JPH0674124A - 燃料噴射装置及びその固定鉄心の製造方法 - Google Patents
燃料噴射装置及びその固定鉄心の製造方法Info
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- JPH0674124A JPH0674124A JP32720392A JP32720392A JPH0674124A JP H0674124 A JPH0674124 A JP H0674124A JP 32720392 A JP32720392 A JP 32720392A JP 32720392 A JP32720392 A JP 32720392A JP H0674124 A JPH0674124 A JP H0674124A
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Abstract
れをなくし、信頼性の高い燃料噴射装置を得る。 【構成】 固定鉄心を、強磁性部12、13と非磁性部
11との間に溶接箇所をもたない一体構造のもので構成
する。
Description
する電子制御式燃料噴射装置、特に弁体を往復駆動させ
る電磁アクチュエータの固定鉄心の構造及びその製造方
法に関するものである。
に記載されている電子制御式燃料噴射装置の断面図であ
る。電子制御式燃料噴射装置の電磁アクチュエータは、
ケーシング内に配置された定置の電磁コイル10と固定
鉄心11、12、13で構成され、この鉄心に対して同
軸的にギャップを開けて配置された弁体15と一体の可
動子14を往復駆動させる。この固定鉄心は、磁性部1
2、13が2つに分割され、その中間部に非磁性部11
を有し、それらを金属シール16、17する構成であ
る。この非磁性部11は磁気回路において可動子14を
通る磁束を増加し、弁体の作動応答性を向上させるもの
である。従来の固定鉄心は、磁性部12、13と非磁性
部11がそれぞれ異なる磁性材料と非磁性材料からなる
ために3つの部材から構成され、その機能上、鉄心の内
部を燃料が通るためにそれぞれの部分はシールされてい
る。このシール法としては、金属シールの他にOリング
シールも用いられている。また、固定鉄心の材料にはA
lにより耐酸化性を向上させたステンレス鋼が用いられ
る。
噴射装置の電磁アクチュエータの固定鉄心は、3つの部
材からなり、この3つの部材を精度よく組み立てるため
に、それぞれの部品ははめ合い構造が必要となるので、
部品形状が複雑かつ高精度が要求されるという問題があ
った。さらに高精度な部品を多数必要とするので、部品
コストが高いという問題があった。また、3つの部材で
構成されているので、それぞれの部分をOリングシール
と機械的固定の併用、あるいは、溶接による固定が必要
であった。燃料噴射装置は、動作中に−30℃と+13
0℃との間の激しい温度負荷を受ける。このため、Oリ
ングシールは、繰り返し使用により、老化、収縮、硬化
及び特にガソリンに含まれる芳香族化合物による軟化剤
の流出により劣化が促進され、シール性が低下する。一
方、溶接による金属シールは、シール箇所に非破壊検査
では検出できない微細な割れやブローホールが存在する
場合には、それらの欠陥が繰り返し使用により成長し、
シール性が低下することがある。圧力下にある燃料は上
記のシール性の低下した箇所を通って機関室内に流出し
て、着火することがあるなどの問題もあった。
ためになされたもので、部品数が少なく、シール箇所の
ない燃料噴射装置の電磁アクチュエータ用固定鉄心を得
ることを目的とする。
ュエータ用固定鉄心の製造方法を提供することを目的と
する。
置は、電磁アクチュエータ用固定鉄心が、磁性部と非磁
性部との間に接合箇所がない一体構造のもので構成され
たものである。
レス鋼をマルテンサイト変態温度以上の準安定オーステ
ナイト温度域で固定鉄心の形状に強加工を施し、マルテ
ンサイト相に加工誘起変態させて磁性化したのち、加熱
処理により中間部をもとの非磁性のオーステナイト相に
改質して製造したものである。
金、またはフェライト系ステンレス鋼、またはマルテン
サイト系ステンレス鋼よりなる磁性鋼に、オーステナイ
ト生成元素を局所的に溶融添加して、非磁性のオーステ
ナイト相を上記磁性鋼の中間部に形成することによって
も製造できる。
イト生成元素を溶融添加することにより非磁性部を形成
するものにおいて、磁性部は、Alを含まないフェライ
ト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼で構成すると
よい。
ッケル系合金にフェライト生成元素を局所的に溶融添加
して、非磁性のオーステナイト相を上記強磁性の鉄−ニ
ッケル系合金の中間部に形成することによっても製造で
きる。
鉄心を、磁性部と非磁性部との間に接合箇所がない一体
構造のもので構成したので、シール箇所がなくなり、固
定鉄心からの燃料漏れが起こらない燃料噴射装置が得ら
れる。
素材を磁性化したのち、加熱処理により中間部をもとの
非磁性に改質して製造しているので、1つの部材からな
るシール箇所のない一体構造のものが得られ、さらに部
品コストや組立工程の大幅な簡略化により製造コストが
大幅に低減される。
形状の磁性鋼に、局所的に添加物を溶融添加して、非磁
性相を形成することにより、1つの部材からなる接合箇
所のない一体構造の固定鉄心を得ることもできる。
にオーステナイト生成元素を溶融添加して、非磁性相を
形成するものにおいて、磁性鋼に、Alを含まないフェ
ライト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼を用いる
ことにより、非磁性改質部の割れがなくなり、コアから
の燃料漏れが起こらない燃料噴射装置が得られる。
ュエータ用固定鉄心の製造工程図である。まず、外径2
0mm、内径14mm、長さ50mmの非磁性オーステ
ナイト系ステンレス鋼(SUS304)1(素材)を用
意する。そのステンレス鋼を250℃で鍛造により外径
18mm、内径16mmの固定鉄心の形状に加工する。
加工後ただちに、250℃の加工物を−20℃のNaC
l水溶液(22.4wt%)2中で急冷する。以上の処
理により、オーステナイト系ステンレス鋼は加工誘起マ
ルテンサイト変態を起こし、強磁性となる。次に、非磁
性部分形成箇所にCO2 レーザ3を照射し、非磁性部分
形成箇所を局所的に900〜1300℃に加熱する。加
熱部分4はマルテンサイト組織からオーステナイト組織
に変わり、非磁性となる。
されたオーステナイト系ステンレス鋼の組織及び磁性は
図2に示すようになり、強磁性部12、13の中間部に
非磁性部11を有する固定鉄心を、強磁性部と非磁性部
との間に接合箇所をもたない一体構造のもので構成する
ことができる。
ステナイト系ステンレス鋼にSUS304を用いている
が、それに供される要求材料特性に応じて決定されるべ
きものであり、本実施例に限定されるものではない。ま
た、素材及び固定鉄心の形状は適宜決定してよい。
条件は、固定鉄心の強磁性部に要求される透磁率に応じ
て決定されるべきものであり、本実施例に限定されるも
のではない。
るが、YAGレーザや電子ビーム等の励起ビームも利用
可能であり、本実施例に限定されるものではない。ま
た、励起ビームの照射条件及びワークの回転数は、固定
鉄心の非磁性部に要求される透磁率に応じて決定される
べきものであり、本実施例に限定されるものではない。
ある電磁アクチュエータ用固定鉄心の製造工程図を示
す。まず、外径18mm、内径16mm、長さ50mm
の磁性フェライト系ステンレス鋼(SUS405)1
(素材)と直径1mmのNiワイヤ(純度99.9%以
上)5を用意する。次に、ステンレス鋼1を回転数4r
pmで回転させながら、CO2 レーザ3を出力1.5k
W、ab値1で外面中央に一回照射し、その照射部にN
iワイヤ5を供給する。レーザの照射部は、レーザ移動
方向に対して幅2mm、深さ1mmの溶融部6を生じ、
溶融部内にNiが均一に分散する。レーザ照射後に溶融
部6が凝固し、その溶融部のみがオーステナイト組織に
変わり、非磁性となる。以上の処理により、固定鉄心の
磁性は、磁性部の中間部に非磁性を有する構造となる。
施例である電磁アクチュエータ用固定鉄心の製造工程図
を示す。まず、外径18mm、内径16mm、長さ50
mmの強磁性パーマロイB1(素材)を用意する。次
に、そのパーマロイBの全面に厚さ0.13mmのCr
メッキ7を施す。さらに、パーマロイBを回転数4rp
mで回転させながら、CO2 レーザ3を出力1.5k
W、ab値1で外面中央に一回照射する。レーザの照射
部は、レーザ移動方向に対して幅2mm、深さ1mmの
溶融部6を生じ、溶融部内にCrが均一に分散する。レ
ーザ照射後に溶融部6が凝固し、その溶融部6はFe−
17wt%Cr−35wt%Ni合金となり、組織がオ
ーステナイト単相で非磁性となる。以上の処理により、
固定鉄心の磁性は、強磁性部の中間部に非磁性を有する
構造となる。
ンレス鋼(SUS405)を用いたが、鉄−クロム系合
金、またはマルテンサイト系ステンレス鋼でもよく、ま
た、実施例3において用いられている材料も、それに供
される要求材料特性に応じて決定されるべきものであ
り、本実施例に限定されるものではない。また、非磁性
部の組成もオーステナイト生成領域であればよく本実施
例に限定されるものでないことは言うまでもない。
法により製造されるものにおいて、磁性部がAlで耐酸
化性を向上させたステンレス鋼で構成される場合、低融
点のAlが非磁性のオーステナイトの結晶粒界に偏析し
て図5(a)に示すような割れを引き起こし、圧力下に
ある燃料が割れを通って機関室内に流出して、着火する
などの新たな問題が生じる。本実施例では鉄心の磁性部
を、Alの含まれないステンレス鋼、あるいはAlでは
なくSiで耐酸化性を向上させたステンレス鋼で構成
し、その一部をオーステナイト生成元素を局部的に溶融
添加することにより非磁性改質したので、非磁性改質部
の割れがなくなり、コアからの燃料漏れが起こらない燃
料噴射装置が得られる。
410L、SUS430、SUS434などの、Crが
10〜35%、Siが4%以下、Cが0.15%以下、
その他必要に応じてMn、P、S、Mo、N、Ni、C
uなどが含まれ、Alの含まれていないフェライト系ス
テンレス鋼、あるいは、SUS403、SUS410、
SUS416などの、Crが10〜20%、Siが2%
以下、Cが1.5%以下、その他必要に応じてMn、
P、S、Ni、Moなどが含まれ、Alの含まれていな
いマルテンサイト系ステンレス鋼があげられる。
れる鉄心の製法を示す。まず、切断、冷間鍛造、切削な
どの加工により外径10mm、内径8mm、長さ50m
mのパイプ形状に加工した素材(SUS410L)、ま
た、直径0.35mmのNiワイヤ(純度99.9以
上)を用意する。次に、SUS410Lを回転数32r
pmで回転させながら、CO2 レーザを出力1.5k
W、ab値1で外面中央に一回照射し、その照射部にN
iワイヤを供給する。レーザの照射部は、レーザ移動方
向に対して幅2mm、深さ1mmの溶融部を生じ、溶融
部内にNiが均一に分散する。レーザ照射後に溶融部が
凝固し、その溶融部のみがオーステナイト組織に変わ
り、非磁性となる。以上の処理により、コアは、磁性ス
テンレス鋼の中間部に非磁性改質部を有する構造とな
る。
気天秤法により測定した結果、1.1以下であった。ま
た、磁性材にAlで耐酸化性を向上させたSUS405
を用いて非磁性改質した場合に発生していた図5(a)
に示すような割れは、図5(b)に示すように、SUS
410Lを非磁性改質した場合には観察されなかった。
鉄心の形状は適宜決定してよい。また、非磁性部の範囲
も同様に適宜決定してよい。
いるが、YAGレーザや電子ビーム等の励起ビーム、ア
ークやプラズマも利用可能であり、上記各実施例に限定
されるものではない。また、励起ビームの照射条件及び
ワークの回転数は、固定鉄心の非磁性部に要求される透
磁率に応じて決定されるべきものであり、上記各実施例
に限定されるものではない。
ステナイト生成元素にNiを用いているが、Co、M
n、Cuも使用可能であり、本実施例に限定されるもの
ではない。
用いているが、Ni−Cr合金、Ni−Cu合金などオ
ーステナイト生成元素が含まれる合金のワイヤも利用可
能であり、本実施例に限定されるものではない。また、
ワイヤの直径は、非磁性部の組成に応じて決定されるも
のであり、本実施例に限定されるものではない。
添加方法にワイヤ供給法を用いているが、メッキ法、粉
末供給法も利用可能であり、本実施例に限定されるもの
ではない。同様に、上記実施例3において、Crの添加
方法にメッキ法を用いているが、本実施例に限定される
ものではない。
クチュエータ用固定鉄心を、磁性部と非磁性部との間に
接合箇所をもたない一体構造のもので構成したので、シ
ール個所がなくなり、電磁アクチュエータ用固定鉄心か
らの燃料漏れが発生する要因をなくなり、燃料噴射装置
の信頼性が大幅に向上する効果がある。
ステンレス鋼をマルテンサイト変態温度以上の準安定オ
ーステナイト温度域で固定鉄心の形状に強加工を施し、
マルテンサイト相に加工誘起変態させて磁性化したの
ち、加熱処理により中間部をもとの非磁性のオーステナ
イト相に改質して製造したので、1つの部材からなるシ
ール箇所のない一体構造のものが得られ、さらに固定鉄
心の部品が3体から1体に減らせ、部品コストや組立工
程の大幅な簡略化により製造コストが大幅に低減される
効果がある。
金、またはフェライト系ステンレス鋼、またはマルテン
サイト系ステンレス鋼よりなる磁性鋼に、オーステナイ
ト生成元素を励起ビームなどを熱源として局所的に溶融
添加し、溶融部を非磁性のオーステナイト単相として製
造してもよく、上記製造方法と同様、1つの部材からな
るシール箇所のない一体構造のものが得られ、さらに固
定鉄心の部品が3体から1体に減らせ、部品コストや組
立工程の大幅な簡略化により製造コストが大幅に低減さ
れる効果がある。
ライト系またはマルテンサイト系ステンレス鋼を用いる
ことにより、非磁性改質部の割れがなくなり、コアから
の燃料漏れが起こらない燃料噴射装置が得られる効果が
ある。
Ni合金鋼に、Crなどのフェライト生成元素を励起ビ
ームを熱源として局所的に溶融添加し、溶融部を非磁性
のオーステナイト単相として製造してもよく、上記製造
方法と同様の効果がある。
固定鉄心の製造工程図である。
用固定鉄心の断面図である。
固定鉄心の製造工程図である。
固定鉄心の製造工程図である。
を示す写真である。
Claims (5)
- 【請求項1】 ケーシング内に配置された電磁コイル、
及び非磁性部をはさんで両側に磁性部を有する固定鉄心
で構成される電磁アクチュエータにより弁体を往復駆動
させ、内燃機関に燃料を供給する燃料噴射装置におい
て、上記固定鉄心を、上記磁性部と上記非磁性部との間
に接合箇所をもたない一体構造のもので構成したことを
特徴とする燃料噴射装置。 - 【請求項2】 オーステナイト系ステンレス鋼をマルテ
ンサイト変態温度以上の準安定オーステナイト温度域で
固定鉄心の形状に強加工を施し、マルテンサイト相に加
工誘起変態させて磁性化したのち、加熱処理により中間
部をもとの非磁性のオーステナイト相に改質する燃料噴
射装置の固定鉄心の製造方法。 - 【請求項3】 鉄−クロム系合金、またはフェライト系
ステンレス鋼、またはマルテンサイト系ステンレス鋼よ
りなる磁性鋼に、オーステナイト生成元素を局所的に溶
融添加して、非磁性のオーステナイト相を上記磁性鋼の
中間部に形成する燃料噴射装置の固定鉄心の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の磁性鋼はAlを含まない
フェライト系ステンレス鋼、またはマルテンサイト系ス
テンレス鋼よりなることを特徴とする燃料噴射装置の固
定鉄心の製造方法。 - 【請求項5】 強磁性の鉄−ニッケル系合金にフェライ
ト生成元素を局所的に溶融添加して、非磁性のオーステ
ナイト相を上記強磁性の鉄−ニッケル系合金の中間部に
形成する燃料噴射装置の固定鉄心の製造方法。
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JP4327203A JP2989977B2 (ja) | 1991-12-17 | 1992-11-11 | 燃料噴射装置の固定鉄心の製造方法 |
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JP3-333435 | 1991-12-17 | ||
JP33343591 | 1991-12-17 | ||
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0674124A true JPH0674124A (ja) | 1994-03-15 |
JP2989977B2 JP2989977B2 (ja) | 1999-12-13 |
Family
ID=26572428
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---|---|---|---|
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