れる作動流体の凍結を防
止して熱交換器の健全性を確保し、設備の信頼性を向上
させることができる換気空調設備を提供することを目的
とする。

〔発明の構成〕

（問題点を解決するための手段） この発明は、所定の温度に制御される作動流体が流通す
る作動流体供給系に接続された熱交換器により外気を温
度調整して室内へ導く換気空調設備において、前記熱交
換器の出口部にこの出口部を流れる作動流体の温度を検
出する温度検出手段を配設し、この熱交換器に前記作動
流体と異なりかつ熱交換器の凍結を防止する熱媒を熱交
換器に導く熱媒導入管を接続し、前記温度検出手段にて
検出した作動流体の温度が所定値以下の場合に開動作し
前記熱媒導入管から熱媒を熱交換器に導く制御弁がこの
熱媒導入管に配設されて成ることを特徴とする。

（作用） したがって、この発明に係る換気空調設備は、外気を熱
交換器で加熱して室内へ導く暖房運転時に、熱交換器内
を流れる作動流体の温度を所定温度以上に維持すること
ができる。その結果、作動流体の温度低下に伴う体積膨
張によって、熱交換器が破損する事態を防止できる。

（実施例） 以下、この発明の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、この発明に係る換気空調設備の一実施例にお
ける冷温水コイルの周囲を示す概略図である。

この一実施例は、冷温水コイルに凍結防止装置装置を設
置したものであり、他の点については従来例と異なるこ
とがないので、従来と同様な部分は同一の符号を付すこ
とにより説明を省略する。

冷温水コイル９は、入口ヘッダ管23および出口ヘッダ管
25間に蛇行して配設された複数本のコイルチューブ27
と、このコイルチューブ27に固定された複数枚のコイル
フィン29とから構成されており、コイルフィン29により
伝熱面積が増大される。入口ヘッダ管23または出口ヘッ
ダ管25は、それぞれ入口ノズル31または出口ノズル33を
介して温水供給系21に接続される。したがって、暖房運
転時には、温水供給系21からの温水が入口ノズル31を経
て入口ヘッダ管23内へ導かれ、この入口ヘッダ管23内へ
導かれた温水は、複数本のコイルチューブ27内を通る間
にコイルフィン29から外気へ放熱し、冷却されて出口ヘ
ッダ管25へ至り、再び温水供給系21へ戻される。このよ
うに、暖房運転時、外気はコイルフィン29からの放熱に
よって一定温度に暖められる。

この冷温水コイル９に凍結防止装置35が設置される。凍
結防止装置35は、出口ヘッダ管25に温水温度計37が取り
付けられ、入口ヘッダ管23に熱媒導入管としての蒸気導
入管39が接続され、この蒸気導入管39に空気作動弁41が
配設されたものである。

蒸気導入管39は、作動流体と異なる熱媒としての蒸気を
入口ヘッダ管23内へ導くものである。また、空気作動弁
41は、空気供給系43に配設された電磁弁45に連結され、
空気供給系43からの空気圧により作動する。空気作動弁
41の開作動により、蒸気導入管39から入口ヘッダ管23内
へ蒸気が供給され、空気作動弁41の閉作動によりその蒸
気の供給が遮断される。

電磁弁45の作動は、この電磁弁45に電気的に接続され、
かつ温水温度計37に同様に接続された温度スイッチ47に
よってなされる。つまり、出口ヘッダ管25内を流れる温
水の温度は温水温度計37によって測定されるが、この温
水温度が所定温度、例えば約15℃以下になったときに温
度スイッチ47がこれを検出し、電磁弁45を作動させて、
空気作動弁41を開作動させる。これらの温水温度計およ
び温度スイッチ47を温度検出手段という。

したがって、この実施例では、暖房運転時に外気を暖め
た温水が出口ヘッダ管25に戻ってきたときに、その温水
温度が約15℃以下になっていれば、温水温度系37および
温度スイッチ47がこれを検知し、電磁弁45を介して空気
作動弁41を開作動させる。その結果、蒸気導入管39から
入口ヘッダ管23内へ蒸気が流入され、入口ヘッダ管23、
コイルチューブ27および出口ヘッダ管25内を流れる温水
の温度が高められて温水の凍結を防止できる。そのた
め、凍結に基づく体積膨張が原因となって生ずるコイル
チューブ27および出口ヘッダ管25の破損を防止でき、冷
温水コイル９の健全性を維持して、換気空調設備の信頼
性を向上させることができる。

次に、他の実施例を説明する。

この他の実施例において、前記実施例と同様な部分は同
一の符号を付す。この他の実施例は、前記実施例のうち
蒸気導入管39が入口ヘッダ管23ではなく出口ヘッダ管25
に接続され、さらにコイルチューブ27が二重管構造にな
ったものである。そして、蒸気導入管39からの蒸気は、
コイルチューブ27の二重管の内側を流れ、その外側を流
れる温水を加熱し得るよう設けられる。

このような他の実施例によれば、出口ヘッダ管25内の温
水温度が所定温度以下になったときに、温度の低いコイ
ルチューブ27の下流側および出口ヘッダ管25へ蒸気を導
くことから、凍結するおそれの高い箇所を直接加熱する
ことができ、前記実施例に比べ応答性を向上させること
ができる。

なお、上記実施例では冷温水コイル９に凍結防止装置35
を適用するものにつき説明したが、蒸気加熱コイルに凍
結防止装置35を適用するものであってもよい。また、上
記実施例では原子力発電プラントの建屋に設置される換
気空調設備につき説明したが、全量換気方式の換気空調
設備であれば適用可能である。

〔発明の効果〕 以上のように、この発明に係る換気空調設備によれば、
熱交換器出口部を流れる作動流体が所定温度以下になっ
たときに、温度検出手段がこれを検知し、熱媒導入管か
ら蒸気熱交換器へ熱媒を流入させるよう構成されたこと
から、暖房運転時に熱交換器内を流れる作動流体の温度
を所定温度以上に維持することができ、その結果、作動
流体の凍結を防止して熱交換器の健全性を確保でき、設
備の信頼性を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明に係る換気空調設備の一実施例におけ
る冷温水コイルの周囲を示す概略図、第２図は原子力発
電プラントの建屋に適用された従来の換気空調設備を示
す系統図である。 １……給気ファン、９……冷温水コイル、23……入口ヘ
ッダ管、25……出口ヘッダ管、27……コイルチューブ、
35……凍結防止装置、37……温水温度計、39……蒸気導
入管、47……温度スイッチ。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】所定の温度に制御される作動流体が流通す
   る作動流体供給系に接続された熱交換器により外気を温
   度調整して室内へ導く換気空調設備において、前記熱交
   換器の出口部にこの出口部を流れる作動流体の温度を検
   出する温度検出手段を配設し、この熱交換器に前記作動
   流体と異なりかつ熱交換器の凍結を防止する熱媒を熱交
   換器に導く熱媒導入管を接続し、前記温度検出手段にて
   検出した作動流体の温度が所定値以下の場合に開動作し
   前記熱媒導入管から熱媒を熱交換器に導く制御弁がこの
   熱媒導入管に配設されて成ることを特徴とする換気空調
   設備。
2. 【請求項２】熱交換器は冷温水コイルであり、熱媒導入
   管は蒸気導入管で、熱媒としての蒸気を上記冷温水コイ
   ルへ導くものである特許請求の範囲第１項記載の換気空
   調設備。