JPH0673205A - 2軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

2軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0673205A
JPH0673205A JP22884092A JP22884092A JPH0673205A JP H0673205 A JPH0673205 A JP H0673205A JP 22884092 A JP22884092 A JP 22884092A JP 22884092 A JP22884092 A JP 22884092A JP H0673205 A JPH0673205 A JP H0673205A
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JP
Japan
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inorganic compound
film
fine particles
polyester
inert inorganic
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Application number
JP22884092A
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English (en)
Inventor
Juji Konagaya
重次 小長谷
Hideto Ohashi
英人 大橋
Yasuhiro Nishino
泰弘 西野
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Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Nippon Magphane KK
Toyobo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性に優れ、それゆえ、カレンダ加工工
程におけるフィルムの摩耗粉の発生がなく、かつ耐スク
ラッチ性に優れた2軸配向ポリエステルフィルムを提供
する。 【構成】 芳香族ジカルボン酸を主とする酸成分と、少
なくとも一種のグリコール成分とからなるポリエステル
フィルムである。このポリエステルフィルムは、平均粒
径が0.01〜1.0μmかつモース硬度が5以上であ
る不活性無機化合物微粒子(A)を100〜20000
ppmの範囲で、かつ平均粒径が0.1〜2.0μmか
つモース硬度が2.5以上5未満である不活性無機化合
物微粒子(B)を100〜20000ppmの範囲で、
かつ平均粒径が0.1〜5.0μmかつモース硬度が
2.5未満である不活性無機化合物微粒子(C)を10
0〜20000ppmの範囲で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2軸配向ポリエステル
フィルムに関し、より詳しくは磁気テープ用ベースフィ
ルムとして好適な2軸配向ポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、特にポリエチレンテレフ
タレートは優れた物理的、化学的特性を有し、さらにポ
リエステルに滑剤粒子と呼ばれる無機化合物または有機
化合物の微粒子が添加された2軸配向ポリエステルフィ
ルムは、磁気テープ用フィルムとして広く一般的に使用
されている。
【0003】最近では、磁気テープ製造工程の高速化に
伴い、磁気テープ製造工程中のカレンダ加工工程におけ
る耐摩耗性に一層優れたフィルムが求められている。カ
レンダ加工工程とは、磁性層組成物をポリエステルフィ
ルム上に塗布・乾燥することにより磁性層を形成した
後、この磁性層表面を平滑化する工程である。このカレ
ンダ加工工程では、極めて高圧力が加わるカレンダロー
ル間をこのフィルムが通過するため、主として滑剤によ
って形成されたフィルム表面の突起が削り落とされて摩
耗粉が発生する。このような摩耗粉がカレンダーロール
表面に付着すると、フィルムの磁性層表面が粗くなり、
結果として得られる磁気テープの電気的特性の低下を招
く。また、耐摩耗性が悪いフィルムは磁気テープとして
使用した場合、テープデッキ内の走行系においても摩耗
粉が発生し、その結果、磁気テープの電気特性の低下や
ドロップアウトを招く。
【0004】また、最近、磁気テープ用ベースフィルム
には、耐摩耗性に加えて耐スクラッチ性の要求が高まっ
ている。スクラッチとは、磁気テープが接触する部分に
つけられる擦り傷(例えば高速ダビング時のカセットピ
ンによるテープの擦傷)や、テープデッキ内の走行系で
発生した摩耗粉によりつけられる擦傷のことである。こ
のような耐スクラッチ性が悪い磁気テープは、その製造
工程内が汚染されたり、ドロップアウトの増加を引き起
こす。
【0005】上記の耐摩耗性及び耐スクラッチ性の改善
は磁気テープの品質向上につながり非常に重要なことで
ある。
【0006】耐摩耗性を改善する方法としては、例え
ば、特開昭60−195727号公報にベースフィルム
の結晶化度を小さくする方法が記載されている。
【0007】しかしこの方法では、磁性層塗布後のフィ
ルムを所定幅にスリットして磁気テープに加工する際、
フィルム切断面からの、いわゆる、バリやヒゲの発生が
著しくなり、かつ粉が生じるため、得られる磁気テープ
にドロップアウトが増加するという問題がある。
【0008】また、耐摩耗性及び耐スクラッチ性を改良
する方法としては、例えば、特開平1−311131号
公報に、ポリエステルフィルム内に滑剤としてある特定
の微粒子、例えば、モース硬度6以上の不活性微粒子を
添加する方法が記載されている。
【0009】しかしこの方法では、フィルムの耐スクラ
ッチ性は向上するが、フィルムの耐摩耗性が充分でな
い。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点を
解決しようとするもので、その目的は、耐摩耗性に優
れ、それゆえ、カレンダ加工工程におけるフィルムの摩
耗粉の発生がなく、かつ耐スクラッチ性に優れた2軸配
向ポリエステルフィルムを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の2軸配向ポリエ
ステルフィルムは、芳香族ジカルボン酸を主とする酸成
分と、少なくとも一種のグリコール成分とからなるポリ
エステルフィルムであって、前記ポリエステルフィルム
が、平均粒径が0.01〜1.0μmかつモース硬度が
5以上である不活性無機化合物微粒子(A)を100〜
20000ppmの範囲で、平均粒径が0.1〜2.0
μmかつモース硬度が2.5以上5未満である不活性無
機化合物微粒子(B)を100〜20000ppmの範
囲で、かつ平均粒径が0.1〜5.0μmかつモース硬
度が2.5未満である不活性無機化合物微粒子(C)を
100〜20000ppmの範囲で含有することを特徴
とし、そのことにより上記課題が達成される。
【0012】好適な実施態様としては、前記不活性無機
化合物微粒子(A)が、アルミナおよびシリカからなる
群より選択される少なくとも1種の無機化合物であり、
前記不活性無機化合物微粒子(B)が炭酸カルシウムで
あり、かつ前記不活性無機化合物微粒子(C)がカオリ
ンである。
【0013】次に本発明を詳しく説明する。
【0014】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムは
ポリエステルを主成分とする。このポリエステルは、芳
香族ジカルボン酸を主とする酸成分と、少なくとも一種
のグリコール成分からなるが、その構成単位の95モル
%以上がエチレンテレフタレートであることが好まし
い。
【0015】テレフタル酸以外の他の酸成分としては、
イソフタル酸、p−β−オキシエトキシ安息香酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジカルボキシ
ビフェニル、4,4’−ジカルボキシベンゾフェノン、
ビス(4−カルボキシフェニル)エタン、アジピン酸、
セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、シク
ロヘキサン−1,4−ジカルボン酸等のジカルボン酸が
挙げられる。またエチレングリコール以外のグリコール
成分としては、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、
シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAのエチ
レンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリテトラメチレングリール等
が挙げられる。またp−オキシ安息香酸などのオキシカ
ルボン酸成分等も使用することができる。このほか共重
合成分として少量のアミド結合、ウレタン結合、エーテ
ル結合、カーボネート結合等含有する化合物を含んでい
てもよい。
【0016】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム
は、モース硬度が5以上の不活性無機化合物微粒子
(A)、モース硬度が2.5以上5未満の不活性無機化
合物微粒子(B)およびモース硬度が2.5未満の不活
性無機化合物微粒子(C)含有する。
【0017】上記不活性無機化合物微粒子(A)として
は、例えば、二酸化チタン(TiO2)、二三酸化鉄
(Fe34)、シリカ(SiO2)、炭化硅素(Si
C)、アルミナ(Al23)が挙げられ、中でもポリエ
ステルとの親和性に富むアルミナおよび/またはシリカ
が、得られるポリエステルフィルムの耐摩耗性および耐
スクラッチ性の点から最も好ましい。
【0018】上記アルミナとは、ジブサイト、バイヤラ
イト、ノルトスランダイト、ベーマイト、ダイアスボ
ア、トーダイト等の結晶性アルミナ水和物;無定型ゲ
ル、ベーマイトゲル、バイヤライトゲル等の非晶性アル
ミナ水和物;ρ、η、γ、χ、κ、δ、θ型などの中間
活性アルミナ;またはα型アルミナを意味するが、中で
もδ型またはγ型の中間活性型アルミナが好ましい。
【0019】上記シリカは、いかなる形態のものでも用
いることが可能であるが、得られるポリエステルフィル
ムの耐スクラッチ性の点からは球状のシリカが好まし
い。
【0020】上記不活性無機化合物微粒子(A)の平均
粒子径は0.01〜1.0μmであり、好ましくは0.
01〜0.5μm、特に好ましくは0.01〜0.1μ
mである。上記不活性無機化合物微粒子(A)の平均粒
子径が1.0μmを超える場合、得られるポリエステル
フィルムに粗大突起が発生するため、フィルムの耐摩耗
性が悪化する。さらに発生した摩耗粉によりフィルムの
耐スクラッチ性が悪化する。従ってこのようなフィルム
を磁気テープに用いると、ドロップアウトの原因とな
る。逆に、上記不活性無機化合物微粒子(A)の平均粒
子径が0.01μm未満の場合、ポリエステル中で不活
性無機化合物微粒子(A)の一部が凝縮し、粗大粒子を
形成するため、フィルムの耐摩耗性が悪化する。さらに
発生した摩耗粉によりフィルムの耐スクラッチ性が悪化
する。従ってこのようなフィルムを磁気テープに用いる
と、ドロップアウトの原因となる。
【0021】上記不活性無機化合物微粒子(A)の粒径
分布は、フィルムの破れや磁気テープに用いた場合のド
ロップアウトを防止するために、シャープでありかつ1
0μm以上の粒子を含有しないことが好ましく、2μm
以上の粒子の体積含有率が5%以下であることが特に好
ましい。
【0022】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム中
の上記不活性無機化合物微粒子(A)の含有量は、10
0〜10000ppmであり、好ましくは1500〜7
000ppmであり、特に好ましくは2000〜500
0ppmである。上記不活性無機化合物微粒子(A)の
含有量が10000ppmを超える場合、上記不活性無
機化合物微粒子(A)が高硬度であるために、かえって
得られるフィルムの耐スクラッチ性が悪化する。さらに
得られるフィルムの耐熱性も低下する。逆に上記不活性
無機化合物微粒子(A)の含有量が100ppm未満の
場合、得られるフィルムが充分な耐スクラッチ性を有し
ない。
【0023】上記モース硬度が2.5以上5未満である
不活性無機化合物微粒子(B)としては、例えば、炭酸
カルシウム(CaCO3)、硫酸バリウム(BaS
4)、フッ化カルシウム(CaF2)等が挙げられ、中
でも得られるポリエステルフィルムの走行性の面からは
炭酸カルシウム(CaCO3)が最も好ましい。
【0024】上記炭酸カルシウム粒子は、その結晶構造
により三方晶系または六方晶系に分類されるカルサイ
ト、斜方晶系に分類されるアラゴナイト、六方晶系また
は擬六方晶系に分類されるバテライトの3つの結晶型に
分類されるが、いかなる結晶型でもよく、またその形状
も、連鎖状球形粒子や立方体、紡錘状、柱状あるいは針
状、球形、卵型、等任意に選択できる。
【0025】上記不活性無機化合物微粒子(B)の平均
粒子径は、0.1〜5.0μmであり、好ましくは0.
2〜2.0μmであり、特に好ましくは0.25〜1.
0μmである。不活性無機化合物微粒子(B)の平均粒
子径が5.0μmを超える場合、得られるフィルムの表
面に粗大突起を生じるため、フィルムの耐摩耗性が悪化
する。さらに発生した摩耗粉によりフィルムの耐スクラ
ッチ性が悪化する。従って、このようなフィルムを磁気
テープに用いると、ドロップアウトの原因となる。逆
に、不活性無機化合物微粒子(B)の平均粒子径が0.
1μm未満の場合、ポリエステル中で不活性無機化合物
微粒子(B)の一部が凝縮し、粗大粒子を形成するた
め、フィルムの耐摩耗性が悪化する。さらに発生した摩
耗粉によりフィルムの耐スクラッチ性が悪化する。従っ
て、このようなフィルムを磁気テープに用いると、ドロ
ップアウトの原因となる。
【0026】上記不活性無機化合物微粒子(B)の粒径
分布は、フィルムの破れや磁気テープに用いた場合のド
ロップアウトを防止するために、シャープでありかつ1
0μm以上の粒子を含有しないことが好ましく、5μm
以上の粒子の体積含有率が5%以下であることが特に好
ましい。
【0027】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム中
の上記不活性無機化合物微粒子(B)の含有量は、10
0〜20000ppmであり、好ましくは500〜70
00ppmである。特に好ましくは1000〜6000
ppmである。上記不活性無機化合物微粒子(B)の含
有量が20000ppmを超える場合、フィルムの表面
に粗大突起が生じるためフィルムの耐摩耗性が低下す
る。逆に上記不活性無機化合物微粒子(B)の含有量が
100ppm未満の場合、得られるポリエステルフィル
ムが充分な滑り性を有しない。
【0028】上記モース硬度2.5未満の不活性無機化
合物微粒子(C)としては、例えば、タルク、カリオン
等が挙げられ、中でも得られるポリエステルフィルムの
耐スクラッチ性の面からはカリオンが特に好ましい。上
記カオリン粒子は、天然カオリン、合成カオリン、焼
性、未焼性を問わずいかなるタイプでもよく、またその
形状も、板状、柱状、球形、紡錘状、卵型等任意に選択
できる。
【0029】上記不活性無機化合物微粒子(C)の平均
粒子径は0.1〜5.0μmであり、好ましくは0.2
〜2.0μmで、さらに好ましくは0.25〜1.0μ
mである。上記不活性無機化合物微粒子(C)の平均粒
子径が5.0μmを超える場合、得られるフィルムの表
面に粗大突起を生じるため、フィルムの耐摩耗性が悪化
する。さらに発生した摩耗粉によりフィルムの耐スクラ
ッチ性が悪化する。従って、このようなフィルムを磁気
テープに用いると、ドロップアウトの原因となる。逆
に、上記不活性無機化合物微粒子(C)の平均粒子径が
0.1μm未満の場合、ポリエステル中で不活性無機化
合物微粒子(C)の一部が凝縮し、粗大粒子を形成する
ため、フィルムの耐摩耗性が悪化する。さらに発生した
摩耗粉によりフィルムの耐スクラッチ性が悪化する。従
って、このようなフィルムを磁気テープに用いると、ド
ロップアウトの原因となる。
【0030】上記不活性無機化合物微粒子(C)の粒径
分布は、フィルムの破れや磁気テープに用いた場合のド
ロップアウトを防止するために、シャープでありかつ1
0μm以上の粒子を含有しないことが好ましく、5μm
以上の粒子の体積含有率が5%以下であることが特に好
ましい。
【0031】本発明の2軸配向ポリエステルフィルム中
の上記不活性無機化合物微粒子(C)の含有量は、10
0〜20000ppmであり、好ましくは1500〜7
000ppmであり、特に好ましくは2500〜500
0ppmである。上記不活性無機化合物微粒子(C)の
含有量が20000ppmを超える場合、フィルムの表
面に粗大突起が生じるためフィルムの耐摩耗性が低下す
る。逆に上記不活性無機化合物粒子(C)の含有量が1
00ppm未満の場合、得られるポリエステルフィルム
が充分な滑り性を有しない。
【0032】上記不活性無機化合物微粒子(A)、
(B)および(C)の平均粒子径とは、ストークスの式
に基づいて算出された等価球粒度分布の積算50%点に
おける点における径をさす。
【0033】上記不活性無機化合物微粒子(A)、
(B)または(C)は、その表面が各種の表面処理剤に
より変性されていてもよい。例えば、エチレングリコー
ルやポリエステルとの親和性を向上させる目的で使用さ
れる表面処理剤は、代表的なものにポリアクリル酸、ポ
リメタクリル酸等のアンモニウム塩およびアルカリ金属
塩;シランカップリング剤、チタンカップリング剤等が
ある。上記の表面処理剤は、一般に不活性無機化合物粒
子に対して5重量%以下の量が使用される。
【0034】上記不活性無機化合物粒子のポリエステル
内への導入方法は、ポリエステル重縮合反応系中に不活
性無機化合物粒子を添加し重縮合を完結せしめる方法
と、溶融ポリエステル中に不活性無機化合物粒子を添加
して混練りする方法があり、どちらの方法も採用するこ
とができるが、通常は、前者の方法が不活性無機化合物
粒子のポリエステル内への分散性の面から好ましい。
【0035】この場合、不活性無機化合物粒子は、通常
エチレングリコールスラリーとして反応系中へ添加され
るが、その添加時期は、使用する不活性無機化合物粒子
に依存するが、重縮合反応開始前が好ましい。
【0036】上記不活性無機化合物微粒子をポリエステ
ル中に含有させる方法としては、上記不活性無機化合物
微粒子(A)、(B)および(C)含有ポリエステルを
独立的に製造し、各ポリエステルを所定量混合する方
法、上記不活性無機化合物微粒子(A)、(B)および
(C)の中で2種類の不活性無機化合物微粒子を含有す
るポリエステルを製造し、所定量混合する方法、(例え
ば、不活性無機化合物微粒子(A)と(B)、または不
活性無機化合物微粒子(B)と(C)、または不活性無
機化合物微粒子(C)と(A)を含有するポリエステル
を製造し、所定量混合する方法)、上記不活性無機化合
物微粒子(A)、(B)および(C)を含有するポリエ
ステルを製造する方法がある。
【0037】特にアルミナ超微粒子、炭酸カルシウム等
を含有するポリエステルを製造する場合には、不活性無
機化合物微粒子の分散性および得られるフィルムの静電
密着性を改善する等の目的でアルカリ金属塩またはアル
カリ土類金属塩と、燐酸、燐酸アルキルエステル、また
はそれらの誘導体等を添加する。この場合、アルカリ金
属塩またはアルカリ土類金属塩と、燐酸、燐酸アルキル
エステル、またはそれらの誘導体等の添加したモル比
(燐酸またはその誘導体/((アルカリ金属)/2+
(アルカリ土類金属))は0.5〜0.9であることが
好ましい。上記のモル比が0.5未満または0.9を超
える場合、添加されたアルミナ超微粒子及び炭酸カルシ
ウム等の凝集が起こり易くなるため、ポリエステル内に
粗大粒子が発生し、フィルムの耐摩耗性が悪化する恐れ
がある。さらに発生した摩耗粉によりフィルムの耐スク
ラッチ性が悪化する恐れがある。従って、このようなフ
ィルムを磁気テープに用いると、ドロップアウトの原因
となる恐れがある。
【0038】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムを
製造する方法は、任意の方法が採用され、特に制限され
るものではないが、例えば以下の製造方法がある。まず
フィルム表面に突起を形成させるための上記不活性無機
化合物粒子を添加したポリエステルフィルムを、常法に
より、縦および横方向に2軸延伸する。延伸順序は縦
横、横縦、同時2軸いずれの方法をとってもよい。ま
た、横延伸と縦延伸及び同時2軸延伸を適宜組み合わせ
た3段階以上の延伸を行ってもよい。
【0039】ポリエステルフィルムを2軸延伸した後、
テンター中で熱処理を行う。熱処理は190〜230℃
で2〜10秒間行うことが、得られるポリエステルフィ
ルムの密度が好適な範囲となるため好ましい。さらに、
熱処理と同時に横方向または縦横両方向に2〜30%の
再延伸を行うことが、得られるポリエステルフィルムの
熱収縮率が好適な範囲となるため好ましい。
【0040】熱処理後には、横方向および縦方向に緩和
処理を行ってもよい。横方向への緩和はテンター中で行
うのが好ましい。緩和温度は130〜170℃の範囲で
あることが、フィルムの熱収縮率が好適な範囲となるた
め好ましい。さらに、所望の熱収縮率を得るために緩和
率は0.2〜10%の範囲で適宜調節すればよい。一
方、縦方向への緩和は、テンター中で横方向への緩和と
同時に行ってもよいが、加熱ロール上での緩和が好まし
い。縦方向への緩和は、フィルムの熱収縮速度を好適な
範囲とするために、80〜150℃の温度で行うことが
好ましく、緩和率は加熱ロールと前後のロール間でのテ
ンションコントロールによって適宜調節すればよい。
【0041】
【作用】本発明の2軸配向ポリエステルフィルムは、滑
剤として、モース硬度が異なった3種類以上の不活性無
機化合物微粒子を所定量含有するため、耐摩耗性および
耐スクラッチ性が優れている。特に不活性無機化合物微
粒子(A)としてアルミナおよび/またはシリカ、不活
性無機化合物微粒子(B)として炭酸カルシウム、不活
性無機化合物微粒子(C)としてカオリンを含有する2
軸配向ポリエステルフィルムは、非常に耐摩耗性および
耐スクラッチ性が優れている。これは、モース硬度の異
なる不活性無機化合物微粒子の組み合わせにより、得ら
れるフィルム中の突起を柔軟性を好適な範囲とするため
であると考えられる。
【0042】
【実施例】次に実施例及び比較例を用いて本発明を更に
詳細に説明するが、以下の実施例に限定されるものでは
ない。
【0043】以下に実施例及び比較例で得られたフィル
ムの測定方法を示す。
【0044】(1)不活性無機化合物微粒子の平均粒径 島津製作所(株)製延伸沈降式粒度分布測定器(SA−
CP−2またはCP−3)によって得た等価球状分布に
おける積算50%の点の値を平均粒径とした。
【0045】(2)フィルムの平均表面粗さ サーフコム300A型表面粗さ計(東京精密製)を用
い、針径1μm、加重0.07g、測定基準長0.8m
m、カットオフ0.08mmの条件で測定した時の中心
線平均粗さ(Ra:μm)で表示した。
【0046】(3)フィルムの滑り性 ASTM D−1894−63に準拠し、スレッド式ス
トリップテスターを用い、23℃、65RH%の環境条
件下でフィルム/フィルム間の静摩擦係数を測定した。
【0047】(4)フィルムのカレンダ加工工程におけ
る耐摩耗性 30cm幅のポリエステルフィルムを、4段のスーパー
カレンダ(線圧力300kg/cm、走行速度300m
/分)で40000m処理し、弾性ロールに付着した樹
脂粉末量を目視観察して以下のランク付けを行った。
【0048】1・・・樹脂粉末粉がまったく認められな
い 2・・・かすかに樹脂粉末粉が認められるが極めて微量
である 3・・・少量の樹脂粉末粉が認められる 4・・・多量の樹脂粉末粉が認められる 得られたポリエステルフィルムがランク1または2であ
れば実用上差し支えない。
【0049】(5)フィルムの耐スクラッチ性 幅10mmに裁断したポリエステルフィルムをプラスチ
ック製ピンに張力100g、巻き付け角90度、走行速
度150m/分で1回摩擦させつつ走行させる。次い
で、その摩擦面にアルミニウム蒸着を施し、その実態顕
微鏡写真で傷の量を目視判定し、以下のようにランク分
けした。
【0050】1・・・傷がまったく認められない 2・・・かすかに傷が認められるがきわめて微量である 3・・・小量の傷が認められる 4・・・多量の傷が認められる 得られたポリエステルフィルムがランク1及び2であれ
ば実用上差し支えない。 実施例1 <ポリエステルaの調製>平均粒径0.08μmのγ型
酸化アルミニウム(モース硬度8〜9)およびエチレン
グリコールを混合し、ホモジナイザーで攪拌処理し、γ
型酸化アルミニウム20重量%のスラリーを得た。
【0051】他方、テレフタル酸100重量部、エチレ
ングリコール70.7重量部、三酸化アンチモン0.0
697重量部、トリエチレンアミン0.271重量部お
よび酢酸マグネシウム0.0931重量部を混合して、
250℃、2.5kg/cm2の圧力下でエステル化を
行った。
【0052】エステル化終了後、この溶液にトリメチル
ホスフェート0.0327重量部を加えて常圧下、26
0℃で攪拌を行った。30分後、γ型酸化アルミニウム
濃度が生成ポリエステルに対して2重量%となるよう
に、前記スラリーを所定量加えてさらに30分攪拌を行
った。その後、真空下で重縮合反応を行い、極限粘度η
=0.58のポリエチレンテレフタレート組成物を得た
(ポリエステルa)。
【0053】<ポリエステルbの調製>上記ポリエステ
ルaの製造において、γ型酸化アルミニウムの代わりに
平均粒径の0.45μmの炭酸カルシウム(モース硬度
3)を添加したこと以外はポリエステルaの製造と同様
にして、炭酸カルシウム濃度2重量%の極限粘度η=
0.62のポリエチレンテレフタレート組成物を得た
(ポリエステルb)。
【0054】<ポリエステルcの調製>上記ポリエステ
ルaの製造において、γ型酸化アルミニウムの代わりに
平均粒径の0.4μmのカオリン(モース硬度1)を添
加したこと以外はポリエステルaの製造と同様にして、
カオリン濃度2重量%の極限粘度η=0.62のポリエ
チレンテレフタレート組成物を得た(ポリエステル
c)。
【0055】<ポリエステルdの調製>上記ポリエステ
ルaの製造において、不活性無機化合物粒子を添加しな
かったこと以外はポリエステルaの製造と同様にして、
極限粘度η=0.62のポリエチレンテレフタエート組
成物を得た(ポリエステルd)。
【0056】上記の不活性無機化合物粒子が表1に示し
た濃度になるように、得られた上記ポリエステルa、ポ
リエステルb、ポリエステルcおよびポリエステルdを
所定の重量比で混合、乾燥した後、280℃で溶融し、
ついで30℃の冷却ドラム上にキャスティングすること
により厚さ220μmの未延伸フィルムを得た。次いで
このフィルムを75℃に加熱したロール、および表面温
度600℃の赤外線ヒーター(フィルムから20mm離
れた位置に設置)を用いて加熱した後、低速ロールと高
速ロールとの間で縦方向に3.3倍延伸した。更にこの
フィルムをテンター中で100℃で横方向に4.4倍延
伸した。テンター中では、横延伸後、220℃で約1時
間の熱処理、熱処理と同時に横方向への5%の再延伸、
熱処理後の150℃での横方向への緩和を行った。次い
で120℃に加熱したロールにフィルムを接触させ、加
熱ロールとその前後のロールとの間の張力をコントロー
ルすることによって縦方向への緩和を行い、厚さ15μ
mの2軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0057】実施例2〜6および比較例1〜2 実施例1と同様にポリエステルa〜cを調製し、次いで
不活性無機化合物微粒子が表1に示した濃度になるよう
に、得られたポリエステルa〜dを用いて実施例1と同
様にして2軸配向ポリエステルフィルムを得た。
【0058】実施例7〜8および比較例3〜4 実施例1と同様にポリエステルa〜cを調製し、次いで
不活性無機化合物微粒子が表1に示した濃度になるよう
に、得られたポリエステルa〜dを用いて実施例1と同
様にして2軸配向ポリエステルフィルムを得た。但し、
ポリエステルaとして、γ型酸化アルミニウムを用いて
実施例1と同様の方法により製造したポリエステルおよ
び球状シリカを用いて実施例1と同様の方法により製造
したポリエステルを用いた。
【0059】実施例1〜8および比較例1〜4で得られ
た2軸配向ポリエステルフィルムについてその特性を評
価した。その結果を表1に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、実施例1〜8で
得られた2軸配向ポリエステルフィルムは、カレンダ加
工工程における耐摩耗性および耐スクラッチ性に優れて
いることがわかる。
【0062】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明
は、耐摩耗性に優れ、それゆえ、カレンダ加工工程にお
けるフィルムの摩耗粉の発生がなく、かつ耐スクラッチ
性に優れた2軸配向ポリエステルフィルムを提供するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:16 B29L 7:00 4F (72)発明者 大橋 英人 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社フィルム研究所敦賀分室内 (72)発明者 西野 泰弘 福井県敦賀市東洋町10番24号 東洋紡績株 式会社フィルム研究所敦賀分室内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族ジカルボン酸を主とする酸成分と、
    少なくとも一種のグリコール成分とからなるポリエステ
    ルフィルムであって、 該ポリエステルフィルムが、平均粒径が0.01〜1.
    0μmかつモース硬度が5以上である不活性無機化合物
    微粒子(A)を100〜20000ppmの範囲で、平
    均粒径が0.1〜2.0μmかつモース硬度が2.5以
    上5未満である不活性無機化合物微粒子(B)を100
    〜20000ppmの範囲で、かつ平均粒径が0.1〜
    5.0μmかつモース硬度が2.5未満である不活性無
    機化合物微粒子(C)を100〜20000ppmの範
    囲で含有する、2軸配向ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】前記不活性無機化合物微粒子(A)が、ア
    ルミナおよびシリカからなる群より選択される少なくと
    も1種の無機化合物であり、前記不活性無機化合物微粒
    子(B)が炭酸カルシウムであり、かつ前記不活性無機
    化合物微粒子(C)がカオリンである、請求項1に記載
    の2軸配向ポリエステルフィルム。
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