JPH0670885B2 - 誘電体材料 - Google Patents

誘電体材料

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JPH0670885B2
JPH0670885B2 JP62262465A JP26246587A JPH0670885B2 JP H0670885 B2 JPH0670885 B2 JP H0670885B2 JP 62262465 A JP62262465 A JP 62262465A JP 26246587 A JP26246587 A JP 26246587A JP H0670885 B2 JPH0670885 B2 JP H0670885B2
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邦生 土地
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Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 この発明は、誘電体材料、特にマイクロ波帯の周波数域
において優れた誘電特性を有する誘電体材料に関する。
〔背景技術〕 近年、衛生放送、自動車無線、パーソナル無線等のよう
なマイクロ波帯を利用した通信システムの利用が盛んで
ある。これらのシステムに用いられる通信機器のフィル
タや周波数安定化用共振器等の共振回路系には、もっぱ
ら誘電体共振器が使われる。共振器用の誘電体材料に
は、当然、マイクロ波帯において高い比誘電率と低い誘
電損失をもつことが要求される。
比誘電率に関しては、普通、この材料を誘電体共振器と
して用いたときの大きさが利用する周波数帯で取り扱い
易い寸法となるように選定する必要もあり、一義的には
定まらないのではあるが、10GHz帯では20〜40程度がよ
いとされている。ただ、最近ますます必要性の増す小型
化適性という観点からは、比誘電率はやはり大きい方が
好ましい。
一方、誘電損失(tanδ=1/Q)は小さいほどよく、
例えば、用いる周波数帯で1/10000程度は必要とされ
る。
マイクロ波帯に使われる誘電体材料として、従来、BaTi
4O9、Ba2Ti9O20、あるいはBa(Zn1/3Ta2/3)O3等が一般的
に知られている。
ところで、共振回路系の性能向上のために、誘電損失を
いっそう低くすることが求められている。極低誘電損失
の誘電体材料は、低位相雑音発振器や高電力用フィルタ
ー・分波器等にも利用可能となり、用途が広い。
〔発明の目的〕
この発明は、前記事情に鑑み、マイクロ波帯において、
実用的かつ小型化適性のある範囲の比誘電率を保持し、
低誘電損失特性を有するなど優れた誘電体材料を提供す
ることを目的とする。
〔発明の開示〕
前記目的を達成するため、発明者は、様々な角度から検
討を行った。そして、多数の誘電体材料のうちから、組
成式:Ba(A1/3B2/3)O3(但し、Aは2価イオン、Bは5
価イオン)であらわされ、複合ペロブスカイト系結晶構
造を有する誘電体材料に着目した。この誘電体材料は、
多数の元素からなる複雑な結晶構造を有しており、誘電
損失等の誘電特性の機構の解明が十分されておらず、改
善できる可能性が大きいとみたのである。
複合ペロプスカイト系結晶構造を有する誘電体材料で
は、そのマイクロ波領域の誘電特性に対してはイオン分
極が支配的である。この場合、以下に述べるように、赤
外活性な基準振動モードのTO(Transverse Optical Mod
e)モードの周波数と古典分散理論からマイクロ波領域
での比誘電率ε′(ε=ε′−jε″)および誘電損
失(tanδ=1/Q)を推定することができる。
1.5tera〜300teraHz(50〜1000cm-1)の範囲の赤外線ス
ペクトルの測定結果をクラマース−クローニッヒ〔Cram
ers−Kroning〕の関係式に適用し、赤外領域における各
TOモードの周波数(通常、複数のTOモードがある)とそ
れぞれの周波数におけるε″の値、すなわち周波数(赤
外領域)−複素誘電率の虚数部ε″の誘電分散を求め
る。この結果を、さらに古典分散理論から導かれる下記
(2)式に適用するのである。ただし、(2)式はν
《ν(ω=2πν)の条件で近似式化されている。
ただし、ν=:TOモードの周波数 4πρ:TOモードの周波数νにおける複素誘電率の
ε″成分の値に応じて定まる共振の強さの値 γ:減衰定数 ε∞:電子分極の与える誘電率の近似値 上記の(2)式は、TOモードの周波数νが上がれば誘
電損失が小さくなることを示している。このことから、
発明者は、上記誘電体材料の格子振動の解析を試み以下
の知見を見出すことができた。すなわち、上記誘電体材
料では、赤外活性な格子振動が内振動と外振動からな
る。ここで言う内振動とは、Aイオン(またはBイオ
ン)とこのイオンに最近接なO(酸素)イオンの間で起
こる振動であり、外振動とは、Aイオン(またはBイオ
ン)およびOイオンの集団とBaイオンとの間で起こる振
動であり、長距離的なクーロン相互作用である。したが
って、外振動のTOモードの周波数の方が内振動のそれよ
りも低く、そのため、外振動のTOモードの周波数を高く
することができれば、これに伴い誘電損失も低下させら
れるであろうという知見が得られたのである。
外振動の周波数は、Baイオンの質量と密接な関係があ
る。Baイオンの質量がもし小さくなれば外振動の周波数
が高くなることになるのである。そこで、このBaイオン
の一部を他のイオン、より質量の小さいイオンで置き換
え、誘電損失を小さく、かつ、比誘電率ε′を実用的な
範囲に維持することができると推察し、その方向でさら
に深く検討を続けた。その結果、Baイオンの一部をSrイ
オンで置き換えれば、実用的な比誘電率ε′を維持しつ
つ、誘電損失を小さくすることができることを見出せた
のである。Srの原子量は87.6であり、Baの原子量の137.
3のそれよりも相当に小さく、上記推察の正さが裏付け
られた恰好となっている。
したがって、この発明は、 Ba1-xSrx(A1/3B2/3)O3 (ただし、Aは2価イオン、Bは5価イオン) であらわされ、複合ペロブスカイト系結晶構造を有する
4元素型の誘電体材料であって、AイオンはZnまたはC
o、BイオンはTaまたはNbであり、AイオンがZnの場合
はBイオンがTaであり、AイオンがCoの場合はBイオン
がNbであるとともに、1−X:Xが0.6:0.4〜0.1:0.9の範
囲にあることを特徴とする誘電体材料を要旨とする。
つまり、この発明は、Ba1-xSrx(Zn1/3Ta2/3)O3なる組成
式で示される酸素は別としてBa、Sr、Zn、Taの4つの元
素のみの4元素型の構成であってXが0.4〜0.9の範囲に
ある誘電体材料か、あるいは、Ba1-xSrx(Co1/3Nb2/3)O3
なる組成式で示される酸素は別としてBa、Sr、Co、Nbの
4つの元素のみの4元素型の構成であってXが0.4〜0.9
の範囲にある誘電体材料なのである。
Baイオンの置換割合、すなわち、Baイオン(1−x):S
rイオン(x)は、比誘電率と誘電損失の観点から、0.
6:0.4〜0.1:0.9の範囲とされる。なお、比率はモル比で
ある。置換割合が上記比率を下回ると、Srによる置換効
果が少なく比誘電率と誘電損失の向上が十分でない。逆
に上記割合を上回ってしまっても、結晶構造の歪を生じ
るため向上の程度が小さい。誘電体材料は温度特性も重
要な要素であり、実用にあたっては、これらの各特性が
バランスする置換割合が選ばれることは言うまでもな
い。
BaイオンがSrイオンで置換された状態、すなわち、複合
ペロブスカイト系誘電体材料が、例えば、固溶体となっ
ているようにすればよい。
続いて,具体的な実施例と比較例の説明を行う。
〔実施例1〕 純度99.9%以上のBaCO3、SrCO3、ZnO、Ta2O5の各粉末を
用いた。これらを混合し、蒸留水を添加して24時間ボー
ルミル粉砕を行った後、乾燥させてから、温度:1100
℃、4時間の仮焼を行い粒状の複合ペロブスカイト系化
合物を得た。ついで、この化合物を再び粉砕し、所定の
形状にした後、ルツボ内のMgO板上に置いて、温度:1500
℃、2時間、空気雰囲気で焼成し誘電体材料を得た。得
られた材料の寸法は、直径約11mm、長さ約15mmの円柱で
ある。上記雰囲気が、チッソガス、アルゴンガス、ある
いは、酸素ガス雰囲気である場合もある。
なお、BaイオンとSrイオンの比(モル比)が第1表とな
るように、BaCO3、SrCO3粉末の割合を変えて誘電体材料
を作成した。比較のために、Baイオンを全く含まないも
のと、逆に、Srイオンを全く含まないものもそれぞれ作
成した。
〔実施例2〕 ZnO粉末の代わりにCoO粉末を用いるとともにTa2O5粉末
の代わりにNb2O5粉末を用い、温度:1000℃、4時間の仮
焼を行い、温度:1400℃、2時間、空気雰囲気で焼成す
るようにした以外は、実施例1と全く同様にして誘電体
材料を得た。
〔比較例1〕 Ta2O5粉末の代わりにNb2O5粉末を用い、温度:1075℃、
4時間の仮焼を行い、温度1500℃、2時間、空気雰囲気
で焼成するようにした以外は、実施例1と全く同様にし
て誘電体材料を得た。
〔比較例2〕 ZnO粉末の代わりにCoO粉末を用い、温度:1000℃、4時
間の仮焼を行い、温度1400℃、2時間、空気雰囲気で焼
成するようにした以外は、実施例1と全く同様にして誘
電体材料を得た。
〔比較例3〕 ZnO粉末の代わりにNiO粉末を用い、温度:1100℃、4時
間の仮焼を行い、温度1600℃、2時間、空気雰囲気で焼
成するようにした以外は、実施例1と全く同様にして誘
電体材料を得た。
〔比較例4〕 ZnO粉末の代わりにMgO粉末を用いるとともにTa2O5粉末
の代わりにNb2O5粉末を用い、温度1100℃、4時間の仮
焼を行い、温度1600℃、2時間、空気雰囲気で焼成する
ようにした以外は、実施例1と全く同様にして誘電体材
料を得た。
〔比較例5〕 ZnO粉末の代わりにNiO粉末を用いるとともにTa2O5粉末
の代わりにNb2O5粉末を用い、温度1100℃、4時間の仮
焼を行い、温度:1550℃、2時間、空気雰囲気で焼成す
るようにした以外は、実施例1と全く同様にして誘電体
材料を得た。
作成した誘電体材料が、ペロブスカイト系結晶構造をし
ており、かつ、BaイオンがSrイオンで置換されているこ
とは、X線回折により確認した。
各誘電体材料の比誘電率ε′、および、Q値を、各G〜
20数GHz帯における測定に適した誘電体円柱共振器法に
より測定した。測定に用いた機器は、ヒューレット・パ
ッカード社製:ネットワークアナライザ8510Tである。
測定結果を、第1〜7表に示す。
上記第1〜7表から、Srイオンの添加により、比誘電率
特性および誘電損失特性が向上していることがよく分か
る。
実施例1,2の材料は、比較例の場合と異なり、εが30
を越し実用的かつ小型化適性のある範囲の比誘電率を保
持しており、前記した共振器のみならず、マイクロ波集
積回路用基板として用いたり、導波管の空洞内に入れ導
波管の小型化を図るのに用いたりもできる。
実施例の場合、比較例4のBa1-xSrx(Zn1/3Nb2/3)O3など
に比べて、組成式中のxの比較的広い範囲で温度係数が
低く、温度係数(誘電体共振器とした場合の共振周波数
の対温度変化率)の低いものが得やすいということも言
え好ましい。
この発明は、上記実施例に限らない。誘電体材料が上記
に例示した以外の製法で作られてもよい。誘電体材料が
単結晶であってもよい。
〔発明の効果〕
この発明にかかる誘電体材料は、上記に述べたような構
成であるので、εが30を越し実用的かつ小型化適性の
ある範囲の比誘電率を保持している上、誘電損失も少な
く、また、温度係数(誘電体共振器とした場合の共振周
波数の対温度変化率)の低いものが得やすいという顕著
な効果を奏し、有用性が顕著である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】組成式: Ba1-xSrx(A1/3B2/3)O3 (ただし、Aは2価イオン、Bは5価イオン) であらわされ、複合ペロブスカイト系結晶構造を有する
    4元素型の誘電体材料であって、AイオンはZnまたはC
    o、BイオンはTaまたはNbであり、AイオンがZnの場合
    はBイオンがTaであり、AイオンがCoの場合はBイオン
    がNbであるとともに、1−X:Xが0.6:0.4〜0.1:0.9の範
    囲にあることを特徴とする誘電体材料。
JP62262465A 1987-10-17 1987-10-17 誘電体材料 Expired - Lifetime JPH0670885B2 (ja)

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